研究推進基盤センター
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〔最終更新〕 2025年6月16日
当研究室は、病原微生物や放射線等を安全に使用できるよう、施設設備ならびに研究材料の管理するとともに、研究者に対する教育訓練を担っています。あわせて、老化に伴う免疫機能低下のメカニズムを解明し、これを予防、改善することを目指した研究を行っています。
*詳しい内容については「研究概要」をご覧ください。
RIを用いた実験を行うことができる管理区域が、第1研究棟内に2カ所設置されています。当研究室では、放射線障害防止法などの法令に則って安全かつ円滑に実験が遂行できるよう、管理区域ならびに共通機器の管理を行うとともに、利用者に対する教育、訓練を行っています。
生体物質や化合物に標識された非密封のRIを用いて、遺伝子やタンパクを解析したり、細胞や生体内での物質の分布、移動、変化を解析したりすることができる施設です。一般的な実験室の他に、細胞培養室、測定室、冷蔵室、暗室、動物飼育室などを有しており、RIを用いた様々な実験を行うことができます。動物飼育エリアには、X線照射装置とX線撮影装置が設置されています。
小動物用PET装置やサイクロトロンが設置されており、PETプローブを標識合成し、生体内でイメージングする実験を行うことができます。動物飼育室には個別換気ケージが設置されており、長期にわたって動物を飼育し、PETイメージングで繰り返し観察することを可能にしています。
[画像:1F_RI]
バイオセーフティレベル(BSL)2レベルの感染実験室で、ウイルス実験室と細菌実験室があります。細菌やウイルスと言った病原体を用いた実験や、ウイルスベクターを用いたP2レベルの遺伝子組換え実験を行うことができます。また、実験動物施設に、P2実験室とP3A実験室があり、実験動物を用いた感染実験を行うことができます。
室長 | 錦見昭彦 NISHIKIMI Akihiko |
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連絡先 | a-nishikimi*ncgg.go.jp (*を@に変えて送ってください) |
経歴 |
国立長寿医療研究センター研究所 研究推進基盤センター センター長代理
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専門分野 | 免疫学、生化学、細胞生物学 |
研究員 | 近藤遼平 KONDO Ryohei |
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連絡先 | r-kondo*ncgg.go.jp (*を@に変えて送ってください) |
専門分野 | 再生医学、免疫学 |
研究補助員 | 廣川順子 HIROKAWA Junko |
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十鳥夕子 TOTTORI Yuko |
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山田あかね YAMADA Akane |
RI管理室 | 今井康雄 IMAI Yasuo |
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外来研究員 | 藤原光宏 FUJIWARA Mitsuhiro |
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客員研究員 | 中西章 NAKANISHI Akira |
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研究生
野本侑希 NOMOTO Yuki大学院生(博士課程・修士課程)、研究生を随時募集しております。詳細につきましては錦見までお問い合わせください。
ウイルスや細菌といった病原体などが感染することにより発症する病気が数多く知られています。免疫系は、これら病原体などの体内への侵入を感知して取り除くことにより、私たちの体を病原体から防御しています。また、私たちの免疫系は、過去に感染した病原体の情報を記憶し、同じ病原体が再度侵入した際に迅速かつ強力に対応する能力を備えています。予防接種などのワクチン投与はこの性質を利用しており、あらかじめ病原体の成分などを投与して免疫系に病原体の情報を記憶させ、実際に病原体が感染することを防いでいます。
病原体の情報は記憶細胞とよばれるリンパ球にが担っており、ひとつの細胞がそれぞれ特定の抗原の情報を記憶しています。加齢に伴って免疫担当細胞の供給が低下することに加え、様々な病原体の感染を経験することで記憶細胞の割合が増え、新たに侵入した病原体の情報を記憶する細胞をつくる余地が少なくなります。このような状態では、ワクチンを投与しても十分な記憶が形成されず、感染症に対する抵抗力が得られなくなります。特に、新型インフルエンザのような新たな病原体に対する抵抗力をつけることが難しくなります。
私たちの免疫系は、病原体を攻撃することで感染を防いでいるほか、病原体に狙いを定めることにより、自身の細胞や組織への損傷を最小限にとどめるようにしています。年齢を経ると、免疫担当細胞の攻撃能力が低下するだけでなく、特定の病原体に狙いを定める能力が衰えた細胞が増えてきます。その結果、弱い攻撃が長期間にわたって広範囲で続くことになり、慢性的な炎症につながります。
この研究では、免疫記憶が形成されるメカニズムや免疫担当細胞が老化するメカニズムを解明し、その結果に立脚して、高齢者でも十分な免疫記憶を誘導できる方法や、老化した細胞を取り除いて免疫機能を維持する方法を開発することを目指しています。
Fujiwara M, Kondo R, Sugiyama Y, Maruyama M, Nishikimi A. Increased Fascin1 and Pak1 expressions enhanceage-associated B-cell actin cytoskeleton remodeling and motility. Cell Biochem Funct (2025) 43: e70090. [先頭へ戻る
住所:〒474-8511 愛知県大府市森岡町7-430 国立長寿医療研究センター研究所
TEL:0562-46-2311(代表)
内線:5244
e-mail:a-nishikimi*ncgg.go.jp(*を@に変換してください)
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