酷暑期や厳寒期の診断(調査)は体力を大きく消耗するので辛いと感じる時もありますが、真摯に取り組む姿を見たお客様から感謝されることもあります。労いの言葉をいただくと嬉しいですね。
補強設計においては、思うように評点を上げることができず、何度も検討することがあります。また、補強工事においては、土塗り壁の家でホコリがたくさん出たり、資材の搬入が大変な立地の現場もあります。しかしながら補強計画通り工事が完了し、お客様から喜びや感謝の言葉をいただけた時には、多くの苦労が報われて、大きな喜びと達成感を味わうことができます。
まず診断(調査)に入る前に、この診断の意味・方法(各部屋、床下、天井裏での作業内容)、結果(評点)の考え方を丁寧に説明することが重要だと考えます。理解が深まれば、診断(調査)に様々な協力をいただけることにつながります。
天井裏では筋交い位置の確認をしますが、その際に手の届かないところのチェックのために伸縮棒を活用しています。市販の掃除ワイパーの先端(通常、最も必要な部分)を取り除き、スティック部分のみ使っています。
水廻りや内外装修繕のような使い勝手や見た目を向上させる一般リフォームとは異なり、耐震補強工事は住まい手の命を守る仕事です。地味な仕事ですが、大きな責任をもって取り組まなければいけません。大変な重圧を感じますが、これほどやりがいのある仕事はないと思います。
また、耐震診断は人の健康診断に似ています。いい加減な間違った診断から、適切な処方せん(耐震設計)は作れませんし、治療(補強工事)もできません。最初の診断をいかに丁寧で正確にできるかが、この耐震事業の要だと思います。