2024年(令和6年)1月1日午後4時10分、石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生。2024年12月24日時点で489名の命が奪われました。この能登半島地震は津波、地盤の隆起、液状化、火災といった複合災害をもたらし、復旧・復興の難しさを浮き彫りにした震災です。また、犠牲者の半数以上である261人が震災関連死でした。
国土交通省の国総研(国土技術政策総合研究所)が11月に公表した「令和6年能登半島地震建築物被害調査等報告(速報)中間とりまとめ」によると、木造住宅の被害状況が明らかになりました。1981年〜2000年に建てられた「81-00(ハチイチゼロゼロ)住宅」では16.9%が「倒壊・崩壊」または「大破」と判定され、無被害は26.5%にとどまりました。4戸中3戸が何らかの被害を受けていたことになります。
劣化が進行すると、新築時の住宅本来の耐震性が失われ、大地震で倒壊するリスクが高まります。これは、1981〜2000年に建築された住宅や2000年基準の住宅でも同様です。そのため、耐震診断を実施し、劣化の有無を確認することが重要です。
阪神・淡路大震災では多くの木造住宅が倒壊しましたが、その原因は何だったのでしょうか?
倒壊の様子を見ると、大きく2つの特徴がありました。
古い木造住宅は全体的に老朽化が進んでいて、1階2階共に崩れて全壊しました。これは能登半島地震でもやはり劣化している住宅で被害が大きかったことがわかってきました
1階だけが崩れて、2階が1階を押しつぶすように倒壊しました
住宅は「建築基準法」に基づいて建てられていますが、1981年(昭和56年5月)よりも前に建てられた木造住宅は、現在の建築基準よりも壁の量が少なかったため、地震の力に耐えられませんでした
家の重さの中心(重心)と、家の強さの中心(剛心)のバランスが悪く、地震の力を受けた住宅の揺れが大きくなり、ねじれを起こして倒壊しました
2000年5月(平成12年)よりも前の建築基準では、土台と柱がつながる部分の決まり(基準)がありませんでした。そのため、地震の力がかかった時に柱が抜け(ホゾ抜け)てしまい、倒壊しました。下の写真はホゾ抜け模型によるイメージです。このように柱が抜けてしまうと、倒壊する原因となります。
柱や土台など、家の構造上重要な部分が腐ったり、シロアリに喰われていることが原因で、建物全体が弱くなってしまった。
ですから、こうした家に弱い部分が無いか、確認しておく必要があります。
毎年のように巨大地震が発生していることがわかります。
地震の活動期に入ったといわれている今、いつ・どこで巨大地震が発生しても不思議ではありません。
だから、自宅が地震に耐えられるのかどうか、確認する必要があるのです。