20第3章第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
働く前の基礎知識
1-1 在留資格
外国人は、許可された在留資格の範囲内で、日本で活動することが認められています。
就労できるかどうかに着目してみると、大きく次の3種類に分けられます。
在留資格で定められた範囲で就労できる在留資格
外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、
研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習、
特定活動(ワーキングホリデー、EPA に基づく外国人看護師・介護福祉士など)
原則として就労が認められない在留資格
文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在
就労活動に制限のない在留資格
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者
1-2 仕事の探し方
(1)ハローワーク
• ハローワーク(公共職業安定所)では、無料で仕事の紹介を受けることができます。ハ
ローワークについての詳細は P32 を参照してください。
(2)紹介会社を利用する場合
• 有料の職業紹介会社を利用する場合は、仕事探しのトラブルを避けるために適正な会
社を選びましょう。
仕事の紹介に、お金を要求されていませんか?
仕事を紹介してもらうためや、働くためにお金を払う必要はありません。
払った場合、証拠は保管しましょう。1雇用・労働 213 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
許可を持っているか、確認できる会社ですか?
仕事の紹介(職業紹介)をするためには、許可が必要です。許可番号を確認しメモして
おきましょう。
働く条件をきちんと教えてもらっていますか?
仕事の内容や給料、働く場所など求人の条件は書面などで示すことになっていますので、
必ず確認し保管しましょう。
• 許可・届出については「人材サービス総合サイト」で確認できます。
https://jinzai.hellowork.mhlw.go.jp/JinzaiWeb/GICB101010.do?action=
initDisp&screenId=GICB101010
1-3 働く形態
(1)派遣労働者(派遣社員)
• 派遣とは、次のような働く形態のことをいいます。
1 労働者は、派遣会社(派遣元)との間で労働契約を結びます。
(派遣会社が雇用
主になり、賃金を支払います。)2 労働者は、
派遣会社が労働者派遣契約を結んでいる会社(派遣先)に派遣されます。
3 労働者は、派遣先の指揮命令を受けて働きます。
• 労働者派遣法において、派遣労働者を守るために、派遣会社や派遣先が守らなければ
ならないルールが定められています。
• 派遣で働いてトラブルが起こった場合は、派遣会社と派遣先に、それぞれ相談を受け
る担当者がいますので、相談できます。
• 派遣で働く場合、労働基準や安全衛生に関する事項も含めて、派遣会社と派遣先との
間で責任が分担されています。
(2)契約社員(有期労働契約の社員)
• 契約社員とは、事業主と期間の定めのある労働契約を締結している労働者のことです。
• あらかじめ契約期間が定められている労働契約を結んだ場合、契約期間の満了によって、
契約そのものも自動的に終了します。. ただし、労働者と会社が合意して労働契約を締結し直し(更新し)
、契約期間を延長す
ることもできます。
• 1回当たりの契約期間は(一定の場合を除き)最長3年です。
(3)パートタイム労働者
• パートタイム労働者とは、同じ事業主に雇用されている通常の労働者(いわゆる. 223 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
「正社員」
)と比べて、1 週間の所定労働時間((注記))が短い労働者のことです。. 例えば、
「パートタイマー」
「アルバイト」
「契約社員」
「臨時社員」
「準社員」など、.呼び方は異なっても、この条件を満たす労働者は、パートタイム労働者です。
((注記)) 1週間の所定労働時間とは、就業規則等で定められた始業時刻から終業時刻までの時間から休憩時間を
差し引いた労働時間を指します。
• パートタイム労働者も各種労働法が適用されます。そのため、要件を満たしていれば、
1 年次有給休暇を取得できます。
2 雇用保険や健康保険、厚生年金保険が適用されます。
• 会社は、労働者を雇い入れる際に、次の義務があります。
1 労働条件を明示すること。
2 特に重要な条件6つについては、
原則として文書を交付すること(1-4(2)参照)。 上記に加えて、パートタイム労働者や契約社員(有期労働契約の社員)の場合は、
「昇
給の有無」
「賞与(ボーナス)の有無」
「退職手当の有無」
「雇用管理の改善等に関する事
項に係る相談窓口」についても、
原則として文書の交付により明示しなければなりません。
詳細は、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に問い合わせてください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000177581.pdf
(4)業務委託(請負)契約を結んで働いている人
原則

「業務委託」や「請負」といった名称で働く場合には、注文者から受けた仕事の完成に
対して報酬が支払われるというものなので、注文者の指揮命令を受けない「事業主」と
して扱われ、基本的には「労働者」としての保護を受けることはできません。
例外
• ただし、
「業務委託」や「請負」といった名称で契約をしていても、その実際の働き方
から注文者の指示を受けていて「労働者」であると判断されれば、
「労働者」としての保
護を受けることができます。

「労働者」であるかどうかの判断について困ったときは、
労働基準監督署に相談してください。
1-4 労働契約(1)「労働者」の範囲

「労働者」とは、使用者の指揮命令の下で働き、その報酬として賃金を受ける人をいい、
労働基準法などの一部の労働法の保護を受けることができます。

「労働者」であるか否かは、
職種を問いません。正社員だけでなく、
派遣社員、
契約社員、
パートタイマー、アルバイトも、一般的には「労働者」です。 233 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
(2)労働条件の明示
• 労働者が賃金や労働時間などの労働条件についてよく理解しないまま働き始め、後に
会社とトラブルになるということのないよう、日本の労働基準法(働くことに関する法
律の一つ)では、労働契約を結ぶときには、会社が労働者に対して労働条件についてき
ちんと明示することを義務としています。
• 特に重要な次の項目については、会社は労働者に原則として書面を交付することで明
示しなければいけないことになっています。
(例外的に、労働者本人が希望する場合には、
FAX や電子メールなど(出力して書面が作成できるものに限る)による明示もできます。)1 契約はいつからいつまでか(契約期間に関すること)
(注記)
労働契約を結ぶときには、
契約期間を定める場合と、
契約期間を定めない場合があります。
正社員、
契約社員、パート、アルバイトなどの働き方の名前だけでは、契約期間の定めがあるかないかは判
断できません。働き方の名前だけではなく、
契約期間そのものについてしっかり確認してください。
2 期間の定めがある契約を結ぶ場合、契約の更新についての決まり(更新がある
かないか、更新する場合の判断の仕方など)
3 どこで、どのような仕事をするのか(仕事をする場所、仕事の内容)
4 仕事の時間や休みについての決まり(仕事の始まりの時刻と終わりの時刻、残業
があるかないか、休憩時間、休日・休暇、交替制勤務の場合のローテーションなど)
5 賃金はいくらで、いつ、どのように支払われるのか(賃金の決定、計算方法、
支払方法、計算期間と支払時期)
6 労働契約の終了についての決まり(解雇の事由を含む)
• これら以外の労働契約の内容についても、労働契約法により、使用者と労働者はでき
る限り書面で確認する必要があると定められています。
労働契約の禁止事項
労働基準法では、使用者が労働契約に盛り込んではいけない事項も定めています。1. 労働者が労働契約に違反した場合に違約金を支払わせることや、損害賠償額をあらかじ
め決めておくこと.
これは、違約金を定めたり、あらかじめ損害賠償の金額について定めておくことを禁止
するものです。そのため、損害賠償の金額を約束せず、労働者の故意や不注意による現実
に生じた損害について、会社が賠償を請求することは、禁止されていません。2. 労働することを条件として、労働者にお金を前貸しし、毎月の給料から一方的に天引き
する形で返済させること3. 労働者に強制的に会社にお金を積立てさせること.
積立ての理由は関係なく、社員旅行など労働者の福祉のためでも、強制的に積立てさせ
ることは禁止されています。ただし、労働契約とは関係なく、労働者の意思に基づき貯蓄
金の管理を会社に委託することについては、一定の条件の下で認められています。 243 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
労働条件が契約したときの約束と違っていたら・・・
• 実際に働き始めて、労働条件が契約したときの約束と違うことに気付いたら、労働者はその
ことを理由として、すぐに労働契約を解除することができます。
• 労働条件は、労使で結ぶ労働契約や会社の就業規則などによって決まっており、その最低基
準は労働基準法で定められています。
(労働基準法で定める基準に達しない労働条件については
無効となり、無効となった部分は労働基準法で定める基準によることになります。)• 実際に働き始めた後で、会社が労働者の同意なく一方的に、労働者にとって不利益な労働条
件に変更することは原則としてできません。
1-5 賃金
(1)最低賃金とは
最低賃金法によって定められている、会社が支払わなければならない賃金の最低額のこと
です。
(2)最低賃金の特徴
1 働き方の違いにかかわらず全ての労働者に適用されます。
2 ×ばつ【働いた時間分】を後から請求する
ことができます。
(3)休業手当
会社の責任で労働者を休ませた場合
労働者の最低限の生活の保障を図るため、会社は平均賃金の 60%以上の休業手当を支払
わなければなりません。したがって、会社の責任によるものである場合、一定程度の給料は
保障されます。
働くときのルール
2-1 賃金の支払われ方
賃金が全額確実に労働者に支払われるように、4つの原則が定められています。2 25
3 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
1 通貨払いの原則 原則 賃金は現金で支払われなければならない。
例外 労働者が同意した場合、銀行振込等も可能。.会社と労働組合で約束した場合は、.現物(会社の商品など)で支給可能。
2 直接払いの原則 賃金は、必ず労働者本人に直接支払われなければならない。
3 全額払いの原則 原則 賃金は全額支払わなければならない。
例外 所得税や社会保険料など法令で定められているものの控除。.労働組合や労働者の過半数を代表する人と協定を結んでい
る場合の一部控除。
4 毎月1回以上
定期払いの原則
原則 賃金は、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払われる。
➡ 
例えば、2か月分の賃金をまとめて支払うことは認め
られない。この他、
「毎月 20 日から 25 日」というよ
うに支払日が特定されないことや、
「毎月第4金曜日」
というような月7日の範囲で変動する支払日を設定す
ることは認められない。
例外 
臨時の賃金や賞与 ( ボーナス )。
2-2 労働時間・休憩・休日
(1)労働時間
• 働く時間の上限は法律で制限されています。
• 労働基準法では、原則として1日8時間以内、1週間で 40 時間以内(法定労働時間)
と定めています。
• 会社は、労働者に時間外労働をさせた場合、割増賃金を支払わなければなりません。
(2)休憩
会社は、労働者に勤務時間の途中で、1日の労働時間が6時間を超える場合には少なくと
も 45 分、8時間を超える場合には少なくとも 60 分の休憩を与えなければなりません。
(3)休日
会社は、
労働者に毎週少なくとも1回、
あるいは4週間を通じて4日以上の休日
(法定休日)
を与えなければなりません。 263 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
(4)派遣社員の労働条件決定に関する義務
派遣社員の労働条件の決定については、派遣元が責任を負っていますが、労働時間、休憩、
休日などを守ることについては、派遣先に責任があります。
年次有給休暇
年次有給休暇とは、所定の労働日に仕事を休んでも賃金が支払われる休暇のことです。原則とし
て、労働者の希望する日に取ることができ、使用目的は自由です。労働者は6か月継続して勤務し
ていて、全労働日の8割以上を出勤していれば、10 日間の年次有給休暇を取ることができます。
さらに勤続年数が増えていくと、8割以上の出勤の条件を満たしている限り、1年ごとに取れる休
暇日数は増えていきます(上限 20 日)
。なお、会社は、10 日以上の年次有給休暇が与えられる労
働者に対し、5日について、毎年、時季を指定するなどして与えなければなりません。
また、派遣社員やパートタイム労働者など正社員以外の働き方をしている労働者でも、
• 6か月間の継続勤務((注記))
• 全労働日の8割以上の出勤
• 週5日以上又は年217日以上の勤務
という3つの条件を満たせば、年次有給休暇は正社員と同じ日数が与えられます。
(週4日以下
又は年216日以下の勤務であったとしても、週の所定労働時間が 30 時間以上であれば、正社員
と同じだけ年次有給休暇が与えられます。週の所定労働時間が4日以下かつ1年間の所定労働日数
が216日以下で、週の所定労働時間が 30 時間未満の場合は、その所定労働日数に応じた日数の
年次有給休暇が与えられます。)((注記)
)有期契約の社員が契約を更新したときの扱いについては、契約の更新が継続雇用と変わらな
い場合には、更新前の期間中の勤務も含まれます。
2-3 時間外労働・休日労働
(1)時間外労働・休日労働
• 会社は、次の場合には、労働者の過半数で組織する労働組合、又は労働者の過半数で
組織する組合がない場合は労働者の過半数を代表する人との書面での協定
(以下
「36協定」
といいます)を結ぶ必要があります。
1 労働者に法定労働時間を超えて労働させる場合
2 法定休日に労働させる場合
• 時間外労働の上限は法律で制限されています。
• 労働基準法では、この上限を、原則、月 45 時間、年 360 時間と定めています(臨時
的な特別の事情がある場合でも、年 720 時間、単月 100 時間未満(休日労働含む)
、複
数月平均 80 時間(休日労働含む)が限度で、時間外労働が 45 時間を超えることができ
る月は年6回まで)。 27
3 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
(2)割増賃金
会社は、36 協定によって、法定労働時間を超えて働かせる場合や法定休日に働かせる場
合には、割増賃金を支払わなければなりません。
割増賃金の計算方法
1 法定労働時間を超えて働かせたときは 25%以上増し
(注記)
1か月 60 時間を超える法定時間外の労働については 50%以上の割増賃金が支払われなければなりません。
2 法定休日に働かせたとき(休日労働)は 35%以上増し
3 午後 10 時から午前5時までの深夜に働かせたとき(深夜労働)は 25%以上増し
例えば、法定労働時間外の労働かつ深夜労働であった場合(1+3)は、支給される賃金は
50%以上増しとなります。
割増賃金も雇用形態にかかわらず、全ての労働者に適用されます。よって、派遣社員、契約社員、
パートタイム労働者、アルバイトにも支払わなければなりません。
2-4 母性健康管理・産前産後休業・育児休業・介護休業
(1)妊娠したら
• 妊娠中の女性労働者
(一部、
出産後1年を経過しない女性労働者も含みます。
その場合は、
以下「妊産婦」といいます。
)は次のことが請求できます。
1 他の軽易な業務に転換すること(妊娠中のみ)
2 1週間又は1日の労働時間が法定時間を超えないこと.
(変形労働時間制の場合も含む)
(妊産婦)
3 時間外労働、休日労働又は深夜業をしないこと(妊産婦)
(注記)会社は、次の措置を講じなければなりません。
1 女性労働者が妊産婦のための保健指導又は健康診査を受診するための時間を確
保すること
2 女性労働者が健康診査などで、医師又は助産師から指導を受けた場合は、その
女性労働者が受けた指導事項を守ることができるようにするために、勤務時間の
変更や勤務の軽減などの措置を講じること
(注記)
医師又は助産師から指導を受けた場合は、母性健康管理指導事項連絡カードを会社
に提出しましょう。 母性健康管理指導事項連絡カード(英語、
中国語、
ポルトガル語の各併記版)は次のウェ
ブサイトに掲載されています。 283 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
女性労働者の母性健康管理等について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/
seisaku05/index.html
• 会社は、次のことを禁止されています。
1 女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定する定
めをすること
2 女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇すること
3 女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、産前産後休業を請求したことなど
を理由として、その女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをすること
(注記)
妊産婦に対してなされた解雇は、無効です。ただし、会社がその解雇について妊娠・出産などを理由と
する解雇でないことを証明したときは、この限りではありません。
(2)産前産後休業
• 会社は、次の期間の女性労働者を就業させてはなりません。
1 女性労働者本人の請求があった場合、出産予定日前の6週間(多胎妊娠の場合
は 14 週間)
2 産後の8週間(ただし、産後6週間経過後に、本人が請求し、医師が支障がな
いと認めた業務に就くことはできます)
(3)育児休業
• 子どもが1歳(一定の場合は最長2歳)になるまでの期間、男女労働者が休業を取得
することを育児休業といいます。分割して2回取得できます。
• 子どもの出生後8週間以内に4週間、男女労働者が休業を取得することを産後パパ育
休といいます。育児休業とは別に、分割して2回取得できます。
• 会社(派遣先にも適用)は次のことを行ってはいけません。
1 育児休業・産後パパ育休の申込みを断ること
2 育児休業・産後パパ育休の申込みや取得を理由に解雇などの不利益な扱いをす
ること
(4)介護休業
• 労働者は次の休業を取得することができます(育児・介護休業法)。1 要介護状態にある対象家族を介護するための休業
2 期間は、対象家族1人につき、通算 93 日を合計3回まで分割可能 293 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
• 会社(派遣先にも適用)は次のことを行ってはいけません。
1 介護休業の申込みを断ること
2 介護休業の申込みや取得を理由に解雇などの不利益な扱いをすること
詳細は、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に問い合わせてください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000177581.pdf
各種手当金
• 産前産後休業中に条件を満たす人は出産手当金が受給できます。.→第4章3 3-2を参照してください。
• 育児休業を取得し、一定の条件を満たす人は育児休業給付が受給できます。
→第4章3 3-3(1)及び(2)を参照してください。
• 介護休業を取得し、一定の要件を満たす人は介護休業給付金が受給できます。.介護休業給付金の支給額は休業前賃金の 67%に相当する額で、対象家族1人につき3回、通算
93 日が限度です。
2-5 退職・解雇など
(1)退職
• 会社を退職することは労働者の自由ですが、例えば次のような、.社会人としてのルールを守って辞めることも大切です。
1 事前に退職の意思を上司に伝えること
2 書面で届け出ること
3 仕事の引継ぎをすること
• 退職することを決めたら、まず、自分の働く会社では退職の手続がどのようになって
いるか、調べることも必要です。
• 会社の就業規則に退職の手続が決められている場合は、それに従って手続をしましょう。
• また、
退職を申し出る際には、
契約期間の定めがあるかないかにより、
法律で異なるルー
ルが定められています。
契約期間の定めのない労働契約の場合
• 退職を申し出れば、原則として2週間後に労働契約は終了します。 303 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
契約期間の定めのある労働契約の場合
• やむを得ない事情がない限り、契約期間の途中で退職することはできません。なお、契
約が1年を経過した場合は、退職を申し出れば、いつでも退職することができます。
• 契約期間の満了後も続けて同じ職場で働くためには、新たに労働契約を締結し直す(更
新する)必要があります(1-3(2)参照)。.
このような契約の更新には、会社と労働者双方の同意が必要です。
(2)解雇
解雇
• 会社による一方的な労働契約の終了のことです。
• 解雇が客観的な合理的理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合には、その解
雇は無効です。つまり、解雇は、会社が自由に行えるというものではありません。
• また、会社は就業規則に解雇事由(解雇の理由となる事情)をあらかじめ記載してお
かなければなりません。
• 会社が労働者を解雇しようとする場合には、天災事変等やむを得ない事由のために事
業の継続が不可能となった場合や、労働者の責めに帰すべき事由による場合を除き、少
なくとも 30 日前に予告をするか、30 日分以上の平均賃金(いわゆる解雇予告手当)を
支払わなければなりません。
雇止め
• 雇止めとは、期間の定めのある労働契約の契約期間が満了したとき、新しい労働契約
を締結し直さない(更新しない)ことです。
(1-3(2)参照)
• 雇止めは、契約期間の途中で、会社が一方的に労働契約を終了させる解雇とは異なり
ます。
• 次のような人に対しては、会社は雇い止めしようとする場合、30 日前までに予告しな
ければならないとされています。
1 3回以上契約が更新されている人
2 1年を超えて継続勤務している人
• 例えば次のような場合には、雇止めをすることに客観的・合理的な理由がなく、社会
通念上相当であると認められないときは、会社は雇止めをすることはできません。
1 何度も契約を更新してきたことなどから、実質的に解雇と同視できる場合
2 労働者が雇用の継続を期待することが合理的であると考えられる場合
• 雇止めが認められない場合、雇止め前と同一の労働条件で、期間の定めのある労働契
約が更新されることになります。 313 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
整理解雇
• 整理解雇とは、会社が、不況や経営不振などの理由により、.人員削減を行う場合の解雇のことです。
• 整理解雇が有効か無効かは、次のことを基に判断されます。1 人を減らす必要性.
不況や経営不振などにより、人を減らすことが会社経営上の.
十分な必要性に基づいていること2 解雇を回避する努力.
解雇以外の手段によって解雇を回避するために努力したこと.
(例:配置転換、希望退職者の募集など)3 整理解雇の対象者の選び方の合理性.
整理解雇の対象者を決める基準が客観的・合理的で、その運用も公正であること4 解雇の手続の妥当性.
労働組合や労働者に対して、解雇の必要性とその時期、規模、方法について、納得を得るた
めに説明を行うこと
(3)会社の倒産
会社が倒産して給料を支払えなくなったときのために、賃金の支払の確保等に関する法律
により、政府が会社の未払の賃金の立替払をする制度が設けられています。
支払われなかった賃金のうち一部が立替払されることがあるので、労働基準監督署に相談
してください。
(4)雇用保険(基本手当)
失業した場合
雇用保険に加入している人が、次の条件を満たした場合は原則、雇用保険から基本手当が
受けられます。
• 基本手当を受けられる条件
1 失業中の人
2 働ける状態で、就職する意思がある人
3 会社を辞めた日以前の2年間に 11 日以上働いた月又は賃金支払の基礎となった労
働時間数が 80 時間以上ある月が 12 か月以上ある人 (ただし、
辞めた理由が倒産や会社の都合による解雇、
有期労働契約が更新されなかっ
たためなどの場合は、辞めた日以前の1年間に、11 日以上働いた月又は賃金支払の基
礎となった労働時間数が 80 時間以上ある月が6か月以上)
給付の開始時期
失業した理由により、給付の開始時期が異なります。
1 会社都合の解雇や退職勧奨に応じた退職の場合
ハローワーク(公共職業安定所)に求職申込み((注記)1)をして離職票が受理された 323 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
日以後、失業の状態にあった日が通算して7日間経過した後。
2 自己都合の退職の場合
ハローワークに求職申込み((注記)1)をして離職票が受理された日以後、失業の状態
にあった日が通算して7日間経過した後、さらに2か月(自己都合の退職が5年のう
ち2回まで)
((注記)2)経過した後。
((注記)1) お住まいの地域のハローワークや求職申込み後の求職活動については「
(5)求職活動」を確認して
ください。
((注記)2) 自己都合の退職が5年間のうち3回目以降であれば3か月
3 自分の責任による重大な理由により解雇された場合
ハローワークに求職申込みをして離職票が受理された日以後、失業の状態にあった
日が通算して7日間経過した後、さらに3か月経過した後。
退職の際に、本当は会社都合の解雇や退職勧奨に応じた退職なのに、自己都合退職などと
してしまうと、
基本手当受給の際に不利になってしまいますので、
会社から離職票を受け取っ
たら、離職理由欄をしっかり確認してください。
給付の期間
会社を辞めた理由や年齢などによって異なります。
原則として、
90日から330日までです。
(5)求職活動
次の仕事を見つけるためにハローワークなどで求職活動をします。
ハローワークの職業相談窓口では、次のサービスを、全て無料で受けることができます。
1 仕事の相談
求職や仕事に関する様々な相談に対応しています。.どのようなことでもまずは窓口で相談してみましょう。
2 働きたい会社を探す
ハローワークにはたくさんの会社の求人情報があります。
求人情報はハローワークのパソコンやあなたのスマート.
フォンからでも見られます。
3 働きたい会社への紹介
働きたい会社を見つけたら、ハローワークの窓口に行きましょう。職員が会社や.
求人のポイントについてアドバイスします。また、採用選考の面接が受けられるよう、
「紹介状」を渡します。
4 仕事探しのサポート
ハローワークは、
履歴書や職務経歴書といった応募書類の添削指導や、
面接のマナー・心構えについてのアドバイス、模擬面接、各種セミナーも行っています。
お住まいの地域のハローワークはこちらで確認してください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000637894.pdf 333 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
通訳がいるハローワークもあります。
https://www.mhlw.go.jp/content/000592865.pdf
ハローワークに行けないときは、外国語でハローワークに電話ができます。
https://www.mhlw.go.jp/content/000673000.pdf
2-5に書いてあることを「外国人向けハローワーク利用チェックリスト」で
詳しく説明しています。
https://www.mhlw.go.jp/content/000678121.pdf
賃金・解雇など、労働条件等に関する相談はこちら
https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/soudan/foreigner.html
労働や社会保険に関する用語の意味が分からないときは、
「雇用管理に役立つ
多言語用語集」で調べることができます。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/
tagengoyougosyu/index.html
健康と安全
3-1 安全・快適な職場環境
労働者の安全と健康を確保するために労働安全衛生法があります。この法律は、仕事が原
因となって労働者が事故に遭ったり、病気になったりしないように会社が必要な対策を取る
ことを義務付けています。
(1)労働安全衛生法の内容
会社には次の義務があります。
• 機械、器具その他の設備等による危険を防止するため必要な措置を講じること
• 労働者を雇い入れるときや、雇い入れた後は年に1回の頻度で医師による健康診断を
行うこと(労働者はその健康診断を受けなければなりません)
• 労働者に対してストレスチェックを行い、その結果に基づいて作業の転換などの必要
な就業上の措置をとること(労働者数 50 人未満の事業場は努力義務)
• 健康管理の観点から、労働者の労働時間の状況を客観的に把握すること
• 長時間にわたる労働により疲労の蓄積した労働者に対して、医師による面接指導を行
い、その結果に基づいて作業の転換などの必要な就業上の措置をとること など3 34
3 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
(2)健康診断など
労働安全衛生法に基づく健康診断・ストレスチェックは、正社員の他、次の2点を満たす
派遣社員、契約社員、パートタイム労働者やアルバイトも対象になります。
• 期間の定めのない契約により使用されていること. (期間の定めのある契約により使用される人の場合は、1年以上使用されることが予定
されること又は、更新により1年以上使用されていること)
• 1週間の労働時間数が、事業場で同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定
労働時間数の4分の3以上であること
(3)医師の面接指導
労働安全衛生法に基づく長時間労働者に対する医師の面接指導は正社員だけでなく、派遣
社員、契約社員、パートタイム労働者やアルバイトも次の要件を満たす場合は対象になりま
す。
• 時間外・休日労働時間が1月当たり 80 時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる人
(申出による). ただし、次の人は申出がなくても医師による面接指導の対象となります。
1 1月当たり時間外・休日労働時間が 100 時間を超える研究開発業務従事者
2 1週間当たりの健康管理時間(事業場での所在時間と事業場外での労働時間の
合計)が 40 時間を超えた場合において、その超えた時間が 1 月当たり 100 時間
を超える高度プロフェッショナル制度対象者
職場の健康や安全についての相談はこちら(外国人特別相談・支援室)
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/fresc.html
3-2 仕事でのけが・病気などの補償(労災保険)
労働者が、仕事が原因でけが・病気をした場合などは、労災保険により補償されます。
(1)労災保険適用の流れ
• 労災保険の指定病院にかかれば、治療費は原則として無料になります。
(指定病院以外
の場合、本人が一旦費用を負担することになりますが、労働基準監督署に請求をするこ
とにより負担した費用が支給されます。)• 仕事を休まなければいけなくなったときには休業補償(休業3日目までは事業主が平均
賃金の6割を支給し、休業4日目からは労災保険により、平均賃金に相当する額の8割
支給)が受けられます。
• 労働者が死亡した場合には、遺族に対し、遺族(補償)等給付が支給されます。 353 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
• 業務災害でけがや病気の治療のために仕事を休んでいる間とその後 30 日間は、会社は
労働者を解雇することはできません。
(2)その他留意事項
• 仕事中のけがや病気などの他、通勤中のけがなども対象になります。
• 長時間労働など仕事が原因で発症したうつ病などの精神障害も労災の対象となります。
• 帰国後、日本での仕事が原因により疾病を発症した場合であっても、労災の対象とな
ります。
• 仕事が原因でけがや病気をした場合には、健康保険は使えません。
• 仕事中や通勤中のけがなどで困ったことがあるときは、労働基準監督署に相談してく
ださい。
• 労災保険は、正社員だけでなく、派遣社員、契約社員、パートタイム労働者、アルバ
イトでも対象になります。
• 基本的に労働者を1人でも雇用する会社は労災保険制度に加入する義務があり、保険
料は全額会社が負担します。
労災保険給付の詳しい内容は次のウェブサイトに掲載されています。
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/gaikoku-pamphlet.html
3-3 性別による差別の禁止
(1)求職時
• 労働者の募集・採用において、性別による差別は禁止されています。
(2)入社後
• 次の事項に関して、性別による差別は禁止されています。
1 配置、昇進、降格、教育訓練
2 一定範囲の福利厚生
3 職種・雇用形態の変更
4 退職勧奨、定年、解雇、労働契約の更新
• 女性であることを理由として、賃金について男性より有利に扱うこと・不利に扱うこ
とは禁止されています。
詳細は、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に問い合わせてください。
https://www.mhlw.go.jp/content/000177581.pdf 363 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
3-4 ハラスメント防止措置
1〜4のハラスメント行為により労働者の就業環境が害されることのないよう、労働者か
らの相談に応じ、適切に対応するために、会社には必要な体制の整備などの措置を講じるこ
とが求められています。
1 セクシュアルハラスメント
2 妊娠・出産などに関するハラスメント
3 育児休業などに関するハラスメント
4 パワーハラスメント((注記))
((注記))優越的な関係を背景として業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により就業環境を害すること
ご相談は、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)又は総合労働相談コーナーで受け付けています。 (都道府県労働局雇用環境・均等部(室))https://www.mhlw.go.jp/content/000177581.pdf
(総合労働相談コーナー)
・来庁して相談いただいた際は、13 の言語で対応することができます。 (お電話で相談いただいた際は、日本語のみで対応します。)https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html
ハラスメン
ト対策に関するリーフレッ
ト(13 の外国語)が次のウェブサイ
トに掲載されています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/
seisaku06/index.html
3-5 外国人雇用管理指針
• 現在日本で就労している専門的・技術的分野等の外国人労働者や、これから日本で就労
することを考えている外国人にとっては、日本で働く上で、公正な処遇が確保され、安
心して自分の能力を発揮できる環境が整備されていることが必要です。

「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(外国人雇用管理指針といいます)は、外国人労働者の雇用管理の改善や再就職支援に関し、
事業主が適切に対処するためのルールです。
• ハローワークは、外国人労働者を雇用する事業所を訪問する時などに、この指針に基
づき、必要な助言・指導を行っています。
外国人雇用管理指針
https://www.mhlw.go.jp/content/000601382.pdf
外国人雇用のルールに関するパンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/000603552.pdf 373 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
労働問題に関する相談は、総合労働相談コーナーで受け付けています。 1から3に書いてあることで問合せ先が分からない場合も問い合わせてください。 来庁して相談いただいた際は、13 の言語で対応することができます。 (お電話で相談いただいた際は、日本語のみで対応します。)https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html
社会保険・労働保険
社会保険・労働保険は、人生の様々なリスクに備えて、労働者や会社、又は両方から公的
にお金(保険料)を集めて、実際に失業、けが、死亡などに遭遇した人に、給付する仕組み
です。
4-1 健康保険・国民健康保険
健康保険・国民健康保険(第6章2 2-1、2-2参照)は、労働者やその家族が、次
の場合に必要な医療給付や手当金を支給します。
1 けがや病気をしたとき
2 出産したとき
3 死亡したとき など
4-2 国民年金・厚生年金保険
国民年金・厚生年金保険(第7章1 1-1、
1-2参照)は、
老齢、
障害又は死亡により、
年金を生涯にわたり給付するものです。
4-3 介護保険
介護保険は、介護が必要となった高齢者等を社会全体で支える仕組みの保険制度です。
→ 第7章2 介護保険を参照ください。
4-4 雇用保険
雇用保険(2-5(4)参照)は、労働者が失業した場合などに、生活の安定と就職の促
進のための失業等給付等を行う保険制度です。4 38
3 雇用・労働第3章第1章第2章第4章第5章第6章第7章第8章第9章第10章第11章第12章
(1)適用対象
1 次のいずれにも当てはまる人は原則として適用対象となります。
• 1週間の所定労働時間が 20 時間以上の人
• 31 日以上の雇用の見込みがある人
2 1で適用対象となった人は、勤務先の事業規模にかかわらず、適用されます。
3 1で適用対象となった人は、派遣社員、契約社員、パートタイム労働者やアルバイ
トでも適用されます。
(2)保険料の負担
1 雇用保険制度への加入は、会社の責務です。
2 保険料は労働者と会社の双方が負担します。
雇用保険
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_summary.html
4-5 労災保険
労災保険(3-2参照)は、次の場合に国が必要な保険給付を行う公的な制度です。
1 労働者の業務が原因のけが、病気、死亡(業務災害)の場合
2 複数の会社等に雇用される方の複数の業務を要因とするけが、病気、死亡(複数業
務要因災害)の場合
3 通勤の途中の事故などの場合(通勤災害)

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