2021.2
Vol. 98
北海道の少年院と少年鑑別所のニュースレター
Rapport
ら ぽ ー と
「知ってほしい!法務教官という仕事」
法務省人間科学系インターンシップ
法務省専門職員(人間科学)募集
特集
お知らせ
職業指導(溶接科)で少年の指導に当たる長谷先生 知ってほしい!法務教官という仕事法務教官は、少年院や少年鑑別所などに勤務する専門職員です。幅広い視野と専門的な知識をもって、少年たちの個性や能力を伸ばし、健全な社会人として社会復帰させるために、きめ細かい指導・教育を行っています。また、刑事施設に勤務し、受刑者の改善指導等に携わる道も開かれており、性犯罪や薬物依存などに関わる問題性に働き掛ける指導等を行っています。少年院での勤務
少年院は,家庭裁判所から保護処分と
して送致された少年を収容し,更生のた
めの専門的な教育を行う施設です。
少年院で勤務する法務教官は,健全な
ものの見方や考え方などを指導する生活
指導,基礎学力を付与する教科指導,
職業生活に必要な知識・技能を習得さ
せる職業指導などの矯正教育を行うとと
もに,関係機関との連携の下,修学に向
け た 支 援 や
就 労 支 援 等
の 円 滑 な 社
会 復 帰 に つ
なげるための
支援を行いま
す。
少年鑑別所での勤務
少年鑑別所は,主に家庭裁判所の観護
措置決定によって送致された少年を収容
し,非行の原因の解明や処遇方針の策定
のための調査を行う施設です。
少年鑑別所で勤務する法務教官は,法
務技官(心理)と協力して,少年の問題性や
その改善の可能性を科学的に探り,家庭裁
判所の審判や,少年院・保護観察所等にお
ける指導に活用される資料を提供します。
また,少年の健
全な育成を考
慮し,学習の支
援や一般的な
教養の付与な
どの働き掛けを
行っています。
特集 知って欲しい!法務教官という仕事勤続年数も浅い若輩者ではありますが、一番やりがいを感じるのは、少年たちが成長していく姿を間近で感じることができることです。様々な問題を抱えている少年たちが、日々の生活の中で一つ一つ壁を乗り越えながら前に進んでいる姿を見ると支援をしていてよかったなと感じます。一人一人違う考え方や捉え方をするため、その少年に適した伝え方は何かを考えながら関わっていくことには難しさを感じています。また、誤った考え方や価値観を持っている少年が多いため、一般的な考え方や価値観を持てるようにしていくことも難しいことの一つです。その考え方などで二十年近く生活してきていますから、間違っていると自覚していてもふとした瞬間にその考えが表に出てきてしまうのです。その考え方を変えていくには根気よく時間を掛けていくしかありません。難しいことであり、やりがいでもあります。山本先生(少年院勤務)
平成30年採用
札幌学院大学
人文学部出身
道内大学出身法務教官から,仕事のやりがいや
難しさについて,お話しをうかがいました。
法務教官は,少年院や少年鑑別所で
経験を積むと,刑事施設(刑務所,少年
刑務所等)に配属され,「教育専門官」と
して勤務する場合もあります。教育専門官
は,教育学や心理学等の専門性を生かし
て,受刑者に対し,教育的指導を行いま
す。学校教育の内容に準じた教科指導の
ほか,性犯罪や薬物依存といった個々の
問題に働き掛ける指導,就労支援指導な
ど を 行 い ま
す。ま た,余
暇活動の援
助 も 担 当 し
ます。
刑事施設での勤務
特集 知って欲しい!法務教官という仕事二十年に渡って、犯罪や非行を犯した人と関わってきました。攻撃性を向けられて精神的な負担を感じることや、自分なりに最善を尽くして指導したにも関わらず、担当した人の再犯・再非行を知って徒労感を味わうこともあります。一方、これまでの勤務経験を通じて、変わる気が全くなさそうな人にも、実は、「よくなりたい。」、「よく在りたい。」との思いがあることを確信するようになりました。失敗を繰り返した結果、当人がその思いを見失っていたとしても、その思いは間違いなく存在しているのです。法務教官の仕事は、被収容者と粘り強く関わり続け、彼らの内にある変化への希望を引き出すことだと考えています。「我々の仕事は、彼らを森から救い出すことではない。彼らが自ら森を抜け出せるよう支援することだ。」という動機づけ面接の創始者ウィリアム・ミラーの言葉は、法務教官の仕事の本質を言い表しているのではないでしょうか。「怒って、感謝される」寮担任となったばかりのとき、清掃中にふざけていた少年を見逃さず、しっかりと指導しました。まだ経験も浅かったため、少年の言い訳や反発といった抵抗が頭をよぎる中、本人のためと自分に言い聞かせ、思い切って指導したものでしたが、少年の反応は、最終的には「ちゃんとしかってもらって嬉しかった。」というものでした。彼らと真剣に向き合うことの大切さを実感しました。「新たな被害者を出さない」教官をしていると、目の前にいる少年の立ち直りの成否に意識が向きがちですが、少年が立ち直ることができなければ、本人も事件に巻き込まれ被害者になりかねませんし、新たな被害者を生むことにもつながります。平成三十年には少年院長を任せていただきましたが、施設の舵を取る立場になって、少年院に課された社会的な責任が極めて重いということをより一層感じています。
佐伯部長(矯正管区勤務)
平成8年採用
北海道大学
教育学部出身
中村先生(刑務所勤務)
平成11年採用
北星学園大学
文学部出身私はこれまで法務教官として,少年鑑別所と少年院で勤務をしてきました。少年鑑別所と少年院では仕事の内容も大きく異なっており,それぞれ仕事のやりがいや難しさも異なったものになっています。現在,私が所管している業務は,行事等の企画運営が主なものとなっています。今年度は新型コロナウイルスの影響で例年とは異なった行事運営となっており,その点では難しさを感じることもあります。例年であれば福祉施設等で奉仕活動を行っているところ,今年度は実施できていません。そのため,山登り等の野外訓練の機会を増やしています。山登りでは普段,少年院内では見ることのできない少年たちの新たな側面を発見することができたり,楽しんでいる表情を見ることができました。終了後には,辛かったけど山登りができて良かったとの感想が多く,そういった彼らがこれまで経験したことのない健全な経験をさせることが現在の業務のやりがいとなっています。互野先生(少年院勤務)
平成18年採用
北星学園大学
社会福祉部出身未来の法務教官へ。この仕事に興味を持っていただきありがとうございます。やりがいは人それぞれですが、私が思うこの仕事の特徴、醍醐味は、これほどまでに他者の人生に深く関わり、寄り添う仕事は他にはない!(たぶん)ということです。担任少年と、成育歴、親子関係、友人関係、将来設計、犯した罪や本人が抱える問題性について話し合い、価値観や考え方、対人関係の持ち方といったものから食事マナー、果ては服の畳み方まで首を突っ込み、口を出す。当院に入院する少年は年齢が高い人が多く、更生できるか、刑務所に収容される人生になるのかの、人生の大切な岐路に立っています。私の関わり方、処遇いかんで、その人の人生が決まってしまうかもしれない。そういった責任感、緊張感を持って仕事をしています。自分や家族以外の人の人生について一生懸命考える仕事は、それほど多くはないと思います。一人だけで仕事をするわけではなく、上司や同僚と一緒に頭を悩ませ体を使いながら共に処遇できることも魅力の一つです。
浅野先生(少年院勤務)
平成22年採用
北星学園大学
文学部出身
務 教 官
談 会
道内大学出身 法座モ ー
リ ト
よ るに道内で活躍する法務教官の中から,道内大学出身者を集め,
法務教官という仕事について語り合ってもらいました。
特集 知って欲しい!法務教官という仕事金野(司会)それではまず、法務教官になろうと思ったきっかけについて、教えてください。髙瀨大学時代、司法関係者の方々から話を聞く機会が多かったのですが、その中でも特に、少年鑑別所の先生からのお話が一番印象に残っていました。その方は法務教官について、「少年が変わるところを間近で見られる仕事」だと目を輝かせながらお話しされていて、自分もやってみたいと思うようになりました。菅原元々は行政職を目指して勉強していたのですが、公務員情報誌で法務教官という仕事を見つけ、そこに書いてあった「非行少年を更生させる仕事」というカッコいい触れ込みに心動かされました。その後、情報収集しているうちに、どんどん魅力的な仕事だと思うようになり、それまでやっていた法律や経済学の勉強をやめて、教育学や心理学を猛勉強しました。矢野私は子どもが好きで、大学では児童福祉を学んでいました。大学の先生から法務教官を紹介され、調べていくうちにどんどん興味が湧き、少年院の施設見学やインターンシップにも参加しました。実際に法務教官の方からお話を聞いているうちに、やりがいのある仕事だと強く感じるようになり、受験することにしました。金野仕事のやりがいはどんなところでしょうか。茅森なかなか指導に乗らないような少年でも、根気よく熱心に指導を続けていれば、少しずつ態度が変わっていきます。自分の努力が伝わったのかなと思うと、やりがいを感じます。金野茅森先生は、運動会の担当もしていたよね。茅森はい。初めて大きな行事を任せてもらい、大変なこともありましたが、先輩方からのサポートもあり、なんとか無事に終えることができました。この経験で自信が付きましたし、大きなやりがいを感じました。中川最近は事務仕事が多く、少年と接する機会は減りましたが、茅森先生のように若い頃は、行事にかなり力を入れていましたね。頑張った分、期待に応えてくれるのはよく分かります。少年と一緒に歩いている感覚があって、とても楽しかったですね。髙瀨「この子にはこういう指導がしたい」と思ったら、周囲から助言をもらいながら、実現させることができます。新しいことにどんどん挑戦できるのが、この仕事の良いところだと思います。矢野職業指導を受け始めた少年が疲れているのを見て、自分が採用された頃を思い出し、「新しいことをやるって大変だよね」と共感できたし、自分はどう乗り越えたかリアルタイムで話してあげることができました。ベテランの先生にしか教えられないことがあるように、若手だからこそ教えられることもあると思っ
茅森先生(少年院勤務)
平成30年採用
北海道教育大学出身
(教員養成課程)
矢野先生(少年院勤務)
平成28年採用
北海道医療大学
看護福祉学部出身
金野先生(少年院勤務)
平成13年採用
北海道教育大学出身
(教員養成課程)
菅原先生(矯正管区勤務)
平成24年採用
北海学園大学法学部出身
特集 知って欲しい!法務教官という仕事ていて、そんな指導ができたときは、やりがいを感じます。金野この仕事をやっていて、難しいことやつらいと感じることはありますか。矢野少年との関係がうまくいかず、「死ねばいいのに」と言われたときは、法務教官と言えど人間なので、傷つきました。少年も感情のコンロトールができずに発してしまった言葉ということは理解しているのですが、やはりつらいです。金野つらいときはどうストレスを発散していますか。矢野同僚や先輩に話を聞いてもらっています。あとは、お笑い番組を見てたくさん笑ってぐっすり寝ることですかね(笑)。茅森少年に言ったことがねじ曲がって伝わってしまったようで、詰め寄られることがありました。少年によっては、被害感の強い子もいるので、丁寧に言葉を選んで指導しなければならないところが難しいです。ちなみに僕は高級なものを食べてストレスを発散してます(笑)菅原僕も同じようなことがありました。採用一年目の頃、自分ではその場を収められず、先輩に助けてもらったのを覚えています。言葉を選んで指導するのは本当に大事だと思いました。金野では最後に、法務教官志望者に伝えたいことを自由にお話しください。中川この仕事は、難しいことや危険を伴うような場面も少なくありません。ただその一方で、行政職に比べて給与水準が高いことや、緊急時に駆け付けられるよう少年院のすぐ近くにある宿舎に無料で住めるなど、メリットもあります。スポットを浴びることは少ない仕事かもしれませんが、非行少年を更生させる大事な仕事であり、やりがいがあることは間違いないと思います。茅森中川先生のおっしゃるとおり、給与水準が高いことや宿舎が無料というのは、僕もとても重要だと思います。プライベートを充実させて、いろいろな経験ができると、それを少年への処遇にも反映させることができると思っています。プライベートを充実させたいなら、おすすめの職業です。矢野制服があるので、毎日私服を選ぶのがめんどくさい人にはおすすめです(笑)それから、この業界は、バドミントン、フットサル等のレクリエーションや、剣道や柔道などの武道が盛んです。初心者でも先輩に教えてもらえるので心配いりません。趣味の開拓や、リフレッシュにもなります。髙瀨自分は育児休業を2年もらいましたが、そういった福利厚生の面もしっかりしていて、復職後も特に問題なく仕事復帰できました。結婚後の勤務地も配慮してもらっていますし、必要があれば勤務時間を短縮したりもできます。女性が結婚してからも続けやすい職場環境だと思います。この仕事は、少年の未来に良い影響を与えるだけでなく、被害者となる人を減らすことにもつながります。いつか芽吹くであろう希望の種を子どもの中にまく仕事を、みなさんと一緒にできたらと思います。菅原福利厚生は確かに充実していると思います。昨年、一カ月半育児休業をいただきました。育児休業中は家事全般を担当し、妻の体を労わることができたし、子供と四六時中一緒に過ごすことで、日々子供の成長を敏感に感じ取ることができました。大学では教育学や心理学を学んで来なかったこともあり、初めは不安でしたが、基礎的なことは採用一年目の研修でしっかり学ぶことができ問題ありませんでした。また、先輩方は人に教えることが好きな人ばかりです。分からないことはどんどん質問していいと思います。金野みなさん、ありがとうございました。一人の力では達成することが難しいことも、チームで一丸となって取り組むことで、成し遂げられることがたくさんあります。このチームの一員になってくれる人、周りの人と協力しながら、いい仕事がしたいと思う人は、ぜひ受験して欲しいと思います。中川先生(少年院勤務)
平成16年採用
札幌大学法学部出身
髙瀨先生(少年院勤務)
平成17年採用
北海道大学
法科大学院出身
特集 知って欲しい!法務教官という仕事
&Q Aもっと知りたい!
法務教官は,指導や教育以外の仕事をすることはありますか?
のコーナーQ「北海道矯正実務研究大会」
例年は,道内の担当職員が
一堂に会し,研究発表をして
いましたが,今年度は新型コ
ロナウイルス感染症対策とし
て,ポスターや研究論文の提
出により,審査を行っており,
「高等養護学校等と連携した
修学支援について」や「刑事
施設における新型コロナウイ
ルスの対応について」といった
研究の発表がありました。
毎年開催される「北海道矯正実務研究大会」に向けて,業務の改善や職務
能力向上等,様々な観点から研究を行うような業務を任されることもありま
す。また,庶務課に配属されれば,事務仕事がメインになりますし,医務課
で医療関係の業務に携わることもあります。A庶務課が担当する業
務は,契約,収入支出,
物品等の出納保管,建
物の維持管理,文書管
理,少年の給食に関す
る事務等です。少年と接
する時間は減りますが,
施設運営のため重要な
業務です。
本人の希望等により,
准看護師の資格を取得
することができ,医療関
係の業務を行う法務教
官もいます。
法務教官は,異動はありますか?QA
A 道内の施設で採用されると,原則として道内で異動することになります。
少年院や少年鑑別所で経験を積んだ後,刑務所に異動となることもあります。
札幌少年鑑別所
札幌刑務所
札幌刑務支所
函館少年鑑別支所
函館少年刑務所
旭川少年鑑別所
旭川刑務所
帯広少年院
帯広刑務所
網走刑務所
釧路少年鑑別支所
釧路刑務支所
北海少年院
紫明女子学院
北海道の少年院・少年鑑別所・刑務所
月形刑務所
お知らせ インターンシップ情報・法務省専門職員(人間科学)募集インターンシップ情報
1日目
13:00 集合・オリエンテーション
13:30 院内見学
15:30 講義(矯正教育について)
16:00 実習(調査・支援事務)
17:00 終了
2日目
8:50 集合・オリエンテーション
9:00 少年朝礼見学
9:30 実習(運動指導,音楽指導)
12:15 昼休み
13:00 実習(職業指導等)
14:00 講義(社会復帰支援について)
15:00 実習(寮舎勤務)
17:00 終了
3日目
8:50 集合・オリエンテーション
9:00 少年朝礼見学
9:30 進級式見学
10:20 座談会
11:00 終了 (注記) 新型コロナウイルス感染症対策のため,令和2年度のインターン
シップは中止となり,代替措置として業務説明会を実施しました。
少年院でのインターンシップ
スケジュール(例)道内の全ての少年院と少年鑑別所では、学生を対象としたインターンシップを行っています。どの施設も3日間程度の日程で、教育場面の見学、職員との意見交換など、いろいろな経験をすることができます。少年院と少年鑑別所の仕事を実際に見て、聞いて、知ることができる機会ですので、学生の皆さんはぜひ応募してください。応募方法など詳しいことは、法務省ホームページを御覧ください。
法務省人間科学系インターンシップ
「法務省人間科学系インターンシップ」は,
「法務省インターンシップ」とは異なりますので
応募の際は御注意願います。
【法務省ホームページ】
法務省専門職員(人間科学)試験
少年の健全育成、非行・犯罪の防止につながる大切な仕事です。
熱意のある皆さんの受験をお待ちしています。
受付期間
令和3年3月26日〜4月7日
(インターネットによる申込み)
第1次試験
令和3年6月6日(日)
札幌少年鑑別所
011-784-7441
函館少年鑑別支所
0138-51-5652
当支所では,職員の地域援助能力の
向上に資するための研修を定期的に
行っています。
市内のメンタルクリニックに勤務す
る臨床心理士・公認心理師を講師とし
て行う研修のテーマは,心理相談や親
子面接の進め方,DV・児童虐待によ
る影響と支援の在り方,アタッチメン
トの基礎,プレゼンテーションの技術
等の幅広いものですが,いずれにおい
ても,その医療,教育,福祉等多岐に
わたる豊富な心理臨床経験に基づいた
実践的かつ最新の知見を御紹介いただ
いています。
一連の研修の成果を今後の地域援助
に活用していきます。
釧路少年鑑別支所
0154-41-5808
旭川少年鑑別所
0166-31-5468
帯広少年院
0155-24-5787
紫明女子学院
0123-22-5141
北海少年院
0123-23-3147
矯正局公式ツイッターができましたので
こちらもぜひ御覧ください。
編集・発行
札幌矯正管区
第三部
発行責任者
第三部長 佐伯 温
発行日
2021年2月
札幌市東区東苗穂
1-2-5-5
電話 011(783)5063
FAX 011(780)2207
北海道の少年院と少年鑑別所のニュースレター らぽーと 98号
当院における第54回文化祭を実施しまし
た。音楽,絵画,書道,剣道,剣武,演劇の
活動成果を多くの来賓を招いて発表する場
ですが,新型コロナウイルス感染症対策のた
め,今年度は保護者及びクラブ指導をしてい
ただいている篤志面接委員の方々だけをお
招きし,規模を縮小するかたちで実施しまし
た。それでも,在院者一人一人が自分の役
割を果たし,立派に発表を行って,感動的な
文化祭となりました。在院者も達成感や充実
感でいっぱいでした。
施 設 だ よ り
当院では,介護福祉科の少年が介
護職員初任者研修修了の資格取得
を目指しています。コロナ禍で手指消
毒や換気はもちろんのこと,フェイス
ガード等も装着したりと様々なことに
配慮しながら頑張っています。
普段自分たちが何気なく行ってい
る動作であっても,からだの不自由な
方にとっては大変なことであることを
再認識し,介護の知識や技術だけで
なく他者への思いやり等も併せて学
んでいます。
社会復帰後は,この経験を活かし
て存分に活躍してくれることを願って
います。
当所で行っている地域援助の一例を
御紹介します。近隣の市町村の教育委
員会からの依頼で,例年小学校に進学
する園児のうち,発達の過程に不安や
疑いのある園児を対象にした心理検査
等を実施しており,当所の法務教官及
び心理技官が連携して分析し,その結
果を教育委員会,小学校等にフィード
バックし,特別な支援が必要であるの
かを判断する資料を提供しています。
このような依頼も、早期から適切な教
育を受けさせることにより、将来的に
非行犯罪を防止することにつながると
感じています。
「ズーム授業」に「Web会議」,「オ
ンライン帰省」と,新型コロナウイル
ス感染症対策として,画面越しに相
手とやり取りをすることがずいぶん普
通になりました。当所には,函館と釧
路という遠く離れた支所があります
が,施設間の連絡のため数年前か
らテレビ会議システムが導入されて
います。各支所との打合せはいつも
テレビ会議なので,すっかりお手のも
のです。
在所者の健全な育成のための支
援の一環として,釧路市内の科学
館の学芸員の先生を外部講師とし
て招き,宇宙をテーマとした教養
講話を行っていただきました。
参加した少年は,講話後のアン
ケートにおいて,「初めて見たり
知ったりすることが多くて,とて
も面白かった。」,「宇宙は人々
の暮らしと案外密接しているのだ
と思った。」などといった感想を
記載しており,知識を深める楽し
さを実感するとともに,世の中へ
の視野を広げることができたよう
でした。
千歳第二幼稚園からお菓子とメッセージカード
を寄贈いただきました。例年は,園児が行うリンゴ
狩りのおすそ分けを頂戴していたところ,新型コロ
ナウィルス感染症の流行下,それが難しくなり,し
かし長く続く当院との関係を途切れさせたくないと
の御意向から,お菓子を寄贈いただくことになっ
たものです。おいしいお菓子と,園児が一生懸命
作ったメッセージカードに心を打たれ,在院者に
は更生への意欲を再確認する機会となりました。
ささやかなお礼として在院者が折り紙等で作っ
た作品をお礼状に添えてお返しする予定です。
Twitterはじめました!
【矯正局公式ツイッター】

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