様式第十七(第6条関係)
認定新技術等実証計画の内容の公表
1.認定をした年月日
令和4年7月29日
2.認定新技術等実証実施者の名称
株式会社みずほフィナンシャルグループ 執行役社長 木原 正裕
3.認定新技術等実証計画の目標
ブロックチェーン上で譲渡人が譲受人に権利の移転申請を実施し、債務者が当該権利移転
通知を受領した時点、又は、受領時に債務者が承諾の署名を行い、それがブロックチェーン
上で譲渡人又は譲受人に情報共有がされた時点で、
「確定日付のある証書」による通知又は
承諾を行なったものとされることを目指し、申請書に記載した措置が講じられていれば、産
業競争力強化法第11条の2第1項の要件を満たし得ることを、実証を通じて確認する。
4.認定新技術等実証計画の内容
(1)新技術等及び当該新技術等を用いて実施しようとする事業活動の内容
匿名組合出資持分や信託受益権をブロックチェーン上で移転し、債務者に当該権利移転
を通知或いは受領時に債務者承諾の署名を行わせる仕組み等を用いることで、匿名組合出
資持分に含まれる債権の譲渡及び信託受益権の譲渡の第三者対抗要件の一つとし、当該譲
渡の通知・承諾に係る事務を効率化することを目指す。将来的には、セキュリティートー
クンオファリングの売買プラットフォームに当該機能を具備し、セカンダリーマーケット
の創出および拡大を目指す。
(2)産業競争力強化法(以下「法」という。)第2条第3項第1号に規定する実証の内容及
びその実施方法
ブロックチェーンを活用したシステム(今般開発)による債権譲渡通知等が、既存の確
定日付のある証書による債権譲渡通知等と比較して、第三者対抗要件としての機能を担う
点において遜色がなく、利便性の点で優れ、事業性があることを検証するため、下記の手
順及び措置の下で、既存の確定日付のある証書による債権譲渡通知等を行うと同時に、シ
ステムにより同一内容の債権譲渡通知等を行う。
実証の流れは以下のとおりである。
1 債権譲渡人は事前に受け取った認証情報を用いてシステムにログインし、アカウン
トに紐つく秘密鍵をHSMより取得して、債権譲受人への譲渡指図情報を生成した
うえで、当該秘密鍵で署名、申請者のサーバに保存する。署名を保存したタイミン
グで譲渡指図情報にアクセスするためのURLを次の署名者にメール通知する。
2 債権譲受人は事前に受け取った認証情報を用いてシステムにログインし、アカウン
トに紐つく秘密鍵をHSMより取得して、債権譲渡人からの譲渡指図情報、債権譲
渡人の署名を確認し、自身の秘密鍵で署名、申請者のサーバに保存する。
(ア) 対抗要件具備を通知により行う場合
債権譲受人の署名後に、トランザクションデータをブロックチェーンのノード
に送信し、Block化されることで債権を表すトークンデータが債権譲渡人
のWalletから債権譲受人のWalletに移転する。トランザクション
データには各関係者の署名やTSAより取得したタイムスタンプが含まれ、B
lock化されたことにより、以降債務者がシステムにログインをすること
で、債権譲渡人による債務者への通知の内容を確認可能である。なお、利便性
の観点から、移転が実行されたことを債務者にメール通知する。
(イ) 対抗要件具備を承諾により行う場合
署名を保存したタイミングで譲渡指図情報にアクセスするためのURLを次の
署名者にメール通知する。
3 債務者はメール通知を受け取ったのち、
(ア) 対抗要件具備を通知により行う場合
メールに記載されているURLからシステムにログインし、通知内容を確認す
る。なお、前述の通りメール通知を受け取る前からシステムにログインするこ
とで通知内容を確認することが可能である。
(イ) 対抗要件具備を承諾により行う場合
事前に受け取った認証情報を用いてシステムにログインし、画面上で承諾のボ
タン押下等の行為をすることで、システム内部でアカウントに紐つく秘密鍵を H
HSMより取得して、債権譲渡人からの譲渡指図情報、債権譲渡人の署名、債
権譲受人の署名を確認し、債務者自身の秘密鍵で署名する。
債務者の署名後に、システムにてタイムスタンプ取得及びトランザクション送
信して、ブロックチェーンでBlock生成されることで債権を表すトークン
データが債権譲渡人のWalletから債権譲受人のWalletに移転す
る。トランザクションデータには各関係者の署名やTSAより取得したタイム
スタンプが含まれ、Block化されたことにより、以降債権譲渡人・債権譲
受人がシステムにログインをすることで、承諾の内容を確認可能である。な
お、利便性の観点から、移転が実行されたことを債権譲渡人・債権譲受人にメ
ール通知する。
(3)法第2条第3項第2号に規定する分析の内容及びその実施方法
実証を通じて、申請書に記載した措置が講じられていれば、既存の「確定日付の
ある証書」である内容証明郵便や公正証書等と同等以上に、1債権譲渡通知等をし
た者及びこれを受けた者が当該債権譲渡通知等がされた日時及びその内容を容易に
確認することができると言い得ること、2債権譲渡通知等がされた日時及びその内
容の記録を保存し、及びその改変を防止するために必要な措置として主務省令で定
める措置が講じられていると言い得ること、3ブロックチェーンによる通知・承諾
の一連のフローが書面を用いた場合と比較して、簡便・迅速に行われることを確認
する。
5.新技術等実証の実施期間及び実施場所
(1)実施期間
認定後、実証開始の準備が整ってから6ヶ月後の日が属する月の末日まで
(2)実施場所
全国(申請者のサーバー)
6.参加者等の具体的な範囲及び当該参加者等の同意の取得方法
(1)参加者等の範囲
債権譲渡の債権譲渡人及び譲受人
債権譲渡の債務者
(2)参加者等の同意の取得方法
債権譲渡の債権譲渡人及び譲受人に対して、申請者が、事前の説明に基づき同意
を取得する。債権譲渡の債務者に対しては、申請者又は債権譲渡人が、事前の説明
に基づき同意を取得する。
7.法第2条第3項第2号に規定する規制について規定する法律及び法律に基づく命令の規定
○しろまる民法
第四百六十七条 債権の譲渡(現に発生していない債権の譲渡を含む。
)は、譲渡人が債務
者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗すること
ができない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三
者に対抗することができない。
○しろまる民法施行法
第五条 証書ハ左ノ場合ニ限リ確定日付アルモノトス
一 公正証書ナルトキハ其日付ヲ以テ確定日付トス
二 登記所又ハ公証人役場ニ於テ私署証書ニ日付アル印章ヲ押捺シタルトキハ其印章ノ
日付ヲ以テ確定日付トス
三 私署証書ノ署名者中ニ死亡シタル者アルトキハ其死亡ノ日ヨリ確定日付アルモノトス四 確定日付アル証書中ニ私署証書ヲ引用シタルトキハ其証書ノ日付ヲ以テ引用シタル
私署証書ノ確定日付トス
五 官庁又ハ公署ニ於テ私署証書ニ或事項ヲ記入シ之ニ日付ヲ記載シタルトキハ其日付
ヲ以テ其証書ノ確定日付トス
六 郵便認証司(郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)第五十九条第一項ニ規定ス
ル郵便認証司ヲ謂フ)ガ同法第五十八条第一号ニ規定スル内容証明ノ取扱ニ係ル認証
ヲ為シタルトキハ同号ノ規定ニ従ヒテ記載シタル日付ヲ以テ確定日付トス
2 指定公証人(公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第七条ノ二第一項ニ規定スル
指定公証人ヲ謂フ以下之ニ同ジ)ガ其設ケタル公証人役場ニ於テ請求ニ基キ法務省令ノ
定ムル方法ニ依リ電磁的記録(電子的方式、磁気的方式其他人ノ知覚ヲ以テ認識スルコ
ト能ハザル方式(以 下電磁的方式ト称ス)ニ依リ作ラルル記録ニシテ電子計算機ニ依
ル情報処理ノ用ニ供セラルル モノヲ謂フ以下之ニ同ジ)ニ記録セラレタル情報ニ日付
ヲ内容トスル情報(以下日付情報ト称 ス)ヲ電磁的方式ニ依リ付シタルトキハ当該電
磁的記録ニ記録セラレタル情報ハ確定日付アル 証書ト看做ス但公務員ガ職務上作成シ
タル電磁的記録以外ノモノニ付シタルトキニ限ル
3 前項ノ場合ニ於テハ日付情報ノ日付ヲ以テ確定日付トス
○しろまる信託法
(受益権の譲渡の対抗要件)
第九十四条 受益権の譲渡は、譲渡人が受託者に通知をし、又は受託者が承諾をしなければ、
受託者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知及び承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、受託者以外の第三者
に対抗することができない。
8.規制の特例措置の適用を受けようとする場合にあっては、当該規制の特例措置の内容
なし