消費者相談員 早野木の美様、松永恵子様、矢吹香月様
成年年齢引下げの環境整備に関するヒアリング結果概要
しかく 矢吹様からのヒアリング結果
しろまる 成年年齢引下げの施行が間近であり、
どのように若者に伝えていくことか
が課題。
しろまる 自分自身も、
色々なイベントを通じて伝えることを計画しており、
教員免
許更新の講座等でも講演をしたりしているが、
学習指導要領を徹底し、
学校
で成年年齢引下げについて周知を図ることは極めて重要。
しろまる 2022年4月から使用が開始となる新たな高等学校学習指導要領に基
づく教科書は、成年年齢引下げの施行には間に合わない。卒業後、成年とし
て社会に出て行くことになる今の高校三年生には、
新学習指導要領の一部先
行実施により対応が図られているが、
成年としての認識をしっかり持たせな
ければいけない。
もちろん、
高校二年生にもしっかりと周知する必要がある。
しろまる 生徒への周知のみならず、教員に対しても周知が必要。
成年年齢引下げについて十分な知識を持っていない教員も相当数いる印
象を受ける。
しろまる 岡山県消費生活センターでは、
岡山市消費生活センターとも連携して、悉皆研修(全ての学校から、必ず1名の教員が参加する研修)
、家庭科部会・
社会科部会等を通じて教員への周知を図っている。
このようなしっかりした授業での学びも大切だが、
ちょっとした空き時間
などの機会をとらえた情報発信も重要。
しろまる 法務省の作成した「大人への道しるべ」や、Twitter で実施している毎日
のクイズについても、
良い取組だと思うが、
これを学校等で知ってもらう工
夫が必要と考える。
例えば、
毎日のクイズを授業前の時間に一問出題してもらうよう働きかけ
ることなどが考えられる。
しろまる 政府が作成しているこのような教材を教員が使えるような環境設定・情報
資料8−5
発信が重要
しろまる 「大人への道しるべ」等のコンテンツは、司法書士会などの業界団体に周
知するよう働きかけることも考えられるのではないか。
しろまる 「大人への道しるべ」や、高校生向け法教育リーフレットのほか、消費者
庁等においても教材を作成しており、教材自体は沢山ある。
使い道のアピールをして、
教員に情報提供をすると、
教員も適切な場面で
これらの教材を活用しやすい。
しろまる 成年年齢引下げの周知においては、
「契約」について教えることにもっと
も重点が置かれるべき。
契約=意思表示の合致というだけではなく、契約前や契約後において考
えるべきこと、知っておくべきことも教える必要がある。
しろまる 契約と社会との関係ということも意識されるべき。
思考力、
判断力を育成していく中で、
社会との結びつきを考える機会とす
ることが有益。
しろまる 社会への扉はよくできた教材であるが、
障がいのある生徒への教材として
は難易度が高い。
今年6月に特別支援学校向けの教材は消費者庁が作成しており、
これは小
学校・中学校向けとしても有用と考える。
しろまる 盲学校、聾学校に対しては教材が不足している。
これらの障がいを持っている生徒は消費者被害に遭いやすく、
看過しては
ならないと考える。
しろまる 消費者教育コーディネーターについては、
地域の実情に応じた人材の配置
が重要。また、外部の人材が関与できるような方法の整備も重要である。
しかく 松永様からのヒアリング結果
しろまる 18歳で成人となることを徹底的に周知すべき。
「目に見える何か」が国
又は地方自治体から提供されてもいいのではないか。
例えば、
テレビCMな
どで周知を実施してほしい。
しろまる 先生方、保護者の方々に、なかなか「成年年齢引下げ」に対する危機感を
持って頂けないと感じる。
しろまる 消費者教育を受ける権利は、本来、平等であるはずだが、住む市町村によ
って取り組みへの格差がある。
しろまる 特に小規模自治体の職員は、
他業務と兼任のため多忙であり、
成年年齢引
下げの対応にまで手が回らないのが現状である。
しろまる 本来は幼児期・小学生期からの消費者教育が必要で、年齢、発達に応じた
教育方法、教材の開発をもっと進める必要があると思う。
しろまる キャッシュレス決済が普及したこともあり、子どもにとって「財布」
「現
金での支払」という意識が低下していることを懸念。消費の基礎となる「現
金による売買契約の仕組み・ルール」
をしっかりと伝える必要がある。
特に、
幼児や小学校低学年の子供に対しては、
親への消費者教育も必要ではないか。
しろまる 自分で見極める力、
判断する力は即座に備えられるものではない。
小学校、
中学校、高校と段階に応じた消費者教育が必要である。
しろまる 学校教育だけでは限界があり、
家庭も含めた社会全体で消費者被害から新
成年を守るという認識も必要だ。
しろまる 子どもへの消費者教育は、
学校が主になると思うが、
それ以外にも地域に
おける消費者教育の重要性も考えるべきだ。
そのための人材確保も重要な課
題。
しろまる 高校に進学しない子どもに対する消費者教育への対応も課題。
しろまる 特別支援学校の生徒は、
自己肯定感が低く、
優しくされたりすることに弱
いため、
騙されやすい。
そのような形で消費者被害に遭うというケースも多
く、その対応が急務。
しろまる 法務省が作成した教材はとても良いと思うが、
アクセスがしづらい。
ホー
ムページの構成や表示の方法等を工夫してほしい。
しろまる 消費者教育コーディネーターと地域の生活センターとの交流の機会を作
ってほしい。そのようにすることでより連携が強化される。
消費者教育コーディネーター制度自体の周知も十分ではないように感じ
る。
(高校に進学しない若者に対するアプローチの方法について)
しろまる 高校に進学していない若者への消費者教育は、
大企業やその系列会社に対
しては、職域での広報啓発という手がある。ただ、規模の小さい企業だと、
その時間を割く余裕がないことも多く、
消費者教育への理解が得にくいのが
現状である。そのような場合に、消費者教育コーディネーターと連携して、
地域として周知を行うことは有意義だと考える。
しかく 早野様からのヒアリング結果
しろまる 大学の新入生のアンケートを見ると、クーリングオフなどについては一
定の認知度があるが、
「いつ契約が成立したか」という基礎的な知識がない
ことが多いという印象を受ける。
しろまる 家庭科の先生に周知してほしい
しろまる 高校生向け法教育リーフレット
「18歳を迎える君に」
で調停が紹介され
ているが、調停制度に関する認知度が低い。大学生がお金を掛けずに、自分
自身の主張をして、
紛争を解決するという制度として調停が最もふさわしい
と考えている。
しろまる 社会への扉は、自分の主張をするというときに、
「企業にお手紙を送りま
しょう」で終わっている。詐欺じゃないかという商法は、電話をしても応答
がないことが多く、
任意の交渉でなんとかなる話ではない。
裁判所から手紙
が来て、初めて事業者側もまともな対応になることが多い。
しろまる 司法の場も一緒になって、
被害者を救済するような環境を作っていただけ
ないか。
しろまる (高校に進学しない若者に対するアプローチとして、
)地域のシルバー人
材センターなどを活用するのも良いのではないかと考える。

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