1特別養子制度について
人と人との間の権利・義務の関係に関する基本的なルールを定める法律。
【民法の構造】
民法(明治29年法律第89号)とは
第1編 総則(第1条〜第174条)
第2編 物権(第175条〜第398条の22)
第3編 債権(第399条〜第724条の2)
第4編 親族(第725条〜第881条)
第5編 相続(第882条〜第1050条)
第1章 総則 第2章 婚姻
第3章 親子
第1節 実子
第2節 養子(第792条〜第817条の11)
第1款〜第4款
縁組の要件,無効及び取消し,
縁組の効力,離縁
第5款 特別養子
(第817条の2〜第817条の11)
第4章 親権 第5章 後見
第6章 保佐及び補助 第7章 扶養
養子制度とは
・ 実親子ではない者の間に,法的な親子関係を創設するもの。
・ 法的な親子の間では,例えば,相互に相続権を有し,扶養義務を負う。
・ 養子制度(普通養子制度)は,明治29年の民法
制定時から存在。
・ 特別養子制度は,専ら養子となる子どもの利益
を図るものとして,昭和62年の民法改正によって
創設。
普通養子制度(年間8万件;成年養子を含む。)
存続養親
親子関係
親子関係実親
・合意・戸籍窓口への届出で成立。
(未成年者を養子とするには家庭裁判所の許可が必要)
・養子候補者に年齢制限はない。
・合意による離縁可。
今日では様々な目的で利用
・ 配偶者の子との縁組(連れ子養子)
・ 財産や家名の承継のための縁組(例えば孫養子)
・ 被虐待児や親のいない子の養育のための縁組
特別養子制度(昭和62年の民法改正によって創設)とは
・ 家庭に恵まれない子に温かい家庭を提供して,その健全な養育を図ることを
目的として創設された,専ら子どもの利益を図るための制度。
・ 実親子関係を終了させること,離縁の要件を厳格にすることによって,
養親子関係を強固なものとして,養子が安定した家庭で養育されるようにする。
特別養子制度(年間約500件)実親養親
親子関係 親子関係
終了
・ 家庭裁判所の審判で成立。
・ 養子候補者に上限年齢がある。(現行法:原則6歳未満)
・ 実親による養育が困難であること,
実親の同意があること(ただし,虐待事案等では不要),
養親の下での養育が相当であること 等が要件。
・ 離縁は,養親の虐待がある等の要件の下で,例外的に
家庭裁判所の審判による。
制度創設の背景
・ 古くから,他人の子を戸籍上自分の子として
届け出る「わらの上からの養子」の慣習。
・ 産婦人科医師が,予定外の妊娠をした女性
のために,虚偽の出生証明書・出生届の提出
を多数あっせんした事件の発生。
未成年者が養子となる普通養子縁組の大
部分が連れ子養子であるとの指摘もある。
利用のされ方
・ 予定外の妊娠等のために実親に養育の意
欲が欠ける場合
・ 実親が行方不明の場合
・ 実親による虐待のために家庭に戻すこと
ができない場合

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