法務省
子どもの健やかな成長のために
〜離婚後の「養育費の支払」と「面会交流」の実現に向けて〜
子どもの養育に関する
合意書作成の手引きとQ&A
子どもにとって、両親の離婚はとても大きなできごとです。
子どもがこれを乗り越えて健やかに成長していけるよう、離婚をするときに親としてあらかじめ
話し合っておくべきことに、
「養育費」と「面会交流」があります。このパンフレットでは、
「養育費」と「面会交流」の取り決め方やその実現方法について分かりやすく説明しています。
(法務省ホームページ)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00011.html
法務省ホームページでは、離婚の際に
考えておくべきことを簡潔にまとめた
ものをご紹介していますので、併せて
ホームページもご覧ください。
養育費について 3 ページ
面会交流について 4 ページ
合意書のひな形について 5 〜 6 ページ
Q&Aについて 7 〜 11 ページ
12 〜 13 ページ
合意書のひな形 14 〜 15 ページ
問い合わせ先 裏表紙
〜 目 次 〜
債務者の財産開示手続、
第三者からの情報取得手続
- 2 -
養育費とは
養育費は、子どものためのものですから、子どもと離れて暮らすことになる親と子
どもとの関係を大事にするためにも、離婚時にきちんと取り決めておくようにしまし
ょう。新しい生活の始まりからすぐに養育費の支払がスムーズに行われるように、養
育費の金額、支払時期、支払期間、支払方法などを具体的に決めておくのがよいでし
ょう。養育費の取り決めは、後日その取り決めの有無や内容について紛争が生じない
ように、口約束ではなく、書面に残しておくようにしましょう(できれば「公正証書」
にするのがよいでしょう。)。
養育費の支払は、長い年月継続するものです。その間、子どもと一緒に暮らす親に
すれば、子どもの病気などにより監護費用が増えることもあるでしょうし、離れて暮
らす親にすれば、再婚により扶養家族が増えたりすることもあるでしょう。事後的な
事情の変更がある場合には、いったん取り決めた養育費の増額や減額を他方の親に求
めることができる場合があります。
なお、離婚時の取り決めや、その後の増額又は減額について、当
事者間で話し合いができないときは、家庭裁判所に調停又は審判を
申し立てることができます。通常はまず調停を行い、調停でも話し
合いがつかない場合は、最終的には家庭裁判所の審判で決めることに
なりますが、養育費は、子どもの成長を支えるためにとても大切なも
のですので、審判であってもその結果を受け入れ、親として養育費の
支払を継続していく必要があります。
養育費の取り決めについて
養育費の取り決めについて
- 3 -
養育費とは、子どもを監護・教育するために必要な費用のことをいいます。
一般的には、経済的・社会的に自立していない子どもが自立する(例えば、大学等
を卒業する)までに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費、教育費、医療費など
がこれに当たります。
親の子どもに対する養育費の支払義務(扶養義務)は、親の生活に余力がなくても
自分と同じ水準の生活を保障するという強い義務(生活保持義務)だとされています。
子どもがいる夫婦が離婚する場合、基本的にはどち
らか一方が親権者となって子どもを養育することに
なりますが、離婚により親権者でなくなった親で
あっても、また、子どもと離れて暮らすこととなっ
た親であっても、子どもの親であることに変わりは
ありませんから、子どもに対して自分と同じ水準の
生活ができるようにする義務があります。
子どもに対し、親としての経済的な責任を果たし、
子どもの成長を支えることは、
とても大切なことです。
- 3 -
面会交流とは 「面会交流」とは、子どもと離れて暮らしているお父さんやお母さんが子どもと定期的、
継続的に、会って話をしたり、一緒に遊んだり、電話や手紙などの方法で交流することを
いいます。
子どもは、両親の離婚という大きなできごとを経験して、
「自分が悪いことをしたの
でこんなことになってしまったのではないか?」、「自分を嫌いになっていなくなってし
まったのではないか?」などと不安な気持ちになったりします。面会交流は、そんな子
どもに、父母それぞれの立場から、
「あなたが悪いんじゃないよ。」、
「離れて暮らしてい
るけど、どちらの親もあなたのことを好きなんだよ。
」という気持ちを伝えていく一つ
の方法です。
離婚によって夫婦は他人になっても、子どもにとっては父母はともにかけがえのない
存在です。面会交流は、そんな子どものために行うものです。子どもは、面会交流を通
して、どちらの親からも愛されている、大切にされていると感じることで、安心感や自
信をもつことができ、それが、子どもが生きていく上での大きな力となります。
面会交流は子どもの健やかな成長のためにとても大切なことであり、子どもにとって望ま
しい面会交流を行うためには、父母双方の協力が欠かせません。夫と妻という関係から子ど
もの父と母という立場に気持ちを切り替え、子どもの親同士というパートナーとして協力し
ましょう。
面会交流の方法や時期、回数などについては、子どもが安心して面会交流を楽しめる
ように、子どもの年齢や健康状態、生活状況等を考えながら無理のないように決めるこ
とが大切です。また、親同士がお互いに守らなければならないルールについてもしっか
りと決めておくようにしましょう。面会交流の取り決めは、後日その取り決めの有無や
内容について紛争が生じないように、書面に残しておくようにしましょう。
面会交流は、長い年月に渡って行われるものです。また、時間の経過とともにお子さ
んは成長し、養育環境も変化します。取り決めを守って安定した交流を行うことに加え、
状況に応じてお互いに話し合い、協力し合いながら、子どもにとって最もよい面会交流
を行っていくことが大切です。
なお、話し合いができないときは家庭裁判所に調停又は審判を申
し立てることができます。通常はまず調停を行い、調停でも話し合
いがつかない場合は、最終的には家庭裁判所の審判で決めることに
なりますが、面会交流は、子どもの健やかな成長をねがって行うと
ても大切なものですから、審判であってもその結果を父母が受け入
れて協力しあうことが不可欠です。
面会交流の取り決めについて
面会交流の取り決めについて
- 4 -
- 4 -
「 子どもの養育に関する
合意書 」について 養育費について
親権者を決めるのと並行して、お子さんの養育費についても決め
ておきましょう。お子さんそれぞれについて、金額・支払期間・支
払時期などを具体的に決めておきましょう。
1 金額
3 支払時期を額金の定一月毎。うょしまきおてめ決を期時の払支
支払う例が多いようですが、経済状況等によりある程度
の期間の分を一括して支払うことも可能です。
4 その他
定額の養育費とは別に、入学金や大学等の授業料等、特
別な出費が生じた場合に、どのように父母が負担するのか
定めておくとよいでしょう。お子さんが健やかに成長する
ためには、いろいろとお金が必要になるものです。1- 5 -
2 支払期間
支払の始期と終期を決めておきましょう。終期については、大学等への進学
の可能性などを踏まえて、その子が経済的に自立することが見込まれる時期を
考え、お子さんの成長のために十分な期間を設けておくようにしましょう(Q
&Aの第6問参照)
。また、終期について定める場合は、
「○しろまる年○しろまる月○しろまる日まで」
とか「22歳に達した後の3月まで」などと、具体的に定めましょう(Q&A
の第7問参照)。 14ページに掲載されている「子どもの養育に関する合意書」は、お子さんの「養育費」
及び「面会交流」について父母がお互いの約束事を証明する文書です。2通作成し、双方
で1通ずつ保管してください。この文書は、離婚届を出す際に、提出しなければならない
文書ではありませんが、お子さんのためにも、できる限り作成するようにしてください。
原則として話し合いで決めることになりますが、その際には裁判所が公表して
いる「養育費算定表」が参考となります(Q&Aの第5問参照)。- 5 -
作成に当たっての注意事項
合意書は、離婚届を提出する際に、提出しなければならない文書ではありませんし、合意書
を作成しないと離婚届が受理されないということもありませんが、お子さんが両親の離婚後も
健やかに成長していけるよう、作成するように努めてください。
面会交流について
1 面会交流の内容流交会面のり帰日 、宿泊を伴う面会交流などが考えられます。手紙や電
話のやりとりを認めるかなども決めておきましょう。
2 面会交流の頻度し施実を流交会面度程回何に月は又週
、1回につき何時間程度の面会交
流を実施するか、宿泊を伴う場合は何泊にするかなどを決めておきましょ
う。夏休みなどお子さんに長期の休みがある場合には、一定期間の宿泊を
伴う面会交流を実施することも考えられます。
3 その他特記事項や所場せわ合ち待 、事情が変わった
場合の連絡先などを取り決めておくこ
とが考えられます。2- 6 - (注)
なお、
相手からDV被害を受ける
おそれがあるなど、
面会交流をすること
が子どもの最善の利益に反する場合にま
で、
面会交流を行う必要はありません。
面会交流は、子どものためのものですので、お子さんにとってど
のような面会交流が望ましいかという視点から、具体的な条件を取
り決めておきましょう。
14ページの参考書式は、様式が定まっているものではなく、一般的に必要と考えられる項
目を記載しているものですので、父母双方が、お子さんの立場にたって、事案に応じて充実し
た内容を取り決めてください。
- 6 -
「 養育費と面会交流に
ついての Q&A 」
ここでは、養育費と面会交流について、よくある質問とその説明を掲載しています。
養育費と面会交流の取り決めをするに当たり、よく読んでいただき、お子さんの健や
かな成長のために、最適な養育費と面会交流の取り決めをするようにしてください。
A1 養育費や面会交流の取り決めをして
いなくても離婚をすることはできます。しか
し、民法には、離婚の際に両親が協議で定め
るべき事項として養育費の分担や面会交流が
定められており、養育費や面会交流の取り決
めをする際には子どもの利益を最も優先して
考慮しなければならないと定められています。
離婚という結論を出すまでには、様々ないき
さつや事情があり、親にとっても、それを乗
り越えて新しい生活を築いていくことは大変
なことですが、それは子どもにとっても同じ
ことであり、子どもが両親の離婚を乗り越え
て健やかに成長することができるためにも、
養育費や面会交流の取り決めはとても重要で
す。したがって、離婚をするに当たっては、
可能な限り、養育費や面会交流の取り決めを
しておくことが望ましいといえます。 養育費の取り決めはどの
ようにしたらよいのですか。Q2A2 まずは話し合いましょう。取り決め
をする際には、養育費の支払がスムーズに行
われるように、養育費の金額、支払期間、支
払時期、振込先などを具体的に決めておくと
よいでしょう。また、取り決めた内容につい
ては、後日、紛争が生じないように、口約束
ではなく、書面に残しておくとよいでしょう。
その際には、このパンフレットに掲載されて
いる「子どもの養育に関する合意書」を参考
にしてください。
また、養育費の取り決めを一定の条件を満た
す公正証書(執行証書)によってした場合には、
実際に支払ってもらえない場合に強制執行の手
続を利用することもできますので(詳細について
はQ8 も参照してください。)、公正証書の利用も
検討してみるといいでしょ
う。公正証書の利用に
ついては、最寄りの公証役場にご相談ください。
A3 家庭裁判所の家事調停手続を利用す
ることができます。家事調停手続は、夫婦、
Q3 相手が話し合いに応じてくれ
ない場合や、話し合いがまとまらない
場合は、どうしたらよいでしょうか。 Q1 養育費や面会交流の取り
決めをしなければ離婚すること
ができないのですか。
養育費について
- 7 -
養育費の金額はどのように
決めればよいのですか。Q5A5 基本的には話し合って決めることに
なりますが、その際には、裁判所が公表している「算定表」
が参考になります。
この
「算定表」
は、
家庭裁判所の実務においても参考にされている
ものです。もっとも、養育費は、個別具体的な
事案に応じて決められるものであり、
「算定表」
は目安にすぎません。
こ の「算 定 表」は、裁 判 所 ウ ェ ブ サ イ ト
(https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/
siryo/H30shihou_houkoku/index.html)等
で見ることができます。
A6 養育費は、子どもが自ら稼働して経
済的に自立することを期待することができない
場合に支払われるべきものであり、その支払期
間の終期は、子どもが未成年かどうかで一律に
決まるものではありません。
例えば、
子どもが成年に達した後であっても、
大学在学中については、その子どもが自ら稼働
して経済的に自立することを期待することは一
般的に困難ですから、養育費の支払義務を負う
場合が多いと考えられます。
養育費の支払期間の終期について取り決めを
するに当たっては、子どもの大学等への進学の
可能性などを踏まえて、その子どもが経済的に
自立することが見
込まれる時期を考
慮 し、子 ど も の 成
長、そ し て 自 立 の
ために十分な期間
を設けておくよう
にしましょう。
養育費は、子どもが未成年Q6の間だけ支払えばよいのではない
ですか。
A4 養育費についての家事調停を申し立
てるに当たっては、子ども1人につき 1200
円が必要となります(収入印紙で納めること
になります。)。そのほかにも、連絡用の郵便
切手が必要となりますが、詳細については、
申立てをする家庭裁判所に問い合わせてくだ
さい。
養育費に関する家事調停手続についての平
均的な審理期間は、家事審判手続に移行し
た場合も含め、約4か月程度といわれてい
ます。
Q4 家事調停の申立てをする
場合には、どのくらいの費用や
期間がかかりますか。
親子、親族などの間のもめ事について、裁判
官と民間から選ばれた調停委員が間に入り、
非公開の場で、それぞれから言い分をよく聴
きながら、話し合いによって適切で妥当な解
決を目指す手続です。
家事調停の申立ては、相手の住所地を管轄
する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家
庭裁判所にすることができます。
家事調停手続においても話し合いがまとま
らなかった場合には、家事調停手続は終了
しますが、引き続き、家事審判手続に移行し、
そこで必要な審理が行われた上で、審判とい
う裁判によって結論が示されることになりま
す(家事調停手続から家事審判手続に移行す
るのに新たな申立てをする必要はありませ
ん。)。
- 8 -
一度取り決めた養育費の額
を変更することはできますか。Q9 Q10A8
1履行の確保の手続
養育費の分担が家事調停や家事審判等で決め
られた場合には、相手に対してそれを守るよう
勧 告 す る こ と を 家 庭 裁 判 所 に 求 め る
ことができます(この手続に費用はかかりませ
ん。)。また、相手に取り決めの履行を命じる
よう家庭裁判所に申し立てることもできます
(相手が正当な理由なくこの命令に従わないと
きは、過料の制裁に処せられることがありま
す。)。この命令の申立てには1件につき500
円の手数料が必要です。なお、これらの手続で
は相手の財産の差押えなどはできません。
2強制執行の手続
養育費の分担が、
一定の条件を満たす公正
証書
(執行証書)
や、
家事調停又は家事審判等
で決められた場合には、
これらの文書
(債務名義)を用いて、
相手の財産を差し押さえるなど
してそこから養育費を回収する手続
(強制執行)を利用することができます。
また、
強制執
Q8 養育費の取り決めをしま
したが、支払ってもらえません。
どうしたらいいですか
A7 養育費の支払期間の終期について
は、その後の紛争予防の観点から、具体的に
「○しろまる年○しろまる月○しろまる日まで」や、大学進学を見据えて
「子が22歳に達した後の3月まで」といった
定め方をしましょう。
なお、成年年齢は2022年4月1日に18歳
に引き下げられます。そのため、「子どもが成
年に達するまで」といった定め方では、養育費
の支払期間の終期について後に混乱や紛争を招
くおそれがありますので、避けましょう。
Q7 養育費の支払期間につい
ては、どのような定め方をすれ
ばよいですか。
A9 養育費の額を取り決めた後にお互い
の経済状況や生活状況が変化するなどした場合
には、一度取り決めた養育費の額を変更するこ
とができることがあります。
その方法としては、
当事者間の話し合いによる方法のほか、家事調
停や家事審判による方法があります。
A10 そのようなことはありません。養育
費の支払と面会交流とは別問題ですので、面
会交流に応じなければ養育費を支払ってもら
えないということにはなりませんし、養育費
を支払わなければ面会交流をすることができ
ないというわけではありません。しかし、ど
ちらも子どもの利益を最も優先して考慮しなけ
ればならないものですので、養育費の支払と面
会交流の実施のどちらの場面においても子ども
の幸せを第一に考えましょう。
面会交流に応じなければ、
養育費を支払ってもらえないの
ですか。
行の申立てをするに当たって相手にどんな財
産があるか分からないときは、
民事執行法の
定める2つの手続を利用することができます
(詳細については12〜13ページを参照してく
ださい。)。
なお、
債務名義がない場合
(掲載されている
「子どもの養育に関する合意書」
によって取り
決めた場合も同様です。)には、
改めて、
執行
証 書 を 作 成 す る
か、家 庭 裁 判 所に
家事調停等の申立
てをすること等が
必要となります。
- 9 -Q11A11 まずは話し合いましょう。取り決め
をする際には、面会交流がスムーズに行われ
るように、面会交流の内容、頻度などを決め
ておくとよいでしょう。また、取り決めた内
容については、後日、紛争が生じないように、
口約束ではなく、書面に残しておくとよいで
しょう。その際には、このパンフレットに掲
載されている「子どもの養育に関する合意書」
を参考にしてください。
面会交流の取り決めはど
のようにしたらよいのですか。
Q12 面会交流の内容や頻度に
ついては、どのように取り決め
たらよいのですか。Q14A14 面会交流についての家事調停を申し
立 て る に 当 た っ て は、子 ど も 1 人 に つ き
1200 円が必要となります(収入印紙で納め
ることになります。)。そのほかにも、連絡用の
郵便切手が必要となりますが、
詳細については、
申立てをする家庭裁判所に問い合わせてくださ
い。
家事調停の申立てをする
場合には、どの程度の費用や期
間がかかりますか。Q13A13 家庭裁判所の家事調停手続を利用す
ることができます。家事調停手続は、夫婦、
親子、親族などの間のもめ事について、裁判
官と民間から選ばれた調停委員が間に入り、
非公開の場で、それぞれから言い分をよく聴
きながら、話し合いによって適切で妥当な解
決を目指す手続です。
家事調停の申立ては、相手の住所地を管轄
する家庭裁判所又は当事者が合意で定める家
庭裁判所にすることになります。
家事調停手続においても話し合いがまとま
らなかった場合には、家事調停手続は終了し
ますが、引き続き、家事審判手続に移行し、
そこで必要な審理が行われた上で、審判とい
う裁判によって結論が示されることになりま
す(家事調停手続から家事審判手続に移行す
るのに新たな申立てをすることは必要ありま
せん。)。
相手が話し合いに応じて
くれない場合や、話し合いがま
とまらない場合は、どうしたら
よいでしょうか。
A12 面会交流は、子どものためのもので
あり、面会交流の取り決めをする際には、子
どもの利益を最も優先して考慮しなければな
りません。したがって、面会交流の内容や頻
度については、子どもが安心して面会交流
を楽しめるように、子どもの年齢や健康状態、
生活状況等を考えながら無理のないように決
めることが大切です。
子どもにとって望ましい面会交流を行うた
めには、父母双方の協力が欠かせません。夫
と妻という関係から子どもの父と母という立
場に気持ちを切り替え、子どもの親同士とい
うパートナーとして協
力しましょう。
ま た、面 会 交 流 は、
長い年月にわたって行
われるものです。時間
の経過とともにお子さ
んは成長し、養育環境
も変化します。取り決
めを守って安定した交流
を行うことに加え、状況に応じてお互いに話し
合い、協力し合いながら、子どもにとって最も
よい面会交流を行っていくことが大切です。
- 10 -Q16A16 地方公共団体によっては、相談窓口
を設置したり、無料法律相談等を行ったりし
ているところがありますので、まずは、各地
方公共団体に聞いてみるとよいでしょう。
また、養育費相談支援センターにおいても
養育費や面会交流についての相談に応じてい
ますし、この他全国に母子家庭等就業・自立
支援センターが設置されており、そこでも養
育費や面会交流についての相談に応じている
所があります。
裁判手続や強制執行手続等の法制度につい
て知りたい場合や、それらの手続に必要な弁
護士費用等を支払う経済的余裕がない場合
に は、日 本 司 法 支 援 セ ン タ ー(法 テ ラ ス)
に問い合わせてみるとよいでしょう。
さらに、家事調停の
申立て等をお考えであ
れば、必要な書類等の
手続面について、各家
庭裁判所に問い合わせ
ることもできます。
具体的な問い合わせ
先は、裏表紙をご参照
ください。
養育費や面会交流について
もっと詳しく知りたいのですが、
どこに相談に行けばいいですか。
Q15 面会交流の取り決めをし
ましたが、相手が応じてくれま
せん。どうしたらいいですか。
A15 子どもにとって望ましい面会交流を
行うためには、父母双方の協力が欠かせません
ので、可能であれば、もう一度、話し合いをし
ましょう。その際には、家庭裁判所の家事調停
手続を利用することができます(既に家庭裁判
所の家事調停手続を利用している場合であって
も、再度、面会交流の内容等を決め直すことも
できます。)。
また、面会交流が家事調停や家事審判等で決
められている場合には、家庭裁判所における履
行の確保の手続を利用することができます。家
庭裁判所に対して申出をすると、家庭裁判所で
は、相手に取り決めを守るように説得したり、
勧告したりします(養育費の場合と異なり、履
行命令の制度は利用することができません。)。
この手続には費用はかかりませんが、相手が履
行勧告に応じない場合に、この手続の中で強制
的に面会交流を実現することはできません。
さらに、家事調停や家事審判等で面会交流
の日時等を具体的に特定した取り決めがされ
ている場合には、
強制執行として、
間接強制(一
定の期間内に履行しない場合に間接強制金を
課すことで義務者に心理的圧迫を加え、自発
的な面会交流の実施を促す手続)を利用する
ことができます。どの程度まで面会交流の内容
相談先について
が特定されていれば間接強制をすることがで
きるのかについては、弁護士等の専門家に相
談するとよいでしょう。
面会交流に関する家事調停手続についての平
均的な審理期間は、家事審判手続に移行した場
合も含め、約8か月程度といわれています。
- 11 -
1 債務者の財産開示手続の見直し
強制執行の申立て
債務者の財産開示手続
○しろまる
債務者の財産に対して強制執行を実施するには、裁判所に強制執行の申
立てをする必要があります。 そして、強制執行の申立てをする際には、債務者のどの財産を対象とす
るのかを特定する必要があります(※(注記))。
(※(注記))
例えば、1預貯金を差し押さえるには、債務者の預貯金を取り扱う金融機関名、
店舗(支店等)等を、2給与を差し押さえるには、債務者の勤務先の名称、所
在地等を、3不動産を競売にかけるには、債務者の所有する不動産の所在、地
番等を、それぞれ申立書に記載する必要があります。
○しろまる
民事執行法には、債務者を裁判所に呼び出し、どんな財産をもっている
かを裁判官の前で明らかにさせる手続があります(財産開示手続)。 今回の改正では、この手続をより使いやすく、強力なものにしました。
2つの手続が
活用できます!そんなとき!申立て 手続の実施を決定
債務者を呼出し
債務名義を持つ債権者 裁判所判決等財産開示期日
(非公開)
・裁判所に出頭・自己の財産に関
する陳述
債務者
改正のポイント2
債務者の不出頭等に対する罰則を強
化しました(6か月以下の懲役又は
50万円以下の罰金)。
相手にどんな財産が
あるかなんて
わからないなぁ。。。
債務名義
を取得
債権者
改正のポイント1
強制執行に必要な債務名義(仮執行宣言付判決
や執行証書なども含む)を有していれば、誰で
も申立てが可能になりました。
債務者の財産開示手続、
第三者からの情報取得手続
- 12 -
2 第三者からの情報取得手続の新設
◎にじゅうまる
債務名義を有する方であれば、裁判所に申立てをして、債務者の財産に関する
情報のうち、1預貯金等については銀行等に対し、2不動産については登記所に対
し、3勤務先については市町村等に対し、強制執行の申立てに必要な情報の提供を
命じてもらうことができます。
ただし、債務者の不動産と勤務先に関する情報取得手続については、それに先立っ
て、債務者の財産開示手続を実施する必要があります(預貯金等に関する情報取得手続につ
いては、その必要はありません。)。 また、債務者の勤務先に関する情報取得手続の申立てをすることができるのは、
<養育費等の支払>や<生命又は身体の侵害による損害賠償金の支払>を内容とする
債務名義を有している債権者に限られます。
○しろまる
財産開示手続の見直しに加え、今回の改正では、債務者以外の第三者か
らも、債務者の財産に関する情報を得られるようにしました。
改正のポイント3
債務者以外の第三者からも債務者の財産の情報(預貯
金等、不動産、勤務先)を得られるようになりました
第三者からの情報取得手続財産開示手続を先行申 立 て情報提供を命令債権者が情報取得回 答裁判所 裁判所
預貯金等情報
不動産情報
勤務先情報
銀行等の
金融機関
市町村
年金機構等
登記所BANK年金機構登記所
[勤務先に関する情報取得手続]
養育費等や生命・身体の侵害による
損害賠償の債権者のみ申立て可能
[預貯金等に関する情報取得手続]
財産開示手続を先行して実施する必要なし債務名義を持つ債権者判決等判決等判決等その他の具体的な内容は、法務省ホームページ
(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00247.html)
も併せてご覧ください。 (法務省ホームページ)
これらの手続に関して、
法テラスの民事法律扶助を利用できる場合があります。
(※(注記)詳しくは、本パンフレット裏表紙記載の法テラスにお問い合わせください。)- 13 -
作成日 年 月 日
父 母
〒 〒
電話 電話
メール メール
名称 名称
所在地 〒 所在地 〒
子ども
親権者 父 ・ 母 親権者 父 ・ 母
親権者 父 ・ 母 親権者 父 ・ 母
養育費
□しろいしかく 年 月 日まで □しろいしかく 1か月当たり 円ずつ □しろいしかく 毎月 日
□しろいしかく 歳に達した後の3月まで □しろいしかく 年/月分 円 □しろいしかく 年 月 日
□しろいしかく まで □しろいしかく 円 □しろいしかく
□しろいしかく 年 月 日まで □しろいしかく 1か月当たり 円ずつ □しろいしかく 毎月 日
□しろいしかく 歳に達した後の3月まで □しろいしかく 年/月分 円 □しろいしかく 年 月 日
□しろいしかく まで □しろいしかく 円 □しろいしかく
□しろいしかく 年 月 日まで □しろいしかく 1か月当たり 円ずつ □しろいしかく 毎月 日
□しろいしかく 歳に達した後の3月まで □しろいしかく 年/月分 円 □しろいしかく 年 月 日
□しろいしかく まで □しろいしかく 円 □しろいしかく
□しろいしかく 年 月 日まで □しろいしかく 1か月当たり 円ずつ □しろいしかく 毎月 日
□しろいしかく 歳に達した後の3月まで □しろいしかく 年/月分 円 □しろいしかく 年 月 日
□しろいしかく まで □しろいしかく 円 □しろいしかく
振込先 その他
金融機関 銀行 支店
口座の種類 普通 ・ 当座
口座番号
口座の名義
面会交流
□しろいしかく 面会(宿泊なし) □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく 面会(宿泊あり) □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく 面会(宿泊なし) □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく 面会(宿泊あり) □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく 面会(宿泊なし) □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく 面会(宿泊あり) □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく 面会(宿泊なし) □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく 面会(宿泊あり) □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
その他(連絡方法や留意事項等を自由にお書きください)
子どもの養育に関する合意書
面会交流の内容 面会交流の頻度子1子21ふりがな
氏 名
ふりがな
氏 名住所勤務先3
ふりがな
氏 名4子4子3支払期間 金額 支払時期子2子3子4
年 月 日から
年 月 日から
年 月 日から
氏 名
ふりがな
年 月 日生 年 月 日生子1
年 月 日から2ふりがな
氏 名
ふりがな
氏 名
印 印
年 月 日生 年 月 日生住所勤務先- 14 -
作成日 年 2 月 1 日母父
〒 ○しろまる○しろまる○しろまる-○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる 〒 ○しろまる○しろまる○しろまる-○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる
電話 ○しろまる○しろまる○しろまる-○しろまる○しろまる○しろまる-○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる 電話 ○しろまる○しろまる○しろまる-○しろまる○しろまる○しろまる-○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる
メール ○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる@○しろまる○しろまる.ne.jp メール ○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる@○しろまる○しろまる.ne.jp称名称名
所在地 〒 ○しろまる○しろまる○しろまる-○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる 所在地 〒 ○しろまる○しろまる○しろまる-○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる
子ども
親権者 父 ・ 母 親権者 父 ・ 母
親権者 父 ・ 母 親権者 父 ・ 母
養育費
令和 □しろいしかく 年 月 日まで □しろいしかく 1か月当たり 5万 円ずつ □しろいしかく 毎月 25 日
□しろいしかく 22 歳に達した後の3月まで □しろいしかく 年/月分 円 □しろいしかく 年 月 日 □しろいしかく円
□しろいしかくでま
□しろいしかく
令和 □しろいしかく 年 月 日まで □しろいしかく 1か月当たり 5万 円ずつ □しろいしかく 毎月 25 日
□しろいしかく 22 歳に達した後の3月まで □しろいしかく 年/月分 円 □しろいしかく 年 月 日 □しろいしかく円
□しろいしかくでま
□しろいしかく
□しろいしかく 年 月 日まで □しろいしかく 1か月当たり 円ずつ □しろいしかく 毎月 日
□しろいしかく 歳に達した後の3月まで □しろいしかく 年/月分 円 □しろいしかく 年 月 日 □しろいしかく円
□しろいしかくでま
□しろいしかく
□しろいしかく 年 月 日まで □しろいしかく 1か月当たり 円ずつ □しろいしかく 毎月 日
□しろいしかく 歳に達した後の3月まで □しろいしかく 年/月分 円 □しろいしかく 年 月 日 □しろいしかく円
□しろいしかくでま
□しろいしかく
振込先 (子1及び子2の養育費の振込先) その他
金融機関 銀行 △しろさんかく△しろさんかく 支店
口座の種類 普通 ・ 当座
口座番号 ○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる○しろまる
口座の名義 ミンジハナコ
面会交流
□しろいしかく 面会(宿泊なし) □しろいしかく ○しろまるか月に ○しろまる回程度 □しろいしかく
□しろいしかく 面会(宿泊あり) □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく 夏休みに2泊3日程度
□しろいしかく □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく 面会(宿泊なし) □しろいしかく ○しろまるか月に ○しろまる回程度 □しろいしかく
□しろいしかく 面会(宿泊あり) □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく 冬休みに2泊3日程度
□しろいしかく □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく 面会(宿泊なし) □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく 面会(宿泊あり) □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく 面会(宿泊なし) □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく 面会(宿泊あり) □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
□しろいしかく □しろいしかく に 回程度 □しろいしかく
その他(連絡方法や留意事項等を自由にお書きください)
□しろいしかく□しろいしかく□しろいしかく株式会社
○しろまる○しろまる県■しかく■しかく市□しろいしかく□しろいしかく町●くろまる-▲さんかく-■しかく
民事 まもるみゆあ むうほるもま じんみ
法務 あゆみ
ふりがな
氏 名
平成26 年 8月 1日生子3子4子花 事民郎太 務法
令和 2
○しろまる○しろまる県△しろさんかく△しろさんかく市□しろいしかく□しろいしかく町●くろまる-▲さんかく-■しかく ○しろまる○しろまる県△しろさんかく△しろさんかく市■しかく■しかく町▲さんかく-■しかく-●くろまる
○しろまる○しろまる県△しろさんかく△しろさんかく市●くろまる●くろまる町▲さんかく-■しかく-●くろまる子4
年 月 日から度頻の流交会面容内の流交会面子1子2子1
2年 2月 1日から子3
年 月 日から
年 月 日生
支払期間3ふりがな
氏 名 印 氏 名 印子2
2年 2月 1日から住所住所勤務先勤務先1ふりがな2○しろまる○しろまる○しろまる株式会社
子どもの養育に関する合意書(記入例)
ふりがな ほうむ たろう ふりがな みんじ はなこ
子1及び子2が大学等に進学した場合の費用等の負担に
ついては,別途協議する。
氏 名
平成23年 5月 1日生
ふりがな
氏 名
○しろまる○しろまる
氏 名
年 月 日生
金額 支払時期4○しろまるこの合意書のひな形は、法務省のホームページにも掲載されています。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00194.html
- 15 -
日本司法支援センター(法テラス)
http://www.houterasu.or.jp/
法テラス・サポートダイヤル 0570-0
お な や み な し
78374
(IP 電話からは 03-6745-5600)
「養育費」と「面会交流」
の関係について
「養育費」は子どもの生活を支えるもの、
「面会交流」は子どもの健やかな成長を願
って行うもので、どちらも子どもにとって必要なものです。
離婚をする際には、できる限り、お子さんのために「養育費」と「面会交流」の取
り決めをするようにしてください。
法務省民事局参事官室
TEL 03-3580-4111
http://www.moj.go.jp
○しろまる 養育費については
○しろまる 法的トラブルについてのお問い合わせは
○しろまる 公正証書については
○しろまる ひとり親家庭支援施策全般については、お近くの自治体まで
○しろまる 申立てを行うための手続、必要書類、費用等については
養育費相談支援センター
フリーダイヤル 0120-965-419
( 携帯電話等からは 03-3980-4108)
info@youikuhi.or.jp (E-mail)
http://www.youikuhi-soudan.jp/index.html
または、最寄りの母子家庭等就業・自立支援センター
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062967.html
日本公証人連合会(公正証書について)
http://www.koshonin.gr.jp
※(注記)
全国の公証役場の所在地等を調べることができるとともに、公正証書の作成など
に準備する資料・手数料等の情報が掲載されています。
※(注記)
全国の家庭裁判所の所在地等を調べることができます。また、家事調停手続等の
申立書書式、手続案内リーフレット、子どもに関する話し合いをするときに心が
けたい事項についての説明動画等の情報が掲載されています。
最寄りの家庭裁判所
http://www.courts.jp
問い合わせ先
(令和 2.3)