各少年院視察委員会の
意見に対する措置等報告一覧表
平成30年4月末日現在
講じた措置
1 帯広少 平成30年2月8日
在院者の処遇に際し,個々の在院者の特性に応じた,より
きめ細かな配慮をすることを求める。
在院者の処遇に関しては,従来から個々の特性に応じた処遇を心
掛けており,今後も職員間の確認と周知徹底を図り,個別面接を中
心とした職員と在院者との意思疎通により一層努めていく。
2 帯広少 平成30年2月8日 在院者の社会参加の方策について検討することを求める。
当院の在院者は,犯罪傾向の進んだ者,発達上の課題,知的な制
約を有した者等が大半を占めていることから,突発的な行動をいつ
起こすか予想が難しいという保安上のリスクを抱えているが,在院
者の自尊感情の向上と円滑な社会復帰を目指すため,在院者の特性
等を十分に考慮しながら具体的な方策について前向きに検討し,可
能な範囲で社会貢献活動の充実に努めていく。
3 北海少 平成30年3月26日
窓の汚れが目立つ所があることから,在院者ができるだけ
清新な思いで更生に向けて取り組めるよう留意されたい。
窓の汚れについては,定期的に清掃を実施している。
しかしながら,一部の窓の汚れは,鉄格子のペンキが雨水等に溶
け,鉄格子から跳ねた雨水が窓の汚れとして付着していたことが判
明したことから,平成30年度に鉄格子を塗装し直すこととした。
4 北海少 平成30年3月26日
書籍を読む習慣を身に付けることは,将来の更生に向けて
の一助となり得ることから,図書の整備については,一層の
配慮を願いたい。
書籍の種類や在院者への貸出し方法等を検討し,在院者の将来の
更生に資する書籍を整備することとした。
5 北海少 平成30年3月26日
寮生活において一定の役割を与えることは,寮の運営面の
みならず,当該在院者に対する教育的効果も認められるが,
仮に,役割が過多となり,自身の内省のための十分な時間や
余裕が無くなるようでは本末転倒となることから,寮委員の
人選や,その後の見守りについて配慮を求めたい。
寮委員の役割については,責任感の醸成等の効果を目的として実
施しているものであり,処遇効果も認められているところである。
しかしながら,役割が過多となり自己の内省等に影響が認められ
る場合は,在院者と面接等を実施し,役割の分散や見直し等を適切
に実施することとしたい。
6 月形学 平成30年3月22日
乱暴な言動を行う職員がいるとの在院者の意見があった
が,少年院には教育機関としての側面もあり,このような言
動は厳に慎まなければならないものと認識する。よって,引
き続き職員研修等を実施し,言葉遣いの在り方等について,
注意喚起を行っていくよう求める。
視察委員会が実施した在院者に対するアンケート調査の結果,乱
暴な言葉遣いをする職員がいるとの指摘を受けたことから,職員研
修を実施し,在院者とのコミュニケーションスキルの向上に努めて
いく。
7 月形学 平成30年3月22日
視察委員会の組織及び活動内容並びにその意見が施設運営
に生かされた具体的な事例を在院者にフィードバックするた
め,「視察委員会からのお知らせ」を在院者の生活空間に掲
示するという方法を試行してもらいたい。
視察委員会作成による 「視察委員会からのお知らせ」を集団寮の
掲示板に掲示することとした。
8 盛岡少 平成30年3月27日
在院者の入浴・シャワー浴について,十分な時間を確保す
ること。
少年院法施行規則第30条において,入浴回数は1週間に2回以
上とされているところ,当院では,週3回,1回につき20分の入
浴に加え,盛夏時期には入浴日や体育が水泳以外の日は,脱衣,着
衣の時間を除き,シャワー浴を実施するなど,可能な限り在院者の
衛生管理に努めているところである。
9 盛岡少 平成30年3月27日
在院者の食事について,各在院者にて望ましいペースで食
事をとることができる環境を整えること。
通常,各在院者が望ましいペースで食事をとれるよう,一番遅い
者に合わせて食事を終了している。今後も引き続き在院者がゆとり
を持って食事がとれるよう,例えば,職員が「よくかんでゆっくり
食べる」ということを適宜全体に声掛けをしたり,食育指導を通し
て働きかけるなど,御意見に沿って指導の徹底に努めていく。
10 盛岡少 平成30年3月27日
在院者と親族の面会時間について,制限の緩和が可能であ
るか,検討すること。
現在でも,保護者との関係修復等,その必要性に応じて面会時間
を延長して実施したり,計画的に長時間の面会を実施するなど,対
応しているところであるが,今後も必要性に応じて時間を延長する
など努めていきたい。
11 盛岡少 平成30年3月27日 エアコンの設置や扇風機の増設を検討すること。
エアコンの増設は機器調達や電気使用料に係る予算の範囲内で検
討するとともに,扇風機については複数台整備を行い,教育や生活
環境の充実を図っていきたい。
12 東北少 平成29年5月26日
より良い処遇を実践するため,経済面での助成や年間計画
において宿泊を伴う専門的研修等に参加できる環境を確保で
きるよう善処されたい。
処遇技法の研修には積極的に参加させているが,職業訓練の研修
については,予算事情や職員配置等を踏まえ,計画的に参加させて
いる。
13 東北少 平成29年5月26日
義務教育内容を習得する必要の高い在院者が多いことに比
べて,職員側の専門性が担保されていないため,仙台市の教
員の援助等外部からの支援の利用を提案する。
外部講師を招へいしているほか,教員免許を有する職員が指導に
当たっているところ,今後,外部講師の拡充など教科指導の体制を
検討する。
14 東北少 平成29年5月26日
東北少年院の職業指導のうち,自動車整備については近時
の技術を習得できるような教材を調達するなど,社会内の
ニーズに即したものにアップデートする努力を求める。
基本的なガソリンエンジンに関する技術等を習得して資格を取得
させている。ハイブリッド車等近時の技術を学ばせる機会として
ディーラーの見学を実施している。
15 東北少 平成29年5月26日
青葉女子学園における職業指導について,在院者の特性に
配慮しながら,より広汎で実践的な指導を行うよう要望す
る。
ジェンダーにとらわれない資格取得や個別のニーズに合わせた指
導を実施している。
16 東北少 平成29年5月26日
当委員会を通じた意見・提案に対する当院側の対応状況に
ついて,在院者にフィードバックする機会を認められたい。
平成29年9月,視察委員会が作成したニュースを寮内に掲示し
た。
17 東北少 平成29年7月24日
東北少年院においては,靴下の差入れを受けた場合,古い
靴下と交換する時期について,「すり切れたり破れたりして
から交換を申し出るように」という指導を行っていたとこ
ろ,自分の判断で使用させるように変更されたい。
在院者が自弁物品を交換するに当たり,物を大切にするようにと
の趣旨で職員が指導していた事実が認められたため,その趣旨は伝
えつつも在院者の自由な判断が尊重されるよう職員に周知した。
18 東北少 平成29年7月24日
一定時間戸外で活動する際に日焼け止めを使えるよう要望
する。
医師に確認の上,希望者に対して日焼け止めクリームを支給する
ように改善した。
19 東北少 平成29年7月24日
就寝時に使用する枕の高さが合わず,毎日のように首が痛
くなるので,枕に代わるタオルなどの使用を認めてほしい旨
の意見があったので検討されたい。
医療上の支障が認められる在院者については代替措置を検討す
る。
20 東北少 平成29年7月24日
在院者の遵守事項について,規制の在り方を見直すととも
に,なぜ院内独自のルールがあるのか,丁寧かつ正確に伝達
する手段を工夫されたい。
遵守事項の運用については,3月から一部見直しているところ,
今後も運用の見直しを行いつつ,遵守事項の目的や効果を在院者に
丁寧に説明する。
21 東北少 平成29年8月10日
意見・提案書の書面を取ってきて,書いて提出する方法で
は,先生の目が気になり利用していないとする意見があるの
で,改善されたい。
自弁の便せんの使用は従前から可としているが,加えて生活のし
おりの末尾に意見・提案書の様式を綴り込むこととし,全ての在院
者に告知した。
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
22 東北少 平成29年9月25日
東北少年院においては,脱水後の洗濯物を乾燥機に入れる
際に時間間隔が空くと,生乾きの臭いが付くので時間を置か
ずに乾燥機に入れてほしいとする意見について,実態を検証
した上で改善されたい。
集団寮の対応については,職員配置上,タイムラグが発生せざる
を得ないため,消臭効果の高い市販の洗剤を利用することとした。
23 東北少 平成29年9月25日
シャワーの使用について,月で区切らず気温や湿度の推移
に応じた柔軟な扱いをするよう要望する。
猛暑対策として8月のみシャワーを実施していたが,今後につい
ては,水道使用料や職員配置等の状況を勘案しつつ,使用時期を柔
軟に変更できるよう対応を検討する。
24 東北少 平成29年9月25日
個室における網戸の設置状況を確認するとともに,虫刺さ
れ対策について検討を求める。また,虫刺されが発生した場
合にかゆみ止めを支給するよう要望する。
網戸の劣化が確認されたことから,順次修繕を実施している。ま
た,虫刺され対策として,防虫スプレー等を使用するほか,内部規
程を改正し,かゆみ止め用塗り薬を備薬箱に備えることとした。
25 東北少 平成29年9月25日
「やり取りする手紙の通数が多いと『外に目が向いてい
る』と注意されるが,職員は,決めつけた言い方をしないで
ほしい」という意見があるので指導方法を工夫されたい。
やり取りする手紙の通数が多いと「外に目が向いている」と指導
した経緯は確認されなかったものの,引き続き,在院者に対して分
かりやすく,理解を促すよう指導していく。
26 東北少 平成29年9月25日
30分を下回らないとされる面会時間が延長される場合に
ついて,在院者に分かりやすい具体的な基準を示すことがで
きないか検討されたい。
面会時間は30分を下回らないとしているところ,具体的な延長
の基準を示すことは困難であるが,ケースごとに柔軟に時間延長の
判断を行っている。
27 東北少 平成29年9月25日
東北少年院においては,生活のしおりに進級面接がどのよ
うな意味を持つ手続なのか説明がないので,その点を在院者
に明確に伝えるよう要望するとともに,在院者の特性に配慮
した声掛けや指導が実践されているか今一度点検し,在院者
の指摘が事実であれば改善されたい。
進級面接は,幹部職員が在院者の改善状況を直接確認するために
実施しており,進級面接の結果だけをもって成績評価等を決定して
いるのではない。在院者に対しては丁寧に説明するとともに,面接
者が威圧的な対応とならないように注意喚起している。
28 東北少 平成29年9月25日
ルール違反などの結果について具体的に厳しく指導するこ
とと,結果のいかんにかかわらず努力している過程を褒める
ことは,指導として両立するし,教育効果も高いと考えられ
るところであるので,そのような指導を徹底するよう要望す
る。
今後も教育効果を考慮した声掛け及び面接を行っていく。
29 東北少 平成29年9月25日
生活のしおりの「日課表」と委員会で配布された「週間標
準日課表」とでは,内容が大きく異なっているので,在院者
への指示を統一するよう要望する。
日課表と週間標準日課表の相違は確認できなかったが,日課の変
更については,全体朝礼等において伝達するなど,指示を統一する
よう努めている。
30 東北少 平成29年9月25日
食事について,健康管理上,辛味を抜いたレシピに改善で
きないか検討するよう要望する。
在院者の食事を作っている宮城刑務所に対し,献立会議を通じて
辛味を抑えた献立を検討するよう要望しており,徐々に改善されて
いるものと承知している。
31 東北少 平成29年9月25日
食事について,健康管理上,塩味を控えたレシピに改善で
きないか検討するよう要望する。
在院者の食事を作っている宮城刑務所においても,塩分使用量の
問題意識が共有され,減塩対策として,徐々に改善されているもの
と承知している。
32 東北少 平成29年11月20日
自弁の医療機器を使用できない場合がある理由を明らかに
し,在院者への説明を丁寧に行うよう要望する。
少年院法第62条に規定されている補正器具の使用について,職
員から分かりやすく伝えることとした。
33 東北少 平成29年11月20日
「痛みなどに対して様子を見ると言われることが多いが,
明確な診断をしてほしい。」との意見について,外部医療機
関での受診・診療につなぐ基準を明らかにし,在院者への説
明を丁寧に行うよう要望する。
医師が症状等に応じて経過観察とする場合があるが,専門医の受
診や検査が必要と判断した場合は,早期に外部医療機関への受診等
を実施する旨についても在院者に丁寧に説明するようにしている。
34 東北少 平成29年11月20日
歯痛に対する痛み止めの投薬基準を明らかにし,在院者へ
の説明を丁寧に行うよう要望する。
歯痛等の訴えがあった場合は,必要性を医療従事者が判断の上,
備薬である解熱鎮痛剤を投薬しているが,連続3日までの投薬とさ
れているため,その後は歯科治療等を受診させている。
35 東北少 平成29年11月20日
在院者が手元に所持できる写真の枚数が3枚であるとする
枚数制限の根拠を明らかにし,在院者への説明を丁寧に行う
よう要望する。
施設の管理運営上,内部規程において写真の所持枚数は3枚と定
めているが,交換は随時可能としている。
36 東北少 平成29年11月20日
「自弁品購入日を月2回にしてほしい。」という意見につ
いて,回数制限の根拠を明らかにし,在院者への説明を丁寧
に行うよう要望する。
自弁品の購入回数は,少年院法73条に基づく管理運営上の制限
として,内部規程において月1回と定めている。
37 東北少 平成29年11月20日
「寮内に公開されている珠算検定等の級を非公開にできな
いか。」という意見について,励みになる在院者と逆の受け
取り方をする在院者がいると思われ,職員が声掛けしやすい
という理由についてもファイル等で管理可能であり,取扱い
を変更する余地はないか検討されたい。
寮内に検定の合格級を掲示・公開することにより,不合格者への
フォローや次級への動機付けなど,在院者への働き掛けに利用して
おり,寮担任職員や複数の在院者に確認したところ運用に否定的な
意見が無いため,当面は現在の運用を継続していくこととしたい。
38 東北少 平成29年11月20日
「食中毒防止のため,食事の前に手洗いをするルールを常
に守る指導をしてほしい。」という意見について,衛生管理
を職員の裁量に委ねることは疑問があるので,調査の上,管
理を徹底されたい。
内部規程に基づき,食中毒防止及び衛生管理の観点から,食事の
前には手指の洗浄・消毒を徹底するよう職員及び在院者に指示され
ているところ,改めて食事前のうがい及び手洗いの励行を指示して
いる。
39 東北少 平成29年11月20日
女子の生理入浴15分を通常入浴と同様に20分としても
らえないか要望する。
生理入浴についても20分とした。
40 東北少 平成29年11月20日
同室者の鼻すすりやせき込む音がうるさくて集中できない
ので,耳栓の使用を認めてほしいという意見について検討の
上,何らかの防音対策を講じられたい。
耳栓については,訓令において貸与又は自弁が許されていない。
なお,マスクは医師の指示により着用させているほか,同室者のい
びきがひどい場合は,就寝時のみ転室させるなどの対応を行ってい
る。
41 東北少 平成29年11月20日
月末ごとに測定する体重を本人に教えてもらいたいという
意見について,自己の身体情報を教えられない理由を明らか
にし,在院者に丁寧に説明されたい。
在院者の個別のケースによるが,自己の体重を過度に意識して本
人の心身や処遇に支障が生じるため,体重を教えないことがある。
42 東北少 平成30年1月22日
漫画などの娯楽本について,官本のバランス上増やすこと
を検討されたい。
備付書籍は定期的に購入しているところ,漫画の整備についても
今後検討する。
43 東北少 平成30年1月22日
東北少年院においては,洋式のトイレは寮内に一つあるよ
うだが,今後も積極的に交換されたい。
今後,予算事情等を勘案しながら,順次和式から洋式に交換する
ことを検討する。
44 東北少 平成30年1月22日
在院者に対して,シャープペンシルを使用できない理由を
分かりやすく伝えるよう要望する。
シャープペンシルの使用を認めていないにもかかわらず,生活の
しおりの一覧表に掲載されていることから,削除することを含めて
記載ぶりを検討する。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
45 東北少 平成30年1月22日
青葉女子学園においては,自主学習時にレース編みができ
る在院者とできない在院者を区別する基準を明らかにして,
在院者に分かりやすく説明されたい。
手芸科の在院者は自主学習時の実施を可としているものであり,
理解しやすいように説明する。
46 東北少 平成30年1月22日
価値観の矯正にわたる働き掛けの在り方についても,在院
者が単に自分の価値観を否定されたという受け止めに終わら
ないよう,少年院法15条にのっとり,在院者の「自覚に訴
えて改善更生の意欲を喚起」するような処遇を実施されるよ
う要望する。
少年院法の趣旨に沿った処遇を継続させることとしたい。
47 東北少 平成30年1月22日 職員側の感情統制について工夫願いたい。
アンガーマネジメントやコーチングの研修に職員を派遣し,不適
正処遇を防止するよう取り組んでいる。
48 東北少 平成30年1月22日
非行の向き合い方とトラウマティックなストレスとのバラ
ンスについて,矯正処遇上,考慮願いたい。
在院者の処遇上の必要性とのバランスを考慮して,個別に課題を
設定しているところ,今後も細やかな配慮をしながら処遇に当たる
こととしたい。
49 東北少 平成30年1月22日
「夏季だけでなく通年で麦茶を飲めるようにしてもらえな
いか」という意見について検討されたい。
夏季は熱中症対策として冷たい麦茶,冬季は暖かい緑茶を給与し
ているところ,通年で麦茶を支給することは予定していない。
50 東北少 平成30年1月22日
パン食の頻度が減った,おかずが少ない,御飯とお汁粉の
取り合わせに違和感を覚えるといった意見を踏まえ,献立作
成について刑務所と相談して改善されたい。
宮城刑務所が作成する献立において,パン食が朝食に変更された
り,一時的な対応として御飯とお汁粉が一緒に給与されることが
あったが,現在は改善している。
51 東北少 平成30年1月22日 調味料として,食卓塩を置くことを検討されたい。
減塩対策として塩分使用量を少なくするように取り組んでいるこ
とから,調味料として食卓塩を置くことは困難である。
52 東北少 平成30年1月22日
東北少年院においては,入浴の手順と時間の関係を教えて
いただき,実質的な入浴時間を確保する工夫がないか検討さ
れたい。
入浴は週3回実施し,時間は20分であるところ,寮からの移動
距離や脱衣等に掛かる時間を考慮すると15分以上の入浴時間は確
保されている。入浴時間を確保するために在院者の余暇時間が減少
したり,職員の時間外勤務が増加したりすることから,直ちに対応
することは難しい。
53 東北少 平成30年3月30日
花粉症対策のマスクの着用を認めてほしいという意見が
あったが,検討されたい。
マスクの使用は,医療上の必要があると医師が判断した場合,支
給又は自弁が認められており,花粉症対策としてのマスク使用につ
いては,医師と相談の上,検討することとしたい。
54 東北少 平成30年3月30日
鉛筆については,削ると短くなるので,どの程度の長さに
なれば新しいものを削ることにしているのか実情を御教示い
ただき,対応を求める。
手の大きさの差異等があり,一定の基準は設けられないが,常識
的な範囲で職員が書きにくくなったと判断した時点で交換してい
る。
55 東北少 平成30年3月30日
歯ブラシ・シャンプー・リンスが2か月に1本しか自弁で
も買えない規則となっているが,2か月もたずに使えなく
なったり残りが無くなったりしたら,その時点で自弁購入を
認めてもよいと思うが検討されたい。
自弁購入の日用品を使い切った際は,支給品で対応している。
56 東北少 平成30年3月30日
職業訓練と高等学校卒業程度認定試験に向けた学習の優先
順位や後者に用いる時間設定について,少年院として処遇上
どのように考えて指導しているのか教示を請うとともに,個
別処遇の中で柔軟に対応できないか,検討されたい。
職業訓練に必要な時間数を確保する一方,高等学校卒業程度認定
試験受験者に対しては,毎週水曜日に外部協力者による特別講座を
実施するほか,学習の進度等を勘案し,個別処遇による集中学習を
実施するなどして,柔軟に対応することとしている。
57 東北少 平成30年3月30日
食事が冷めていることが多いので改善してほしいという意
見があったので,検討の上,改善されたい。
食事が作られている宮城刑務所から搬入された後,速やかに配食
を実施し,ふた等をかぶせて保温した上で,各寮に配布している
が,食事の準備に時間が掛かることもあるため,可能な限り速やか
に配布できるようにしていきたい。
58 東北少 平成30年3月30日
入浴洗髪後に寮でドライヤーを使わせてほしいという意見
について,冬季は身体が冷えて健康に良くない上,アイロン
の使用は可とされていることとのバランス上も認めるよう要
望する。
原則として自然乾燥であり,冬季期間についても,暖房により寮
内が暖かく比較的早く髪が乾くため,ドライヤーは使用させていな
い。なお,面接等で入浴後にすぐ出寮するような場合については職
員の判断でドライヤーを使用させている。
59 東北少 平成30年3月30日
「布団のダニに刺される」ことがあるとの意見があり,調
査の上で対処されたい。
害虫駆除については,平素から対策を取っているところ,平成2
9年度は,各寮内の衛生管理を図るため,7月にダニ等の害虫を駆
除するためのくん煙殺虫剤を使用したり,寝具の日干をするなどし
て対応しており,平成30年度も同様にくん煙殺虫剤の使用や寝具
類の日干を継続して行っていく。
60 東北少 平成30年3月30日
体育館の床が滑るので危険という意見について,安全環境
保持に関する実情を確認して対応するよう求める。
体育館で運動中,足を滑らせてけがをするというような事案は発
生していないが,体育館の床面が古くなっており,予算事情等を考
慮して,床面の補修等について検討する。
61 東北少 平成30年3月30日
平成28年度実施した職員からのヒアリング等の結果,依
然として恒常的にオーバーワークの懸念があるため,在院者
数に比例しない職員の負担の重さを法務省本省にも具体的に
理解してもらいながら,適切な人員配置を要求し続ける必要
がある。
職員配置については,業務の合理化や効率化等を通じて適正化を
図り,増員が必要な場合は,上級官庁に状況説明し,要望していき
たい。
62 東北少 平成30年3月30日
東北少年院においては,平成30年度から短期課程が併設
されて教科教育の需要が高まるので,特別支援教育など教育
現場で実践されている研修への参加や現場経験のある教員の
人員配置について検討されたい。
仙台市内の大学など外部協力者と連携し,当院の教育活動に関
わっていただくことで,教科教育の一層の充実に努めたい。
63 東北少 平成30年3月30日
委員会の開催回数について,来年度以降も2か月に1回の
頻度(通年6回)での開催が実現できるように本省に要望さ
れたい。
視察委員会の開催に伴い,必要な予算の増額措置については,施
設限りでは対応できないため,委員会の要望は上級官庁に伝達す
る。
64 東北少 平成30年3月30日
意見・提案書の様式について既存の書式に加えて,当委員
会で準備した書式との併用を可能とするよう求める。
意見・提案書の様式は通達で定められたものであり,併用は困難
であるが,意見は上級官庁に伝達する。
なお,自弁の便箋による意見の提出についても,申出があれば認
めている。
65 茨城農 平成29年5月31日
現在,週2回行っている入浴の回数について,増加を検討
願いたい。
入浴回数について,一定期間試行的に週2回から週3回に増加し
た。
66 茨城農 平成29年5月31日 寮で使用している洗濯機の排水が悪いので修繕願いたい。 排水の詰まりについて,修繕工事した。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
67 茨城農 平成29年5月31日
矯正教育の内容として行っている体育について,一定程
度,在院者の希望に応じた種目の検討を求める。
現在,年間指導計画に基づき,身体接触の多い競技などトラブル
等の発生防止を考慮した種目を実施している。当院の規律及び秩序
の維持,施設管理運営上の問題,矯正教育の適切な実施,在院者の
興味・関心などを考慮し,検討したい。
68 茨城農 平成29年10月4日 自弁の書籍を余暇時間に自由に読めるよう検討願いたい。
集団の寮ホール等共有部分で閲覧させるには支障が生ずるおそれ
がある自弁の書籍等は,居室内で閲覧させる取扱いとしているが,
それ以外は,特に制限を設けていない。
69 茨城農 平成29年10月4日 自弁書籍の購入について,迅速な対応が望まれる。
事務処理を速やかに行い,迅速な購入手続及び交付を図ってい
る。
70 茨城農 平成29年10月4日
図書室の備付書籍本を寮ごとに入れ替えることを検討願い
たい。
寮の備付書籍等を2か月ごとに入れ替える運用としているが,各
集団寮に同じ書籍等を整備していることもあって,完全に全部を入
れ替えるのではなく,重複していない書籍等のみを入れ替えること
を検討している。
71 茨城農 平成30年2月28日 在院者の健康管理上,クーラーの設置を要望する。
エアコンの設置に当たっては,キュービクルの容量の増加に必要
な工事代,使用する際の電気代等予算上の問題もあるので,上級機
関へ要望する。
72 水府学 平成29年8月3日
扇風機故障による暑さを訴える在院者がいたことから,で
きる限り快適に生活できるよう配慮されたい。
扇風機の経年劣化が確認できたことから,不具合のある扇風機を
更新するとともに,集団寮天井備付けの扇風機を大型1台から小型
2台に増設した。
73 水府学 平成29年10月5日
腰痛など,身体に不自由を抱える在院者もいることから,
できる限り早期に,トイレを洋式に改修すべきである。
構造上,予算上の問題もあり,当院のみの判断では対応できない
ことから,上級官庁に予算措置も含めて相談していきたい。
74 水府学 平成29年10月5日
在院者の学習意欲を満たせるよう,教材の整備をはじめと
する学習環境を整備すべきである。
予算及び在院者の希望をしんしゃくして,引き続き,学習参考書
やその他の教材等の充実に努めたい。
75 水府学 平成30年3月30日
霜焼けがひどいと訴える在院者がいたことから,できる限
り快適に生活できるよう配慮されたい。
適切な医療措置に加え,ハンドクリームの支給,手袋の貸与な
ど,霜焼け対策に努めている。引き続き,在院者の症状の把握を徹
底した上で,医療体制の充実等に努めたい。
76 水府学 平成30年3月30日
今後の視察委員会の活動において,日課の見学や給食の試
食等も検討し,協力願いたい。
運用上可能な限り積極的に協力したい。
77 喜連川少 平成29年10月12日
浴室のシャワーについて速やかに点検し,お湯の出が悪い
ものがあれば,速やかに修繕すること。
シャワーの修繕ができない場合には,適切な温度のシャ
ワーが使えるよう運用を工夫すること。
蒸気の供給能力による影響があると思われるボイラーのヘッダー
バルブを平成29年11月14日に修繕し,浴室のシャワーについ
て点検を行った上で,経年劣化が進んでいた浴室のシャワーヘッド
について,同年12月15日に全て交換修繕を行い,浴室のシャ
ワーのお湯の出について改善の措置を講じた。
78 喜連川少 平成30年2月26日 入浴は,週3回以上実施すべきである。
当院においては,寮外に一か所しかない入浴場へ寮ごとに複数の
職員で引率して行って入浴を実施しており,日課運営及び職員配置
を勘案すると,少なくとも現状では週3回実施は困難である。
79 喜連川少 平成30年2月26日
入浴時間が短ければ良いと思わせるような行動管理をせ
ず,入浴時間いっぱいまで入浴できるよう配慮した運用をす
べきである。
従前のとおり,不必要又は不適切な行動制限等をしないことは当
然として,今後は,在院者に対し,入浴の意義を説明の上,その機
会を十分に活用するよう指導・働き掛けも行うこととしたい。
80 喜連川少 平成30年2月26日
提案箱の設置場所について,在院者に見えやすく,入れや
すい場所へ移設すべきである。
現在の設置場所は,寮の出入りの際に必ず目にする場所であり,
かつ,寮内生活時の定位置であるホールから様子がうかがい難いこ
とから,現状では,最も気兼ねなく投かんできる場所であると判断
している。
ただ,平成30年度から開始された改修工事において,現在の設
置場所寮に係る設備・レイアウトが一部変更されるのに伴い,改め
て最適な設置場所を検討することとしたい。
81 赤城少 平成30年3月28日
教科棟の老朽化している学習机や椅子については,速やか
に新調されたい。
平成30年2月,教科棟教室用の学習机及び椅子32セット分を新
たに整備した。今後も予算執行計画等に基づき,順次更新に努めて
いきたい。
82 赤城少 平成30年3月28日
寮トイレについては,洋式トイレを増設することを要望す
る。
大きな予算が必要な工事については,上級官庁に上申した上で対
応する。
83 赤城少 平成30年3月28日
基本的な学習に必要な参考書や問題集については,不足が
あれば準備されたい。
在院者のニーズ等を踏まえるとともに,予算事情を勘案し,必要
な教材を整備していきたい。
84 赤城少 平成30年3月28日
在院者に給与する食事については,日によって,副食にお
ける肉の量にばらつきが見られるため,改善に向けた方策を
検討されたい。
当院における配食方法に問題は認められないが,適切な献立の作
成に努めるとともに,発注業者との契約や仕様内容の見直しを図る
など,給食の公平な給与に十分留意する。
85 赤城少 平成30年3月28日
在院者に対する言葉遣いや態度等の接し方については,不
公平感を抱かれないような接し方に配慮されたい。
職員が不適切な言動をした事実は認められないが,生徒指導の基
本に関する職員研修を定期的に実施し,指導時における適切な言葉
遣いや態度等を確認しており,更なる職員の意識向上に努めていき
たい。
86 赤城少 平成30年3月28日
在院者に対する身体接触については,セクハラなどの誤解
を招かないような接し方に配慮されたい。
職員が不適切な言動をした事実は認められないが,少年院におけ
る身体接触の在り方について,職員研修を実施し,勤務上の留意事
項を周知した。今後も職員研修等を定期的に実施し,職員の意識向
上に努めていきたい。
87 赤城少 平成30年3月28日
意見・提案書を提案箱に投かんする際,何を書くのかと問
われたことがあったとの申出があった。そのような事実は確
認されていないとのことであるが,当該言動がなされること
のないよう職員に周知されたい。
意見・提案書の取扱上の留意事項について,内規を発出して周知
した。
88 赤城少 平成30年3月28日
意見・提案書の使用時に職員に申し出る運用をしていたと
ころ,今般,不要とする見直しがなされ,望ましい対応がと
られた。今後,必要に応じて更なる制限緩和について検討さ
れたい。
意見・提案書の取扱いについて,内規を発出して周知した。今後
の経過を見つつ,適切な運用の在り方について検討していきたい。
89 赤城少 平成30年3月28日
インフルエンザ対策について,院内感染の拡大を防ぐた
め,発出した内規を適切に運用するとともに,周知徹底され
たい。
今後も院内感染防止のため,インフルエンザ対策に係る内規の適
切な運用に努めていきたい。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
90 赤城少 平成30年3月28日 実用英語能力検定試験の院内実施に向けて検討されたい。
実用英語能力検定試験の院内実施に当たっては,受験に向けた学
習時間の確保や試験実施団体の定める各種基準をクリアする等の課
題があり,今後も慎重に検討していきたい。
91 赤城少 平成30年3月28日
学習目的以外での自弁ノートの使用について検討された
い。
学習目的以外のノートの使用については,管理運営上支障が生じ
ない範囲内において適切に使用できるよう詳細な使用要領につい
て,検討していきたい。
92 赤城少 平成30年3月28日
成人でも読み応えのあるような人気作家の小説,スポーツ
雑誌,料理の本といった書籍を求める意見があり,新たな書
籍の購入について検討されたい。
予算事情を勘案し,新たな備付書籍の整備に努めていきたい。
93 赤城少 平成30年3月28日
常備薬の種類が少ないとの意見があり,日常生活に必要と
される医薬品について,改めて確認の上,不足があれば補充
されたい。
矯正施設で使用する備薬については,「備薬等の品目及び数量並
びに薬剤の使用に関する基準について(依命通達)」等に定められ
ており,誤投薬防止の観点から,極力種類を限定し,使用要件を定
めて運用しているところである。現状の備薬で対応できない場合
は,常勤医師による診療を受ける体制となっている。
94 榛名女 平成30年3月26日
入浴の頻度,時間が,通常の女性の入浴の頻度,時間に比
して少ないと思われ,冬季に非常に寒冷になる立地を踏ま
え,入浴時間を長くすることを検討されたい。
入浴時間については,在院者の保健衛生及び医療に関する訓令に
基づき,気候,矯正教育の内容その他の事情を考慮し,入浴は週3
回(日,火,木曜日),入浴時間は20分間とし,実質的な運用と
しては,脱衣して入浴する時間を15分,浴室から出て着替える時
間を5分と分けていたが,脱衣の動作が遅い者にも考慮し,脱衣を
終えてから15分とするように改めた。
95 榛名女 平成30年3月26日
食事時間が20分と定められているが,パン食の時は25
分と定められており,一律25分とすることを検討された
い。
一律25分に変更した。
96 榛名女 平成30年3月26日
食事時のBGMが同じ曲の繰り返しとの意見があるので,
在院者の意見を取り入れることが可能か検討されたい。
食事時間に流しているCDの購入は,年に数回,職員が選定し複
数枚のCDを購入しているが,次回以降CDを購入する際は,アン
ケートなどの適宜の方法により在院者からも希望を募ることとし,
流す順序については,これまでどおり,在院者の希望も聞きながら
計画する。
97 榛名女 平成30年3月26日
配食開始から喫食まで約15分要しているところ,温食給
与は重要なので,配食時間の短縮を検討されたい。
炊事場から各寮に食事を運搬する際,御飯は保温性のおひつに,
汁物等も保温性の容器にそれぞれ密封して運んでおり,配食までの
温度は保たれている。
集団寮での配食は,当番の在院者が盛り付けた後,職員が,量に
不均衡がないか等を確認しているために時間を要しているが,今後
は,少しでも早く配食ができないか等について,配食要領などを見
直したり,食事が冷めないような工夫ができないか検討する。
98 榛名女 平成30年3月26日
書籍の自弁(購入)を希望してから交付までの期間が2週
間以上掛かるとの意見があったが,できるだけ日数を短縮す
るよう検討されたい。
自弁購入書籍については,購入申出から発注,納品,内容の検査
等一連の手続を経て,在院者に交付するまで,通常16日程度を要
している。購入冊数が多い場合や,内容に疑義がある書籍が多い場
合,検査において意見(抹消,削除,不許可)を付した場合は,各
決裁者が実際に図書を閲読し判断する関係上,交付されるまで更に
2日ほどの日数を要している。差入書籍は,本人から閲読の申出が
なされてから,購入書籍と同様の内容検査等を経て,通常1日又は
2日程度で本人に交付している。
いずれも,閲覧により少年院の規律秩序を害する結果を生じ,又
は矯正教育の適切な実施に支障を生ずるおそれがないかを判断する
ため,ある程度の時間を要することはやむを得ないことであると考
えているが,在院者が楽しみに待っていることを踏まえ,早く交付
できるよう努める。
99 榛名女 平成30年3月26日
寮内に時計は設置されているが,時間に園内の生活が管理
されており,在院者の腕時計着装が認められていないことを
踏まえ,各居室に時計を設置することを検討されたい。
時計は,集団寮ではホール(2か所)及び廊下(2か所)に掛け
時計が設置しており,各居室の出入口から容易に見える位置に設置
してあるところ,1寮制としたことにより,使用する居室が増えた
ため,更に廊下に1か所(計3か所)時計を設置した。
居室内への設置については,職員の巡回時間を把握されにくくす
るといった保安上の必要もあるため,現状どおり,ホール及び廊下
への設置とする。
100 榛名女 平成30年3月26日
冬季に霜焼けになったとの意見が多数あり,靴下等の所
持・使用枚数(靴下5足,レギンス2枚)を増やしてもらい
たい。
貸与品であるレギンス(ズボン下)は,従来は綿製であったが,
現在は保温効果のある素材に変更し,肌着も同様に仕様を変更した
ところである。
また,ルームソックスについては,以前厚手の靴下を購入し在院
者に貸与したところ,厚手すぎてサンダルが履けないなどの不都合
が生じた経緯があり,現在は就寝時用として貸与している。枚数の
増量については,予算上の都合も考慮しながら,職員や在院者の意
見や希望を聴取して適切に対応する。
なお,冬季は,この他にもボアシーツ,ひざ掛け毛布,フリース
ジャンパー,セーター,裏起毛の長ズボン及び手袋などを貸与して
おり,防寒対策を図っている。
101 榛名女 平成30年3月26日
生理の際は,生理帯を着用したまま洗髪,手足の洗体及び
拭身,夏季は週1回の単独入浴場でのシャワーを実施してい
るが,全てのトイレが洗浄器付であればともかく,そうでな
ければ,夏季に限定せずに単独入浴場でのシャワー入浴等を
認めることを検討されたい。
公衆浴場などでは,一般的に,生理時は衛生上の理由から入浴自
体を遠慮するよう呼び掛けが行われていると承知している。当院で
は,感染予防や経血による汚染防止のため,生理帯を着用させたま
ま,洗髪や手足の洗体,拭身を行わせる運用を継続することとして
いるが,在院者数の変動等を踏まえ,適切に対応する。
102 榛名女 平成30年3月26日
教官がひいきをしている,教官に話を聞いてもらえない,
教官と話しにくい等の意見が複数あり,全ての意見が正当な
ものかは不明である。発達障害の在院者への対応は難しい面
があると思うが,職員も研修を充実させ,発達障害の見識を
深めたほうが良いと思われる。
常に適切・公平に教育・処遇に当たっていくよう職員を指導,監
督するとともに,発達上の課題や知的能力に制約のある在院者等へ
の対応や指導に係る研修はこれまでの実施内容を踏まえ,より効果
的な研修内容の充実を図る。
103 榛名女 平成30年3月26日
視聴するテレビ番組について,寮の上級生が決めてしまう
との意見があるので,下級生の意見を聞くことも検討された
い。
余暇のテレビ番組については,処遇段階の向上に伴い,自主性及
び自律性を伸長させる目的で,最上級生の合議方式により選択の機
会を与えているものであり,上級生が視聴番組を決定する現行の方
法を今後も継続する。
104 榛名女 平成30年3月26日
入浴のない日の夕方の洗顔を水で行わせているが,冬季
は,昼間でも廊下,面談室は寒い印象であり,冷水で洗顔す
ることが霜焼けの原因となっていると考えられることから,
在院者がお湯で洗顔できるよう改善を求める。
寮の洗面所(水道)を温水給湯が可能な設備に改修するには,予
算措置が必要であり,設置後も維持費や燃料費を必要するため,現
段階で直ちに設備改修することは困難であるが,朝と同様に,入浴
日以外の夕方の洗顔後の温水(バケツ)の支給について検討する。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
105 榛名女 平成30年3月26日
在院者から,希望するサイズの衣類がなかったとの意見が
あり,希望するサイズの衣類が着用できるよう改善を求め
る。
在院者に貸与する衣類については,計画的に整備・更新している
ところ,3L以上の大きなサイズについては,SからLLに比べ在
庫数が少なかったところ,同一時期に3L以上のサイズを着用する
ものが複数入院した際,入院当初に貸与する衣類の準備が間に合わ
なかったことがあったため,今後は,移送元の少年鑑別所に対し
て,審判期日の決定連絡を受けた時点で,当該被収容者の衣類サイ
ズについての情報提供を求め,入院した場合に希望するサイズの衣
類を貸与できるよう努める。
106 榛名女 平成30年3月26日
封筒,便箋は,無地で淡色のものに限るとされているが,
タオルやハンカチと異なり,柄やデザイン等によって価格に
差があるとも思えないので,差入れのレターセットの使用許
可について検討されたい。
封筒,便箋の規格の設定基準は,高価なものを使用させないとい
うことが目的ではなく,大きさ,材質,形状等を画一的にすること
を目的としている。その理由は,信書の検査を行うに当たり,文字
が見やすいこと,別のものを隠匿しづらく,かつ,隠匿したことが
容易に確認できること,材質等が危険でないものであること等,施
設の管理運営上の必要によるものであるところ,一般的にレター
セットは,形状や紙の材質,色,柄も多種多様であり,差入れのレ
ターセットを一律に許可することは相当でない。
しかしながら,「淡色」という基準については,前記目的に照ら
し合わせ,必ずしも「淡色」に限定する必要性は低いため,今後,
改正を前提に検討する。
107 榛名女 平成30年3月26日
不許可信書について,せめて差出人を教えることを検討さ
れたい。
信書の発受の可否については,在院者個々の状況に応じて審査し
ているが,相手方が犯罪性のある者,その他在院者が信書を発受す
ることにより施設の規律及び秩序を害し,又は在院者の矯正教育の
適切な実施に支障を生ずるおそれがある者と認められた場合は,院
長において禁止の措置を講じており,受信書に係る相手方氏名の告
知の可否についても,その都度検討している。禁止措置とした信書
の差出人を教えた場合,その者が信書を出したという事実の告知
が,禁止措置とした事由を阻害することがある。
108 榛名女 平成30年3月26日
在院者の処遇等について在院者から意見を聴取し,施設に
意見を述べたところ,既に許可されているにもかかわらず,
在院者が認識していないことがあったので,情報量の偏りが
ないよう周知されたい。
処遇内容の変更等,在院者に告知すべき事項については,朝礼時
や寮内活動時において適宜周知を図っているところであるが,理解
できていない場合もあることを念頭に,告知の機会を多数回設ける
とともに,分かりやすい説明に努め,情報量に偏りがないよう徹底
する。
109 榛名女 平成30年3月26日
職員の処遇について,労働時間の長さ,職員宿舎居住者は
非常ベルへの対応等,労働環境は厳しいものとの感想を禁じ
得なかった。体調を崩す者もいるとのことなので,産業カウ
ンセラーを配置するなど,相談窓口を設置することが好まし
いと思われるので提案する。
法務省としても,職員のワークライフバランスについて,年次休
暇の取得促進,業務の効率化・スマート化に取り組んでいる。ま
た,相談体制についても,勤務施設はもとより,管区機関及び矯正
局にも窓口があり,特にメンタルヘルスについては,平成29年度
は東京矯正管区メンタルヘルス相談員による研修や面談も実施して
おり,相談しやすい体制の構築に努めている。
110 榛名女 平成30年3月26日
少年院は刑務所とは存在目的が根本から異なるが,世間的
にはそうは見られないことも多いので,その取組や理念は広
く知られるべきであると思われるため,広報をより増やすよ
う検討されたい。
当院としても,広報の重要性を認識しており,通常の参観だけで
なく,地域社会との連携及び広報の積極化を図るため,地域住民や
関係機関のみならず,学生,教員,就労支援団体,報道機関等を対
象とした募集参観を実施している。今後は,更に,講演や法教育な
ど,様々な機会を捉えて,矯正行政に対する理解と支持を得るべ
く,広報活動に努める。
111 市原学園 平成29年8月1日
視察委員会制度,提案箱利用方法について知らないあるい
は誤解している在院者が多く,制度の周知が不十分である。
新入時教育時に改めて視察委員会の活動内容について告知を行
い,視察委員会からのニュースレターを寮内に掲示した。
112 市原学園 平成29年8月1日
水虫をうつされた。シャワー時に石けんが利用できないな
どの訴えあり。感染症対策として衛生管理の配慮を要する。
衣類の洗濯や寝具の日干回数を増やすとともに,水虫にり患した
者の足拭きマットは個別に扱うこととした。
113 市原学園 平成29年8月1日
御飯が固すぎる,柔らかすぎる,炭水化物が多すぎるなど
食事に関する不満がある,更なる配慮を要する。
調理を担当している共同炊さん庁の市原刑務所に対して献立会議
の際に御飯の炊き方についての申入れを行った。
114 市原学園 平成29年8月1日
網戸に穴が空いている。設備備品の管理,修繕などの対応
を要する。
網戸の穴や老朽化した設備の確認を行い,予算事情を加味し網戸
については張替えを,老朽化した設備は交換や修繕をした。
115 市原学園 平成29年10月3日
衛生面に関する意見(御飯に異物が入っていた,ゴキブリ
が多い,かび臭い衣服)があった。対応されたい。
御飯の異物混入については,市原刑務所調理担当者に衛生面に配
意するよう伝えた。また,かび臭い衣類については,洗濯回数を増
やし陰干しも行った。なお,ゴキブリ対策については,捕獲器を用
いたり,防除用医薬部外品をを使用した。
116 市原学園 平成29年10月3日
網戸が壊れているとの意見があり,修繕の必要な備品の確
認と早急な対応をされたい。
申出があった都度張り替え,修繕を行った。
117 市原学園 平成29年10月3日
御飯の炊き加減の意見がある。献立会議などで調整を要請
されたい。
市原刑務所で開催された献立会議で在院者から御飯の炊き方にむ
らがあるとの申出があったことを伝え,水加減,蒸らしの時間,お
ひつ内での結露等が考えられることから引き続いて検討することと
した。
118 市原学園 平成30年1月11日
衛生面に関する意見(布団に夜尿跡と思われる染みがあ
る,布団がほこりっぽい)があった。対応されたい。
布団の染みの件については,コップの水をこぼして染みができた
ものと思われるが,染みのある布団は速やかに交換し,在院者に貸
与する際は染み等がないかを確認した。また,布団がほこりっぽい
件については,布団干しを行った。
119 市原学園 平成30年1月11日
備品に関する意見(机のぐらつき,シャワーヘッドの不具
合,窓から隙間風が入る,窓が開けづらいなど)がある。修
繕等の対応をされたい。
申出があった都度修繕等を行った。今後も生活環境の改善には配
意していくこととし,予算事情も鑑みながら改善する。
120 市原学園 平成30年1月11日 御飯の炊き加減の意見があり,更なる検討を要する。
共同炊さん庁の市原刑務所に再三の申入れをし,引き続き御飯の
炊き加減に配意した。
121 市原学園 平成30年1月11日
寮内で「申告」や「呼び掛け」などをする際の「フレー
ズ」(決まり文句)が定められ,一言一句間違えずに発言す
る必要があり,間違いがある場合,ペナルティはないもの
の,他の在院者が返事や反応をしない,あるいは助言の対象
となっており,在院者はこの「フレーズ」を暗記することに
苦労したり,あるいは暗記できない在院者に対してストレス
を感じるなどの弊害が生じている。その見直し及び改善を求
める。
従来,当院は3つの集団寮で構成されていたところ,近年の収容
人員の減少により統廃合を進め,平成30年度から2つの集団寮に
収容の集約化を図ったところである。
当院では,この集約化を,各寮間に存在している「フレーズ」を
はじめとした各場面における生活要領について,見直す契機として
とらえ,在院者の処遇上著しい格差が無いか,矯正教育の本来の趣
旨に合致したものであるか等を検討し,見直し改善を図っていくこ
ととしている。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
122 八街少 平成30年3月20日
提案箱の存在を知らない在院者がいたことから,提案箱,
意見・提案書について在院者が理解しやすいように丁寧な説
明をされたい。
これまで実施している入院時オリエンテーション及び生活のしお
りでの周知について,従来以上に個別の理解力に配意して丁寧な説
明を行う。また,視察委員会会議実施前の適宜の時期に改めて提案
箱の利用方法について説明する。
123 八街少 平成30年3月20日
冬季は就寝時に寒さを感じる在院者もいることから,就寝
時の服装については,寒さを訴える在院者に対しては,例え
ば,メリヤスの肌着を下着として着用するなど配慮いただき
たい。
冬季においては,冬用パジャマに換え,寝具も毛布の枚数を1枚
増やしているところ,寒さを訴える在院者に対しては,更に毛布を
1枚貸与することと,保温性の高い下着の着用を許可することを検
討したい。なお,霜焼け等のある在院者に対しては,就寝時も靴下
の着用を許可している。
124 八街少 平成30年3月20日
在院者が十分に休息を取れるように,休憩時の姿勢につい
て十分に配慮されたい。
休憩時には,姿勢が極端に不体裁にならないように指導している
ところ,申出により必要に応じて横が等を許可している。また,夏
季の昼の余暇時間においては,体力回復等の観点から申出がなくと
も横がを許可している。今後は,それ以外の余暇時間の横が等につ
いても,許可の方法,時間帯について検討していきたい。
125 八街少 平成30年3月20日
在院者は,少年院での食事内容に対する関心が非常に大き
いことから,食事のメニュー内容については在院者のし好調
査を行い,予算の範囲内で適宜改良されたい。
平成29年12月11日から同月18日の一週間にかけて給食に
関するアンケートを実施した。平成30年2月16日に全在院者に
対し,その集計結果等について説明した。その結果を踏まえ,導入
可能な献立について随時検討を実施している。
126 多摩少 平成30年3月23日
在院者自身に目を向けた教育と比較して,被害者に対する
しょく罪意識のかん養という点では必ずしも十分ではないこ
とから,しょく罪意識のかん養に焦点を当てた教育を検討さ
れたい。
被害者支援団体等による全体講話,特定生活指導を通しての指
導,個別担任による指導など,機会を捉えて様々な働き掛けを実施
しているが,今後もその取組の充実強化を図っていきたい。
127 多摩少 平成30年3月23日
施設の老朽化が深刻であることから,建て替え予定を早め
るとともに,その際には,機能的な設備を設置し,樹木や芝
などの維持管理に要するコストを軽減することを検討された
い。
予算事情が厳しい状況にあるが,維持管理コストの低減に配慮し
つつ,必要な予算措置について,今後とも上級官庁に要求していき
たい。
128 多摩少 平成30年3月23日
冬季における寒さ対策を講じるとともに,在院者の自尊心
を損なわないよう,単独室のトイレ等の構造について検討さ
れたい。
冬季における寒さ対策として,暖房による寮内全体の室温管理を
行うとともに,湯たんぽや厚手靴下の貸与を行う等霜焼け対策を講
じている。単独室の構造については,保安上及び予算上の事情があ
るため,直ちに対応することは困難であるが,引き続き検討してい
きたい。
129 多摩少 平成30年3月23日
入浴回数を週4回とし,それ以外の日にもシャワー浴が保
障されるべきである。
予算事情や矯正教育に充てる時間の確保の都合上,施設限りでの
対応が困難であることから,視察委員会の要望を上級官庁に伝達す
ることとしたい。
130 多摩少 平成30年3月23日
公立図書館と連携して団体貸出による図書の更新,図書館
専門職による選書等,備付書籍等の充実化について検討され
たい。
平成29年度,古本を取り扱う業者と提携し,当該業者のアドバ
イザーによる選書の協力も受けて,1,100冊以上を購入してい
る。今後も継続して,安価で良質な図書を購入し,備付書籍等の充
実化を図ることとしたい。
131 多摩少 平成30年3月23日
在院者が視聴する番組について,バラエティ番組のみとす
るのではなく,教育効果を高める番組の選定を検討された
い。
「テーマ学習」という枠組みで,教養に資する番組を視聴させて
いる。今後もこの取組を継続していきたい。
132 多摩少 平成30年3月23日
個人面接を定期的に行い,その他在院者が希望した場合に
はできる限り時機を失することなく対応していただきたい。
個別的な働き掛けや個別面接の時間を増加しているところである
が,御指摘を踏まえ,時期を失することなく,「動機付け面接」等
を活用し,面接の更なる充実を図ることとしたい。
133 多摩少 平成30年3月23日
在院者同士の会話については,制限を緩和することについ
て,引き続き検討されたい。また,例えば3,4人の在院者
が教官の監督の下で共通の話題を話し合うといったことを工
夫してはどうか。
例として示された「教官の監督の下での会話」については,共犯
である在院者を教官立会いの下で,社会復帰後の生活に関して話合
いを行わせた事例が2件ある。今後も,状況に応じて,会話の制限
を緩和し円滑な社会復帰に資する運用を導入していきたい。
134 多摩少 平成30年3月23日
学ぶことの喜びと必要性を授業の中で実感できるような教
科教育の展開を工夫願いたい。
高等学校卒業程度認定試験コースの充実強化とは別に,平成29
年度から,基礎学力向上方策にも重点的に取り組んでいる。毎週1
回,民間協力団体の援助を受けて個別学習支援を展開している。小
学校高学年から中学レベルまで在院者のニーズに応じた指導を実施
いただいており,受講した在院者は延べ70名を超えている。今後
も本取組を継続していきたい。
135 関東医療 平成30年3月28日
診察に当たり,教育・支援部門の教官が必ず同席する運用
を改め,平成29年度,無立会の診察が選択的に開始された
ことは評価できるので,医師の診療上の必要性を踏まえ,発
見された課題を改善しながら診察の工夫を継続すること。
在院者の病状や治療について課内カンファレンス等で合議するこ
とにより,診療の質の一層の向上を図ることとする。
136 関東医療 平成30年3月28日
第3種少年院(医療少年院)では適切な医療的対応(診療
及び診断を踏まえた日常的な対応の趣旨)を実現すること
が,在院者の改善更生及び円滑な社会復帰に欠かせないの
で,医務と教育・支援部門による個別カンファレンスを充実
させて日常的な意思疎通を図ること。
定期的な医務教育連絡会において,医務課と教育・支援部門の情
報共有を行うとともに,出席した職員が各寮に持ち帰り情報伝達す
る仕組みを作っている。また,個別の在院者のケースについてのカ
ンファレンスも積極的に行い,医務課と教育・支援部門の連携を重
視し,より効果的な矯正教育を実施するための運用を継続してお
り,今後も更に充実を図りたい。
137 関東医療 平成30年3月28日
医務課と教育・支援部門が個別カンファレンス等を通じて
意思疎通を行い,各在院者につき週1回が原則となっている
医師の診察の機会につき,必要に応じて診察回数を複数回に
増やす柔軟な対応を徹底し,週に複数回の診察が原則として
可能となる運用を図ること。
病状に応じて週1度以上の診察を実施することを教育・支援部門に
提案し,既に実施している在院者もいる。
138 関東医療 平成30年3月28日
他の少年院に先駆けて在院者の麻疹の抗体値の測定を実施
し,集団感染の危険性を確認するに至った迅速な対応は高く
評価できるが,施設としての安全配慮を果たす観点から,感
染力が強い麻疹や結核等の集団感染予防のための具体的対策
及び患者発生時の事後対応を検討し,予防策の実現と対応策
の策定に向けた先導的な役割を担うこと。
結核等の感染症対策については既に対応済みであるが,麻疹につ
いてはNIIDのマニュアルなどを参考にしながら当院の現状に即した
ものを現在作成中である。
139 関東医療 平成30年3月28日
平成28年度指摘した,義務教育の在院者(中学生)に対
し,教科教育の専門的な直接指導の機会が週1回1時間程度
しか実施されていない状況は,抜本的な改善に至っておら
ず,国による義務教育の機会の保障に反し,対象者の教育を
受ける権利を侵害する状況が継続しているので,各教科につ
き学校教育に準ずる内容の直接指導をする改善を早急に行う
こと。
少年院矯正教育課程の見直しを行い,平成30年度は,週間標準
日課表において,在院者に対して外部講師又は職員が直接教科指導
を行う時間を増やすこととした。職員の配置状況を踏まえた上で,
実施の在り方を検討している。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
140 関東医療 平成30年3月28日
高等教育期の在院者(高校生以上)に対し,教科教育の専
門的な直接指導の機会が週1回1時間程度しか実施されてい
ない状況は,十分な改善には至っておらず,学ぶ意欲がある
者の教育を受ける権利の実現と学力が途上にある者の学力の
向上を妨げている状況が継続しているので,直接指導の機会
を大幅に拡充する改善を早急に行うこと。
少年院矯正教育課程の見直しを行い,平成30年度は,週間標準
日課表において,在院者に対して外部講師又は職員が直接教科指導
を行う時間を増やすこととした。職員の配置状況を踏まえた上で,
実施の在り方を検討している。
141 関東医療 平成30年3月28日
上記高等教育期の在院者の学習指導の機会を利用できるこ
とが,在院者に周知・理解されていないので,在院者が学習
機会の存在を十分に認識できるように周知に努めること。
在院者に対しては,高等学校卒業程度認定試験に対する受験の意
向確認や個別面接指導の機会に学習意欲を確認するとともに,出院
後の進路を踏まえて,必要な指導を行っている。今後も,学習機会
の存在を十分に認識できるよう指導を継続したい。
142 関東医療 平成30年3月28日
職業生活設計指導科における基礎的な知識・能力習得の教
科指導につき,在院者から担当教官の教科専門性が低いとの
指摘があったため,学習指導に関しては外部のボランティア
(元教員等)の活用等を検討すること。
職業生活設計指導科における指導内容は,矯正局指定の統一され
たものであり,適切に指導を実施できるよう,職員の職務能力向上
に努めたい。
143 関東医療 平成30年3月28日
在院者による自弁物品の購入,特に図書・雑誌等につき,
在院者の学びや教養のための適時の用途を満たさない状況が
生じないように,購入申請から入手までの期間の短縮を引き
続き工夫・検討すること。
自弁書籍等の購入については,平成28年度購入業者との確認作
業を見直し,期間の短縮をしたところであるが,引き続き見直し作
業を継続し,見直せる箇所については見直すようにしたい。
144 関東医療 平成30年3月28日
在院者の貸与ノートに関する学習用1冊という所持の制限
は,在院者の学習活動とその効果を妨げている弊害となって
いるので,早急に冊数を増やすように現状を改めること。
居室内で所持できる冊数は1冊と規定しているが,学習上必要で
あれば,使用後も回収することなく複数冊所持することを認めてい
る。今後も,在院者の希望を丁寧に把握していきたい。
145 関東医療 平成30年3月28日
在院者の入浴に関して,夏季以外の時期でも,衛生面から
週3回の入浴を実施すること。また,1回の入浴につき,最
低でも25分程度の入浴時間を確保すること。
矯正教育の実施及び運動の機会の確保等日課管理の兼ね合い並び
に職員配置の問題から,入浴日の柔軟な変更が困難な実情にある。
夏季における週3回の入浴及びそれ以外の日のシャワー浴について
は継続したい。また,入浴時間については,脱衣及び着衣の時間を
含まずに20分間としており,おおむね時間内に終了できている。
146 関東医療 平成30年3月28日
院内生活上の制度に関する在院者の理解不足を改善するた
め,法令上の難解な用語が使用されるなど在院者が理解しづ
らい記載がある「生活のしおり」を改訂することや,入院時
のガイダンスを工夫することなどを検討し,在院者への情報
提供を充実させること。
入院時の指導において,「生活のしおり」を活用して,在院者の
能力に応じた指導を行っている。今後も継続して実施したい。
147 関東医療 平成30年3月28日
土日祝日の院内生活に関しては,各自の居室内が中心のた
め活動の変化に乏しく,有意義な時間が過ごせないと指摘す
る在院者が多いので,外部のボランティアを活用した学習指
導や屋内外での運動の機会を余暇活動として設けるなど土日
祝日の活動内容を検討すること。
休日は突発的な事案発生に備え,当院の規律及び秩序を維持する
ための必要最小限の職員配置を行っており,その中で,更に居室外
における在院者の活動を増やすことは難しい状況である。居室内で
の余暇時間を有意義に活用できるような工夫を今後も検討したい。
148 関東医療 平成30年3月28日
在院者の頭髪につき,男子在院者だけ極端な短髪を基準と
する必要性・合理性に乏しく,昨今の時代状況の変化に伴
い,男女で顕著な差異を設ける具体的な根拠が欠ける状況に
至っている可能性があるため,改善を求める在院者の意見を
上級庁に報告し,訓令の改正を含めて具体的な検討を始める
こと。
在院者の頭髪については,訓令で規定されているものであり,視
察委員会の意見は上級官庁に報告したい。
149 関東医療 平成30年3月28日
面会について,保護者等の面会の重要性と遠方から来所す
る施設の特徴に鑑み,30分を超える面会が可能なことの周
知を徹底するとともに,少なくとも1時間程度の面会時間を
確保する運用を推進すること。
面会については必要に応じて1時間程度の面会を柔軟に行ってい
る。
150 関東医療 平成30年3月28日
当院での処遇にふさわしい特性の者を収容するために,当
施設の医療的対応の水準や対応可能な在院者等の現状につい
て,保護処分を決定する家庭裁判所,事件を家庭裁判所に送
致する検察庁等の送致機関及び在院者の付添人の選出母体と
なる弁護士会に対し,継続的な情報発信を定期的に実施する
こと。
各関係機関には視察・参観等を通じ,医療少年院としての情報発
信を実施しているところであるが,今後も引き続き視察・参観を積
極的に受け入れ情報発信を行うこととする。
151 関東医療 平成30年3月28日
当院職員による市民向けの講演会が平成29年度実施され
たが,第3種少年院(医療少年院)を広く社会に認知させ,
少年院の社会的役割に理解を得るためには好ましい活動であ
り,院内の人材活用として地域への啓発活動としてもふさわ
しいので,今後も外部の団体と協力をして積極的に機会を設
ける姿勢が望ましいこと。
平成29年度に引き続き,平成30年度も講演等を積極的に行
い,医療少年院の社会的役割の理解を広めていきたい。
152 関東医療 平成30年3月28日
家庭裁判所で鑑定が実施された事案において,当院への鑑
定書の送致時期が在院者の鑑別結果に関する記録等と同時で
はないために活用時期が遅くなるとの指摘があるので,少年
鑑別所や家庭裁判所と協議を行い,鑑定書の少年院への送致
時期を早める改善を行うこと。
鑑定書の送付依頼については,少年鑑別所からの審判事前連絡時
に家庭裁判所裁判官に提供依頼について協議した上で受領してい
る。裁判所によりその取扱いに差があるため,事前提供が不可能な
場合は,速やかに少年院法第18条により協力を求めている。
153 関東医療 平成30年3月28日
矯正教育に関する職員の専門性を活かすために,自弁書籍
等の購入時の発注作業等の定型的な軽作業については,外部
のボランティアを活用する等の工夫を検討すること。他方
で,専門性が必要な教科教育等の教育指導につき,外部のボ
ランティア(元教員等)を活用する等の改善を検討するこ
と。
職員の専門性を踏まえつつ,配置の工夫を行いながら,それを踏
まえた上で,実施の在り方を検討したい。
154 関東医療 平成30年3月28日
当院は平成31年度に新施設への移転計画があるが,移転
後の少年院処遇の充実化・適正化の観点から,次の準備を事
前に行っておくこと
当院では,精神疾患のある者が多数を占める施設であるに
もかかわらず,在院者の心身の静穏を得る目的で医師が活用
できる静穏室等の居室がない設備上の不備が存在した。移転
後の新たな施設では,静穏室を設ける計画があるので,静穏
室等の医療関連施設については,医療部門の意見を事情聴取
し,医師が活用しやすい設備・備品の準備をすること。
現在国際法務総合センターへの移転のため,設備及び備品の準備
をしているところであるが,医療スタッフを交えた検討を重ねてい
る。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
155 関東医療 平成30年3月28日
当院では,職員の人員や施設の設備の観点から,職業指導
の種類が工芸的な分野に限定されていたので(ただし,新年
度から情報処理科を設ける計画がある。),職業への適応能
力のある在院者に対する適切な職業指導が実施されていな
かった。そこで,移転後の新たな施設では,職業指導に関す
る設備や人的態勢を整えつつ,職業指導の種類を在院者の
ニーズに合わせて増加・多様化させ,資格の取得も含めて対
応できる体制の準備をすること。
平成30年度情報処理科を新設し,資格取得に向け指導を行うよ
う準備を進めている。新施設における職業指導の種類については,
現在検討中である。
156 関東医療 平成30年3月28日
当院では,職員配置と日課の関係で,夕食の開始時間が午
後4時半からであるが,在院者からは朝食が7時25分とい
うことを考え合わせて夕食時間が早すぎるとの意見が出てい
る。そこで,施設移転後は,職員配置と日課を工夫して,夕
食の開始時間を午後6時位まで繰り下げる改善を行うこと。
夕食の時間については,職員配置や勤務時間を考慮しており,継
続して検討したい。施設移転後における夕食の開始時間について
は,現在検討中である。
157 関東医療 平成30年3月28日
成長期にある在院者の食育への配慮は重要であるから,施
設移転後は食事の内容について十分に検討しておくこと。ま
た,当院では人員配置等の厳しい制約のため改善が進まな
かった朝食や副食献立の多様化による具体的な改善を準備し
ておくこと。
移転後の在院者の食事は民間業者が対応する予定であるが,献立
等について意見を述べる機会がある場合には,必要な意見を述べる
こととしたい。
158 関東医療 平成30年3月28日
当院では,在院者の居室内から時計を確認できないことが
あり,円滑に日課を修める支障となる時期があった。そこ
で,施設移転後は,居室内の各在院者が時刻を正確に確認で
きるように,時計等の設備の準備をしておくこと。
時計の設置については,在院者の居室内から見える位置に設置す
るよう努めており,継続して対応したい。移転後の施設における,
時計の設置については,現在検討中である。
159 関東医療 平成30年3月28日
当院では,予算の関係上,宿直時職員自らシーツ,寝具カ
バー等の寝具類を持参しなければならない不都合を抱えてい
る。そこで施設移転後は,職員の負担が減るように,適切な
宿直室と寝具等の予算確保を行うこと。
移転後の施設では,それぞれの当直者に対して男女別の宿直室が
用意されている。宿直時の職員のシーツ等の運用方法については未
定であるため,御意見を参考にしつつ検討していきたい。
160 関東医療 平成30年3月28日
当院では,在院者の特性から生活の多くの場面で職員の立
会が必要とされており,加えて,集団的な処遇に馴染まない
在院者が存在するので,在院者数が減少しても効率的な運用
が困難で,多数の職員の配置が必要不可欠である,そこで,
施設移転後も,適切な個別処遇を実現するために,在院者の
特性に鑑み,少なくとも現状と同程度の適正規模の人員の配
置を継続すること。
予算当局及び職員定員による案件であるが,施設として必要な説
明を行っていきたい。
161 関東医療 平成30年3月28日
少年院法146条の趣旨に照らし,当院の移転後,当院の
元在院者やその保護者が当院に対し電話・訪問等で連絡・相
談をしてきた場合に,連絡等が円滑に伝達され,元在院者が
不利益を被ったり,困惑する事態を招かない適切な準備をし
ておくこと。
今後問題点や方法について協議したい。
162 関東医療 平成30年3月28日
当委員会が当院に対し指摘した過去3年間の意見につき,
施設移転後に同様の問題が発生しないように,事前に十分な
確認を行っていくこと。
指摘のとおり過去の意見を十分確認し,移転に備えたい。
163 関東医療 平成30年3月28日
在院者に対し,視察委員会の存在が十分に周知されていな
い実態があるため,平成30年度は,視察委員会と協議の上
で1「生活のしおり」の視察委員会に関する記載を改訂する
こと,2「意見・提案箱」の設置の位置や案内の掲示方法の
改善を検討すること,3意見・提案のための用紙を入院時に
各在院者に対し3枚ずつ事前に渡しておくこと,4施設行事
等で視察委員会の広報の機会を設けること,などの工夫を検
討すること。
引き続き検討することとしたい。
164 愛光女 平成30年3月30日
髪型について,縛り方を「耳の下」というルールを「華美
でない縛り方」に変更されたとしているが,一部の職員は耳
の下で縛ることが必要であると指導しているようなので,
「華美でない縛り方」について,指導上の統一を図るべきで
ある。
「耳の下で縛る」というルールについて,そのような指導は,現
在行っていない。髪型のルールを含め,生活上のルールについて
は,毎月実施している寮会等において,在院者・職員相互に確認を
しているが,引き続き指導の統一を図っていくこととしたい。
165 愛光女 平成30年3月30日
三つ編みを解いた翌日に緩いウェーブができることを華美
として,次の洗髪時まで三つ編みを継続させる指導は,華美
とは考えられないので,このようなルールは再考すべきであ
る。
御指摘のルールが継続されているのは事実であるが,華美に対す
る感覚には個人差があるのに加え,ルールや制限の設定に当たって
は,在院者の能力や特性を考慮する必要があり,理解度の低い在院
者を含め全ての在院者が判断でき,自分勝手な解釈をしないようす
るためには,統一的な基準が必要である。なお,今後とも,基準が
常識的なものになるよう検討していきたい。
166 愛光女 平成30年3月30日
寮内で職員1人で全体を見ると,個別のニーズに応えられ
ず,いきおい「監視」になってしまい,私語禁止のルールに
つながる。職員の配置を増やすことが必要である。
職員配置の増員に関しては,職員定員の問題があり,当院だけで
は解決しない問題であるため,今後とも上級官庁に職員増員の要求
をしていくこととしたい。
167 愛光女 平成30年3月30日
生活上のルールについて,職員によって指示・指導内容が
異なることが意見として出ており,在院者が混乱している。
職員間の意識の共有化のための会議や文書連絡の方法を改善
するべきである。
日誌での情報共有,また,指導職員による会議を実施し,指示内
容の共通理解を図っているところであり,その状況によって,指導
内容が変わることもあることを引き続き今後とも周知に努めたい。
168 愛光女 平成30年3月30日
単独室の液体石けんの備置きの希望が意見で出ている。ト
イレが室内に設置され,使用されている以上,石けんの備置
きは必要である。
単独室に液体石けんを据置くことは,自傷行為として盗飲等のお
それがあり,保安上の問題から困難である。なお,固形石けんが個
人別に支給されており,単独室で生活する在院者にも支給されてい
る。
169 愛光女 平成30年3月30日
個人に貸与している魔法瓶の洗浄について,1週間に1
回,係活動で漂白剤を使用して洗浄していることに異論はな
いが,不潔に感じ,また洗剤が使用できないことに不満があ
る在院者もいるので,その必要性について丁寧な説明が必要
であるほか,洗剤の使用を禁ずる必要はないと考えられる。
洗剤を使用しなくても,水洗いで汚れが落ちるブラシを使用させ
ており,毎日の水洗いと1週間に1回の漂白で清潔を保つことがで
きると考えられることから,その旨を在院者に丁寧に説明してい
く。
170 愛光女 平成30年3月30日
下着は入浴時にしか交換できないため,おりものシートの
支給を求める意見が出ているので,おりものシートの支給
か,下着の交換・洗濯は毎日認めるべきである。
おりものシートは,法令上,自弁のみ可能な物品だが,在院者の
管理に任せて使用させるとかえって不潔になりやすい面もある。な
お,下着は入浴の有無にかかわらず,交換を毎日認めており,衛生
面からも毎日交換し,洗濯するよう指導している。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
171 愛光女 平成30年3月30日
ショーツは新品が支給されているが,ブラジャーは貸与制
であり,他人が使ったものを使うことは,いかに洗濯してい
るとはいえ,屈辱的と感じている在院者もいるので,下着は
支給制にすべきである。また,ジャージ等の衣類の貸与はや
むを得ないにしてもいかにも着古した感じのもの,またサイ
ズが合わないものは貸与すべきではない。
ショーツについては,衛生面を考慮して支給制にしている反面,
ブラジャーは,そのリスクが乏しく,ショーツに比較しても相応の
予算が必要になることから貸与制を継続することとしたいが,着古
したものにならないよう計画的に更新していく。また,ジャージ等
の衣類について,全てのサイズをそろえるのは予算事情からも困難
であるところ,サイズ合わせは引き続き確実に行っていくこととし
たい。
172 愛光女 平成30年3月30日
食事の異物混入の訴えがあった。材料,調理,配膳等のど
の過程で混入したものかの特定は困難ではあるかもしれない
が,早急な対策が必要である。
異物混入があった場合は,その事実を確認し,材料からと考えら
れる場合は,納入業者へ確認し,対策を講じるよう処置しているほ
か,調理・配膳等においても混入を防ぐための調理帽等を着装して
行うなどの対策を講じているところであり,引き続き係る対策を徹
底することで,防止を図っていきたい。
173 愛光女 平成30年3月30日
異物混入があった場合にそれを取り除いただけの対応をさ
せられたとの意見が出ている。一皿全体の交換が必要であ
る。集団給食での食事は最も繊細な人に合わせるぐらいの配
慮が必要である。
混入した異物が軽微な場合でも,一皿全体を交換するように運用
しており,引き続き誤解が生じないような対応を心掛けることとし
たい。
174 愛光女 平成30年3月30日
調理室の老朽化が著しい。清掃は丁寧にしていると思われ
るが,食べ物を取り扱う場所としては適当でない印象を受け
た。改修が必要である。
竣工してから20年が経過しているところであり,老朽化が進ん
でいることは認識しているが,改修となると多額の予算が必要とな
り,直ちに対応するのは困難なことから,引き続き清掃等を丁寧に
実施していくなどして対応していきたい。また,必要な修理等,予
算事情を考慮しながら適切に対処していく。
175 愛光女 平成30年3月30日
ある日の昼食に麦入りのごはんと煮麺という献立があっ
た。炭水化物が多すぎる印象を受けたので,食事内容にはも
う一工夫が必要であるし,予算措置が必要であれば,要求す
べきである。
どの献立を指しているのか不明なところ,当該年齢層に必要な栄
養価はクリアしている。また,し好等も考慮して献立を立ててお
り,全員のし好を全て満たすことは困難なところであるが,引き続
きし好面にも配慮した上での献立作りを図りたい。
176 愛光女 平成30年3月30日
夕食の開始時間が単独寮が午後4時30分から,また集団
寮が午後5時からになっているが,早過ぎる時間であり,夜
間に空腹になるとの意見もあり,人的体制もあると思うが,
遅らせることを検討されたい。
平成30年度から単独寮の夕食開始時間を午後5時からとした。
177 愛光女 平成30年3月30日
ちり紙の1月当たりの支給枚数に制限を設けており,また
超過した場合は前借りの扱いにして次回支給時にその分を返
納させている扱いにしているほか,前借りの状況を寮の共用
スペースに掲示しているとのことであるが,個々の事情もあ
るほか,プライベートの領域にも係ることであり,枚数を制
限することも適切でないと考えられることから再考された
い。また,ちり紙からトイレットペーパーへの変更も必要と
考えられる。
物を大切に取り扱う習慣を身に付けさせ,無駄遣いをさせないよ
う指導するためにも,トイレットペーパーではなく,ちり紙を使用
させ,支給枚数を決めている。前借りの取扱いについては,平成2
9年8月以降廃止し,個々の事情により支給枚数を使い切ってし
まった在院者には,必要な量を追加で支給する取扱いに変更してい
る。
178 愛光女 平成30年3月30日
資格取得の受験級について,落とすよう指導されるのが不
満との意見があった。必要に応じたものもあると思うが,在
院者の意欲をそがないように一層の配慮が必要である。
国費での受験の場合,確実に合格できる級を受験させているた
め,学習不足の場合には,受験級を下げるよう指導することがあ
る。
179 愛光女 平成30年3月30日
食育関係で視聴させたDVD教材ににわとりが殺された映
像が出ているものがあり,その後,鳥肉が食べられなくなっ
たとの訴えがあった。教材の見直しや見せる場合の配慮をさ
れたい。
視聴の前後で必要な指導をするなどの工夫をする。
180 愛光女 平成30年3月30日
特定の職員に対して,複数の在院者から言動について訴え
がある。改善すべき点があると思われるので,職員相互に注
意喚起をするほか,管理職から指導することが必要である。
職員に対する人権についての研修を重ねたり,管理職員による在
院者の面接の機会に聞き取りを実施しており,不適切な言動がある
と認められた場合は,指導をしている。
181 愛光女 平成30年3月30日
入浴中の監視について,裸体をじろじろ見られ,恥ずかし
い,生理用ナプキンの交換まで見る職員がいるとの意見が
あった。羞恥心を抱かせないような十分な配慮が必要であ
る。
入浴中の反則行為を防止するために立会しているものであり,裸
体をじろじろと見ているわけではないことを御理解いただきたい。
生理用ナプキンについても,過去に反則行為に利用したケースもあ
るため,留意しているものである。
182 愛光女 平成30年3月30日
職員の喫煙した匂い,また香水が気になるとの意見があっ
た。十分な配慮が必要である。
職員朝礼時に複数回,注意喚起を行ってきたが,今後も注意して
いく。
183 愛光女 平成30年3月30日
懲戒手続において,補佐人との打合せもなく,自分が嘘を
ついていると決めつけて,味方してくれないとの意見があっ
た。味方として寄り添う立場の人を選定し,ふさわしい対応
が必要である。
懲戒手続については,法令や内規に基づき適正に実施しており,
補佐人により弁明を聴取している。
184 愛光女 平成30年3月30日
身体検査について,職員6人の前で行うのは恥ずかしいと
の意見があった。2人程度で目的は達せられると思われるこ
とから羞恥心に配慮した対応が必要である。
通常,3名程度の職員で行っているが,担当者の交代時等には,
立会職員が多くなることもある。今後も,規律秩序の維持を図りつ
つ,引き続き羞恥心にも十分配慮していく。
185 愛光女 平成30年3月30日
私語について,不適切な会話をするおそれがあるから,一
律的に禁止するという事前規制から不適切なことがあれば,
規制するといった事後規制にするのは,適切なコミュニケー
ション能力の伸長を図るためにも必要である。目の届かない
範囲が生じる職員配置が原因と考えられることから適切な配
置人員を要求すべきである。
保安上の理由から私語を禁止している場所や場面があるのは事実
であるが,配置人員の増員は,当院限りの問題ではないため,上級
官庁に人員要求していきたい。
また,現状においても,行事などの場面においての私語について
は,一律的に禁止はしていないことも理解願いたい。
186 愛光女 平成30年3月30日
夏場の入浴日以外のシャワー利用時に洗髪を認めるべきで
あり,また,冬場でもプールに入った時は塩素が頭皮に付い
て気持ち悪い,生理中なのに土日は入浴できないのはつらい
といった意見があり,シャワー利用の回数の増加を求める。
夏季以外の入浴回数について,自庁努力で規定回数以上としてい
るところであり,直ちに現行よりもシャワー利用回数を増やした
り,洗髪を認めたりすることは困難であることを理解願いたい。
187 愛光女 平成30年3月30日
入浴時のシャワー温度が低く,寒いとの意見があった。原
因を確認の上,改善を求める。
設備上の故障は対応済である。温度設定などに問題が生じないよ
う,確認を励行し,寒くならないように対応していく。
188 愛光女 平成30年3月30日
冷暖房設備を居室内に設置すべきである。また,冷暖房設
備で冷房は28度以上,暖房は19度以下になった場合に使
用するとのことであったが,そのとおりになっていないとの
意見もあったので,適切な室温管理に配慮されたい。
多額な予算が必要となることから,今後とも予算要求等をしてい
きたい。また寒暖の差がないように引き継き工夫していくこととし
たい。
189 愛光女 平成30年3月30日
むだ毛そりに関して,1か月に1回も守られていないとい
う意見があるので遵守されるようにされたい。また,若い女
性の羞恥心に応えるために1週間に1回程度はむだ毛そりの
機会を与えるよう勧告する。
日課運用上,1週間に1回程度とすることは困難である。ただし
1か月に1回のむだ毛そりの機会が確保されるように確認していき
たい。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
190 愛光女 平成30年3月30日
視察委員会の開催について,日当が支給される回数につい
て,年5回までとしているが,意見書の数も多く,処理しき
れないことから,最低でも年6回は必要であり,その他に面
談のための機会も必要なので,面談日の手当支給を含め,十
分な予算を確保されたい。
日当が支給される回数については,平成28年度から年4回から
年5回に増えているが,係る希望があることは認識しているもの
の,一定の予算措置が必要となることから,今後とも予算要求等を
上級官庁に対して要望していきたい。
191 愛光女 平成30年3月30日
意見提案箱について,他の在院者から注目を集めやすい場
所に置かれているので投かんしにくいとの意見があった。設
置場所の検討と配慮をされたい。
現在の設置場所であっても,投かんするタイミングが,在院者が
ホールに集合しているときでない限り,注目を集めやすい場所であ
るとは考えにくいが,より適当な場所がないか,検討する。
192 愛光女 平成30年3月30日
書籍の差入可否の適否などの意見について,在院者には知
り得ないことも保護者なら意見が述べることができる。保護
者が意見を述べることができるよう,意見提案箱を面会待合
室などに設置するよう願いたい。
保護者からの意見が提出できるように面会待合室などに設置する
ことについては,保護者からの意見書を直接,視察委員宛てに提出
することは規定されていないため,可能な対応を検討したい。
193 愛光女 平成30年3月30日
視察委員会側で作成した当委員会の活動等の説明用紙につ
いて,在院者に対し,配付はしてもらったが,その後回収し
ていると聞いている。不正連絡に供されるおそれがあるとの
ことであるが,他にも多くのプリント類を在院者は所持して
おり,この一枚が大きく影響するとは考えにくい。当委員会
を分かりやすく説明するという趣旨を踏まえ,在院者が所持
できるよう検討願いたい。
所持させるよう検討するが,教材等と同様にあくまで貸与という
形で,出院時には回収することとしたい。
194 愛光女 平成30年3月30日
意見提案用紙の置き場所について,備付けとしているとの
ことであるが,人目が気になって用紙が取りにくいと聞いて
いる。説明用紙同様に意見提案用紙の各自保管を認めるよう
に改善されたい。
本人保管となれば,特に枚数管理していない備付場所から意見提
案用紙を在院者が取り出すのとは異なり,一定枚数を職員側から配
付することが想定される。その結果,適正な所持品の管理及び事故
防止の観点から物品点検を実施しているため,その残数で投かん状
況が,職員側で容易に把握できるようになり,意見提出の秘匿性が
保持できなくなることが懸念される。よって,現状の運用を継続す
ることとしたい。
なお,自弁の便せんを意見・提案書として使用することが認めら
れている。
195 愛光女 平成30年3月30日
意見提案用紙について,以前当院から提案された様式は,
記名欄がなく,調査してほしいとの申出があっても,詳細を
本人から聞き取ることができないなど不備のあるものであっ
た。そこで委員会作成の意見提案用紙を作成し,それを使用
できるようになったのは評価できるが,2種類あるのはどち
らを使用すべきか在院者には分かりづらいところがあるので
定型様式でなければならないとする法律上の根拠はないと思
われることから,委員会作成のもののみ備え置きにされた
い。
当院から提示した様式は,通達の規定に基づくものであることか
ら,その分の使用は引き続き可能とする運用で理解願いたい。
196 愛光女 平成30年3月30日
在院者が自らの意見を自由に述べることは,気が付かな
かった問題を発見する契機にもなっており,有意義である
し,自分の意見を言葉で述べることは自信にもつながる。そ
こで,視察委員会の意見の検討結果を在院者にフィードバッ
クすることは必要なことであることから視察委員側で作成し
た視察委員会ニュースを在院者に配布されたい。
意見のとおり対応したい。
197 愛光女 平成30年3月30日
職員から「視察委員会に言っても無駄だ。」「視察委員会
の人に惑わされないで。」と言われたという意見があった。
視察委員会への意見提案を諦めさせるような発言は少年院法
の趣旨にも反するので,慎むようにされたい。
かかる発言をしている職員はいないことを確認しているが,改め
て,視察委員会の活動目的等について職員に周知徹底を図ることと
したい。
198 久里浜少 平成30年3月27日
法務省においては,冷暖房設備を充実させるためにも十分
な予算措置を講じるべきである。
意見を上級官庁に伝える。
199 久里浜少 平成30年3月27日
衛生上の観点から,循環ろ過装置の付いたプールを設置す
べきである。
プールろ過ユニットは,自庁予算では対応できないため,上級官
庁に要望を行っていく。
200 久里浜少 平成30年3月27日
暑さ対策の当面の対策として,少なくとも建具(網戸)の
修繕等を検討されたい。
網戸の修繕が必要なものについては,今後,修繕する方向で検討
する。
201 久里浜少 平成30年3月27日
特定生活指導に限らず,在院者同士の意見交換,討論の機
会をより多く確保するべく,集団的処遇をより充実化する方
向で,処遇プログラムを改善されたい。
当院の在院者の特性を踏まえた指導の在り方について,引き続き
検討していきたい。
202 久里浜少 平成30年3月27日
当院の職員人員配置は,ベテランの職員と若手職員に二極
化し,それなりに経験を積んだ中堅職員の層が薄く,バラン
スが悪い。専ら法務省の人員配置の問題になるが,当院のよ
うな処遇困難な在院者を収容している少年院こそ,十分な人
数の中堅職員を適切に配置すべきであるので検討されたい。
職員年齢の不均衡は認められるところ,当院限りでは対応できな
い事項であるため,必要な措置を上級官庁に要望していく。
203 久里浜少 平成30年3月27日
外部研修で長期間職員が不在になるときは,他の少年院等
から人員を補充して対応することを検討されたい。
意見を上級官庁に伝え,職員人員配置について要望していく。
204 久里浜少 平成30年3月27日
当院においては,国と連携・協働し,大地震・大津波によ
る災害,台風による高潮被害等に万全な対策を講じる必要が
ある。
大津波警報が発令された際は職員宿舎の4階に避難させる
としているが,浸水深を予測し,その結果,同所への避難で
は在院者の生命の安全を確保できないおそれがある場合は,
より高台への集団的避難も含めた対策を検討されたい。
平成28年度に消防総合訓練センターと協議し,非常時の避難場
所として同センターの補助訓練棟(6階建,計算上は屋上の標高約
24メートル)の使用を認めていただいた。
また,平成29年度には,大津波発生時の非常対応マニュアルを
見直し,より現実的かつ実効性のある内容に改正したほか,平成2
9年10月23日に発生した台風・高潮被害を踏まえ「高潮発生時
の非常対応マニュアル」を新たに策定した。
205 久里浜少 平成30年3月27日
防災無線の訓練を実施したところ,スピーカーから聴こえ
てくる音声が聴き取りにくいことが発覚したほか,職員宿舎
地区に設置してある非常通報装置のスピーカーの一つが経年
劣化のため使用できない状態になっている。訓練等を通じて
明らかになった問題は放置又は軽視することなく,速やかに
改善されたい。
大津波警報が発令されたり,弾道ミサイルが発射されたりした場
合は,Jアラートによる情報伝達がなされるところ,災害対策本部に
設置している庁用携帯電話により受信した際には,収容区域内はも
とより,職員宿舎地区にも庶務課職員がハンドスピーカーを用いる
などして避難を呼び掛けることとした。
なお,非常通報装置のスピーカーについては,今後,職員宿舎の
修繕と併せて行う予定である。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
206 久里浜少 平成30年3月27日
自然災害が発生した場合,指揮責任者が決まっているとし
ても,当該責任者自身の不在,被災,不慮の事態等によって
指示系統が機能しないという事態は避けなければならない。
それらを踏まえ,想定される事態を場合分けしたマニュアル
を完備するとともに,職員に周知するべきである。
監督当直者には必ず幹部職員が命じられているほか,職員が他
行・外泊する場合には届出をすることとなっており,特に幹部職員
は互いに調整しながら,有事における指揮者が不在とならないよう
に配慮している。指揮者たる幹部職員が全く不在になるという事態
は想定しにくいが,主任当直者(監督当直者の補助)に対して,非
常対応マニュアルを用いた机上訓練を実施するほか,全ての職員に
周知する。
207 小田原少 平成30年3月1日
在院者の食事について,調理・運搬時等における衛生面の
点検をするよう検討されたい。
調理時等の衛生面については,異物混入がないように注意を払っ
ているが,今後も定期的な点検や対策を実施する。
208 小田原少 平成30年3月1日
在院者の居住環境の衛生面の整備として,虫や小動物への
細やかな対策を検討されたい。
引き続き,業者による防虫・駆除作業を実施するとともに,施設
でできる対策についても検討する。
209 小田原少 平成30年3月1日
夏場の入浴回数を週3回に増やすこと,シャワーを通年で
温水にすることを検討されたい。
入浴回数の増加や通年の温水使用は,他の日課の縮小,廃止だけ
でなく,予算(光熱費)の増大につながることから,早急な対応は
考えていない。ただし,意見の趣旨を踏まえ,まずは入浴回数につ
いて,日課変更により対応できないか検討する。
210 小田原少 平成30年3月1日
トイレの臭いについて在院者から訴えがあった場合には,
直ちに対処するよう要望する。
今後,スタンプ式で消臭・除菌効果のある薬剤の使用を行うこと
とした。
211 小田原少 平成30年3月1日
在院者同士の中でいじめがないか十分に気を付けるととも
に,訴えがあった場合には,訴えをよく聞き,適切な対応を
するよう要望する。
意見の趣旨を勤務職員に伝えて,今後勤務していく上での参考に
するとともに,在院者の意見が寮勤務職員のところで止まることが
ないよう,幹部面接等の機会を使って,在院者からいじめ等の有無
を確認し,その後の対応につなげる。
212 小田原少 平成30年3月1日
余暇時間における在院者同士の会話について,現状より促
進されるよう具体的な検討をするよう要望する。
余暇時間の使い方は,在院者の自主性に委ねられているが,今後
とも職員研修を行い趣旨を踏まえた処遇を行っていきたい。
213 小田原少 平成30年3月1日
個人別矯正教育計画の作成に当たり,家庭裁判所の意見や
社会記録も十分にしんしゃくするとともに,在院者や保護者
にも説明して納得を得ながら進めるよう検討されたい。
提出された意見の趣旨を踏まえ,現行の取組に至らない点がな
かったかを確認し,在院者及び保護者への丁寧な説明に配意する。
214 小田原少 平成30年3月1日
在院者に対する教官の指導に当たっては,在院者の人権を
侵害するような言動がなされないよう徹底されたい。
意見の趣旨を踏まえて,在院者の指導に携わる職員として不適切
な言動等がないよう,指導を徹底していく。
215 小田原少 平成30年3月1日
収容業務停止に向けた準備が当院における矯正教育のレベ
ル低下とならないよう十分に配慮されたい。
意見の趣旨を踏まえて,在院者達が受けられる教育水準が低下し
ないよう,日課編成や職員配置等を検討し,対応していく。
216 小田原少 平成30年3月1日
なかなか診察を受けられなかったとの意見があるので,医
療面での対応について検討されたい。
今後とも適時適切に医療上の対応を行うとともに,体調不良時や
発作時は直ちに職員に申し出るよう職員から指導を徹底し,万全を
期すよう行う。
217 小田原少 平成30年3月1日
施設の老朽化が目立つので,火災や地震が発生した場合の
対応について再確認されたい。
火気点検や構造点検の確実な励行及び事故発生時の初期対応に関
する職員研修の実施など,地震における避難訓練の実施を含め,万
一に備えた実効性のある研修や訓練を検討,実施する。
218 小田原少 平成30年3月1日 学習本の保持許可冊数を増やされたい。
自弁の学習本については保管限度量内であれば,冊数の制限をし
ていないことを引き続き説明するとともに,備付書籍の貸出しは,
機会の公平性を確保するため,一般本(小説)3冊,学習本2冊ま
でとして2週間貸与しているところ,書架に残っている学習本につ
いては,貸与冊数にかかわらず,在院者からの申出の都度,希望冊
数を貸与する運用としていることから,現行の取扱いを継続する。
219 神奈川医療 平成30年3月27日
在院者を「くん」付けで呼ぶことが統一されていることが
うかがわれる。職員が在院者を呼ぶ際の呼称について,場面
や人によって呼び方が変わらないように全職員で統一するよ
う検討と努力をお願いしたい。
「くん」の呼称で浸透している実情にある。今後とも,在院者の
人格を尊重し,尊厳を傷付けることがないよう努めていきたい。
220 神奈川医療 平成30年3月27日
体育を実施する連続した2日間のいずれの日にも入浴日が
設けられていない。また,体育がある日と入浴日が完全に異
なっている。衛生管理上,入浴日又は体育を実施する日の曜
日の変更について検討されたい。
矯正教育及び運動時間の確保並びに職員の勤務時間から,体育を
実施した日に入浴ができる運用に変更することは困難である。
221 神奈川医療 平成30年3月27日
調理作業に従事する在院者に対しては,少なくともシャ
ワー浴を入浴の補助的措置として実施することができない期
間については,衛生管理上,入浴の実施を検討されたい。
調理作業は朝の2時間に限られるため,当該作業に従事する在院
者に入浴回数を増加する措置は,現在のところ必要ないと考えてい
る。シャワー浴又は清拭について検討する。
222 神奈川医療 平成30年3月27日
入浴時に保安上の理由による身体の検査が実施されている
が,入浴のときに裸を見られて嫌だという意見提案書があっ
た。理由も分からず入浴中に裸を見られるのは在院者に必要
以上に羞恥心を抱かせるものであることから,告知をした上
で行うことを検討されたい。
少年院法第85条に基づく身体等の検査に告知義務はないもの
の,大臣訓令において被検査者の羞恥心を損なわないように配慮し
なければならないとされていることから,入浴時に脱衣場内で身体
を検査する際の具体的留意事項を定め,同訓令に定める配慮を徹底
しているところである。
223 神奈川医療 平成30年3月27日
中学校を卒業しているのに義務教育を受けなければならな
いのはどうしてかという意見提案書があった。中学を卒業し
た在院者に教科指導を行う場合には,在院者との話合いと納
得に基づいて教科指導の内容が決定されるべきである。
中学校を卒業したものの,社会生活に必要な基礎学力が不足して
いる在院者に対しては,引き続き教科指導を継続する。この場合の
学習は「補習教育指導」に位置付けられ,自主計画的に取り組む学
習のための時間を確保している。必要に応じて個別担任が在院者と
面接し,計画的に学習を行うよう指導している。
224 神奈川医療 平成30年3月27日
高等学校を卒業しており,学力が決して低い訳でもないの
に強制的に勉強をさせられるのはおかしいのではないかとい
う意見提案書があった。高等学校卒業資格を持つ者に対して
教科指導を行う場合は,本人の同意が必要不可欠ではない
か。
教科指導のうち高等学校教育指導は,高等学校への編入・復学や
大学への進学のためだけでなく,就労のための指導についても指導
内容としている。なお,同意を得る取扱いはしていないが,個人別
矯正教育計画を策定するときは,家庭裁判所の調査結果や少年鑑別
所の鑑別結果を踏まえ,個々の在院者の教育上の必要性を考慮し,
できる限り在院者の意見を参酌しつつこれを策定している。
225 神奈川医療 平成30年3月27日
生活のしおりの記載の一部に適切に説明されているとは言
い難い箇所がある。また,生活のしおりには膨大にわたる内
容が記載されており,在院者が自身の権利義務について正確
に理解することは困難である。配付しただけで事足りるとせ
ず,機会あるごとに繰り返し丁寧な説明をお願いしたい。
当院は,障害特性から,生活のしおりに記載されている内容を自
身で閲読するだけではその内容を正確に理解することが困難な在院
者が多い。こうした在院者に対しては,機会あるごとに,当該在院
者が理解できるよう,繰り返し丁寧に説明しているところである。
今後とも,こうした取組を継続していきたい。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
226 神奈川医療 平成30年3月27日
在院者が投かんした意見提案書に「彼女に手紙が書けな
い。」,「彼女からの手紙を見られるようにしてほしい。」
という内容があった。信書の発受の禁止が0件であったとす
る貴院の報告とそごがある。法に則した適切な運用をお願い
したい。
信書については,発受の相手方及び発受が認められない場合等に
ついて詳しく「生活のしおり」に明示し全在院者に配付しているこ
とに加え,入院時オリエンテーション及び新入時教育においても説
明している。なお,当該意見提案書の内容の趣旨は不明であるが,
信書の発受について禁止した事例はない。
227 新潟少 平成30年3月14日
給食の公平な配膳について,職員によるチェックの差をな
くすよう配慮されたい。
給食の配膳について,今後とも分量に差が生じないよう努める。
228 新潟少 平成30年3月14日
自弁品購入,差入れ,領置物に関する検査手続に遅延が生
じているケースがあり,改善されたい。
当該検査期間について,当院の内規で定められた期間を超えて交
付した事例が3件あったところ,今後は定められた期間を超えない
ことはもとより,検査時間をできる限り短縮するなど改善する。
229 新潟少 平成30年3月14日
余暇時間のDVD視聴に関し,同じものを繰り返したり,
途中で切れているものを使用することについて改善された
い。
視聴覚教材について,事前に破損の有無などを含む内容を確認す
るとともに,定期的に追加整備するなどして,今後とも教材の視聴
を適切に実施する。
230 新潟少 平成30年3月14日
運動について,個々の在院者の運動能力に合わせた内容に
するよう配慮されたい。
在院者の体力及び気象条件等を勘案の上,今後とも適切な指導に
努める。
231 新潟少 平成30年3月14日 就寝時の暑さと寒さ対策には十分配慮されたい。
冷・暖房機の使用については,室温などに応じて,適宜,使用で
きるよう内規で定めているほか,引き続き気象条件などを考慮の
上,適切な対策に努める。
232 新潟少 平成30年3月14日
医療について,継続的な一次医療と必要に応じた二次医療
の体制を採るよう努力されたい。
外部医療機関の受診については,個々のケースにおける当院医師
の診断に基づき,今後とも適切に実施する。
233 新潟少 平成30年3月14日
医務診察を受診した在院者に対し,医療システムや投薬内
容等について十分な説明をするよう配慮されたい。
医療の内容について,今後とも在院者に対して丁寧な説明を行
う。
234 新潟少 平成30年3月14日
在院者から見て,その心情が害されると思料されるような
職員の発言がないよう配慮されたい。
今後とも,職員研修などを通して,在院者の心情に配慮した適切
な言葉遣いや接し方について職員の意識を高めていく。
235 有明高 平成30年3月29日
入浴回数について,週3回からの増加及び入浴日以外の
シャワー,臨時入浴等による柔軟な対応を検討されたい。
入浴については予算上の問題もあり従来どおり週3回とするが,
それに加えてシャワーの実施日を追加することを検討している。
236 有明高 平成30年3月29日
居室前に掛けられている表札について,フルネームを記載
することが妥当か議論を進められたい。
他施設の状況を調べ,検討を図りたい。
237 有明高 平成30年3月29日
反則行為に及んだ在院者に対する懲戒の一環として部活を
禁止する場合も,在院者への教育的観点に配慮し,過度な内
容にならないよう注意されたい。
意見を踏まえ,教育的観点に配慮し,部活動を中止しないことも
含めて検討していく。
238 有明高 平成30年3月29日 地域住民と在院者との交流行事を一層充実されたい。
年間計画に基づいて,可能な限り地域住民との交流を行う予定で
ある。
239 有明高 平成30年3月29日
貴院の活動内容・実績について,裁判所や少年鑑別所への
広報活動を積極的に行い,収容者数の維持・増加に努められ
たい。
今後も引き続き広報活動を計画的に行っていく予定である。
240 有明高 平成30年3月29日
仮退院時の就労支援について,雇用主の新規開拓や民間支
援団体との協力関係の構築に努められたい。
これまでも就労支援に向けた指導を継続的に行っており,今後も
可能な限り在院中に就労決定ができるよう働き掛けを行う予定であ
る。
241 有明高 平成30年3月29日
在院者に対する職員の適切な処遇・指導を実現するため,
職員に対する研修の充実及び事務の簡素化に努められたい。
外部講師による研修を実施するなどして職務能力の向上を図ると
ともに,各種会議の簡略化等により,事務時間の確保及び簡素化を
図る予定である。
242 有明高 平成30年3月29日 在院者用の便器の洋式化を検討されたい。
最も使用頻度の高い寮の便器については,平成29年度に全て洋
式化したが,その他の寮については,予算の都合により未実施であ
るため,意見について上級庁に伝える。
243 駿府学 平成30年3月30日
意見提案箱の設置について,他の在院者から見えない場所
に設置場所を変更するよう検討されたい。
平成29年1月から使用していない居室前の本棚の上に意見提案
箱を移設し,他の在院者から見えない場所に改めた。
244 駿府学 平成30年3月30日
現在,在院者の1週間の入浴回数は2回実施しているもの
の,可能な限り,在院者の衛生管理に努めて社会での一般的
な生活に近づけるため,入浴回数の増加について検討された
い。
在院者の入浴回数については,予算事情,浴場の数,履修が義務
付けられている課業の優先実施や日課運営上の理由により1週間当
たり2回としている。
入浴回数の増加については,施設運営にも影響がある内容である
ため慎重に検討する。
245 駿府学 平成30年3月30日
現在,体育や運動後の夏季のシャワー入浴については,9
月末日まで実施しているものの,10月以降も気温が高い日
があり,その日の気温や気候に応じて実施するよう検討され
たい。
10月以降のシャワー入浴については,気温の高い日にあって
は,衛生面に配慮して,実習,体育や運動の終了後にシャワー浴を
実施する場合があり,柔軟に対応している。
246 駿府学 平成30年3月30日
就寝時の居室の電灯については,明るく寝付きづらいとの
意見がなされ,暗い電灯に切り替えて改善がなされたもの
の,改善後にも同様の意見があったため,電灯の位置と就寝
する場所の調整を行うよう検討されたい。
集団寮の居室における就寝場所については,人数に応じて就寝場
所を変更することを検討したい。
247 駿府学 平成30年3月30日
現在,面会時間については,30分を基準としているとこ
ろ,在院者の精神的な安定や遠方から来てくれる保護者との
面会時間を1時間を基準として柔軟に対応することを検討さ
れたい。
また,年末年始の保護者等との面会の実施についても,職
員配置上の問題は理解しているものの,前向きに検討された
い。
おおむね1級に進級後,出院後の就労先に係る調整や家族関係の
改善等のため,保護者等と昼食を挟んで5時間程度の面会や2時間
程度の長時間面会を実施している。また,保護者と面会等できる機
会として,新入時期の保護者会,1級進級後の意見発表会及び保護
者参加型プログラム(茶摘会,体育祭,学園祭)を実施して保護者
と長時間会える機会を相当数確保している。
また,年末年始の休庁期間は,限られた職員だけで勤務している
ため,今後も現状の職員配置を超える確保は困難であり,この期間
の面会実施は困難である。
248 駿府学 平成30年3月30日
在院者との面会時,保護者等との面会が多目的室におい
て,他の在院者及びその保護者と2組同時に実施され,衝立
はあったものの,声は漏れていたとのことであり,在院者及
びその保護者のプライバシーを保護する観点からも重大な問
題であるため,二度と起こらないよう配慮されたい。
面会については,通常,面会室において,一家族一室で実施して
いるものの,新入時保護者会又は意見発表会における面会について
は,4,5家族での合同面会になることが多く,一家族一室の面会
場所が確保できないため,体育館や,その他教室を面会場所として
指定している。
今後,保護者及び在院者に対し,個人情報に関することについて
は,他の者に聞こえないように話していただくことをお願いするこ
ととした。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
249 駿府学 平成30年3月30日
食事については,在院者から暖かくて美味しいと高い評価
を得ており,今後も継続して味付け,温度管理,分量等に十
分に配慮してされたい。
今後においても,在院者の食育,健全育成を考えながら,さら
に,味付け,温度管理,分量,栄養のバランスに留意して美味しい
食事を提供していきたい。
250 駿府学 平成30年3月30日
職員の在院者に対する指導・対応については,在院者への
指導時,職員の一部不適切な言辞があったものの,職員が自
らの非を認め素直に謝罪したことで信頼感や尊敬の気持ちを
失うことなく,教官と在院者との間に信頼関係が構築されて
おり,今後も適切な関係を維持に努められたい。
職員の一部不適切な言辞があったことから,在院者の人権へ配慮
した処遇を徹底できるよう今後も不適正処遇防止のための職員研修
を継続していきたい。
251 湖南学 平成30年3月7日
冬場の寮内廊下やホールは暖かいが,居室内は寒いので,
防寒の措置等を検討されたい。
冬季は,フリース,厚手メリヤス下着等の防寒衣類を貸与してい
るほか,居室内での膝掛け毛布,手袋着用を認めて防寒対策を講じ
ている。今後とも防寒に供する冬物衣類の充実に一層努めたい。
252 湖南学 平成30年3月7日
ボールペンは,黒色だけでなく赤色も貸与,支給又は自弁
等の措置を検討されたい。
赤色ボールペンは,日記指導や確認サイン等で職員が使用してお
り,改ざん等の不正行為を防ぐため,在院者には赤鉛筆を貸与して
いる実情がある。しかしながら,利便性では鉛筆よりもボールペン
が勝っており,使用には合理性もあることから,赤色ボールペンの
自弁購入を認め,職員は他色を使用することを今後検討したい。
253 湖南学 平成30年3月7日 多様な書籍の備置きを,より一層柔軟に検討されたい。
計画的な備付書籍の更新整備に加えて,定期的に近隣図書館から
の貸出を受けて,多様な備付書籍の充実を図っており,今後ともふ
さわしい書籍等の整備に努めたい。
254 湖南学 平成30年3月7日
更衣を含めた20分間の入浴時間や,週2回の入浴は必要
最小限の実施回数であり,可能な限り実質的な入浴時間の確
保や夏季同様に冬場でもシャワー浴を増やすことを検討され
たい。
冬季においては,シャワー浴だけでは湯冷めした在院者が風邪を
ひくこともあり実施していない。また,入浴の際には脱衣時間は入
浴時間に算入しないことで実質的な入浴時間の確保を図っている。
255 湖南学 平成30年3月7日
体質に鑑み,洗顔フォームの使用を認めることや自弁購入
シャンプーは複数種から選択できるように検討されたい。
洗顔に用いる石けんは,薬用石けんも自弁購入品として認めてい
る。また,自弁購入シャンプーについては,体質等に合わせて複数
種の中から選択できるように検討したい。
256 湖南学 平成30年3月7日
給食に毛髪等が混入していた場合の代替食給与に関して検
討されたい。
給食への異物混入発覚時には,幹部職員も確認して必要な対応を
講じており,可能な範囲で代替食を給与することとしている。
257 湖南学 平成30年3月7日
入院後,4週間にわたる単独室での生活については,個別
処遇の趣旨を踏まえた柔軟な対応を検討されたい。
入院当初の不安定な在院者は,自己を見つめ直す姿勢ができてお
らず,当該期間は矯正教育の導入段階として,基本的な生活姿勢を
しっかりと身に付けさせる期間と位置付けている。従来どおり実施
することで改善意欲の動機付けを十分に図り,成長に結び付けた
い。
258 湖南学 平成30年3月7日
音楽を聴くことは在院者の情操面を育むものであり,施設
の物的資源が許す限り,その導入を検討されたい。
毎朝・夕には,全寮にラジオ放送を流して音楽聴取の機会を設け
ており,今後とも可能な限りの充実化を検討する。
259 瀬戸少 平成30年3月31日
平成28年度意見書に,意見・提案書用紙には,面接希望
の有無と投かん者の氏名を記載する欄を設けていただきたい
ほか,氏名は記載しても記載しなくても構わないことを注記
していただきたいと提示したが実現していない。再度この点
の見直しを提案する。
意見・提案書の様式は,通達で定められたものであるため,貴委
員会の意見を引き続き上級官庁に伝える。
260 瀬戸少 平成30年3月31日
意見・提案書用紙について,積極的に面接を希望しない場
合であっても,面接に応じる意思がある場合には,その旨と
指名を希望する欄を設けることを提案する。
意見・提案書の様式は,通達で定められたものであるため,貴委
員会の意見を引き続き上級官庁に伝える。
261 瀬戸少 平成30年3月31日
図書室の利用拡大について,図書の貸し出しや閲覧を希望
する在院者に対してはその機会を付与することを工夫し,矯
正教育に役立てることを検討していただきたい。
当院図書室に備えられている書籍(備付書籍)は,かつて集団寮
等に備えていたもののうち,当該書籍の状態(傷み)や発刊時期等
を踏まえ,集団寮等における多数の在院者への貸出しには不適なも
のを保管しているところ,当該書籍については,従前から,個別課
題図書として在院者に貸与するなどして活用してきた経緯があるこ
とから,引き続き有効に活用することとしたい。
262 瀬戸少 平成30年3月31日
在院者が希望した場合には,配属寮以外の法務教官と面接
できる機会を定期的に設け,時機を失することなく個人面接
を実施し,その結果を踏まえて適切な対応を行うことを検討
していただきたい。
在院者から希望があった場合には,職員配置等を勘案した上で,
時機を逸することなく,所属寮以外の職員との個別面接の機会を随
時設けるなどして,適切に対応することとしたい。
263 瀬戸少 平成30年3月31日
保護者等との面会においては,面会時間を延長する必要性
の判断について諸事情を十分考慮し,柔軟な運用をしていた
だくよう要望する。
面会の時間帯等は少年院法第95条並びに同法施行規則第57条
及び第58条の規定に基づいているところ,面会の相手方の事情を
考慮して,可能な範囲で柔軟に運用していく。
264 瀬戸少 平成30年3月31日
面会室の数が限られているために面会時間を延長すること
が困難であるという事情がある場合には,面会室の増設も検
討していただきたい。
面会時間の延長については,緊急性,必要性等がある場合は,個
別判断の上,必要時間を確保するなど適切な対応をしている。ま
た,面会室の増設については施設の構造変更や大規模な工事が必要
となってくることから,その必要性を慎重に見極めつつ,必要に応
じて,上級官庁に要求したい。
265 瀬戸少 平成30年3月31日
少なくとも年間6回の委員会開催が必要であり,委員会開
催時期や回数については委員会の判断を尊重し,一律に制限
を行うべきではないと考える。
委員会開催時期や回数については委員会の判断を尊重し,一律に
制限を行うべきではないとの意見を引き続き上級官庁に伝える。
266 愛知少 平成30年3月17日
パソコンの学習機会を,新入時の2か月に限定せず,在院
中に継続的な学習機会を保障すること。
集団寮への編入後は特定生活指導等なすべき事柄が多く,また,
パソコンの台数も限られており,一人に一台貸与することはできな
いが,時間及び予算措置を考慮の上,必要な在院者に対しては集団
寮においても,個別に貸与することを考えていきたい。
267 愛知少 平成30年3月17日
在院者の各居室の冬季の暖房について,改善を検討すべき
である。
各居室への暖房器具の設置については,設備上,検討を要すると
ころであり,現下での対応策としては,廊下にファンヒーターを設
置し,食器口を開け,温かい空気を居室に入れている。
268 愛知少 平成30年3月17日
六法全書や分かりやすい口語六法全書その他図書を豊富に
する努力を願いたい。
平成29年度は平成28年度に比べ備付書籍等の冊数を1000
冊ほど増加させることができており,六法全書については,寮ごと
に1冊ずつ,平成30年度予算で購入する予定である。
269 愛知少 平成30年3月17日
居室や廊下に時計を設置し,在院者自身の時間を意識した
自律の習慣を養成することを検討願いたい。
当院の在院者の特性上,保安上の観点から現時点では居室に時計
を設置することは難しいが,今後,集団寮居室廊下に時計を設置す
ることについて検討していきたい。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
270 豊ケ岡学 平成30年3月9日
提案箱への投かんが容易になるように,提案箱の用紙をあ
らかじめ在院者に渡したり,用紙の代わりにノートの切れ端
を使用しても可ということにはならないか検討されたい。
提案箱の用紙をあらかじめ在院者に渡してしまうと,居室検査の
際などに,用紙の残数から使用した在院者が職員に判明することに
なり好ましくないと考える。ノートの切れ端は認めていないが,私
物の便箋については使用を認めており,生活のしおりにも規定して
いる。
271 豊ケ岡学 平成30年3月9日
提案箱について,月に1回,意見がなくても在院者全員に
投かんさせる等の方策を採れないか検討されたい。
少年院の長が行う提案箱の設置の協力については通達の規定に基
づくものであるものの,毎月,在院者全員への投かんまで求められ
ておらず,強制や義務付けは困難である。今後とも委員会に対して
書面を提出することができる点について,在院者への周知を徹底し
たい。
272 豊ケ岡学 平成30年3月9日
提案箱は職員や周囲の目が気になって投かんしにくい可能
性があるため,職員の目に触れにくい場所に設置することは
できないか検討されたい。
提案箱は,適正に管理される必要があり,加えて,その設置の趣
旨から,在院者に分かりやすい場所が望ましいこと等を考えると,
現在の場所が適切であると考える。
273 豊ケ岡学 平成30年3月9日
老朽化が激しい施設であるため,すきま風や暖房が効きに
くい等,必要以上の苦痛を在院者に与えないような配慮され
たい。
提案どおり配慮していきたい。
274 豊ケ岡学 平成30年3月9日
食事時間が10分程度と短いので,5分間延長することは
できないか検討されたい。
日課表では食事準備を含めて,30分程度の時間を定めており,
そのとおりに運用している。引き続き,食育の観点からゆっくり喫
食するように啓蒙したい。
275 豊ケ岡学 平成30年3月9日
食事の量について,御飯を少なめに盛り付け,必要に応じ
ておかわりを認めたり等の工夫はできないか検討されたい。
食事は,給与熱量及び標準栄養量に従い適切に給与しているとこ
ろであり,配膳については従前どおりとする。
276 豊ケ岡学 平成30年3月9日
食事の後,すぐに体育(ランニング)の時間があると,苦
しくて気持ちが悪くなることが考えられるため,何らかの対
応を検討されたい。
水曜日は,食後1時間程度後に体育が行われることがあるため,
今後,給食会議で麺類等のメニューになるように工夫し,比較的消
化の良い食事に変更したい。
277 宮川医療 平成29年5月22日
入浴用タオルについて,ナイロン製やあかすりのようなも
のを利用できる配慮をしていただきたい。
導入済みである。
278 宮川医療 平成29年5月22日
図書については,平成28年度も増冊されているところで
はあるが,引き続き種類や冊数を増やしていただきたい。ま
た,学習用の図書の冊数については,必要性,相当性を考慮
し,ゆるやかに判断していただきたい。
平成29年度に141冊増冊している。資格取得・漢字検定の希望
者が多いため,関連図書を多く整備した。
自弁書籍については,学習用図書の所持制限は設けていないが,そ
の判断は必要性に応じて個別具体的に行っており,今後もこの形式
で運用を継続する予定である。なお,官本については,週1回交換の
機会を設けられている。
279 宮川医療 平成29年5月22日
運動用具等で破損しているものがあれば,できる限り新品
に交換していただきたい。(バトミントンの羽根,卓球の
ボール等)
破損等確認後,速やかに交換するようにしている。
280 宮川医療 平成29年5月22日
調査期間中の課題については,時間を有効に活用するとい
う観点からも,課題のバリエーションを増やし,本人が充実
した日課に取り組めるよう配慮願いたい。
調査期間中は,反則行為の反省に係る課題等を義務付けていな
い。その理由として,調査は謹慎とは異なり,反則行為を認定する
前の段階であり,反則行為があったことを前提とした日課とは異な
るためである。なお,調査期間中についても,学習時間や運動時間
等は確保されており,反則行為に対する調査だけが日課とはなって
いない。
281 宮川医療 平成29年8月7日
運動後のシャワー浴について,気候により温水にされた
い。
健康や衛生管理,熱中症対策として,夏季に希望者のみシャワー
を実施した。今後は気温により温水でのシャワー実施を検討した
い。
282 宮川医療 平成30年1月15日
集団室トイレにおいて,『使用中』等表示を行ってほし
い。
一部の寮では実施済みであり,他の寮についても措置を講じる予
定である。
283 宮川医療 平成30年1月15日
学習図書の取扱いや薬の処方については,疑問があった際
に質問を受け付けられる体勢を整えてほしい。
図書や薬の内容については,個別担任や担当医師,薬剤師により
留意事項の説明を行っているが,今後も誤解を与えることのないよ
う徹底していきたい。
284 京都医療 平成30年3月30日
建物の老朽化が極めて著しく,法務省矯正局において,京
都医療少年院の移転計画を早急に実現していただくよう再度
強く要望する。
上級官庁に対して,施設の老朽化,移転の必要性について,説明
したい。
285 京都医療 平成30年3月30日
移転計画が実施されるまでの間,補修等は十分に実施され
るよう強く要望する。
予算事情が厳しい状況であるが,優先順位を付けて対応していき
たい。
286 京都医療 平成30年3月30日
一般の総合病院水準の診療科とそれぞれへの常勤医,現在
の医療水準に照らし合わせた使用頻度の高い検査機器や常勤
検査技師がそろえられることが望まれる。
心身に多様な問題性を持った在院者が少人数ずつ収容されている
当院の実情を考慮すると,総合病院水準の診療科の全てを院内で賄
うことは,現実的に困難であるが,第3種少年院として求められる
医療水準を確保するため,医療職員や機器確保等,診療体制の充実
を上級官庁に上申したい。また,専門的診療の一部については,速
やかに外部の医療機関の受診等ができるよう,良好な関係維持に努
めていきたい。
287 京都医療 平成30年3月30日
整形外科医や産婦人科医は,一般社会内においても確保の
厳しい診療科目であり,機会あるごとに,関係医療機関に働
き掛けを行ってはいるが,現状では月2回の非常勤医師の確
保にとどまっている。手術自体ができない状況も本来は改善
が必要である。
手術を要する様な在院者の少なさや麻酔や術後管理等を考える
と,当院の医療レベルで手術を行うことには無理がある。現状では
外部医療機関に委ねざるを得ず,院内での実施は移転等で医療専門
施設として再検討される際の課題としたい。
288 京都医療 平成30年3月30日
在院者における疾患で需要の高い科(整形外科や産婦人科
等)も常勤医師での体制が望まれる。
整形外科医や産婦人科医は,一般社会内においても確保の厳しい
診療科目であり,機会あるごとに,関係医療機関に働き掛けを行っ
てはいるが,現状では月2回の非常勤医師の確保にとどまってい
る。今後も常勤医の確保に向けて,働き掛けを継続したい。
289 京都医療 平成30年3月30日
法務省矯正局には,一般的な医療水準に照らし合わせた医
療体制への改善の検討を働き掛けられたい。
引き続き,医療対策協議会等を通じて,働き掛けを行っていきた
い。
290 京都医療 平成30年3月30日
出院後の安定した生活環境を目指すために,在社会の医療
機関や支援機関との連携を強化されたい。
在院者に適した帰住先を確保するため医療機関や支援機関との連
携に,より一層力を入れていきたい。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
291 京都医療 平成30年3月30日
女子在院者を保護室に収容する際に男子寮単独寮の廊下を
通らざるを得ず,また保護室の在院者が挙げる大声等が男子
単独寮に筒抜けの状態であり,人権侵害のおそれがあり早急
な改善が必要である。
施設構造上の問題であり,現施設において根本的な改善は難しい
ため,上級官庁に要望をしていきたい。
292 京都医療 平成30年3月30日
在院者の意欲をそぐような職員の言葉遣いは,一部の職員
であっても組織的な問題として,職員への教育に努められた
い。
人権に配慮した指導となるよう引き続き職員研修を定期的に実施
し,職員の人権意識の教育により一層力を入れていきたい。
293 京都医療 平成30年3月30日
職業指導,教科指導においては,在院者の希望や興味関心
をよく聞き取り,在院者の意欲を支援するための指導を行わ
れたい。
在院者の希望や興味・関心を踏まえ,社会のニーズに合った職業
観や学力の習得を目指して各指導を展開するとともに,その方法と
して通信教育,資格取得を充実させたい。
294 京都医療 平成30年3月30日
守られた環境である在院期間に,コミュニケーション能力
を高める機会を多く与えるため,女子在院者の私語休憩の充
実及び男子在院者の私語休憩の実施に取り組まれたい。
現在,適切な会話方法に特化したプログラムは定めていないもの
の,在院者の成績評価項目に「対人関係」を定め,日常の各場面に
おいて,感情統制及び対人スキルの習得について,指導を重ねてい
る。今後,会話のトレーニングプログラムの策定も検討しつつ,引
き続き日常的な指導を充実させていきたい。
295 京都医療 平成30年3月30日
職員研修が,職員の職務能力育成に向けた研修となってい
るかどうかについて,絶えず見直しを行うよう要望する。
職責別,勤務年数別の研修を実施するなど,真に効果的な研修と
なるよう努めていきたい。
296 京都医療 平成30年3月30日
女子寮職員の仕事量が過重と伺わせる意見もあるため,少
年院全体で把握,理解して,過重とならないよう検討された
い。
職員配置については,引き続き,業務の合理化やスマート化を通じ
て適正化を図りたい。
297 京都医療 平成30年3月30日 今後も社会からの理解を得る取組を続けられたい。
平成29年度は,47件990名に対する一般参観及び4件14
8名に対する募集参観を行い,また指導場面に関する取材依頼を受
け当院の実情等を広報し,社会から理解を得る取組を実施した。今
後も引き続き,社会からの理解を得る広報等の取組を実施していき
たい。
298 浪速少 平成30年3月26日
食事に異物混入があれば原因究明に努められている一方
で,在院者からは,訴えても取り替えてもらえないとの意見
もあるので,しっかりと対応されたい。
職員が在院者からの申出等により食事への異物混入を認知した場
合は,報告書をもって上司に報告させた上,原因を究明し,再発防
止に努めているところであるが,今後も,職員に対しては,報告を
徹底させたい。
299 浪速少 平成30年3月26日
限られた予算内でできるだけ多くの在院者が満足でき,か
つ,栄養のバランスにも配慮した食事を提供できているの
で,今後も引き続きお願いしたい。
定期的にし好調査を実施して在院者の意見を聴取し,献立に反映
しているところであるが,今後も,決められた予算内でより多くの
在院者が満足し,かつ栄養のバランスがとれた食事を提供するため
工夫を続けたい。
300 浪速少 平成30年3月26日
自弁ノートに絵を描くことについて,一律に禁止するので
はなく,在院者の特性に応じて許可することを検討された
い。
自弁ノートに絵を描くことの可否については,院内で統一的な運
用がなされていなかったため,今後は,犯罪や非行文化に関するも
の,わいせつなものなど,健全育成上好ましくないものを除き,絵
を描くことは禁止しない取扱いとしたい。
301 浪速少 平成30年3月26日 入浴回数を増やしてもらいたい。
少年院法施行規則第30条第1項により,入浴の回数は「1週間
に2回以上」と定められているところ,当院では,予算事情や日課
編成を考慮して週2回としており,当面はこれを継続したい。
なお,夏場には毎日のシャワー及び就寝前の拭身(濡れたタオル
を絞って身体を拭くこと。)を行わせているところ,これを継続し
たい。
302 浪速少 平成30年3月26日
体育,運動にバラエティに富んだ競技を取り入れてもらい
たい。
新たな運動種目の導入について,検討を進めたい。
303 交野女 平成30年3月9日
在院者の居室を含む各部屋を点検し,修繕すべきところが
ある場合,早めに対処されたい。
損傷箇所を点検し,該当寮の各居室,洗面所及びトイレ部分につ
いて,平成30年3月に修繕を完了した。
304 交野女 平成30年3月9日
更なる業務の効率化等により,在院者と個別に向き合う時
間を可能な限り確保されたい。
事務の簡素化及び日課の調整等業務の効率化は進めていき,寮担
任教官が個別面接時間を確保しやすいよう執務環境の改善を図って
いく。
305 交野女 平成30年3月9日
手の保温・保湿についても,在院者が霜焼けにならないよ
うな予防対策を検討されたい。
ハンドクリームや屋外活動時の手袋の使用を認めているほか,掃
除洗濯時のゴム手袋の使用を認めることとした。
306 交野女 平成30年3月9日
在院者の使用する寮及び職員宿舎の老朽化が著しいので,
一時的改修を繰り返すのではなく,早急な建て替えを検討さ
れたい。
寮及び職員宿舎の建替えを上級官庁に進達する。
307 交野女 平成30年3月9日
女子在院者の衣体検査に男性職員が立会したことがあった
件について,心理的抵抗があった旨を意見として在院者から
申し受けたところ,保安上,やむを得ない場合に限って対応
している状況が認められた。当該意見に係る様々な配慮につ
いては,適切な問題意識であると考えるので,今後も励行さ
れたい。
職員朝礼時等を利用して,衣体検査時の留意点についての注意喚
起を行い,全員に周知した。
308 和泉学 平成30年2月28日
入浴について,全国的な体制として,少なくとも隔日の入
浴が可能となるよう,週3,4回の入浴を実施できる体制を
整えて実施すべきである。
全国的な体制について,施設限りでの対応は困難。当院としては,
予算事情も勘案し,夏季におけるシャワーの実施期間の見直しを続
けていく。
309 和泉学 平成30年2月28日
食事について,1全国的に制度的な工夫を行い,職員も在
院者と一緒に同じメニューの食事を取りながら指導を行える
ようにすることが望ましい。2食事の際の在院者同士の会話
もある程度自由な会話を認めることが適切である。
当院において,食事中の自由な会話については,食事自体を楽し
むことや家族関係を考える機会とするなど,食育の観点から食事中
の会話は原則として控えさせている。
310 和泉学 平成30年2月28日
新聞の閲読時間が不足しているとの意見があったことか
ら,一定期間の新聞をストックし,余暇時間に読むことがで
きるようにすべきである。
現在,泉南学寮と和泉学園の1級生が所属する寮については1週
間程度の新聞をストックし,余暇時間に閲読させているが,今後,
2級生が所属する寮についても同様の運用を実施したい。
311 和泉学 平成30年2月28日
面会時間について30分を下回らないとされているが,対
話内容や状況に応じて必要な場合は柔軟に延長を認めるべき
であり,土曜日の面会についても,在院者の面会の機会を適
切かつ十分に確保する観点から,できる限り多く実施すべき
である。
面会時間については,対話内容や対話状況に応じ,必要と認めた
場合は,時間の延長を行っており,土曜日の面会についても,必要
な場合予約の上実施しているところであり,今後も面会の相手方の
事情や必要性に考慮して可能な範囲で柔軟に対応していく。
312 奈良少 平成30年2月5日
在院者から,処遇に関する質問,要望等があった場合に
は,各在院者の特性等も踏まえつつ,分かりやすく,かつ各
在院者が納得できるような説明や対応を心掛けられたい。
今後も引き続き,在院者に対して必要な説明を確実に行うことは
もとより,各在院者の発達の程度や理解力の差異を十分考慮し,分
かりやすい説明に努める。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
313 奈良少 平成30年2月5日
便箋の使用方法について,縦書きで記載するよう規定して
いるが,当該規定の客観的,合理的理由の有無と規定の必要
性を見直されたい。
現状は,新入時に縦書きによる手紙の書き方を指導しているた
め,便箋の購入や使用方法について一定の制限をしていた。今後,
便箋の横書きについて前向きに検討する。
314 奈良少 平成30年2月5日
自弁購入あるいは差入れの書籍について,可能な限り速や
かに在院者の手元に届くよう配慮されたい。
当該事務処理について,可能な限り速やかに在院者の手元に届く
よう配意している。
315 美保学 平成30年3月30日
ボーイスカウトへの入隊について,入隊テストの実施に加
え,なお入隊の任意性を担保するための検討を行うことを求
める。
新入時オリエンテーション等の際に入隊の任意性を説明し,在院
者の意思の確認を行うこととする。
316 美保学 平成30年3月30日
会話制限の具体的な内容についての明示的で正確な情報を
在院者に伝える方法を講じることを求める。
新入時オリエンテーション等の際に,自由な会話が規制される範
囲を含めその趣旨が正確に理解されるよう,引き続き適切な指導に
努めていきたい。
317 美保学 平成30年3月30日
提案箱に投かんすること自体を秘匿することができない状
況であることから投かんすることに心理的抵抗感がある可能
性があり,改善の必要性について検討されたい。
現状の取扱いについて改善の可能性があるとは認識していない
が,更なる改善の必要性があるとすれば,引き続き美保学園視察委
員会で議論いただき,その結果を踏まえて検討したい。
318 美保学 平成30年3月30日
夜間,在院者が希望すれば,ジュース類を少年院法第60
条第2項のし好品として支給されたい。
法令上,し好品は一定の場合に限り支給できるものとされてお
り,在院者の希望による夜間の支給は困難だが,意見があったこと
について,上級庁に進達したい。
319 美保学 平成30年3月30日
職業に関する情報の提供につき,在院者の関心・希望を踏
まえ,更に充実したものにされるよう求める。
在院者に対する職業に関する情報の提供について,在院者の関
心・希望を踏まえつつ,引き続き充実を図っていきたい。
320 岡山少 平成30年3月9日
視察委員会運営の充実のため,年6回実施できるよう予算
措置を要望する。
同意見について,上級官庁に引き続き要望する。
321 岡山少 平成30年3月9日
在院者を「君」または「さん」を付して呼ぶ等,在院者の
人権尊重に一層の配慮を願いたい。
従来から研修を重ねているところ,職員の意識改革も念頭に,更
に実効性のある研修を継続的に実施していく。
322 岡山少 平成30年3月9日
夕食の開始時刻を,18時から開始できないか検討願いた
い。
職員の配置等により,現状では直ちに18時に変更することは困
難である。職員配置等の工夫を更に検討する。
323 岡山少 平成30年3月9日
食事時間中のBGMを軽音楽あるいはラジオの番組を流す
など試行を行い,様子を見ながら食事時の雰囲気を楽しいも
のにするよう工夫願いたい。
曲目について,ラジオ聴取を含め,選択の幅を広げることについ
て検討する。
324 岡山少 平成30年3月9日
入浴回数を少なくとも週3回,時間を20分程度に増やす
よう工夫願いたい。
在院者の衛生管理と予算の効率的な執行,日課の適正な運営との
調和を図りつつ,回数,時間の増加について引き続き検討する。
325 岡山少 平成30年3月9日
職業生活設計指導科のための教材や職業指導種目の内容の
充実について,在院者の更生意欲を高めるためにもさらに一
層の充実をお願いしたい。
平成30年度の少年院矯正教育課程において,取得可能な資格の
拡充を予定しており,引き続き処遇内容の充実に努めていく。
326 岡山少 平成30年3月9日
体育について,団体競技(野球,サッカー,バスケット
ボール等の球技)を取り入れるべきと考えられる。ただし,
指導者の確保などの課題があることから,長期的な視野を
もって実施を検討願いたい。
現在,状況を見極めながら,一部試行的に球技も導入しており,
今後,種目の拡大を図っていく。
327 岡山少 平成30年3月9日
差し入れられた書籍や自弁書籍の閲覧の制限について,在
院者の年齢や社会における一般常識を考慮して適切な運用を
行うよう願いたい。
御意見も踏まえ,より適切な運用を行う。
328 広島少 平成30年3月28日
在院者の居室内の温度を随時調査し,これに基づき,適切
な冷暖房の対策を取るよう要望する。
在院者の生活する寮の温度測定を実施し,適切な冷暖房対策を講
じていきたいが,特に老朽施設である広島少年院は,現状の施設設
備及び予算では対策に限界があるので,上級官庁への予算措置の要
望を併せて行いたい。
329 広島少 平成30年3月28日
危機予防のための規則やマニュアルの整備を進めるよう要
望する。また職員から在院者への暴力(精神的暴力を含
む。)について,予防のためのマニュアル,及び職員から在
院者への暴力発生時の対応のための規則やマニュアルの整備
を行うよう要望する。
保安事故や不適正処遇の予防については,上級官庁から訓令,通
達,通知等が発出されているほか,保安原則や勤務規程が既に整備
されており,職員から在院者への暴力や不適切処遇が発生した際に
は,直ちに上級官庁に報告し,適切な対応を執る体制となってい
る。
こうした指示や規程を一つの冊子にまとめ,全職員に配布した
い。
330 広島少 平成30年3月28日
少年院の敷地内で職員等が喫煙を行うことを禁止するよう
要望する。
従前のとおり,喫煙は庁舎に近接する屋外に設置された喫煙所に
おいて行うものとし,職員に対しては,喫煙後に手洗い及びうがい
を確実に行うことを徹底したい。
331 広島少 平成30年3月28日 次年度以降,出院者全員にアンケートを行いたい。
出院前の在院者にアンケートを行うことは可能であると思われる
ので,方法や内容について協議をさせていただきたい。
332 丸亀少女 平成30年3月31日
入浴日については,生活のしおりで定められているが,当
該日が祝日と重なった場合は入浴ができないことから,入浴
日の弾力的な変更や簡易入浴の導入について検討いただきた
い。
夏季期間以外の入浴日については,毎週,月,水,金の週3回実
施し,該当日が祝日の場合は前後の平日に入浴を実施し,週3回を
下回らないようにしている。夏季期間については,入浴日以外,
シャワー浴を毎日実施している。また,ゴールデンウイーク,年末
年始期間中も,入浴を行わない日が中3日以上にならないように配
慮して実施している。
333 丸亀少女 平成30年3月31日
脱水症状などの健康障害が発生するリスクを考えると,自
分の体調に応じて水分補給ができる環境整備を検討いただき
たい。
在院者の水分補給については,日課中は常時,お茶ポットを準備
し,水分補給を行わせている。日課終了後は,寮内で茶を飲めるよ
う常備している。また,夏季期間については,運動時や農園芸時に
スポーツ飲料を準備して給与するなどしている。水筒を所持させる
件については,今後検討していく。
334 丸亀少女 平成30年3月31日
在院者からシャープペンシルの使用を希望する意見がある
ため,シャープペンシルの使用について検討されたい。
意見を踏まえ,今後は,シャープペンシルを使用させる方向で検
討していく。
335 丸亀少女 平成30年3月31日
単独室処遇中においても,食事時間中に音楽を流すよう検
討されたい。
今後は,単独処遇がなされている場合であっても,CDラジカセ
等を利用して食事中に音楽を流すことを検討していく。
336 丸亀少女 平成30年3月31日
在院者から職員との面接時間が足りないという不満が多数
あったため,幅広い要因を検討し,改善に向けて具体的な方
策をとられたい。
面接については,在院者の心情把握等も含めて重要な時間である
と考える。平成29年度は,十分な職員配置ができなかったこと
が,面接の機会が少なかったと在院者が捉えた原因ではないかと思
われる。職員配置上の問題も解消されつつあるため,今後は,面接
時間を確保できるようにしていく。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
337 丸亀少女 平成30年3月31日
在院者から上級生になって以降,「合同(授業)」の時間
に何時間もレース編みを課せられているという不満があった
ため,各人のニーズに合ったカリキュラムなどの実施につい
て検討されたい。
合同授業の時間については,各人のニーズに合わせて,職業指
導,例えば,危険物取扱者試験取得に向けた学習や販売士検定に向
けた学習,更には高等学校卒業程度認定資格に向けた学習を行わせ
ている。また,上級生になると農園芸科に編入し,農作業も実施さ
せているが,資格取得の期間が終了し,かつ農作業に出られない在
院者については,日課に従ってレース編みを実施しているものの,
長時間にわたって課している事実はない。今後も各人のニーズに
合った指導を実施していく。
338 丸亀少女 平成30年3月31日
在院者本人の気付きや社会への適応力向上のため,外部の
専門医との連携,カウンセリング等の導入について検討され
たい。
現在も,医療共助として,外部の専門医(精神科医師)を招へい
して,カウンセリングを含めた診察を実施している。また,非常勤
の社会福祉士や篤志面接委員との面接も行っている。教育・支援部
門に法務技官(心理)が配置されたことも踏まえ,引き続き,外部
の専門医との連携やカウンセリングを充実させていく。
339 丸亀少女 平成30年3月31日
当委員会の存在や存在意義について,ほとんどの在院者が
理解していない。また,提案箱の意味についても理解が乏し
いと思われることから,当委員会の広報用の書面を作成した
ため,提案箱近くに掲示することを希望する。
御提案のとおり,広報用書面を提案箱の横に掲示していく。
340 四国少 平成30年3月7日
寮内のルールについては,基本的には統一的な運用がなさ
れているようだが,現在,居室扉の開閉について寮間で異な
る運用がされているので,可能な限り統一化していただきた
い。
ある寮で反則行為が発生したことから,当該寮の居室扉を日中も
閉める運用を行っている。しかし,これは寮の教育的風土を立て直
すための一時的な措置であり,将来的には統一的な運用に戻す予定
である。
341 四国少 平成30年3月7日
在院者の中には,寮の担当教官との関係について問題を抱
えている者もいると聞いている。その場合においても,面接
可能な教官が主として同じ寮の教官であり,問題解決が十分
に図れないおそれがあることから,担当教官以外の教官とも
広く面接できるシステムを構築すべきと考えるので,検討い
ただきたい。
一つの寮は,複数の職員で構成されており,在院者と個別担任間
で問題が発生してもフォローし合っている。また,在院者の処遇段
階に応じて教務統括や調査・支援統括等幹部職員が面接をするよう
にしており,寮担任で問題解決が十分に図られなかった点があれ
ば,そうした機会に聴取できる体制があるため,新たなシステムの
構築までは要しないと考えられるが,今後も,在院者の個々の問題
性を十分に把握すべく,多面的に面接を実施していきたい。
342 四国少 平成30年3月7日
歯科治療について,予算上の制約はあるだろうが,重篤化
する前に外部の歯科医に連れて行っていただきたい。
在院者から歯痛の申出があった場合,従来から外部の病院に通院
させたり,往診を受けさせたりしており,今後も,積極的に歯科治
療を受診させたい。
343 松山学 平成30年3月22日
在院者に対する個別指導は遵守事項等の内部規則に基づく
ものはもちろん,規則等の明文のない事項についてもできる
限り統一的に行われるべきである。
在院者に対する個別指導は,在院者の理解度や処遇の段階等に応
じた適時適切な指導を行うことが必要とされるところ,統一的な指
導を行うべき事項については,職員研修などを行い,できる限り統
一的な運用を図ることができるよう努める。
344 松山学 平成30年3月22日
在院者に対する指導を行う職員は,個々の在院者の受け止
め方に配慮して言葉遣いに注意し,在院者の理解や納得の得
られる指導を心がけ,在院者との間の信頼関係を構築するよ
う努めるべきである。
教育効果を高めるため,働き掛けの方法などに関する職員研修な
どを行い,今後も適正な処遇が行えるよう努める。
345 松山学 平成30年3月22日
在院者が提案箱に意見を出しやすいようにオープンスペー
スだけではなく,各在院者の居室などにも配置することや提
案箱を個別性の確保できる場所に新たに設置するなど設置場
所を増やすことを検討されたい。
当院では,寮廊下に提案箱を設置し,意見・提案書については,
同提案箱の横に備え付けているほか,在院者に個別に貸与している
「生活のしおり」には,視察委員会に対する意見書を提出するに当
たっては私物の便箋を使用することができる旨を記載して,意見・
提案書が提出しやすいような配慮を行っているところ,今後,より
意見の提出が容易になるよう,各自に個別貸与している上記「生活
のしおり」に意見・提案書を添付することとした。また,個別性に
配慮した場所への提案箱の増設については,適切な場所への増設を
検討しているところである。
346 松山学 平成30年3月22日
在院者に対する健康管理や衛生管理は適切になされている
が,夏場の食事の配膳時期や保管方法等は特別の配慮をする
必要がある。
在院者に食事を給与するに当たっては,調理済みの食品を検食
し,加えて配置職員も在院者に給与する直前に目視等で異状の有無
を確認するなど,その衛生管理に配意しているところ,食事によっ
ては在院者が食べ慣れていない味付けであることも考えられるた
め,し好調査の結果などを踏まえた食事を給与する。夏場における
食事の管理については,調理後から各寮における配膳の直前まで室
温管理が可能な炊場で保管して,衛生的に管理するとともに調理か
ら喫食まで2時間以内とするよう設定し,励行している。
347 松山学 平成30年3月22日
在院者の運動については,心身の健康のため可能な限り
個々の在院者の希望に応じた措置をとるべきである。
運動の機会及び時間については,関係法令に基づき適切に確保し
ている。運動の種目については,平成29年度に見直しを図り,安
全面等を考慮の上,現在の種目としている。実施に際しては,その
中から在院者各自に選択させて実施しており,適正に運用されてい
るものと考える。
348 筑紫少女 平成29年8月29日
視察委員会と当院との意見交換や投かんされた意見によ
り,改善された点などを在院者にフィードバックすることに
よって,視察委員会の活動をアピールして提案箱の利用を促
進していただきたい。
9月及び10月の進級式において,当院長から在院者に対して,
視察委員会の活動内容や委員会からの提案により変更となった点に
ついて,口頭で説明を行った。
349 筑紫少女 平成29年10月10日
生理用品を羽根付きにしてほしいとの要望があったので対
応されたい。
在院者に支給するナプキンを羽根付きに変更した。
また,自弁についても,羽根付きを購入可能とした。
350 筑紫少女 平成29年10月10日
慢性疾患,精神疾患,発達障害等生活自体に困難を抱えて
いる在院者の比率は高まっており,このような在院者の中に
は,保護者との関係が複雑で,その調整が困難であることも
推察されることから,職員の対応力の強化を図ってほしい。
職員の育成については,集合研修のほかに,精神保健福祉セン
ターによる薬物依存研修や医師等の専門家による摂食障害や発達障
害に関する講義等,外部機関による研修に職員を積極的に参加させ
ている。
351 筑紫少女 平成29年10月10日
管理職も含めた職員間での声掛けや悩みの共有,適切な援
助により,職場環境の改善を図ってほしい。
全職員を対象に,直属の上司が定期の面接を行うほか,必要に応
じ,声掛けや面接を行うなどしている。また,若年職員を対象にメ
ンター制を導入している。
352 筑紫少女 平成30年1月16日
人員配置及び予算措置も含め,在院者の矯正教育及び社会
復帰支援という,少年院に期待されている役割を果たせるよ
う,引き続き努力していただきたい。
若手職員が増えてきているため,専門的な知識を修得させ,それ
に基づいた処遇を行いたい。就労に関しては就労支援スタッフを非
常勤職員として雇っており,ハローワーク等とも連携を取ってい
る。
353 筑紫少女 平成30年1月16日 洗髪後のドライヤーの使用について検討されたい。
一定の場合,必要に応じてドライヤーが使用できるよう検討す
る。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
354 筑紫少女 平成30年1月16日
保湿剤の貸与及び購入可能量について,医療的観点から適
正量を使用できるよう改善されたい。
保湿剤については使用期限や購入可能量について見直す。
355 筑紫少女 平成30年1月16日
髪型の制限について,お団子結びにすることや冬季の湯冷
め対応をしてほしい。
髪型は,華美にならないことに加え,保安的な面も考慮されてい
る。冬季の湯冷め対応については検討していく。
356 筑紫少女 平成30年3月30日
医療的ケアについて,外部の専門医との連携なども積極的
に行ってほしい。
現状においても必要に応じて外部受診等を行っているが,今後も
連携に努めていく。
357 筑紫少女 平成30年3月30日
冷暖房設備の設置・利用が不十分であるため,改善された
い。
教室や集団寮ホールでは適切に冷暖房を使用している。各居室へ
のエアコンの設置については,電気容量及び予算の関係から困難で
ある。
358 福岡少 平成30年3月9日
差し入れられた書籍が,在院者の手元へ届くまでの検査手
続きに要する期間をできる限り短縮するよう努力されたい。
書籍処理を当院では,差し入れから本人交付まで通常1週間から
10日以内で処理を行っている。今後も手続期間短縮に向け,更に
処理の工夫等に配慮していきたい。
359 福岡少 平成30年3月9日
在院者が法務教官らに,意見を述べやすい環境をつくると
ともに,その意見を検討のうえ,適切な意見については,施
設の運営に反映させ,その旨を在院者に周知するようにして
いただきたい。
在院者からの意見等を踏まえ,改善措置を講じた場合は,その都
度説明を行っている。今後も,在院者と適切なコミュニケーション
を図りながら,常に在院者が安心して生活できるように配意してい
きたい。
360 福岡少 平成30年3月9日
法務教官ら職員が,在院者らに対して適切な対応ができる
よう十分な指導を引き続き行っていただきたい。
平成29年度は,例年に比して多くの研修を実施した。今後もこ
れまで以上に在院者に対する適切な対応ができるよう,職員の意識
改革を含め,更に研修を充実させていきたい。
361 佐世保学 平成30年3月16日
夏季の入浴については,週2回設定されている入浴(各1
5分間)に加えて,週1回体を洗うのみの夏季特別入浴が実
施されているが,良好な衛生環境の確保の観点から,臨時入
浴の時間延長の検討をお願いしたい。
夏季期間(おおむね6月から10月)については,週2回の入浴
に加えて,運動(体育指導を含む。)及び職業指導終了後,毎日
シャワー浴を実施している。夏季特別入浴は,この期間に実施して
いるシャワー浴を入念に行うとの趣旨で週1回実施しているもので
あり,浴槽に浸かることなく石けん,シャンプーを使って身体を洗
い掛け流す程度の内容で実施している。5分を持て余す在院者もい
ることや,他の課業時間とのバランスも加味しつつ,1回の実施時
間は5分程度で今後も実施したい。
362 佐世保学 平成30年3月16日
入浴時のシャンプーの回数について,2回洗うことを認め
た職員と2回洗うことを禁じた職員がいたとの意見があっ
た。自弁のシャンプーを使っている在院者と,官品のシャン
プーを使っている在院者がおり,統一的な対応が難しい部分
もあるかと思うが,できれば2回を認める方向で統一化の検
討をお願いしたい。
入浴時のシャンプーについては,最大使用量をプッシュ式容器で
2回押した量で統一して,その量の範囲内で2回に分けて使用する
ことを許可することとする。
363 佐世保学 平成30年3月16日
施設内に設置されている図書室から,1週間に1人5冊,
書籍の貸出しを受けることができるが,書籍を選ぶ時間が5
分程度しかないため,貸出しを受ける書籍を選択する時間の
延長や,書籍の分類や書籍のリスト化を行い,書籍を探しや
すくする検討をお願いしたい。
書籍を貸し出す図書交換は,週1回実施している。貸出し書籍に
ついては,整理及び分類を行うとともに,新刊書籍については,別
にコーナーを設け紹介するなどの工夫をしている。今後,「ジャン
ル別の書籍リスト」及び「ジャンル別書籍配置表」を作成し,寮に
設置することとし,事前に探したい書籍の場所が容易に把握できる
ようにする。
なお,書籍を選ぶ時間については,在院者が読書に興味を持ち積
極的に活用できるようにする観点から,延長する方向で検討する。
364 佐世保学 平成30年3月16日
多数ではないものの,在院者から職員によって言動や指導
が一致しない場合がある,職員から他の在院者と比較され
る,職員による対応が他の在院者と差異があるとの意見が
あったので,指導の統一化へ向けた対応をお願いしたい。
日常生活全般について,「生活のしおり」にある事項を指導内容
として統一の徹底を図っているが,同じ指導内容であっても,指導
する職員の表現や言葉の違い方の違いから,正しく理解できにくい
在院者もいるので,そのような在院者については個別に指導を行
い,理解を深めさせるようにする。
職員に対しては,研修等を通じて,引き続き統一した指導ができ
るように指導をしていくこととする。
365 人吉農 平成30年3月8日
読書は在院者の楽しみであり,かつ,出院後の更生に大き
な影響を与えることから,より一層の備付書籍の充実への努
力を期待する。
在院者の健全育成のため,備付書籍を計画的に購入する。また,
多くの書籍を閲覧する機会を設けるため,図書室の整備を行う。
366 人吉農 平成30年3月8日
自弁書籍の交付までの手順や,前日の新聞の閲覧について
は時間制限がないことを,在院者に対し生活のしおりへ記載
する等の方法で周知願いたい。
自弁書籍の交付までの手続については,生活のしおりに項目を設
定し,明記しており,「前日の新聞の閲覧について時間制限がない
こと」は新たに生活のしおりに明記した。
367 人吉農 平成30年3月8日
日曜日の運動時間の増加,運動時間に集団競技を採用して
はどうかとの意見がある。成長期の在院者にとって体を動か
すことへの意欲は強く,心身の健康面からも必要であること
から,可能な限り,体を動かす時間を確保できるよう努力さ
れたい。
日曜日については職員配置や日課の関係から運動時間を増加する
ことは困難である。また,平日においては毎日1時間の運動又は体
育の時間を設けており,十分確保されていると考える。なお,運動
時間は個別運動を希望する者が多く,集団競技はけがや反則行為等
の問題が多かったことから取りやめた経緯がある。
368 人吉農 平成30年3月8日
高等学校卒業程度認定試験用の教材の増加,土木建築科の
技能講習時間減少への不安に対する意見があった。予算や国
からの指示等,種々の制約はあろうが,在院者の更生及びよ
き未来のために,可能な限り,希望に沿うよう努力していた
だきたい。
高等学校卒業程度認定試験については,予算の許す限り教材を整
備する。また,土木建築科の技能講習については,法令で定められ
た以上の時間を確保しており,合格率は100パーセントを維持し
ている。なお,来年度の日課表において,職業指導の充実を図るた
め,2級生に対しては2割程度職業指導時間を増加させることか
ら,技能講習の時間を増加させることも可能である。
369 人吉農 平成30年3月8日
身体の清浄の機会や理髪の回数の増加,歯磨き粉の種類の
増加,化粧水の使用認可等,日常生活の改善を求める意見も
多く寄せられた。日常生活における不具合は,日々の生活に
大きな影響を与える。引き続き,在院者が少しでも快適な生
活を送れるよう工夫を凝らしていただきたい。
少年院の規律維持や予算事情等を考慮し,在院者が日常生活に支
障を感じないよう今後も工夫していきたい。
370 人吉農 平成30年3月8日
日常生活の衛生面について,風呂場のカビの発生,洗濯物
が生乾きで返される,寝具や服が不衛生との意見がある。在
院者の主張どおりであれば大きな問題である。このようなこ
とが発生しないよう,万全の注意態勢がとられることを期待
する。
毎月2回,幹部職員等が在院者が生活する寮を点検するクリーン
パトロールを組織的に実施しており,衛生面等で支障があった場
合,例えば各寮に衣類乾燥機を整備するなど,改善するための措置
を講じている。
371 人吉農 平成30年3月8日
ラジオの番組変更について,多くの在院者から苦情意見が
寄せられた。規律秩序維持の必要性等から事情があったので
あればやむを得ない措置と考える。しかしながら,一度制限
したものをそのままにしていては,次第に制約等が増えてい
く可能性があるので,可能な限り速やかに元に戻すことを検
討いただきたい。
ラジオ番組の変更については既に戻している。今後も,規律秩序
維持の必要性だけに限らず,在院者の情操の育成といった観点から
も番組を変更することはあり得る。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
372 人吉農 平成30年3月8日
霜焼け等の寒さ対策への不満も寄せられた。医師が寒さ対
策につき高い関心を持って取り組まれていることに心強さを
感じたが,在院者に当院が用意した寒さ対策について説明す
る等,周知を図っていただきたい。
医師の指示の下,夜間に暖房を入れたり,暖房が効きにくい寮に
対しては温度を高く設定するなどの措置を執り,在院者に対しても
各寮で周知している。今後とも健康管理を含めて,全庁的に必要な
防寒対策を講じていく。
373 人吉農 平成30年3月8日
個々の教官への不満が,特定の寮からまとめて出された。
在院者の不満が真実であるのか,教官をおとしめようとして
いるのか不明ながら,いじめの可能性も考えられる意見であ
り,慎重に粘り強く対応をお願いしたい。
在院者の不満については,苦情の申出の制度が周知されており,
定期的な面接も実施している。また,適切な理解と指導方法を学ぶ
機会を設け,職員を育成する体制を維持する。
374 中津少 平成30年3月29日
視察委員会について,年6回程度の開催ができるよう,予
算等の確保ができるよう希望する。
視察委員会の開催回数については,予算上の関係から,当院のみ
では対応は困難である。委員会の希望については,上級官庁に伝え
ることとする。
375 中津少 平成30年3月29日
発達障害を有する在院者に対するマニュアル等について,
よりよい教育・訓練ができるように,特に法務省矯正局の担
当部署では,現場がより扱いやすく,在院者の更生・発達に
資するものに改善していっていただきたい。
発達上の課題を有する在院者に対する処遇に関して,平成28年
に矯正局により執務参考資料として,「発達上の障害を有する在院
者に対する処遇プログラム実施ガイドライン」が作成されていると
ころであるが,視察委員会の要望は,上級官庁に伝達する。
376 中津少 平成30年3月29日
差入品や自弁品について,簡素化・迅速化できる部分がな
いか随時見直しを行い,できる限り在院者の手元に届く時間
が掛かりすぎていると思われないような対応を心がけていた
だきたい。
自弁の書籍については,平成29年5月に内規を改正し,一部書
籍の審査について手続を簡略化し,迅速化を図ったところである。
その他の自弁品の引渡しや自弁購入手続の簡素化・迅速化につい
て,更に検討したい。
377 中津少 平成30年3月29日
蛍光ペンについて複数の色の所持を認める,赤鉛筆を常時
使うことができるようにするなど,学用品の自弁物品の許可
又は貸与について,柔軟な対応を検討していただきたい。
訓令に基づき,学習内容に対して,当該学習用品の使用が必要か
つ有効であると認められるときには,その貸与等について今後検討
したい。
378 中津少 平成30年3月29日
テレビの視聴時間が午後8時50分までとされていて,民
放のテレビ番組の多くが午後8時55分頃とされている関係
上,番組の途中でテレビ視聴が終了することになる。
テレビ番組を視聴させる場合には,在院者の障害特性を踏
まえ,必要に応じ,テレビ視聴時間をあと数分延ばすという
対応ができるように,上級官庁と協議するなどして,柔軟に
タイムスケジュールを設定できるように検討をお願いした
い。
当院では,午後8時00分から同8時50分までを余暇時間(テ
レビ視聴可),午後9時を就寝時間としており,余暇時間終了から
就寝までの間に,就寝のための点呼のほか,在院者には1日の振り
返りのために内省をするよう指導しているところである。
また,テレビ番組が変わる都度,テレビ視聴時間を変更する取扱
いにした場合,当院在院者の特性を考慮すると,その変更に対応で
きず,心情が不安定となる在院者があることについても十分に考え
られるところであり,当院における規律及び秩序の維持の観点から
も相当程度の困難さが伴うものと考えられる。
379 中津少 平成30年3月29日
書籍購入に関する予算を確保し,貸与書籍の充実化を図る
とともに,在院者の手元に自弁購入した書籍が届く日数が減
少させることができるよう,更なる善処をお願いしたい。
備付書籍整備については,毎年,計画的に行っており,今後も在
院者のニーズ,教育上の必要性を考慮しながら,充実した内容を整
備することとしている。
また,自弁書籍の内容検査については,平成29年5月に内規を
改正し,一部書籍については手続の簡略化及び迅速化を図ったとこ
ろである。
380 中津少 平成30年3月29日
冬季の入浴回数が週2回というのはやや少なすぎる印象が
ある。上級官庁などと協議し,十分な入浴回数等が可能なだ
けの予算の確保等に努めるべきである。
入浴は,関係法令の定める回数を確保しており,保健衛生にも配
慮した上で実施している。また,入浴回数を増やすことにより課業
時間を圧迫すること,予算措置の面を考慮する必要もあり,対応は
困難である。
381 中津少 平成30年3月29日
成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることに伴
い,少年審判の対象者も18歳に引き下げられることが検討
されているとのことであるが,法改正に関しては,立法機関
において適切な議論がなされるべきと理解はしているもの
の,少年院が,触法若年者の更生に成果を上げてきたことを
踏まえた議論を希望するところである。
本意見については,施設のみで回答できるものではないため,上
級官庁にこの旨,伝達する。
382 大分少 平成30年3月15日
より適切な在院者処遇及び職員育成の観点から,各寮に配
置される職員の年齢や経験にバランスが取れるよう配慮する
とともに,寮単位を超えた職員相互の指導育成・交流の場を
設けられたい。
各寮の職員配置については,職員の年齢及び勤務経験を始め,各
寮に収容される在院者の処遇の段階等を総合的に勘案して決定して
いるところであり,今後も適切な職員配置に努めていきたい。
また,職員育成強化策として,部内研修の充実化を進めており,
平成30年度は当院職員をメンター研修に参加させる予定であるな
ど,引き続き職員育成の充実強化にも努めていきたい。
383 大分少 平成30年3月15日
平成29年度実施された施設見学会及び生命のメッセージ
展等,矯正広報及び地域社会に開かれた施設運営について,
今後も継続して実施されたい。
平成30年度は,平成29年度実施した施設見学会を継続して実
施する予定としており,今後も関係機関との連携及び地域社会との
共生等を重視しつつ,社会に開かれた施設運営に努めていきたい。
384 沖縄少 平成30年3月26日
自弁物品で購入できる蛍光ペンについて,色のバリエー
ションを増やすことを検討されたい。
沖縄少年院では,現在,自弁物品として使用できる蛍光ペンは1
色1本のみの取扱いとしているところ,購入できる色を増やし,使
用できる色数を2本とする取扱いに改める予定である。
また,沖縄女子学園でも,平成30年7月から,購入できる色数
を2色とする。
385 沖縄少 平成30年3月26日
授業の成果物(俳句・やちむん(焼き物)・絵画等)につ
いて,なるべく保護者に閲覧させることができるよう,方策
を検討されたい。
沖縄少年院では,保護者会や保護者参加の行事(卒業式,成人
式,親子スカウティング)において掲示し,保護者が閲覧できる機
会の充実を図る。
沖縄女子学園では,保護者向け機関誌(3月号)上に在院者の作
品を掲載する取組を実施し,今後も継続予定である。
386 沖縄少 平成30年3月26日 在院者が求人情報誌を閲覧できる環境を整備されたい。
沖縄少年院では,出院準備期である1級生寮において,求人情報
誌を備え付けて閲覧できる環境を整備する。
387 沖縄少 平成30年3月26日
古くなった衣類の交換について,在院者への周知の徹底や
在院者が交換の申出をしやすくなるように留意されたい。
下着類やタオル・ハンカチなどについては,入院時に新品を貸与
している。その他の衣類については,中古品を貸与することもある
が,汚損・破損等が生じた場合やサイズが合わない場合などは適宜
交換等行っている。在院者に対しては,交換等が必要な際は職員に
申し出るよう入院時やその後も機会を捉えて周知等しているとこ
ろ,引き続き行っていくこととする。
388 沖縄少 平成30年3月26日
食事の献立についてはなるべく重複がないように配意され
たい。
献立については,月に1回幹部職員及び寮担当職員による会議を
実施し,翌月分の献立予定表を点検し,偏りがないか等内容を検討
する機会を設けている。平成29年12月以降,それまで月に3回
組み込んでいたメニューについて,できる限り2回までとし,献立
のバリエーションがより豊富になるよう工夫している。
講じた措置
庁名
年月日 内 容
番号
委員会の意見
内 容(講じなかった場合はその理由)
389 沖縄少 平成30年3月26日
食事への異物混入防止に向けて,引き続き注意を継続され
たい。
異物混入が生じたときは,炊事担当職員に対して事案を伝達し,
再発防止について注意喚起している。髪の毛の混入防止について
は,炊場に掃除用粘着ローラーを整備し,業務開始時等適時使用す
ることを徹底させ,事案防止に努めている。虫については,炊事作
業中の混入は考え難い面があるが,事案発生時は炊事担当職員への
伝達を行い,同様の事態発生防止について注意喚起している。今後
も,事案根絶に向け引き続き同様の取組を実施していく。