小学校5年生・6年生向け
情報化社会における
表現の自由と知る権利
−情報の受け手・送り手として−
第1 概要
情報化社会における
表現の自由と知る権利
-情報の受け手・送り手として- 新学習指導要領の「第2章 各教科」
「第2節 社会」
「第2 各学年の目標及び内容」
〔第5学年〕
「2 内容」「(4)我が国の情報産業や情報化した社会の様子について,
次のことを調査したり資料を活用したりして調べ,情報化の進展は国民の生活に大きな影響を及ぼしていることや情報の有効な活用が大切であることを考え
るようにする」
「ア 放送,
新聞などの産業と国民生活とのかかわり」
「イ 情報化した社会の様子と国民生活と
のかかわり」
現代の情報化社会においては,
情報技術が著しく発展したことにより,
多くの国民が,
テレビやインターネッ
トを通じて大量の情報を得ることができるとともに,
インターネットを通じて情報を発信することもできる。
このような社会においては,
よりよい生活と社会をつくるために様々な情報を交換することが重要であること
を理解しつつ,
情報の受信及び発信の主体として適切な行動をとることができる資質・能力を身に付けること
が必要になる。
本単元は,
情報化社会における表現の自由や知る権利の意義を,
身近な題材を用いて児童に理解させるとと
もに,
表現の自由とプライバシーとの緊張関係を意識させ,
他者の権利にも配慮するという情報の送り手とし
て必要な責任ある態度を身に付けさせようとするものである。
このような学習を行うことで,
民主主義を支え
る重要な権利である表現の自由や知る権利の意義についての一定の理解を得ておき,
中学校段階における更に
高度な憲法の学習に進むことが期待される。
なお,
本単元では,
第3時については二つのバリエーションを用意している。
1情報が制限されることによって生じる様々な不都合について考えることを通じて,
情報を受け取ることの重
要性
(知る権利の意義)
を理解する。
2自分たちが思ったことを自由に表現できることの重要性
(表現の自由の意義)
を理解する。
インターネットにおける情報の交換の積極的意義を踏まえつつ,
自分自身や他者のプライバシーについての
意識を高める。
1 新学習指導要領における位置づけ
2 単元設定の趣旨
3 単元目標70第1時
情報を自由に
得られるということ
情報を自由に
得られるということ
社会科
第2 指導計画 3部構成・総合計3時間
テレビ,
新聞やインターネットといったメディアについての児童の実際の利
用状況を踏まえつつ,
情報が制限されることから生じる不便や不都合を具
体的に考えさせ,
情報を自由に得ることができること
(知る権利)
の意義を
理解させようとするもの。
その際,
架空の王国を設定して,
その王国での不便・
不都合を考えてみるという方式をとることによって,
学習内容を児童に
とって理解しやすいものとしている。
本時の
ねらい
学習内容
学習活動
発問
(教師=T),予想される発言例
(児童=C)
指導上の
留意点
資料等導 入
❶ 情報がない
場合の不便さ●くろまるテレビ,
新聞,
インターネットなどの児童の
利用状況について質問し,
これらのメディ
アの利用が生活の中にどれくらいの比重を
占めているかについての認識を共有する。
●くろまるテレビ,
新聞,
インターネットがなくなったら,どうなってしまうか話し合う。 T: 「もしも,
テレビや新聞,
インターネットが
なくなったらどうでしょうか」 C:
「毎日つまらない」 C:
「知りたいことを知ることができなくて
困る」 C:
「何があったか,
分からない」 C:
「スポーツの結果や天気予報も知ること
ができない」・情報産業や情報化し
た社会の様子につい
ては,
別の機会で取り
上げるか,
この時間の
導入において取り上
げることが考えられ
る。・具体的に自分の生活
に引きつけて考える
ことができるように
助言する。展 開
❷ 情報の制限
と私たちの
生活
●くろまる資料1の
「きめきめ王国」
の話をもとに,情報を得ることができる手段が限られていたら,どのような不都合が生じるのか考える。 T: 「きめきめ王国ではもらえる情報が限ら
れているけれど,
どう思いますか」
児童に資料1及びワークシート1を配布し,
ワークシート1に記入させる。・「きめきめ王国 」
で実
際に得られる情報は
何かを考えさせた上で,感想を述べさせる。
資料1
ワーク
シート1知ることができる情報が
限られていたらどうなるだろうか。
知ることができる情報が
限られていたらどうなるだろうか。71学習内容
学習活動
発問
(教師=T),予想される発言例
(児童=C)
指導上の
留意点
資料等展 開 C:
「王様の都合のいいことだけ伝えられる
のでいやだ」 C:
「情報をくれる人が限られていて,
他の人
からの情報がないから,
何が本当か分か
らない」 C:
「自分たちの知りたいことが自分で知る
ことができないとなんかだまされてしま
うような気がする」 C:
「きめきめ王国の人は反対しなかったの
かな?」 T: 「自分たちの生活が,
「きめきめ王国」
のよ
うだったらどうでしょう」 C:
「ぜったいいやだ」 C:
「自分の知りたいことを知ることができ
ないなんて,
とても不便 」 C:
「好きなアニメ番組やサッカーの試合中
継もなくて,
面白くない」 C:
「そんなふうになったら,
世の中で何がお
きているか分からない」 C:
「情報をくれる人の思い通りにみんなが
コントロールされてしまいそう」 C:
「そんなテレビやインターネットなら,見ない方がまし」 T: 「今の生活の中で,
テレビ,
新聞,
インター
ネットで自由に情報を受け取ることがで
きることのよさは何でしょう」 C:
「いろんなことを知ることができて役に
立つ」 C:
「いろんな意見を比べて,
どれがいいか
考えられる」 C:
「自分の意見と他の人の意見を比べて,もともと持っていた意見よりももっといい
考えを発見できるかも」まとめ❸ 知る権利の
意義
●くろまるいろいろな情報を得ることができること
のよさについてまとめる。
その際,
情報を
得ることができる権利が
「知る権利」
とい
われることを補説する。
第2指導計画72 あるところに
「きめきめ王国」
という
国がありました。
そこでは,
王様によって,いろいろなことが決められていま
す。ある日,
王様は,
こんなきまりをつ
くりました。
情報化社会における表現の自由と知る権利 −情報の受け手・送り手として− 資料1
チャンネルは1つだけで,
放送
していいのは次のものに限る。
1種類だけ。
のせていい記事は,
テレビと一緒。
王様が許可したものだけを
インターネットに流せる。
●くろまる天気予報
●くろまる国や警察が発表したニュース
※(注記)自分で取材したものやインタビューした
もの,
撮影したものはだめ。
●くろまるスポーツの結果
●くろまる国が許可したマンガなどの子ども
番組
※(注記)コマーシャルも王様がいいと言ったもの
だけ。
きめきめ王国の国民よ。
私は,
これからテレビ,
新聞,
インターネットについての
きまりを言うぞ。
テレビ
インターネット新 聞
しん ぶん
おうこく
おうさま
くにきひ おうさま
おうこく こく みん
しん
わたしいぶん
ひと
つぎ かぎ
ほう そう
おう きょ か
なが
さま
しゅるいきいっしょじ以上。
これらの
きまりをしっかり
守るように。
いじょう
まも
てん ほう
き よ
くに さつ
けい はっ
けっ
くに
ばん ぐみ
きょ か こかぴょう
じ ぶん しゅざい
さつえい
おうさま い73情報化社会における表現の自由と知る権利 −情報の受け手・送り手として−
「きめきめ王国」
の国民が,
テレビ,
新聞,
インターネットで
知ることができるのはどんなこと?
おう こくしこく みん しん ぶん
もし,
今の生活が
「きめきめ王国」
みたいだったら,
どう思う?いま せい かつ おう
おも
こく
テレビ,
新聞,
インターネットでいろんな情報を
自由に得られることのよさって何だろう?しん
じ ゆう え なん
じょう ほう
ぶん
年 組 番 名前( )
ねん くみ ばん なまえ
ワーク
シート174
第2時
思ったことを
自由に言えるということ
思ったことを
自由に言えるということ
社会科
家族との会話,
学級会,
電話,
手紙など,
児童が普段
から行っている様々な表現
(言語)
活動について振り
返り,
表現活動についての意識を高めた上で,
思った
ことを自由に表現できること
(表現の自由)
の意義を
理解させようとするもの。
本時の
ねらい
第2指導計画
学習内容
学習活動
発問
(教師=T),予想される発言例
(児童=C)
指導上の
留意点
資料等導 入
❶ 自分たちの
表現活動
●くろまるどのようなときに,
自分が思っていること,
考えていることをそのまま言ったり,
書い
たりできるのか,
考えさせる。
児童にワークシート2を配布し,
記入させる。・日常生活を考えさせ
る。
ワーク
シート2展 開❷ 表現活動に
ついての意識●くろまる自分が思っていること,
考えていることを
そのまま言ったり,
書いたりできるのはど
のような時かを発表する。 T: 「自分が思っていることや考えているこ
とを,
そのまま言ったり書いたりできる
のはどういう時でしょうか」
児童にワークシート2に記入したこ
とを発表させる。 C:
「みんなの前じゃなくて,
友達同士だと言
える」 C:
「授業とかでは,
言える時と言えない時が
ある」 C:
「自分は家族や仲がいい人にしか思った
ことを言えない」 C:
「自分の思っていることをみんなに発表
するのは恥ずかしいと感じるけど,
限ら
れた範囲で言うなら恥ずかしくない」・伝える相手や方法に
よって,
思ったり考え
たりしたことを表現で
きることは違うことに
気付かせる。
ワーク
シート275
学習内容
学習活動
発問
(教師=T),予想される発言例
(児童=C)
指導上の
留意点
資料等展 開
❸ 表現する媒
体による違い❹ 表現の自由
の意義
●くろまる直接話して伝えたときと,
書いて伝えたと
きと,
どのような違いがあるか話し合う。 T: 「直接話して伝えたときと,
文字に書いて
伝えるときでは,
どのような違いがある
のでしょうか」 C:
「直接言いにくいことでも書くと伝えら
れたりする」 C:
「話すときより,
書く方がどきどきするこ
とが少ないから,
思ったことが書ける」 C:
「話して伝えるときは身振りや表情を付
け加えることができるし,
書いて伝える
ときは思ったことを形にして伝えること
ができる」 C:
「書いて伝えると,
あとあとまで紙が残る
ことになってしまうので,
だれかに見せら
れたらどうしようと思うこともある」 T: 「自分の思いや考えを言えるとどんない
いことがあるでしょう」 C:
「自分のことが分かってもらえる」 C:
「みんなで話し合うとよりよいものが見
つけられる」 C:
「自分の知っていることが人の役に立つ」 C:
「自分だけでは考えつかなかったような
ことが考えられる」 C:
「誰かが間違った情報を流しても,
他の人
が正してくれる」・ここでの話し合いが,
次時以降で扱うイン
ターネットの掲示板に
おける書き込みの問
題へと意識がつなが
るように留意する。・表現の自由が確保さ
れることによって,自分たちの学びや生活
が豊かになることを
意識できるように話
し合いを進める。まとめ❺ 表現の自由 ●くろまる思ったことを自由に表現できることのよさ
についてまとめる。
その際,
思ったことを自
由に言ったり書いたりできることを
「表現
の自由」
ということを補説する。
第2指導計画
みんなが思っていることや考えている
ことを言えたり,
書けたりすると,
どのようないいことがあるのだろう。
みんなが思っていることや考えている
ことを言えたり,
書けたりすると,
どのようないいことがあるのだろう。76情報化社会における表現の自由と知る権利 −情報の受け手・送り手として−
どんなときなら,
自分が思っていることや考えたことを
そのまま言ったり書いたりできるかな?
場 面 だれと?自由にできる
(○しろまる)
場合によってできる
(△しろさんかく)
できない
(×ばつ)
ば めん
じ ゆう
ば あい
※(注記) ほかにもあるかな?
家族との
会話
か ぞく
かい わ
学級会
がっきゅうかい
電話
でん わ
班別の
話し合い
はんべつ
はな あ
手紙
て がみ
友達との
交換日記
ともだち
こうかん にっ き
宿題の
日記
しゅくだい
にっ き
授業
じゅぎょう
学級新聞
がっきゅうしんぶん
じ ぶん おもかい
かんが
年 組 番 名前( )
ねん くみ ばん なまえ
交換
日記〇月〇日きょう,きれいな花がさきました。
ワーク
シート2法教育学級新聞77法教育
法教育
情報化社会における表現の自由と知る権利 −情報の受け手・送り手として−
年 組 番 名前( )
ねん くみ ばん なまえ
話して伝えるときと書いて伝えるとき,
どんな違いがあるのかな?
はな つた つたかちが
自分が思っていることや考えたことを言ったり,
書いたりできることには,
どんないいことがある?じか
ぶん おも かんが い
ワーク
シート278
第3時❶インターネットの便利さと
注意事項
インターネットの便利さと
注意事項
社会科
インターネットの掲示板を実際に見てみるなどして,
児童であっても情報の
発信主体となり得るなど,
インターネット特有の便利さがあることを確認し
た上で,
前時までの学習を踏まえて,
身近な題材を用いて,
インターネットを
利用して情報を発信する際に気を付けなければならないことを理解させよ
うとするもの。
本時の
ねらい
学習内容
学習活動
発問
(教師=T),予想される発言例
(児童=C)
指導上の
留意点
資料等導 入❶ イ ン タ ー
ネットでの
情報の発信
●くろまるコンピュータ室で実際のインターネットの
掲示板を見て,
思ったことを発表させる。 T: 「これは,
インターネットの掲示板だけど,見て思ったことを発表しましょう」 C:
「書き込んでいるのが誰だか分からない」 C:
「でも,
なんかおもしろい」 C:
「自分が他の人になれる」 C:
「名前が出ないから,
気軽に書き込むこと
ができる」・教師が選んだ実際の
掲示板を見て,
話がで
きるようにする。・インターネット掲示板
の匿名性と不特定多
数に伝わるという特
性を前提としておさえ
る。
インターネット
掲示板展 開
❷ イ ン タ ー
ネットの便
利さ
●くろまるグループごとに自分がインターネットで発
信してみたいことを出し合い,
インターネッ
トの便利さについて確認する。 T: 「自分がインターネットで発信してみたい
ことを出し合い,
インターネットのいいと
ころについて考えてみましょう」
児童にワークシート3を配布し,
記入させ,
発表させる。 C:
「私は,
自分の好きな芸能人のことを書き
たいなあ」 C:
「ぼくは,
自分のクラス自慢を出したい」 C:
「なんか,
一つのことについて,
みんなの
意見が聞けるようにしたいな」 ワーク
シート3第2指導計画79学習内容
学習活動
発問
(教師=T),予想される発言例
(児童=C)
指導上の
留意点
資料等展 開
❸ イ ン タ ー
ネットを利
用すること
について C:
「子どもでも言いたいことを自由に書け
るから,
楽しい」 C:
「テレビ会社や新聞社につとめていない
人でも,
いろんな意見をみんなに知らせ
ることができる」
児童に資料2及びワークシート4
を配布し,
ワークシート4に記入・発
表させる。
●くろまる自分が掲示板に書くとしたら,
自分のこと
や友達のこと,
いいことや悪いこと,
どん
なことでも書けるか発表させる。 T: 「自分の名前を書かなければ,
どんなこと
でも書けるでしょうか」 C:
「書ける。
自分だってばれなければ平気だ
と思う」 C:
「書けない。
自分が書いたことが後でばれ
るかも知れない」 C:
「書けるけど,
書かない。
書けることは書
けるけど,
書かれた人の気持ちを考えな
いと」
●くろまる自分が思っていることを自由にインター
ネットで発信していいか,
太郎さんと花子
さんの話をもとに考える。 T: 「太郎さんと花子さんが,
思っていること
をインターネット掲示板に書き込もうと
しているけど,
どうでしょうか」・太郎さんの話につい
ては,
一方的な情報し
か伝わっていない可
能性があることをつ
かませる。・前時の学習を振り返
らせながら意見を引
き出す。
資料2
ワーク
シート4インターネッ
トの掲示板に自分が
思っていることを何でも書いて
いいのだろうか。
インターネッ
トの掲示板に自分が
思っていることを何でも書いて
いいのだろうか。80学習内容
学習活動
発問
(教師=T),予想される発言例
(児童=C)
指導上の
留意点
資料等展 開 C: 「太郎さんのは,
友達のことを思っている
んだからいいんじゃない?」 C:
「でも,
もしかしたら,
いじめている人に
も言い分があるかもよ。
悪いのはBさん
じゃない誰かかも知れないし」 C:
「自分のことを一方的に書かれたらいや
だな。
反論ができないし...」 C:
「書いたものはずっと後まで残ってしまう
から,
ずっと後になるまでBさんはいやな
気持ちを持ち続けることになる」 C:
「花子さんのは,
個人情報だからだめだと
思う」 C:
「でも,
Cさんは有名な芸能人だから,個人情報を少し教えるくらいいいんじゃな
い?」 C:
「Cさんの気持ちになったらやっぱりい
やだと思う」ま と め❹ 発信者の責任●くろまるインターネットの掲示板等に書き込みを行
うときに気を付けなければいけないこと
についてまとめる。 T: 「インターネット掲示板に書き込むとき,
気を付けなければいけないことはなんで
しょうか」 C:
「誰が見ているか分からないし,
個人が特
定されたり,
悪口になったりしないように
気を付けたい」 C:
「書いたことはずっと後まで残ってしまう
から,
よく考えて書き込まないといけな
い」
第2指導計画81投稿者: 投稿日:
タイトル:3情報化社会における表現の自由と知る権利 −情報の受け手・送り手として−
年 組 番 名前( )
投稿者: 投稿日:
タイトル:
インターネットの掲示板に...
けい じ ばん
自分だったら,
こんなことを
書きたい!
じ ぶんか1
投稿者: 投稿日:
タイトル:2インターネットの掲示板・チャット
・名前を書かない
メールだと,
自分のことや友達のこと,
いいことや悪いこと,
どんなことでも書けるかな?
けい じ ばんじわる か
ぶん とも だち
な か
まえ
●くろまる書ける
●くろまる書けない
●くろまるどちらとも言えないかかいねん くみ ばん なまえ
それは なぜ?
ワーク
シート382
Aさんは,
クラスのBさんに仲間はずれにされ
ているみたい。
Aさんは,
話す人がいなくて悲し
そうだな。
でも,
直接には注意できないなあ。
インターネットで見つけた
「学校」
っていう掲示
板に思ったことを書いてみよう。
僕たちの通って
いる○しろまる○しろまる小学校の名前は書くけど,
自分の名前
を書くのはやめておこうっと。
○しろまる○しろまる小学校のBさんはクラスメートのことを仲間はずれにしている。
仲間はずれにされた人はいやだと思っている
んだ。
Bさんはなんてひどいんだろう。
早くやめさせたい。
情報化社会における表現の自由と知る権利 −情報の受け手・送り手として− 資料2
太郎さんの書きたいこと
私は,
有名な芸能人のCさんと友達なんだ。
もっと人気が出るように,
いろんなことをファン
の人に教えてあげたい。
だから,
知っていること
をファンの人たちが書いているインターネットの
掲示板に書こうっと。
●くろまるCさんの好きなこと ●くろまるCさんの住んでいるところ
●くろまるCさんの電話番号 ●くろまるCさんがよく行く食べ物屋さん
●くろまるCさんの家族のこと
花子さんの書きたいこと
た ろう か
はな こ か
書くことか書くことかなか ま
はな ひと かな
ちゅうい
ちょくせつ
み がっこう けい じ
かよ
ぼく
ばん おも か
しょうがっこう な かかじ ぶん
まえ な まえ
しょうがっこう なか ま
なか ま
はや
ひと おもすでん
か ぞく
ばん ごうわす
い た もの や
わたし ゆうめい
にん
おし し
ひと
ひと
けい じ ばん かかき で
ともだち
げいのうじん83情報化社会における表現の自由と知る権利 −情報の受け手・送り手として−
年 組 番 名前( )1.太郎さんの書きたいことは,
掲示板に書いてもいいと思いますか?
けい じ ばん か おも
た ろう か
わけ2.花子さんの書きたいことは,
掲示板に書いてもいいと思いますか?
けい じ ばん か おも
はな こ か
わけ
ワーク
シート4資料2の太郎さんと花子さんの書きたいことを
読んで,
考えてみよう。
し た ろう
よ かんが
はな こ か
りょう
ねん くみ ばん なまえ
法教育84インターネットの掲示板に書き込むときに,
気を付けなければならないことは何だろう?ばん か こ
なん
き つ
けい じ
法教育
情報化社会における表現の自由と知る権利 −情報の受け手・送り手として−
年 組 番 名前( )
最初のワークシート3
「自分だったら,
こんなことを書きたい!」であげたことを,
インターネットの掲示板にそのまま
書いてもだいじょうぶかな?
さい しょ
じ ぶん か
けい じかばん
ねん くみ ばん なまえ
法教育
ワーク
シート485
第3時❷インターネットと
私のこと,
友達のこと
インターネットと
私のこと,
友達のこと
社会科
自分に関する情報をどのように扱ってほしいかの感じ方
は一人ひとりで異なっていることを踏まえて,
インターネッ
トで情報を発信する際には,
自分や他者の気持ち
(プラ
イバシー)
に配慮することが必要であることに気付く。
本時の
ねらい
学習内容
学習活動
発問
(教師=T),予想される発言例
(児童=C)
指導上の
留意点
資料等導 入❶ イ ン タ ー
ネットでの
情報の発信
●くろまるコンピュータ室で実際のインターネットの
掲示板を見て,
思ったことを発表する。 T: 「これは,
インターネットの掲示板だけど,見て思ったことを発表しましょう」 C:
「書き込んでいるのが誰だか分からな
い」 C:
「でも,
なんかおもしろい」 C:
「自分が他の人になれる」 C:
「名前が出ないから,
気軽に書き込むこと
ができる」・教師が選んだ実際の
掲示板を見て,
話がで
きるようにする。・インターネット掲示板
の匿名性と不特定多
数に伝わるという特
性を前提としておさえ
る。
インターネット
掲示板展 開
❷ 自分に関す
る情報につ
いて
●くろまる自分にとって,
次のことはどの範囲までな
ら知られていいかについて考える。 T: 「次のことは,
どの範囲までなら,
誰にま
で知られてもいいでしょうか。
そしてその
わけはなんですか」
◦住所 ◦好きな人 ◦好きな食べ物
◦テストの点数 ◦身長 ◦体重
◦もっているゲームの数や名前
◦困っていること ◦きらいな食べ物
1 だれにも知られたくない
2 仲のいい子 3 家族
4 クラス全員 5 誰でも86学習内容
学習活動
発問
(教師=T),予想される発言例
(児童=C)
指導上の
留意点
資料等展 開
❸ 情報の発信
と自分のこと,友 達 の
こと
児童にワークシート5を配布し,
記入させ,
発表させる。
●くろまるワークシート5を見せ合いながら,
グルー
プで,
それぞれが知られてもいい範囲を決
めたわけについて話し合う。 T: 「ワークシートを見せ合って,
友達と自分
と比べながら,
知られていいと思った範
囲やわけについて話し合いましょう」
児童にワークシート6の1〜2に
記入させ,
発表させる。 C:
「知られていい範囲は,
それぞれ違うんだ
ね」 C:
「知られたくないことは本人しか分から
ないから,
他の人が一方的に決めつけら
れない」 C:
「みんな同じだと思っていた」
●くろまる自分や友達に関する情報を発信するとき
に気を付けておかなければいけないこと
について考えさせる。 T: 「自分や友達のことをインターネット掲
示板に書き込むときに,
気を付けること
を発表してみましょう」
児童にワークシート6の3に記入させ,発表させる。 C:
「友達のことをインターネットに書き込む
ときは,
知らせていい情報が人によって
違うので,
気を付けなければいけない」 C:
「今は誰に知られてもいいと思っている
自分自身のことだって,
インターネットに
書き込んでしまうと,
後になって後悔す
るかもしれないから,
気を付けないとい
けない」・人によって感覚が異
なることを実感でき
るよう留意する。
ワーク
シート5ワーク
シート6第2指導計画87学習内容
学習活動
発問
(教師=T),予想される発言例
(児童=C)
指導上の
留意点
資料等展 開 C: 「インターネットは誰が見ているか分か
らないから,
個人についての情報を書き
込むのはやめておこうと思う」 C:
「情報を発信するということには責任が
ある」ま と め❹ 表現の自由
の意義と発
信者の責任
●くろまるインターネットについて,
自分の考えをま
とめる。
児童にワークシート6の4に記入さ
せる。・本時で扱った
「自分
自身に関することが
らで,
他の人によって
勝 手 に 話 され たり,
知られたりしたくな
いこと」は,「プライバ
シー」
と呼ばれること
を補説してもよい。
ワーク
シート6第2指導計画88マンガマンガ情報化社会における表現の自由と知る権利 −情報の受け手・送り手として−
年 組 番 名前( )
あなたは,
次のことはどの人までなら知られてもいいですか?
カードに番号とわけを書きましょう。
(番号は,
2つ以上選べます。)項 目 番 号 理 由
こう もく ばん ごう り ゆう
住所
じゅうしょ
好きな人
す ひと
好きな
食べ物すた もの
身長・体重
しんちょう たいじゅう
もっている
ゲームの数や
名前
な まえ
かず
テストの
点数
てんすう
困っている
こと
こま
きらいな
食べ物
た もの
1自分だけ 2仲のいい子 3家族 4クラス全員
5だれに教えてもいい。
じ ぶん
おし
なか か ぞく ぜん いんこワーク
シート5つぎ
ばん ごう か ばん ごう い じょうえら
ひと し
ねん くみ ばん なまえ10089
情報化社会における表現の自由と知る権利 −情報の受け手・送り手として−
メンバー( )
4インターネットについて思ったこと
おも
2友達と比べて思ったこと
とも だち くら おも
3自分のことや友達のことを,
インターネットの掲示板に書くときに気を付けること
じ ぶん とも だち けい じ ばん か き つ
ワーク
シート6話し合いシート
はな あ
1友達と比べて気付いたこと
ともだち くら き づ90