(参考)阪神〜淡路/徳島間の交通機関別運賃・料金及び所要時間の例
○しろまる神戸淡路鳴戸自動車道(利用促進のため、当初5年間は20%引き料金を設定)
垂水〜淡路(明石海峡大橋区間)11.3km 普通車 2,600円、大型車 4,250円
淡路島南〜鳴戸北(大鳴戸橋区間)7.1km 普通車 1,300円、大型車 2,100円
神戸西〜鳴戸(全区間)89.0km 普通車 6,050円、大型車 10,000円
○しろまる瀬戸中央自動車道
早島〜坂出(全区間)37.3km 普通車 4,600円、大型車 7,550円
○しろまる高速バス
神戸(三宮)〜淡路(洲本) 1時間20分 1,800円
神戸(三宮)〜徳島 2時間 3,200円
大阪〜徳島 2時間35分 3,600円
○しろまる航空
明石〜淡路(岩屋) 20分 2,300円(乗用車+運転者)
320円(車なし)
大阪(泉佐野)〜淡路(津名) 1時間30分 6,680円(乗用車+運転者)
1,010円(車なし)
大阪(天保山)〜徳島 1時間45分 4,620円
3 観光交流の動向(図3参照)
明石海峡大橋は、世界最大の吊り橋(全長3,911m)であり、橋そのものが第一級の観光資源であるが、その開通により、観光交流の面で地元に大きな集客効果をもたらしており、これを機に、魅力ある観光施設の開設や大型イベントの開催、広域連携による共同キャンペーンの実施等が進んでいる。
神戸地域では、7年1月の阪神淡路大震災で大きな打撃を受けたが、その後、復興が進むとともに観光客数が増加し、10年の年間入込客数は、架橋効果もあって、2,528万人、前年比11%増となった。神戸港からのクルージング、特に、明石海峡をめぐるコースや10年7月に開設された地場産業体験型施設の「北野工房のまち」等が人気を集めており、淡路、四国方面の他、中京、山陽方面からの貸切バスを利用した団体客の増加傾向がみられる。
淡路地域では、10年の年間入込観光客数が1,500万人を超え、前年比で倍増となった。10年4月に新設された野島断層保存館、ハイウェイオアシス観光情報センター等の観光施設に年間250万人を超える入場者数があり、架橋効果が顕著である。また、東浦町及び淡路町が9年度の「観光地づくり推進モデル事業」のモデル地域に指定され、両町においては、観光地づくりプログラムに基づき観光振興策が進められている。さらに、12年3月から9月まで国際園芸・造園博覧会「ジャパンフローラ2000」が開催され、多数の来訪客が予想される。
徳島・香川地域でも主要観光施設の入場者数の大幅な増加がみられる。また、陶板名画を展示する大塚国際美術館(10年3月鳴戸市に開設)、工芸体験等ができる阿波海南文化村(10年4月海南町に開設)等の個性ある観光施設が相次いで整備され、人気を集めている。
4 物流面の影響(図4、図5参照)
(財)阪神・淡路産業復興推進機構や四国経済連合会の行った事業者アンケートの結果等によれば、明石海峡大橋開通を機に、周辺地域に物流拠点を新設する動きは、景気低迷の影響もあり、まだ数例にとどまるが、神戸流通業務団地、ポートアイランド、六甲アイランド等に既に物流拠点を設置している企業は、大橋による配送時間の短縮や定時性の確保を高く評価し、今後の活用拡大を考えているところが多い。
また、阪神以東の地域から徳島方面に送る貨物は、従来は高松に輸送し、ここで仕分けして徳島に送る方式であったが、最近は大橋経由で直接徳島に送る方式が増加している。
さらに、四国地域外のトラック事業者が徳島方面の輸送へ参入する事例が増加しており、また、これら事業者の帰り荷獲得のための営業活動が運賃競争につながっているとの指摘もある。このため、徳島県のトラック事業者は、競争激化により経営環境が厳しくなったと感じており、受注窓口の一本化、共同配車、共同集金等によって、事業の効率化や競争力の強化を図る動きが出ている。
一方、四国の製造業、卸・小売業者の中には、大橋開通を関西方面でのビジネスチャンス拡大の契機として、?@在宅患者等を対象とした特別食の宅配事業、?A旬の「朝取り野菜」や新鮮な豆腐を迅速出荷する事業、?B大型家具店の神戸市内開設により四国産家具を販売する事業等に進出する動きがあり、新たな物流が生まれている。
11年5月1日には、尾道〜今治ルートの瀬戸内しまなみ海道が開通し、本四3架橋時代が到来したが、これにより瀬戸内海を囲んだ地域間の広域的な交流・連携がさらに促進され、地域全体の活性化が図られることが期待される。