一般経済の動き
一般経済の動き
一般経済の動き (平成8年12月)
-
我が国経済の最近の動向をみると、設備投資は回復傾向にあり、住宅建設は高い
水準で推移しており、個人消費も緩やかな回復傾向にある。また、減少傾向にあった純
輸出はこのところおおむね横ばいで推移している。こうした需要動向を背景に、生産
は増加傾向にある。以上のように、景気は回復の動きを続けている。そのテンポは緩
やかであるものの、民間需要は堅調に推移している。なお、雇用情勢は厳しい状況に
あるものの、改善の動きがみられる。
-
個人消費は、緩やかな回復傾向にある。
実質消費支出(全世帯)をみると、前年同月比で10月 1.5%減の後、11月は 1.7%
増(前月比 1.7%増)となった。
-
住宅建設は、消費税率引き上げを控えた一時的変動もあるものの、低金利の継続等
を背景に高い水準で推移している。
-
新設住宅着工〔総戸数(季節調整値)〕をみると、前月比で11月 7.2%減(前年同
月比9.9%増)となった後、12月は 4.5%減(前年同月比 1.4%増)となった。
-
設備投資は、回復傾向にある。
-
機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比で10月は44.2%増(前年同月比34.1
%増)の後、11月は 9.7%減(同20.2%増)となり、全体では緩やかな回復傾向にあ
る。民間からの建設工事受注額(50社、非住宅)をみると、おおむね横ばいで推移し
てきたが、11月は前月比 4.5%減の後、11月は11.8%減(前年同月比14.3%減)とな
った。
-
鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産・出荷は、増加傾向にある。在庫は
2か月連続で減少した。
-
鉱工業生産は、前月比で11月 1.4%減の後、12月(速報)は0.3%増となった。鉱工
業出荷は、前月比で11月 0.5%減の後、12月(速報)は横ばいとなった。鉱工業生産
者製品在庫は、前月比で11月 0.9%減の後、12月(速報)は 0.4%減となった。
-
-
雇用情勢をみると、完全失業率は高い水準で推移するなど厳しい状況にあるものの、
改善の動きがみられる。
-
有効求人倍率(季節調整値)は、11月0.74倍の後、12月0.76倍となった。完全失業
率(季節調整値)は、11月 3.3%の後、12月 3.3%となった。
-
輸出は、強含みに推移している。
-
通関輸出(数量ベ−ス、季節調整値)をみると、前月比で11月 3.6%増の後、12月
は 5.0%減(前年同月比 2.2%増)となった。
-
輸入は、伸びが鈍化し、このところおおむね横ばいで推移している。
-
通関輸入(数量ベ−ス、季節調整値)をみると、前月比で11月 8.4%減の後、12月
は 1.9%増(前年同月比 2.6%減) となった。
-
国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字幅は、このところおおむね横ばいで
推移している。
-
11月(速報)の貿易・サービス収支(季節調整値)は、前月に比べ、サービス収支
の赤字幅が拡大したものの、貿易収支の黒字幅が拡大したため、その黒字幅は拡大し、
4,804 億円となった。
-
消費者物価は、安定している。
12月の全国指数をみると、前年同月比0.6%の上昇(前月比 0.1%の上昇)となった。
〔本文中、前期(月)比は季節調整値による。〕
〔経済企画庁「月例経済報告」による。〕