しかしながら、各事業の燃料費上昇分を11年度の損益計算書における経常費用と11年度の各主用燃料の上昇率を用いて、各事業者の燃料使用量と燃料費の上昇率が変化しないと仮定して試算すると、表6のようになる。分野により状況は異なるものの、各運輸事業者にとって今回の原油価格上昇の影響は決して小さくはないと考えられる。
表6 各事業の燃料費上昇額の試算(単位:百万円)
主用燃料
燃料費(A)
H11年度上昇率(B)
(A)×ばつ(B)
(参考)H10年度経常利益
H11年度経常利益
バス
軽油
53,763
18.3%
9,838
-181,978
-
トラック
軽油
66,546
18.3%
12,178
32,188
-
外航海運(3社)
C重油
130,005
18.4%
23,921
46,812
73,481
航空(3社)
ジェット燃料
320,943
9.9%
31,773
36,518
8,706
注)
バス・トラックの対象事業者数は図5と同じ。
バス・トラックの燃料費は10年度の値。
11年度上昇率は11年度における各燃料の卸売物価の上昇率の平均。
なお、運輸部門を中心とした平成7年産業連関表(*)を用いて原油・天然ガス価格が50%上昇したときの主な運輸部門等の価格変化率を試算すると表7のようになる。
表7 産業連関表を用いた原油・天然ガスが50%上昇したときの価格変化率(%)
原油・天然ガス
50.0000
ハイヤー・タクシー
0.7062
国内航空旅客輸送
1.7212
石油製品
17.6041
道路貨物輸送
1.1792
国内航空貨物輸送
0.9793
電力
3.4505
外洋輸送
1.5606
貨物運送取扱
0.4055
鉄道旅客輸送(JR)
0.3216
沿海・内水面旅客輸送
1.1509
倉庫
0.2446
鉄道旅客輸送(除JR)
0.3329
沿海・内水面貨物輸送
1.1580
鉄道貨物輸送
0.5505
港湾輸送
0.2386
バス
0.8163
国際航空輸送
1.8732
(*) 表7で示した数値は競争市場で成立すると期待される計算上の意味合いが強く、現実の変化率とは異なる。
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