「旅客地域流動調査」に基づき、国内旅客流動の距離帯別の交通機関分担率を算出すると、
・500km未満では自動車(自家用を含む)が、
・500km以上750km未満ではJRが、
・750km以上では航空が、
それぞれ特性を活かして最も大きい割合を占めている。
最近では、特に、近距離帯以外で鉄道が分担率を落としている一方、中距離帯では、自家用乗用車、高速バスの利用増などにより自動車の分担率が上昇、長距離帯では、航空運賃の低廉化や輸送力増により航空の分担率が上昇している。
全般的な傾向は以上のとおりだが、個別の2地点間をとってみると、新たな交通サービスの出現により大きく分担率に変化が生じる場合が出てきている。
2.においては、これを検証するため、
・1,000km以上の距離帯...東京圏-福岡県
・500km〜750kmの距離帯・・・東京圏-秋田県
・300km程度の距離帯・・・大阪府一徳島県
を例にとり、公共交通機関の分担率、流動量の経年変化を分析する。
(注)東京圏・・・ここでは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県をいう。
[参考]
◯東京−福岡の主要公共交通機関の現状
・新幹線 東京−博多 のぞみ 4時間49分 23,560円
(1,175?q) ひかり 5時間52分 21,720円
・高速バス 新宿−博多・天神 はかた 14時間20分 15,000円 1便
・航空 羽田−福岡 1時間45分 16,000円 37便
〜31,000円
羽田−北九州 1時間35分 31,000円 2便
・旅客船 東京−新門司 33時間50分 12,600円 1便
/フェリー
◯東京−秋田の主要公共交通機関の現状
・新幹線 東京−秋田 こまち 3時間49分 16,810円
(670?q)
・高速バス 新宿−秋田 フローラ 9時間20分 9,450円 1便
池袋−大館・ ジュピター 9時間 9,460円 1便
能代
・航空 羽田−秋田 1時間5分 17,400円 5便
羽田−大館能代 1時間5分 20,350円 2便
◯大阪−徳島の主要公共交通機関の現状
・JR 新大阪−岡山 ひかり 53分 9,760円
(327?q) 岡山−徳島 うずしお 1時間56分
・高速バス 大阪−徳島 サザンクロス 2時間30分 3,600円
など
・航空 伊丹−徳島 35分 10,000円 5便
・旅客船 天保山−徳島(12年3月1日 2時間6分 4,620円
/フェリー より航路廃止)