第12回半島振興対策部会

第12回半島振興対策部会議事概要

1.日 時 令和5年11月21日(火) 13:00〜15:00
2.場 所 中央合同庁舎第2号館12階国際会議室
3.出 席 者 小田切徳美特別委員(部会長)、沼尾波子委員、岸本周平特別委員、坂田一郎特別委員(部会長代理)、重藤さわ子特別委員、高橋貞光特別委員、玉沖仁美特別委員、中山幹生特別委員、永澤映特別委員、野口智子特別委員、山下東子特別委員
国土交通省 黒田昌義国土政策局長、鹿子木靖地方振興課長、石田康典半島振興室長
4.議 事
部会長の互選が行われ、小田切特別委員が部会長に選出された。
渡島半島の現状と課題及び取組について北海道せたな町長から、紀伊半島の現状と課題及び取組について和歌山県知事から、それぞれ報告が行われた。
また、半島地域を巡る現状及び半島振興施策の概要について事務局より説明がなされた。
主な議論の概要は以下のとおり。

<条件不利性への対応>
しろまる半島地域の整備は随分と進んできたが、他の地域も進んでいるため、なかなか差が縮まらない。再生可能エネルギーにつながる電力幹線や道路への支援など条件不利性への対応は引き続き行っていく必要があるが、法の目的にもあるように、将来的には自立できるような支援のあり方を検討していかなければならない。
しろまる飛行機や新幹線を一次交通とした場合、半島の拠点から大きなターミナルまでが二次交通。これからは、半島域内の移動である三次交通まで視野を広げる必要があるのではないか。
しろまる災害に対する脆弱性対応についても引き続き意識してもらいたい。
しろまる空き家対策含む土地建物の維持管理・活用にも課題がある。

<移住・定住、人材の育成等>
しろまる半島地域の様々な主体を巻き込んだ取組を推進すべき。地域一体で取り組むためには、道府県と市町村の間、市町村間の連携の仕組を模索してはどうか。また、地域おこし協力隊などの活動は市町村内での活動になりがちであり、市町村の枠を超えた活動を支援するのが国の役割ではないか。
しろまる特定地域づくり事業協同組合の仕組は、半島地域での活用に向いているのではないか。
しろまる現場の感覚では、Uターン、Iターンなど様々な移住者の連携が見られる地域では移住・定住がうまくいっている。これらの連携機能を果たしている商工会や観光協会にも着目してはどうか。つながりの場として公民館を活用することも考えられる。
しろまる半島は移住のホットスポットだと思うが、転入率が低いというのは驚き。恐らく半島地域内での格差が生じているということだろう。優良事例の横展開によりこれを解消することが、新たな課題として浮上しているのではないか。

<自然環境保全、再生エネルギー利用>
しろまる半島独自の取組として、半島地域の地勢をどう積極的にアピールできるかを検討する必要。
しろまる近年の、自然資本(自然環境)とウェルビーイングを組み合わせた精神的価値観訴求の動き、豊かさの再定義ともいうべき価値軸のシフトを意識するべきではないか。その際には相当な価値に応じた価格で提供する経営的な感覚が必要。
しろまる半島地域は、ブルーカーボンや洋上風力などの再生エネルギーの活用について有望な地域が多いと考えられ、これらの地域では積極的な誘致による自主財源確保が求められる。一方、取組成果が地元に還元されないとの懸念も踏まえ、住民自ら地域の未来を検討した結果に基づく内発的な取組として地域全体の底上げとなるよう実施すべきことに留意。

<食の豊かさを活かした地域活性化>
しろまる半島の強みである食の豊かさについて、特産品の開発に注力している印象だが、作るまでがゴールではなくて、それをどう流通させるか、物流まで視野に入れる必要がある。
しろまる半島の食のブランド化推進については、ウェブの取組など様々行われているが、参画事業者と半島の事業者がきちんとつながっていくことができる仕組となれば、より発展していくのではないか。
しろまるこのようなブランド化の推進では、利益が地域に還元されないケースもあることに留意。これから目指すべきは経済循環。地域で商売をやって、そのお金が地域で消費されながら共存していくという、真に地域に利益が還元される仕組を目指すことが大事。

しろまる地域振興に当たっては、格差是正と内発的発展の二兎のバランスを追求することが重要。半島振興においては、地域内に里山里海が存在するという特殊性があり、自然資本マネジメントを三つ目の兎として、これら三兎を追うといった発想が非常に重要ではないか。

(速報のため、事後修正の可能性があります。)

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