4 歴史を活かしたまちづくり
古都保存法、明日香法に基
づき我が国を代表する歴史的
風土の保存を図るととともに、
歴史まちづくり法に基づき、
市区町村が策定する歴史的風
致維持向上計画の認定と計画
に基づく取組への重点的な支援
を行い、地域の歴史的資産を活かしたまちづくりを推進し
ています。
景観法に基づく
景観計画の策定等
の普及啓発や技術的助言
等により、地方公共団体
による良好な景観の形成
を推進しています。全国
各地で地域の特性にあった景観形成の取組が行われ
るよう、良好な景観形成の取組事例の分析や、効果
の周知を進めています。
造園職職員は、国営公園の整備・管理運営、地方公共団体が整備する都市公園への支援の他、都市環境の向上に
貢献する緑の確保や保全、良好な景観の形成、歴史まちづくり、都市の農地の保全等を担当しています。
2 地方公共団体が整備する都市公園の支援
都市の防災性の向上、地球環境問題等への対応、
豊かな地域づくりと少子高齢化社会への対応等、
国が取り組むべき政策課題に対応した都市公園の
整備管理に取り組む地方公共団体を支援していま
す。特に、民間活力の導入や公園の再編等のバー
ジョンアップを重要課題として取り組んでいます。 都市公園における民間活力の導入
(富山県富岩運河環水公園・スターバックス)
災害時に焼け止まりとなった防災公園(神戸市)
1 国営公園等の整備・管理運営
3 都市のみどりの保全・創出
5 良好な景観形成
6 都市農地の保全・活用
都市農地の位置付けを都市に
「あるべきもの」へと転換した
「都市農業振興基本計画」に基
づき、生産緑地制度の見直しな
ど、都市農地の保全推進に向け
た取組みを進めています。
また、都市農地を活用した地域
や民間企業の農的な活動の推進にも取り組んでいます。
生産緑地の保全と活用
(東京都練馬区・体験農園)
歴史的町並みを背景に行われる村上まつり
(新潟県村上市)
1.業務概要 造園
気候変動に伴う防災・減災への対応、SDGsの実
現、生物多様性の保全など、複雑化する社会課題
に対応するため、民間活力を活かしつつ、都市に
おける緑地の保全と創出を推進しています。
また、海外日本庭園の修復やガーデンツーズム
などを通じて、緑化技術の海外展開、観光との連
携や庭園文化の普及にも取り組んでいます。
グリーンインフラによる快適で魅力的な都市の実現
(イメージ:みなとみらい地区(横浜市))
ガーデンツーリズム登録制度による地域の魅力発信
(第1回登録計画:北海道ガーデン街道)
我が国固有の優れた文化的資産の保存及び活用
や、広域レクリエーションや災害時の広域的な救
援活動拠点づくりのため、全国17箇所で国が事業
主体となる国営公園の整備、維持管理運営などを
進めています。また、全国5箇所の公共空地の整備、
維持管理運営などを進めています。
国営常陸海浜公園 (茨城県・イ号) 国営吉野ヶ里歴史公園 (佐賀県・ロ号)
旧城下町における往時の
まちなみの風情を
残す景観の整備
(島根県津和野町)
7国際園芸博覧会の開催
花や緑との関わりを通じ、
自然と共生した持続可能で
幸福感が深まる社会の創造
を目指して、2027年に横浜
で最上位クラス(A1)の国
際園芸博覧会が開催されます。日本での開催が37年
振りとなる国家的プロジェクトとして、開催に向け
た国際機関との調整や、日本の造園技術や文化を発
信するための日本国政府出展の検討などの準備に取
り組んでいます。
会場イメージ
(注記)国営公園の種類と数
イ号(12箇所):一の都府県を超えるような広域の見地から設置する公園
ロ号(5箇所):優れた文化的資産の保存等のため閣議決定を経て設置する公園
(注記)公共空地
国営追悼・祈念施設(3か所)、国立民族共生公園、明治記念大磯邸園
2 民間事業者と連携した都市公園の賑わいづくり
4 歴史まちづくりの推進
3国際園芸博覧会に関する取組
1 国営公園等の整備の推進
都市公園をより魅力的なものにするため、カフェ
やレストランなどの設置とあわせた公園整備を担う
事業者を公募する「Park-PFI」制度を、平成29年の
都市公園法の改正により創設しました。
都市公園の活性化のための時代にあった新制度と
して、全国の公共団体での活用が進められてきてい
ます。
それぞれの都市公園の特徴を活かして民間事業者
の提案を引き出す公募が実施できるよう、ガイドラ
インを作成すると共に、各地で説明会などを行い、
制度の普及に努めています。
2027年国際園芸博覧会の開催に向け、2021年度に
は本博覧会の円滑な準備及び運営のために必要とな
る措置を規定した法律(園芸博法)の制定作業を行
いました。2022年度には、開催に必要となる国際機
関(BIE:博覧会国際事務局)の認定を得るべく申請
を行い、仏・パリで開催されたBIE総会において、各
国政府に対し計画概要を説明する等、開催に向けた
準備に取り組んでいます。
また、世界各国でのA1国際園芸博覧会の開催に際
しては、これまで農林水産省と連携して日本国政府
として出展を行っています。2019年の北京国際園芸
博覧会では日本庭園を出展し、大賞を受賞しました。
2022年のオランダ・アルメーレ国際園芸博覧会にも
出展を行ったほか、2023年にはカタール・ドーハ国
際園芸博覧会への出展に向けた準備を進めています。
2.業務事例 造園
我が国を代表する歴史・文化資産であり、世界遺
産「古都奈良の文化財」の構成資産である特別史跡
平城宮跡の保存・活用を図るため、文化庁等と連携
しながら、往事の平城宮の様子を体感できるよう
復元整備を進めています。
H30.3に一部区域を開園し、さらにR4.3に大極門
が完成しました。
国営飛鳥・平城宮跡歴史公園 平城宮跡区域 明治記念大磯邸園
旧大隈重信別邸
「明治150 年」関連施策の一環とし
て、明治期の立憲政治の確立等に関
する歴史や意義を後世に伝えるため、
神奈川県大磯町において、旧滄浪閣
や旧大隈別邸などの邸宅や庭園を一
体的に保存・活用するための公園整
備を進めています。令和2年11月に、
旧大隈別邸及び陸奥別邸跡の庭園等
の一部区域を公開しました。
旧滄浪閣
(伊藤博文別邸跡・旧李王家別邸)
大隈重信(左)と伊藤博文(右)
歴史まちづくり法10周年記念
シンポジウムの開催(H30)
(埼玉県川越市)
歴史的なまちなみと散策する人で賑わう海野宿
(長野県東御市)
歴史まちづくり法に基づき、市区町村が策定する歴史的風
致維持向上計画を国(国土交通省・文化庁・農林水産
省)が認定し、認定した計画に基づく取組に対して、法
令上の特例措置や補助事業等により重点的な支援を行い、
歴史的風致の維持向上を推進しています(令和4年3月時
点、87市町を認定)。
また、法制度の普及啓発や、市区町村への計画策定に係
るアドバイス、認定都市への技術的助言等を行っています。
「Park-PFI」制度を活用しリニューアルした久屋大通公園(愛知県名古屋市)
2019年北京国際園芸博覧会
(日本国屋外出展)
BIE総会におけるスピーチ
(2027年国際園芸博覧会)
H30.3に開園した公園内の展示施設
(平城宮いざない館)
R4.3に完成した公園内復元建造物
(大極門)

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