平成10年12月21日
1.経緯
平成6年に改正された予防接種法の附則第2条において、施行後5年を目途としての検討規定が設けられており、公衆衛生審議会伝染病予防部会のもとに、本年6月に予防接種問題検討小委員会を設置し、下記に示すように、これまで10回の審議を続けてきたところであるが、この度、同小委員会としての中間報告がまとめられたところである。
2.中間報告公表の趣旨
中間報告は、これまでの委員会での審議を通じて、主な論点についての方向性を整理した上で、背景等についても記載したものである。この中間報告について、広く各方面からの意見を求めた上で、必要な項目についてさらに審議を進めるものである。
3.中間報告の概要
(1)国の責務
・ 予防接種に関する様々な情報を国民に的確に伝え、国民の理解を得ながら予防接種対策を積極的に推進していくことが必要である。また、今後も勧奨接種の体系を基本として、予防接種対策の推進を図るべきである。
・ 予防接種を受けるか否かに関する国民の選択の幅の拡大等の観点から、法の対象疾患として複数の類型を位置づけることの可能性について検討する必要がある。
(2)国民の責務
・ 被接種者やその保護者に対して、国、都道府県、市町村等が対象となる疾患や予防接種に関する情報を正確に伝えていくことを前提に、接種を受ける側において、知識の修得と理解に努めることが重要である。
・ 予防接種による重篤な副反応を最小限に抑えるためには、接種医が事前に予診を十分に行う必要があり、被接種者やその保護者が被接種者の当日の健康状態等に関する情報を接種医に正確に伝えることが重要である。
(3)対象疾患と対象者
・ 法に基づいて国民を対象として接種勧奨等を実施していく対象としては、国民が各々の年齢層において等しく感染又は発病する可能性がある疾患から選択することとし、現行の7疾患に加えて、インフルエンザ、水痘、流行性耳下腺炎及び肺炎球菌性肺炎の4疾患を中心として、法の対象疾患の一部とすることを視野に入れた上で、ワクチンの有効性、安全性、費用対効果等の観点から専門的な検討を行うべきである。
・ 対象者については、高齢者を含め、全ての年齢階級の者を視野に入れて、各々の対象疾患に応じて検討していく必要がある。
(4)予防接種の具体的実施
・ 各都道府県における予防接種に関する情報センター的機能や接種を実際に行う機能を充実する方向について、さらに検討を進めるべきである。
・ 個別接種を推進する方向性については、継続することが重要であるが、各々の地域の実情に応じた対策を検討すべきである。
・ 学校等における普及啓発も重要であり、市町村は教育委員会とも十分な連携を図る必要がある。
(5)情報収集・分析と提供
・ 予防接種法に基づく予防接種の被接種者数の統計について、正確な接種率が算出できない等の問題があり、現行の情報収集、分析方法について見直すべきである。
・ 国民が自らの予防接種歴を的確に把握する等の観点から、予防接種手帳(仮称)交付、母子健康手帳における予防接種に関する記録のあり方について検討する必要がある。
・ 国、都道府県、市町村等が提供する情報内容や提供方法について、民間が実施している方法、内容等を参考にして、改善を図っていくことが重要である。
(6)健康被害救済制度
・ 定期の予防接種において、定められている接種の期間外に接種を受けたことに伴う健康被害救済について、さらに検討を進めることが必要である。
・ 給付の種類について、障害児養育年金等と独立した形での介護手当の位置付けについて、検討するべきである。
・ 公衆衛生審議会認定部会との独立性を担保した再審査体制の構築と手続の明確を明確にしていくべきである。
4.今後の予定
問い合わせ先 保健医療局結核感染症課 野村、本田(2373) 護摩所(2377)
(1)国の責務
○しろまる予防接種対策推進の基本的考え方
○しろまる平成6年改正における義務接種から勧奨接種への変更について
○しろまる予防接種法における対象疾患のあり方
○しろまるワクチン開発等の調査研究の推進
○しろまる国際協力の推進
○しろまる正しい知識の修得
○しろまる接種医への正確な情報の提供
○しろまる対象疾患
○しろまる対象者
○しろまる実施主体
○しろまる接種の推進
○しろまる学校における普及啓発
○しろまる接種状況の正確な把握・分析
○しろまる情報の提供のあり方
○しろまる給付の対象者
○しろまる因果関係
○しろまる給付の内容
○しろまる再審査のあり方
1.平成6年改正以降の動向分析
(4)疾病の流行状況、予防接種の接種率の状況、予防接種後の健康被害の発生状況等の把握に向けての取組
2.国際協力
3.参考資料
(1)疾病の流行の状況
○しろまるジフテリア
○しろまる百日咳
○しろまる破傷風
○しろまる麻疹
○しろまる風疹
○しろまる日本脳炎
○しろまる急性灰白髄炎
○しろまるインフルエンザ
○しろまる流行性耳下腺炎
○しろまる水痘
○しろまるその他の疾患
○しろまる接種率からみた検討
○しろまる接種者実数からみた検討
○しろまる平成6年の法改正の影響
○しろまる予防接種健康被害の認定状況からみた検討
○しろまる予防接種後健康状況調査からみた検討
○しろまる予防接種後副反応報告からみた検討
1.はじめに
2.主な論点と方向性
(2)国民の責務
(3)対象疾患及び対象者
(4)予防接種の具体的実施
また、国においても厚生省は文部省と十分に連携を図り、予防接種対策を推進していく必要がある。
(5)情報収集・分析と提供
(6)健康被害救済制度
3.今後の予定
参 考
○しろまる百日咳
○しろまる破傷風
○しろまる麻疹
○しろまる風疹
○しろまる日本脳炎
○しろまる急性灰白髄炎
○しろまるインフルエンザ
○しろまる流行性耳下腺炎
○しろまる水痘
○しろまるその他の疾患
○しろまる接種者実数からみた検討
○しろまる平成6年の法改正の影響
○しろまる予防接種後健康状況調査からみた検討
○しろまる予防接種後副反応報告からみた検討
○しろまるポリオ根絶計画
○しろまる麻疹の根絶計画
○しろまるその他のEPI疾患に対する予防接種
1.平成6年改正以降の動向分析
(2)予防接種の接種率の状況
(3)予防接種後の健康被害の発生状況