1 概要

本日、食品衛生調査会バイオテクノロジー特別部会は、組換えDNA技術を応用した食品及び添加物の安全性について、「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査基準」(平成12年5月1日 生衛発第825号-1 厚生省生活衛生局長通知。 以下「審査基準」という。)に基づき審議した結果、29品種の食品及び5品目の添加物について人の健康を損なうおそれがあると認められないと判断する旨の部会報告を行った。

2 今回審議された食品及び添加物について

組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査が平成13年4月1日より法的に義務化されることに伴い、平成12年7月4日付厚生省発生衛第199号の諮問により、これまで厚生省が「組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針」(平成3年12月26日 衛食第153号 厚生省生活衛生局長通知。以下「評価指針」という。)に基づき安全性確認済の27品種の食品と5品目の添加物(今後我が国で流通する可能性がないため、申請が取り下げられたものを除く。)について、審査基準に基づき改めて安全性審査が行われた。
また、新規に平成12年7月4日付厚生省発生衛第199号をもって諮問された食品9品種及び添加物1品目、平成12年11月29日付厚生省発生衛第326号をもって諮問された添加物2品目についても、審査基準に基づき安全性審査が行われた。

3 審議結果

(1) 別表1に示す食品29品種(うち、5品種に関しては、その一部の系統)及び添加物5品目については、審査基準に基づき、人の健康を損なうおそれがあると認められないと判断された。(次の(1)〜(3)の合計として、食品29品種、添加物5品目となる。)

(1) このうち、評価指針で安全性確認済の25品種の食品については、種子の保存に関する追加資料及び挿入遺伝子の近傍配列に関する追加資料に問題は認められず、また、他に問題となる新たな知見も認められなかった。また、評価指針で安全性確認済の3品目の添加物については、問題となる新たな知見は認められなかった。

(2) さらに、評価指針で安全性確認済のラウンドアップ・レディ大豆及びインガード・ワタ531系統の2品種の食品については、種子の保存に関する追加資料には問題はなかったが、周辺配列に関する追加資料において挿入DNA断片の存在が明らかとなったので、さらなる審議を行ったところ、いずれも新たなタンパク質の発現等は認められず、人の健康を損なうおそれがあると認められないと判断された。

(3) また、新規申請の大豆260-05系統(高オレイン酸大豆)及びラウンドアップレディトウモロコシNK603系統の2品種の食品、リパーゼ(SP388)及びα―アミラーゼ(TMG-アミラーゼ)の2品目の添加物については、いずれも人の健康を損なうおそれがあると認められないと判断された。

(2) また、別表2に示す食品10品種(うち、指針評価済の3品種に関しては、その一部の系統)及び添加物3品目については、分科会において継続審議されることとなった。

(3) なお、別表3に示す食品5品種(うち、3品種に関しては、その一部の系統)及び添加物1品目については、今後我が国で流通する可能性がないため、申請が取り下げられた。

4 今後の予定

(1) パブリックコメントの募集
(2) WTOへの通報
(3) 薬事・食品衛生審議会における審議
(4) 厚生労働大臣への答申
(5) 官報掲載

なお、平成13年1月中旬より、毎週月水金に申請資料(一部を除く)を社団法人日本食品衛生協会において公開(閲覧)する予定である。

(別表1)

安全性審査基準において、人の健康を損なうおそれがあると認められないと判断された食品29品種及び添加物5品目について

(別表2)

審議が継続されることとなった食品10品種(うち、No.1〜3の指針評価済の3品種に関しては、一部の系統)及び添加物3品目について

(別表3)

申請者の申し出に基づき、申請が取り下げられた食品5品種(うち、No.1〜3の3品種に関しては、その一部の系統)及び添加物1品目について

照会先:厚生省生活衛生局
  松原 食品保健課長
  石井 食品化学課長
担当者:今村(2444) 三木(2447)
  中島(2483) 宇山(2486)