平成12年4月13日
平成11年度食品中の食中毒菌汚染実態調査結果について
平成11年度に実施した食品中の食中毒菌汚染実態調査について、結果を下記のとおりとりまとめた。
記
1 調査目的
本事業は、汚染食品の排除等、食中毒発生の未然防止対策を図るため、流通食品の細菌汚染実態を把握することを目的とする。
2 調査方法及び項目
(1)実施自治体
中央卸売市場を管轄する全国19自治体
(2)対象食品
- (1)主として生食に供される野菜類(ほうれんそう、カイワレ、アルファルファ、もやし、ミニトマト、カット野菜等)
- (2)食肉(ミンチ肉、生食用と称して販売されている牛レバー)
- (3)非加熱で食されるいか乾製品
- (4)加熱等の調理をせずに食され、且つ、製造において殺菌工程がないか若しくは十分でない加工食品(魚卵製品、漬物、サラダ等)
(3)検査項目
- (1)E.coli
- (2)腸管出血性大腸菌O157
- (3)サルモネラ
3 調査結果の概要
(1)野菜類の汚染状況
ミニトマトについては1検体からサルモネラが検出されたが、他の野菜類からはサルモネラ、O157は検出されなかった。
(2)肉類の汚染状況
ミンチ肉17検体、生食用牛レバー1検体、食肉2検体からサルモネラが、またミンチ肉で1検体、生食用牛レバー2検体から腸管出血性大腸菌O157が検出された。
(3)非加熱で食されるいか乾製品
サルモネラ、O157は検出されなかった。
4 今後の方針
厚生省としては、今年度についても同規模の調査を引き続き実施することとしている。また、今回の調査結果からみて衛生上注意が必要な事項として、以下の3点について、「大量調理施設衛生管理マニュアル」「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」等に基づき引き続き営業者及び消費者に対する注意を喚起する。
- (1)ミンチ肉については、今回の調査結果並びに昨今のハンバーグによる食中毒事件の発生に鑑み、家庭、調理場での適切な保存、加熱調理及び二次汚染の防止等を徹底。
- (2)生食用牛レバーは、「生食用食肉等の安全性確保について」(平成10年9月11日付け生衛発第1358号厚生省生活衛生局長通知、同日付け衛乳第221号同局乳肉衛生課長通知)により取り扱うこととなっているが、今回の調査事例においても、結果的に生食用として不適切な食材が提供される事例がみられたことから、生食用食肉の取扱いについては、自治体から飲食店等に対し引き続き十分な指導、消費者に対する啓発の実施。
- (3) 野菜類についても、家庭、調理場等での十分な洗浄及び二次汚染の防止等を徹底。
対象食品別検査成績
検体数
E. coli 陽性数 (%)
O157 陽性数 (%)
サルモネラ陽性 (%)
ほうれんそう
182
20 (11.0)
0
0
かいわれ
197
13 (6.6)
0
0
アルファルファ
51
2 (3.9)
0
0
もやし
225
67 (29.8)
0
0
ミニトマト
179
5 (2.8)
0
1 (0.6)
カット野菜
161
5 (3.1)
0
0
その他の野菜・果実類 *1
300
27 (9.0)
0
0
生食用牛レバー
49
26 (53.1)
2 (4.1)
1 (2.0)
ミンチ肉
415
214 (51.6)
1 (0.2)
17 (4.1)
生食用食肉
15
8 (53.3)
0
0
食肉
35
24 (68.6)
0
2 (5.7)
いか乾製品
402
9 (2.2)
0
0
魚卵製品
127
5 (3.9)
0
0
その他の加工食品 *2
392
37 (9.4)
0
0
計
2,730
462 (16.9)
3 (0.1)
21 (0.8)
*1 :その他の野菜・果実類とは、大根、レタス、メロン等
*2 :その他の加工食品とは、漬物、サラダ、菓子類、水産加工食品等
検出されたサルモネラの血清型内訳
検出されたO157 の毒素型
S. infantis
8
S. albany
1
S. enteritidis
1
S. hadar
1
S. haifa
1
S. istanbul
1
S. kiambu
1
S. typhimurium
1
O7 型
2
その他
4
Salmonella
21
VT 1(-) , VT 2(+)
2
VT 1(-) , VT 2(-)
1
O157
3
照会先:厚生省生活衛生局食品保健課
松原食品保健課長
担当者:桑崎(内2445)
中嶋(内2450)