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平成11年11月26日(金)
(照会先)
厚生省生活衛生局企画課
課長補佐 阿部(内線2415)
担 当 水谷(内線2418)

レジオネラ症防止対策について

建築物等におけるレジオネラ症防止対策については、「建築物における冷却塔等の衛生確保について」(平成8年9月13日衛企第113号厚生省生活衛生局長通知)により行われているところであるが、先般、都内の特別養護老人ホームにおいて使用されていた循環式浴槽を感染源とするレジオネラ症患者が発生し、うち1名がレジオネラ肺炎で死亡したという報告があった。
このような設備は、適切な維持管理をしなければ、一般的に抵抗力の弱い者等に対してレジオネラ症の感染源となるおそれがある。このため、平成9年度厚生科学研究費補助金による研究成果を踏まえ、財団法人ビル管理教育センターより「新版レジオネラ症防止指針」が取りまとめられたところであり、本日別紙1のとおり「建築物等におけるレジオネラ症防止対策について」を生活衛生局長より各都道府県及び政令市市長に通知し、本指針及びその概要を参考に関係者に対する指導をお願いしたところである。
なお、同日付けで大臣官房障害保健福祉部企画課長、社会・援護局施設人材課長、老人保健福祉局老人福祉計画課長及び児童家庭局企画課長連名で別紙2のとおり「社会福祉施設におけるレジオネラ症防止対策について」を各都道府県、指定都市及び中核市に通知し、社会福祉施設におけるレジオネラ症患者の発生防止をお願いしたところである。

<資料一覧>

資料1−1: 建築物等におけるレジオネラ症防止対策について
(平成11年11月26日付生衛発第1679号厚生省生活衛生局長通知)
資料2: 社会福祉施設におけるレジオネラ症防止対策について
(社援施第47号厚生省大臣官房障害保健福祉部企画課長、社会・援護局施設人材課長、老人保健福祉局老人福祉計画課長及び児童家庭局企画課長通知)

(注記)なお、新版レジオネラ症防止指針(125ページ)は本資料には添付省略しておりますので、詳細は生活衛生局企画課にお問い合せください。


生衛発第1679号
平成11年11月26日

都道府県知事
各 殿
政令市市長

厚生省生活衛生局長

建築物等におけるレジオネラ症防止対策について

建築物等におけるレジオネラ症防止対策については、「建築物における冷却塔等の衛生確保について」(平成8年9月13日衛企第113号本職通知)により行われているところであるが、先般、都内の特別養護老人ホームにおいて使用されていた循環式浴槽を感染源とするレジオネラ症患者が発生し、うち1名がレジオネラ肺炎で死亡したという報告があった。このような設備は、適切な維持管理をしなければ、一般に抵抗力の弱い者等に対しレジオネラ症の感染源となるおそれがあるため、当面の対策として、改めて下記のとおり留意事項を定めたので、関係部局間における連携を確保しつつ、貴管下関係行政機関及び関係者に対する指導に遺漏なきを期されたい。
なお、本通知の内容は厚生省大臣官房障害保健福祉部、健康政策局、医薬安全局、社会・援護局、老人保健福祉局及び児童家庭局と協議済みであることを申し添える。

1. 建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号)に規定する特定建築物については、特定建築物の維持管理権原者に対し、レジオネラ属菌に関する知識の普及、啓発を行うとともに、レジオネラ属菌の増殖を抑制する具体的方法としては、

(1) 空調設備の冷却塔及び冷却水系については、「中央管理方式の空気調和設備等の維持管理及び清掃等に係る技術上の基準」(昭和57年厚生省告示第194号)、「中央管理方式の空気調和設備等の維持管理及び清掃等に係る技術上の基準(告示)に規定する別に定める基準について」(昭和58年環企第27号厚生省環境衛生局長通知)及び「建築物における衛生的環境の維持管理について」(昭和58年環企第28号厚生省環境衛生局長通知)(以下「告示等」という。)に基づき、冷却水の交換、消毒及び清掃を行うこと、
(2) 給水設備については、告示等に基づき、定期に給水設備の消毒及び清掃を行うとともに、外部からのレジオネラ属菌の侵入防止に努めること、
(3) 給湯設備については、給湯温度の適正な管理及び給湯設備内における給湯水の滞留の防止に努め、定期に給湯設備の消毒及び清掃を行うこと、
(4) 循環式浴槽(特に生物浄化方式のもの)については、定期に換水、消毒及び清掃を行うとともに、浴槽水のシャワーへの使用や気泡ジェット等のエアロゾル発生器具の使用を避けること、
(5) 加湿装置については、当該設備に用いる水が水道法(昭和32年法律第177号)第4条に規定する水質基準に準ずるものとするとともに、定期に水抜き及び清掃を行うこと、
(6) 装飾用噴水等その他の設備については、定期に当該設備の消毒及び清掃を行うこと
があることについて指導されたいこと。

2. 病院、老人保健施設、社会福祉施設等特定建築物以外の建築物についても、1.に準じて所有者、占有者その他の者で当該施設の維持管理の権原を有する者に対し、レジオネラ属菌に関する知識の普及、啓発に努めるとともに、維持管理に関する相談等に応じ、必要な指導等を行われたいこと。

3. 家庭で用いられる循環式浴槽(いわゆる24時間風呂)及び加湿器についても、1.に準じて住民一般に対し、レジオネラ属菌に関する知識の普及、啓発に努めるとともに、維持管理に関する相談等に応じ、必要な指導等を行われたいこと。

4. 建築物等におけるレジオネラ属菌の繁殖の抑制に関しては、平成9年度厚生科学研究費補助金による「シックビル症候群に関する研究(主任研究者小川 博)」の報告書を踏まえて、平成11年11月に財団法人ビル管理教育センターがとりまとめた「新版レジオネラ症防止指針」(本文及び概要:別添)を参考にされたいこと。


新版レジオネラ症防止指針(概要)

1.これまでの経緯

旧版のレジオネラ症防止指針は、レジオネラ症防止の具体的普及を図るため、研究成果や知見等を集大成し、平成6年3月、厚生省生活衛生局企画課監修により財団法人ビル管理教育センターが取りまとめたものである。
その後、レジオネラ属菌に関する新たな知見が得られ、また平成10年5月都内の特別養護老人ホームにおいて入所者が当該施設で使用されていた循環式浴槽を感染源とするレジオネラ肺炎により死亡した等新たな感染源に関する報告があった。
平成9年度厚生科学研究費補助金により行われた「シックビル症候群に関する研究−建築物内のレジオネラ症対策に関する調査」(主任研究者:小川 博財団法人ビル管理教育センター理事長)を踏まえ、財団法人ビル管理教育センターに「レジオネラ症防止指針作成委員会(委員長:吉澤 晋愛知淑徳大学教授)」が設置され、これまでの研究成果や知見について再度検討が行われ、今般「新版レジオネラ症防止指針」が取りまとめられた。
前回の指針においては冷却塔水におけるレジオネラ症の防止対策を中心に指針がまとめられていたが、今回取りまとめられた指針においては、冷却塔水のほか、給水・給湯設備、循環式浴槽などレジオネラ属菌の繁殖が報告されている施設におけるレジオネラ症の防止対策について言及しているほか、「感染因子の点数化」という考え方を導入してレジオネラ属菌のコントロールを行うことを提言をしている。

2. レジオネラ症について

(1)レジオネラ属菌

・ レジオネラ属菌は、自然界の土壌と淡水に生息するグラム陰性の桿菌であり、菌体の一端に1本の鞭毛があり、運動性である。
・ 一般に20〜50°Cで繁殖し、36°C前後で最もよく繁殖する。
・ レジオネラ属菌はアメーバなどの原生動物の体内で増殖するため、これらの生物が生息する生物膜(バイオフィルム)の内部にレジオネラ属菌が保護されている。

(2) レジオネラ症

1)レジオネラ症
レジオネラ属菌の感染によりおこる疾患であり、レジオネラ肺炎と肺炎にならない自然治癒型のポンティアック熱の2つの病型がある。
なお、レジオネラ症は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」において四類感染症に指定され、患者をレジオネラ症と診断したすべての医師は診断後7日以内に患者の年齢、性別、病状、診断法等について最寄りの保健所へ届け出なければならないこととなっている。
2)レジオネラ症の感染源
これまでに給水・給湯設備、冷却塔水、循環式浴槽、加湿器、水景施設、蓄熱槽等からの感染が報告されている。
3)レジオネラ症の感染経路
汚染水のエアロゾルの吸入のほか、汚染水の吸引、嚥下・経口感染等が考えられる。

(3)レジオネラ属菌の検査について

1)レジオネラ属菌の感染因子の点数化
レジオネラ属菌による感染については個体差、体調等を考慮すると、レジオネラ症を引き起こす危険のある菌数や感染を起こさない安全な菌数について明言することはできない。そのため、レジオネラ症予防のためには人工環境水中のレジオネラ属菌をできる限り少なくすることが重要である。
そこで、危険度を(1)エアロゾル化、(2)環境及び(3)宿主側の3つの要因に分けて、それぞれ点数化を行い、その合計点でもってその状況下における対応を示すこととした。(表1)
ただし、点数化はあくまでも目安であること、集団を対象とする場合には絶対的なスコア化は不可能であること、危険度に応じて細菌検査の回数を提案し、菌が陽性であった場合には必ず清掃・消毒を行い検出限界(10CFU/100ml)以下とすることを目標とするが、必ずしも年間を通じて検出限界値以下であることを求めたものではないこと等に留意し、施設の管理者が状況に応じて判断した上で対応することが求められる。

表1 感染因子の点数

(1) エアロゾル化の要因
1) 給湯水、浴槽水、修景用水など................................. 1点
2) 冷却塔水............................................................... 2点
3) 加湿器、シャワー水、渦流浴浴水、打たせ湯等............ 3点
(2) 環境の要因
1) 通常環境............................................................... 1点
2) 人口密度が高い場所、.............................................
エアロゾルが集中的に流れ込みやすい場所等 2点
3) 閉鎖環境、設備の陳旧化等....................................... 3点
4) 加湿器を利用......................................................... 4点
(3) 宿主側の要因
1) 健常人.................................................................. 1点
2) 喫煙者、呼吸器疾患患者等....................................... 2点
3) 高齢者、新生児、乳児等.......................................... 3点
4) 臓器移植患者、白血球減少患者、免疫不全患者等......... 4点

2)感染危険因子の点数化(スコア)と対応
この点数化の具体的な例を参考までに表2に、この点数化に応じたレジオネラの検査回数を表3に示す。

表2 感染危険因子の具体的な点数化の例

スコア 病院 老人施設 特定建築物 営業用
給湯水 4〜6 4〜5 3〜4 −
冷却塔水 5〜8 5〜7 3〜5 −
修景用水 5〜8 5〜7 3〜5 −
渦流浴・温泉 6〜9 6〜8 3〜5 5〜8
加湿器水 7〜11 7〜9 6〜8 −


表3 感染危険因子の具体的な点数化の例

スコア 細菌検査の回数
3点以下 常に維持管理に心がけ、必要に応じて細菌検査を実施
4〜5点 1年以内に1回以上、設備の稼働初期に細菌検査を実施
6〜7点 1年以内に2回以上、設備の稼働初期及び稼働期間中に細菌検査を定期的に実施
8点以上 1年以内に3回以上、設備の稼働初期及び稼働期間中に細菌検査を定期的に実施

また、検査の結果レジオネラ属菌が検出された場合の対応は以下のとおりである。

1) 人が直接吸引する可能性のない場合
102CFU/100ml(CFU:Colony Forming Unit)以上のレジオネラ属菌が検出された場合、直ちに清掃・消毒等の対策を講じる。
また、対策実施後は検出菌数が検出限界(10CFU/100ml未満)以下であることを確認する。

2) 浴槽水、シャワー水等を人が直接吸引するおそれがある場合
レジオネラ属菌数の目標値を10CFU/100ml未満とし、レジオネラ属菌が検出された場合、直ちに清掃・消毒等の対策を講じる。
また、対策実施後は検出菌数が検出限界以下であることを確認する。

3.給水設備におけるレジオネラ防止対策

水道水は塩素による消毒が義務づけられていることから、水道水におけるレジオネラ汚染の可能性は低い。しかしながら、簡易専用水道に該当しない一部の小規模の貯水槽などのうち維持管理が適正に行われていないために、水道水の滞留による残留塩素の消失や水温の上昇、あるいは藻類等の微生物による著しい汚染がみられる給水系統では注意が必要である。
設計・施工及び維持管理に関するレジオネラ防止対策の基本となる考え方は以下のとおり。

・外部からのレジオネラ属菌の侵入防止
・できるだけ水温を20°C以下に維持
・機器及び配管内におけるスケール、スラッジ、藻類などの発生防止
・死水域の発生防止
・残留塩素の確保
・エアロゾルを発生する機器の使用を避ける
また、「中央管理方式の空気調和設備等の維持管理及び清掃等に係る技術上の基準」(昭和57年厚生省告示第194号)(以下「厚生省告示」という。)に基づき貯水槽の清掃を行う必要がある。その際、作業者のレジオネラ汚染を防止する観点から、マスク等の防護対策をとって作業することが必要である。
さらに、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(以下「ビル管理法」という。)に基づく水質検査項目を検査するとともに、感染因子の点数に対応したレジオネラ属菌の検査を行う必要がある。

4.給湯設備におけるレジオネラ防止対策

我が国のホテルや病院などの給湯設備では給湯温度を60°C以上と高く保持し、使用時に給水と混合することにより温度を下げるため、レジオネラ汚染の問題はないと考えられていたが、省エネの気運の高まりとともに事務所ビル等で給湯温度を下げる傾向にあり、事務所ビル、病院等の約1割でレジオネラ属菌が検出されたとの報告もある。
設計・施工に関するレジオネラ防止対策の基本となる考え方は給水設備に準じるが、特に循環式の中央式給湯設備の場合には、給湯温度に留意する必要がある。
維持管理については給湯温度の適切な管理、給湯設備内における給湯水の滞留防止を念頭に維持管理をする。また、厚生省告示に準じて清掃を実施するほか、貯湯槽の清掃のみならず配管、シャワーヘッド等の適切な清掃が必要である。
さらに、ビル管理法に基づく水質検査項目を検査するとともに、感染因子の点数に対応したレジオネラ属菌の検査を行う必要がある。

5.冷却塔水におけるレジオネラ防止対策

建築物の冷却水は空調用冷凍機の冷却に用いられる。6〜9月までの冷却塔の水温が15〜34°Cであり、また塔内で有機物質などが濃縮されるためレジオネラ属菌の増殖に好適な場所となる。冷却塔は増殖した菌を空中へ飛散させるため、レジオネラ症汚染防止の観点から最も注意を払わなければならない建築設備の一つである。
日本では、昭和62年〜平成4年までに行われた調査によれば、延べ約1,400基の冷却塔のうち約6割からレジオネラ属菌が検出された。
また、平成6年8月都内の企業の研修センターにおいて屋上の冷却塔が感染源と考えられる発熱患者45名が発生したことが報告されている。
設計・施工に関するレジオネラ防止対策の基本となる考え方は以下のとおり。

・ 冷却塔の型式を角形冷却塔を採用することが望ましい。また、清掃しやすい構造とする
・ エリミネータ(気流中に含まれる液滴を取り除くための板)を強化する
・ 外気取入口は自動車の排ガス等の影響が出ないよう高所に設置し、また風向等も考慮
・ 冷却塔からのエアロゾルが飛散することから、風向等を考慮し外気取入口、居室の窓等から10m以上離す
また、維持管理については下記項目について行うことが必要である。
・ レジオネラ属菌殺菌剤の注入
・ スケール防止、腐食防止、スライム防止のための薬剤注入
・ 冷却塔の定期的な洗浄
・ 設備の定期点検
・ 感染因子の点数に対応したレジオネラ属菌の検査の実施

6.循環式浴槽におけるレジオネラ防止対策

循環式浴槽とは浴槽水を循環させ、その循環経路に粗大汚濁物を除去する装置(プレフィルタまたはヘアキャッチャ)を設けるとともに、ろ材を充填したろ過器を設置して浴槽水を浄化し、水の消費量と排出量を抑制するものである。
循環式浴槽では、湯が閉鎖系内を循環しているため、これらの微生物が生物浄化方式のろ材表面及びその内部、浴槽、管路系の内壁等に定着し、各種微生物が入浴者の体表等に由来する有機物質を栄養源として増殖する。
平成10年5月には都内特別養護老人ホームにおいて生物浄化方式の循環式浴槽を感染源とするレジオネラ症患者が12例発生し、うち1例がレジオネラ肺炎で死亡したほか、平成11年6月愛知県において自宅の24時間風呂で水中分娩で出産した新生児がレジオネラ属菌が原因と疑われる肺膿瘍で死亡するなど、循環式浴槽はレジオネラ症の感染源となっている。
このため、汚染と感染を防止するためには、循環式浴槽の使用に当たって、以下の点に留意して設計、設置、及び維持管理を行う必要がある。

・ 設定段階から適切な衛生管理が可能となるよう配慮
・ 製造者等はシステム全体の安全性に関する管理マニュアルを作成し、維持管理者に提示
・ 浴槽水をシャワー、打たせ湯などに使用しない
・ 気泡ジェット等のエアロゾル発生器具の使用を避ける
・ 塩素剤による浴槽水の消毒を行う場合は、遊離残留塩素濃度を0.2〜0.4mg/Lを1日2時間以上保つ
・ 浴槽の換水は、衛生管理の水準を保つよう定期的に行うことが望ましい
・ 浴槽の全換水を行うときは、塩素剤による洗浄・消毒を行った後に、浴槽の清掃を実施する。ろ過器を設置した浴槽の場合には、ろ過装置、配管を含めた洗浄、消毒を行う。
・ 浴槽内部、ろ過器等の毛髪、あか及び生物膜の有無を定期的に点検、除去
・ レジオネラ属菌の検査を感染因子の点数を目安に定期的に実施

なお、家庭で使用される循環式浴槽(いわゆる24時間風呂)についても、上記を踏まえ維持管理等を行う必要がある。

7.加湿器におけるレジオネラ防止対策

加湿器のうちレジオネラ症の原因となる可能性のあるものは、超音波方式と回転霧化・遠心噴霧の2方式である。
そのうち、ビル空調機に組み込まれている加湿器については、そこで使用される水が水道水質基準に準じることとされているため、使用期間中レジオネラ属菌による汚染が起こることは少ないと考えられるが、使用開始時及び終了時には水抜き及び清掃を確実に行う必要がある。
家庭用の加湿器については、タンクの汚染が起こりやすく、長期間水を貯めたまま放置される可能性が高く、またタンク内に生成される生物膜も保持されるため危険である。平成8年には、病院の新生児室において家庭用の超音波加湿器が感染源と思われるレジオネラ症が発生し、1名死亡した。
加湿器の使用の際には、タンクの内面を絶えず洗浄して清潔にしておくことが安全上重要である。

8.水景施設におけるレジオネラ防止対策

水景施設とは、噴水、池などの人工的に造られた水環境をいう。近年では、このような施設がホテルのロビー、地下街等屋内に設置される場合も多く、レジオネラ属菌の汚染が報告されている。
汚染防止対策としては、エアロゾルがあまり発生しない水景施設を選択するとともに、風向き等に注意することが必要である。


社援施第47号
平成11年11月26日

都道府県
各 指定都市 民生主管部(局)長 殿
中 核 市

厚生省大臣官房障害保健福祉部障害福祉課長

厚生省社会・援護局施設人材課長

厚生省老人保健福祉局老人福祉計画課長

厚生省児童家庭局企画課長

社会福祉施設におけるレジオネラ症防止対策について

社会福祉施設におけるレジオネラ属菌等の汚染への対応については、従来よりご指導いただいているところであるが、今般、厚生省生活衛生局長より別添「建築物等におけるレジオネラ症防止対策について」が発出され、空調設備の冷却塔及び冷却水系、給水・給湯設備、循環式浴槽、加湿装置等の取り扱いにおける留意事項について注意喚起がなされたところである。
社会福祉施設においては、昨年、都内の特別養護老人ホームで使用されていた循環式浴槽を感染源とするレジオネラ症患者が発生し、うち1名がレジオネラ肺炎で死亡したという報告があったことから、一般に抵抗力の弱い者が入所している施設内に設置されている循環式浴槽等の維持管理について、特に注意が必要である。
ついては、管下社会福祉施設に対し、別添通知の記の1及び2に留意の上、同通知に添付されている「新版レジオネラ症防止指針」(本文及び概要)に基づき、レジオネラ症患者の発生防止に万全を期すよう周知願いたい。


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