平成10年12月17日
○しろまる 報告書では、世界保健機関(WHO)の飲料水水質ガイドラインの改定を踏まえ、監視項目を26項目から32項目に増やすこととした。新たに監視項目とするものは、亜硝酸性窒素、ウラン、2,4-Dなどの農薬4項目計6項目である。
あわせて、現行の監視項目のうちジクロロ酢酸などの6項目については、現時点での毒性評価に基づき指針値を改定することとした。
また、ゴルフ場使用農薬の水道水からの検出状況を踏まえ、ゴルフ場使用農薬について定められている達成すべき水質目標を22項目から26項目に増やすこととした。新たにゴルフ場使用農薬とするものはアセフェートなどの4農薬である。
○しろまる 厚生省としては、本報告書をもとに監視項目の追加等所要の法令等の改正を行い、将来にわたって水道水の安全性を確保するため、水道水の監視を強化する。
1 経緯
○しろまる 我が国の水道水質に関する基準は、人の健康を保護するため、水質基準46項目、快適水質項目13項目、監視項目26項目合計85項目について設定されている。また、ゴルフ場使用農薬についても、22項目について水質目標が設定されている。
○しろまる 平成10年3月に一部改定されたWHO飲料水水質ガイドラインや監視項目に係る監視結果の集積に対応して、水質管理専門委員会において水道水質に関する基準の見直しが行われ、今般、報告書がとりまとめられた。
2 報告書の概要
(1)水道水質に関する基準の拡充・強化(別表参照)
亜硝酸性窒素、ウラン、ベンタゾン、カルボフラン、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)及びトリクロピル(ベンタゾン以下4項目は農薬)の6項目を追加すること。
アセフェート、メタラキシル、ジチオピル及びピリブチカルブの4項目を追加すること。
ほう素、ジクロロ酢酸、クロロタロニル(TPN)、プロピザミド、ジクロルボス(DDVP)及びフェノブカルブ(BPMC)(クロロタロニル以下4項目は農薬)の6項目について指針値を改定すること。
今回の改定に伴い、重金属を低濃度域までの測定が可能な誘導結合プラズマ発光分光質量分析計(ICP−MS)を水質基準の検査方法として追加すること。
(2)今後の課題
ニッケル等監視項目の中で毒性評価が暫定的なものについて、毒性評価の知見の収集に努めること。
3.今後の対応等
厚生省としては、本報告書をもとに監視項目の追加等所要の法令等の改正を行い、将来にわたって水道水の安全性を確保するため、水道水の監視を強化する。
(参考)
○しろまる水道水質に関する基準について
水質基準:
水道によって供給される水が備えなければならない基準。46項目について設定されている。水道事業者は定期の水質検査を行わなければならない。
監視項目:
健康に関連する物質で、検出量は少ないが定期的・継続的に監視をすべき物質。
大規模な水道事業者を中心に体系的・計画的に監視が行われている。
ゴルフ場使用農薬にかかる水道水の水質目標:
水質基準又は監視項目とされていないゴルフ場使用農薬について、地域の状況に応じて監視をすべき物質。
照会先 生活衛生局水道環境部水道整備課 水道水質管理官 荒井真一(内線4031) 基準係長 山本郷史(内線4034)
注)( )内の数値は水道水質に関する基準として設定しない項目に係る評価値指針値の後ろに(暫定)と標記されているものは毒性評価が暫定的なもの