1 一斉点検の経緯等
(1) 平成8年、腸管出血性大腸菌O157による食中毒が多発した学校給食施 設については同年9月及び10月の緊急点検以来3次に亘る一斉点検により施設の衛生管理上の問題及び具体的改善点を指摘してきた。
(2) 一方、社会福祉施設等についても、当該施設では乳幼児、老人等食中毒の リスクの高い人々が多く生活しており、事実、食中毒の患者は平成8年で917名、平成9年は1,118名と多発した。このため本年3月に開催された食品衛生調査会食中毒部会において当該施設給食の一斉点検の必要性が指摘された。
(3) 本点検は本年4月〜7月の4カ月間に亘り、30,774施設を対象として実施された。本点検結果は、各都道府県等で取りまとめられものを基に厚生省が全国集計したもの。
2 点検結果の概要
(1) 当該施設給食は学校給食と異なり、一回の給食数が300食以下の中小規模の施設が99.4%(30,602施設)を占めており、特に施設の構造設備面での不適合施設が多くみられた。
(2) 管理運営面での不適合部分としては次の順で多くみられた。
3 その他
(1) 都道府県等に対し引き続き、社会福祉施設等給食における衛生確保を徹底するよう指導した。
(2) 当該施設に対する一斉点検は、来年度も実施する予定。
(3) 平成9年10月から開始された「調理施設におけるHACCP試行事業」を引き続き進め、その成果に基づき、社会福祉施設等給食へのHACCPの概念を導入した衛生管理手法の普及を図る。