8月14日、東京女子医科大学病院から「症状からボツリヌスによる食中毒が疑われる患者1名を診察した」との通報があった旨、東京都から連絡を受けた。
患者は他に4名確認されており、いずれも7月24日に患者の経営するレストラン(千代田区九段北4−2−15 市ヶ谷プラザ2F 「カフェビストロブシュケ」)内で食事をしており、7月26日から症状を訴えていたとのこと。
また、患者が喫食したオリーブ漬けを東京都立衛生研究所で検査した結果、当該オリーブの漬けこみ液及びオリーブの実からボツリヌスB型毒素が検出されている。
報道機関におかれては、下記事項についての注意喚起をお願いする。
10 手元に製品がある場合の対応
当該製品を購入された方は、口に入れないようにして、捨てずに月曜日以降に最寄りの保健所に相談してください。
販売店では店頭から下げ、月曜日以降最寄りの保健所に連絡してください。
11 患者が新たに発生した場合の対応
治療用のボツリヌス抗毒素は以下の3カ所に保管されていることが確認されているので、緊急の場合には 各都道府県薬務担当課に連絡するとともに、これらの機関に連絡してください。
本日連絡がとれている機関(3カ所)
問い合わせ先:生活衛生局食品保健課監視係
TEL [現在ご利用いただけません] 内2450
製品(2700gびん入り)のタグの記載内容
ビン底ラベルの記載内容
ボツリヌス菌
Q:菌の特徴は
A:ボツリヌス菌は土壌や海、湖、川などの泥砂中に分布している嫌気性菌で、熱に強い芽胞を形成します。致命率が40%前後と高く、欧米では古くからハムなどによる「腸詰め中毒」として恐れられてきました。この菌は食品中などで生育に適した条件(発育温度3〜40°C、pH4.5以上で酸素がなく、水分や栄養がある状態)がそろうと毒素を産生します。この毒素は数百gで人類を絶滅させることができるほどの強力な神経毒で、A〜Fまでの型別に分類できます。ボツリヌス毒素は熱に弱く、80°C30分又は100°C10分間の加熱で分解し、毒力を失います。
Q:どんな食品が原因となりますか
A:我が国では魚の発酵食品「いずし」による事件が特に多い。他に外国ではキャビア、野菜などの自家製びん詰や缶詰、ハム・ソーセージ類があります。
Q:症状はどうですか
A:潜伏期間は約12時間から36時間で、はき気、おう吐や視力障害、嚥下困難(物を飲みづらくなる)などの神経症状が現れるのが特徴です。なお、重症の場合は呼吸困難をおこして死亡するケースもあります。
Q:予防のポイントを教えてください。
A:
(1)家庭で缶詰や酢づけ、ハム、発酵食品などを作るときは、材料をよく洗浄し、菌を除去すること。
(2)真空パックや缶詰、びん詰など、食品を嫌気的条件におくときは、ボツリヌス菌の生育を防止する条件[(i)120°C4分以上の加熱をする、(ii)pH4.5以下にする、(iii)食品を乾燥させ増殖を防ぐなど]を守る。
(3)100°C10分程度の加熱(80°C30分でも良い)後、食べる。
(4)真空パックや缶詰が膨張していたり、食品に異臭のあるときは食べない。
(5)いずしは厳寒期以外には加工せず、新鮮な魚を短期間低温の水にさらすこと。また、熟成の終わったいずしに酪酸臭のあるときは食べないこと。
問い合わせ先:生活衛生局食品保健課監視係 TEL [現在ご利用いただけません] 内2450