平成10年6月11日
1.エパルレスタットによる肝機能障害
エパルレスタットは糖尿病性神経障害治療薬で、平成4年1月に承認された。
本剤はGOT、GPT上昇等が知られており、発売時からその旨、注意喚起がなされていた。しかし、発売後、因果関係が不明なものも含め17例の重篤な肝機能障害(黄疸、黄染5例、急性肝炎2例含む。なお、転帰は16名が回復又は軽快、1名が未回復。)が報告されたことから、「重大な副作用」の項にその旨記載し、注意喚起を行った。
2.ワクチン接種による急性血小板減少性紫斑病
乾燥弱毒生風しんワクチンで8例、乾燥弱毒生麻しんワクチンで3例、乾燥弱毒生おたふくかぜワクチンで1例、沈降精製百日せきジフテリア破傷風ワクチンで1例、血小板減少性紫斑病が報告された(転帰は全例回復又は軽快)。ワクチン接種後数日から3週間前後で発現していることから、「接種上の注意」にその旨記載し、接種後も紫斑や鼻出血等の発現に注意するよう注意喚起を行った。
3.塩酸リトドリン製剤による横紋筋融解症
塩酸リトドリンは、切迫流・早産の治療薬として昭和61年4月に承認された。
市販後これまでに因果関係が不明なものも含め注射剤で6例、錠剤で3例(うち1例は同一症例。転帰は1例は不明で他は回復又は軽快。)で筋肉痛、脱力感、CPK上昇等を特徴とする骨格筋の疾患である横紋筋融解症が報告されたことから、「重大な副作用」の項にその旨記載し、注意喚起を行った。また、このうち5例が筋緊張性ジストロフィー患者であったことから、「慎重投与」の項にその旨記載した。
問い合わせ先 厚生省医薬安全局安全対策課 担 当 松田、桂、泉 (内2748,2757,2751) 電 話 (代)[現在ご利用いただけません]