(1)
平成8年10月24日、組換えDNA技術を応用して製造された食品12品種及び食品添加物1品目が「組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針」に適合していることを厚生大臣が確認することの可否について、厚生大臣より食品衛生調査会あて諮問され、同日、バイオテクノロジー特別部会に付議された。
1
対象品種
とうもろこし(イールドガード・トウモロコシ)
性 質
害虫抵抗性
申請者
日本モンサント株式会社
開発者
Monsanto Company(米国)
2
対象品種
じゃがいも(ニューリーフ・ジャガイモ)
性 質
害虫抵抗性
申請者
日本モンサント株式会社
開発者
Monsanto Company(米国)
3
対象品種
わた(インガード・ワタ)
性 質
害虫抵抗性
申請者
日本モンサント株式会社
開発者
Monsanto Company(米国)
4
対象品種
とうもろこし(T14、T25)
性 質
除草剤耐性
申請者
ヘキスト・シェーリング・アグレボ株式会社
開発者
Hoechst Schering AgrEvo GmbH(ドイツ)
5
対象品種
なたね(PHY14、PHY35)
性 質
除草剤耐性
申請者
ヘキスト・シェーリング・アグレボ株式会社
開発者
Plant Genetic Systems(ベルギー)
6
対象品種
なたね(PGS2)
性 質
除草剤耐性
申請者
ヘキスト・シェーリング・アグレボ株式会社
開発者
Plant Genetic Systems(ベルギー)
7
対象品種
なたね(PHY36)
性 質
除草剤耐性
申請者
ヘキスト・シェーリング・アグレボ株式会社
開発者
Plant Genetic Systems(ベルギー)
8
対象品種
なたね(T45)
性 質
除草剤耐性
申請者
ヘキスト・シェーリング・アグレボ株式会社
開発者
Hoechst Schering AgrEvo GmbH(ドイツ)
9
対象品目
α−アミラーゼ(TS−25)
申請者
ノボノルディスクバイオインダストリー株式会社
開発者
Novo Nordisk A/S(デンマーク)
(3)
なお、下記の食品4品種については、分科会においてさらに検討が必要なことから、分科会における審議を継続することとされた。
記
1
対象品種
とうもろこし(MS3)
性 質
除草剤耐性
申請者
ヘキスト・シェーリング・アグレボ株式会社
開発者
Plant Genetic Systems(ベルギー)
2
対象品種
とうもろこし(MON809)
性 質
害虫抵抗性
申請者
パイオニア ハイブレッド ジャパン株式会社
開発者
Pioneer Hi-Bred International,Inc.(米国)
3
対象品種
とうもろこし(DLL25)
性 質
除草剤耐性
申請者
株式会社 東食
開発者
Dekalb Genetics Corporation(米国)
4
対象品種
とうもろこし(DBT418)
性 質
害虫抵抗性
申請者
株式会社 東食
開発者
Dekalb Genetics Corporation(米国)
2
これまでの経緯
平成8年10月24日
食品衛生調査会に諮問、バイオテクノロジー特別部会に付議
10月28日
第1回バイオテクノロジー特別部会審議
〃
第1回組換えDNA技術応用食品等の安全性評価に関する分科会審議
11月21日
第2回組換えDNA技術応用食品等の安全性評価に関する分科会審議
12月20日
第3回組換えDNA技術応用食品等の安全性評価に関する分科会審議
平成9年1月17日
第4回組換えDNA技術応用食品等の安全性評価に関する分科会審議
2月7日
第5回組換えDNA技術応用食品等の安全性評価に関する分科会審議
2月27日
第6回組換えDNA技術応用食品等の安全性評価に関する分科会審議
3月14日
第7回組換えDNA技術応用食品等の安全性評価に関する分科会審議
〃
第2回バイオテクノロジー特別部会審議
〃
バイオテクノロジー特別部会報告
3
今後の予定について
平成9年3月18日
申請資料公開(社団法人日本食品衛生協会において閲覧)
時期未定
食品衛生調査会常任委員会での審議、食品衛生調査会答申
厚生大臣による安全性評価指針への適合を確認した旨申請者へ通知
II
次回申請等について
申請の受付は、平成9年4月末日までとする。
別添
参 考
1
「組換えDNA技術応用食品・食品添加物の安全性評価指針」について
厚生省では、平成3年に安全性評価指針を策定し、組換えDNA技術を応用して製造された食品・食品添加物(以下、「食品等」という。)であって、生産物が既存の食品等とみなし得る食品等であり、組換え体そのものを食さない場合についての安全性を確保してきた。
しかし、近年の組換えDNA技術の進歩により、組換え体そのものを食する食品等についても、その安全性確保のための対応が必要になったことから、食品衛生調査会の答申に基づき、平成8年2月5日に安全性評価指針を改訂した。
現在の安全性評価指針の適用範囲は下記のとおりである。
組換え体の種類
生産物が既存のもの
と同等とみなし得る
生産物が既存のもの
と同等とみなし
得ない
組換え体そのものを
食さない
食する
微生物
1
×ばつ
×ばつ
種子植物
×ばつ
2
その他
×ばつ
×ばつ
1
:平成3年適用範囲
2
:平成8年適用範囲
×ばつ
:指針の適用を受けない範囲
2
組換えDNA技術応用作物について
(1)
組換えDNA技術について
組換えDNA技術とは、ある生物から取りだした遺伝子を改良しようとする生物に組み込む技術のことで、この技術を用いることにより、目的とする有用な遺伝子をより正確に、かつ簡便に作物に導入し、作物を改良することができるようになる。
(2)
今回報告された食品8品種、食品添加物1品目について
今回報告された食品8品種は、害虫抵抗性とうもろこし1品種、害虫抵抗性じゃがいも1品種、害虫抵抗性わた1品種、除草剤耐性とうもろこし1品種、除草剤耐性なたね4品種であり、新たに獲得された性質、挿入遺伝子等は別紙1のとおりである。
また、食品添加物1品目は、αーアミラーゼであり、組み換え体の利用目的、挿入遺伝子等は別紙2のとおりである。
(3)
安全性評価のポイントについて
食品衛生調査会バイオテクノロジー特別部会における検討では、今回諮問のあった12品種の食品及び1品目の食品添加物それぞれについて、申請者が行った安全性評価が、安全性評価指針に基づき適切に行われたものかどうかについて審議した。
その結果、資料の提出が遅れた4品種の食品を除く、8品種の食品及び1品目の食品添加物について、安全性評価指針に沿って適切に評価が行われていることを確認した。
(4)
組換え体の特徴
1)
除草剤耐性作物について
土壌中の微生物から得られた、特定の除草剤の働きを阻害する蛋白質を産生する遺伝子をとうもろこしやなたねに導入することにより、これら除草剤に対する耐性を持たせたものである。
これにより、除草剤の散布回数・散布量を減少させることができ、環境保全に資することができる。また、不耕起栽培場面での使用により土壌の流亡を防ぐ他、コストの低減、安定した収穫などの効果も期待できる。
2)
害虫抵抗性作物について
生物農薬として用いられている微生物から得られた、特定の害虫のみに影響を与えるのみでヒトを含むほ乳類には影響しない蛋白質を産生する遺伝子をじゃがいもやとうもろこしに導入することにより、これら害虫への抵抗性を持たせたものである。
これにより、殺虫剤の使用量・散布回数を大幅に減らすことができ、環境保全に資することができる他、害虫は減るのに益虫は減らないといった二次的な効果も期待できる。また、コストの低減、安定した収穫などの効果も期待できる。
問い合わせ先 厚生省生活衛生局食品保健課
担 当 池田(千)(内2447)、三木、長田(内2451)
中垣(食品化学課、内2483)
電 話 (代)[現在ご利用いただけません]
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