このページではJavaScriptを使用しています。JavaScriptを有効にしてください。

言語切替

ヘルプ情報

「言語切替」サービスについて

このホームページを、英語・中国語・韓国語へ機械的に自動翻訳します。以下の内容をご理解のうえ、ご利用いただきますようお願いします。

  • 1.
    翻訳対象はページ内に記載されている文字情報となります。画像等で表現する内容は翻訳されません。
  • 2.
    機械による自動翻訳のため、必ずしも正確な翻訳であるとは限りません。
  • 3.
    翻訳前の日本語ページに比べ、画面の表示に若干時間がかかる場合があります。
  1. ホーム >
  2. 政策について >
  3. 審議会・研究会等 >
  4. 労働政策審議会(職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会) >
  5. 2015年9月25日 第44回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会議事録

2015年9月25日 第44回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会議事録

職業安定局雇用開発部建設・港湾対策室

日時

平成27年9月25日(金)10:00〜12:00

場所

経済産業省別館302各省庁共用会議室(3階)
(東京都千代田区霞が関1-3-1)

出席者

公益代表
鎌田座長、柴田委員

労働者代表
時枝委員、曽根崎委員、小倉委員

使用者代表
大木委員、福田委員、鈴木委員

参考人
全国建設労働組合総連合 松岡賃金対策部長

事務局
広畑雇用開発部長、谷建設・港湾対策室長、富永建設・港湾対策室長補佐、佐藤建設・港湾対策室長補佐

議題

(1)建設業の現状と課題について
(2)その他

議事

しろまる富永補佐 ただいまから、「第 44 回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会の建設労働専門委員会」を開催します。配布資料の確認をお願いします。資料は、資料 1 、 2 、 3 及び一枚紙の参考資料、「 2014 時短アンケートの概要」という冊子」です。もしお手元に足りない資料がありましたら、お申出ください。
本日の委員の出欠状況の御報告をします。本日は、公益委員の大橋委員、使用者側委員の土屋委員、労働側委員の勝野委員から欠席の御連絡を頂いています。以後の進行は、座長からお願いします。
しろまる鎌田座長 それでは、議事に入ります。議事次第にありますとおり、本日の議題は「建設業の現状と課題について」としてヒアリングを行います。前回は、本日と同じ「建設業の現状と課題について」ということで、業界団体の全国建設業協会、日本建設業連合会及び建設産業専門団体連合会から御説明をしていただきましたが、今回は、労働組合側からお三方においでいただき、お話を伺うこととしています。最初に日本建設産業職員労働組合協議会の時枝政策企画局長から、次に日本基幹産業労働組合連合会の曽根崎中央執行委員、最後に全国建設労働組合総連合の松岡賃金対策部長からお話を伺います。本日は、どうぞよろしくお願いします。
初めに、時枝局長からお話をよろしくお願いします。
しろまる時枝委員 日建協の時枝です。厚生労働省におかれましては、日頃より建設産業の担い手確保育成に御尽力いただきまして、誠にありがとうございます。本日はお時間を頂きましたので、ゼネコン労働組合等の目線から、現状の課題について説明させていただきたいと思います。
まずは資料の「日建協とは」についてご説明します。現在 36 の加盟組合、ゼネコンの労働組合でございますが、約 31,000 人の組合員で構成されています。ホワイトカラー層の最大の産業別組識でございます。加盟組合については、下記一覧のとおりです。
「日建協の活動と役割」については、イメージ図で書かれています。図の真ん中に日建協がありますが、行政、発注者、業界団体の日建連、全建、メディアなどと、また連合の友好加盟組織として、産業の内外の労働団体と情報交流や意見交換を行っています。
次に、日建協時短アンケートについて説明します。日建協は結成して 60 年経ちますが、本アンケート調査は組合員の労働環境の実態について、 1972 年から 40 年以上にわたり継続して実施しています。組合員 31,000 人のうち約 1 万人を対象にアンケートを聴取しています。
1 ページでは、タイトルに「 10 年ぶりに 60 時間を下回ったが外勤職員の 3 割が 100 時間以上」とありますが、図 1 「所定外労働時間の推移」について、 2004 年から経年推移が折線で書かれています。着目したいのは、一番上の黄緑色の外勤技術系です。建設現場で働く技術者の所定外労働時間は、土木・建築とも 80 時間を超えたまま常態化しています。建築では、 2 年前の 99 時間からやや改善してきていますが、相変わらず 80 時間以上というところです。
図 2 では、一番下の外勤技術系、建築・土木とも赤い点線枠の中になりますが、濃いブルーの 100 時間以上を占める割合が 3 割を超えています。喫緊の課題であるにも関わらず、ずっと常態化しています。
3 ページ、図 6 「休日の平均取得日数」です。これは 11 月の調査ですが、暦上日曜日が 5 日、土曜日が 5 日、祝日が 2 日あるのですが、日曜日は、外勤でおよそ 4.5 日とほぼ休めています。土曜日では 5 日のうちおよそ 2 日、祝日は 2 日のうち、約半分しか休めていないことがお分かりになると思います。
図 7 「平日と休日の所定外労働時間の関係」では、外勤は赤い点線枠になります。休日の部分が濃いブルーでありますが、全体の 4 割を占めています。土曜日・祝日をきちんと休められれば、所定外労働時間を大きく削減することができます。
9 ページは、昨年、新たに付け加えた設問です。転職を考えているのは、 20 代で 4 割、 30 代で 3 割と、何とも衝撃的な結果になりました。改めて、その数字を確認しますと、崖っ縁というか、もう後がないという所に来ています。このページに関しては、一般のメディアにおいそれと出さないよう、本当にネガティブキャンペーンになってしまいますので、取扱いには気を付けていただきたいところです。
図 25 「今の会社にいつまで働きたいか」では、 20 代では赤い点線枠内の 4 割が転職をしたいということです。 10 ページの図 29 では、「自分の子供に建設産業に就職させたいか」という問いに対し、「就職させたくない」の割合が全体の 8 割となりました。建設産業は親から子へ、つないで、つないでということが古くからあったのですが、現代の建設産業で働く親は子供につがせたくない割合が大半を占めています。
余談ですが、リクルートの「進学ブック」という高校生向けの就職ガイドブックがあります。私の娘が高校生で、たまたまダイレクトメールで自宅に届いたものですが、これを見ますと、世の中の仕事が 618 紹介されています。私どもが学生の頃はそのような情報も少なかったでしょうし、仕事といったら自信の身近なところで影響を受けて選んでいくものでした。今は情報化社会ということで、小・中学生からネットに触れて、高校生になり、いよいよ将来何になりたいのかといった時に、こうしたダイレクトメールなども来て、世の中の仕事が 618 、本当はもっとあると思うのですが、こうやって具体的にいろいろな仕事が書いてあります。建設の所を見ますと、土木・建築・インテリアなど全部で 19 あります。子供たちから建設をどうやって選んでもらえるのかと、本当に真剣に考えていかなくてはいけないと思います。子供に就職させたくない 8 割以外の 2 割の親の子供に対し、どうやって建設を選んでもらえるのかというところになります。
トヨタとか自動車産業の町では、廻りがみんな自動車関連の仕事をしているから、子供も何となく自動車の仕事に就くとか、そうした影響を受けます。つくば学園都市なら研究所だらけですから、研究者の息子はちびっこ博士になって、将来研究職に就くとか、そういう環境があると思います。建設でしたら、私たち建設で働く者が自分の子供らにそう仕向けていかないと、本当に入ってこないということだと思います。
資料の説明に戻ります。カラー刷りの「 R48 」についてですが「ロードマップ 4 週 8 休」の略で週休 2 日に関する広報紙です。No. 20 、水色の紙の裏面を見てください。政策提言「 4 週 8 休できない現状について」ですが、なぜできないのかと云うと、いろいろな要因があります。「発注の問題」としては「スケジュールありきの工期設定」とか「年度末竣工」など、そうした短工期での受発注の問題があります。「設計の問題」では「設計図書の完成度や不具合、不整合」、「設計変更、建築の分野では総合図の作成など、ややもすると施工段階において設計情報の確定を行うなど、作図工程がクリティカルパスになってしまう状況。あるいはまた、そもそも設計料サービスなどの商慣行の問題、これはハウスメーカーやゼネコンの設計施工、設計の営業行為など「設計はサービスしますよ」みたいなことがまかり通り、設計コンサルが業として、きちんと報酬をもらえない事態を招いてしまっています。そうした背景の中で人手も足らず、設計品質の低下があるということです。
「元請の問題」では、こちらも人手不足です。一義的に 4 週 8 休ということであれば、技術者、職員を増やせば、交代で休めると、ほかの産業でしているようにやれば交代で休めるのですが、何せ技術者がいません。建設業界は単品受注生産、表でやる仕事で天候に左右され、担当の引き継ぎもなかなかそう簡単にはいかないというところもあります。今や生産性向上、省人化といったところで非常に苦労しているところです。
「協力会社・技能労働者の問題」では、低賃金、処遇の問題があり、土曜日を閉所しようにも閉められないということです。そうしたいろいろな要因があるということです。
休日作業を行う理由についてのアンケート結果もあります。No. 22 のオレンジ色のページです。「発注の問題」「設計の問題」「元請の問題」「協力会社の問題」において、さまざまな構造的問題があります。これら全てクリアして初めて建設現場を閉所できるということになります。 1 つクリアしたところでは、まだ道半ばです。一度に 8 休までできないでしょうから、「 4 週 6 休から」「できる事業形態から」「できるプロジェクトから」ということになりましょう。
以上、ゼネコン労働組合を取り巻く環境について説明しました。構造的な課題はいろいろありますが、労働組合として、ひとつ長時間労働の改善という切り口で提言活動を行っています。
続いて政策提言について、説明させていただきます。こちらは、本年 3 月に国土交通省本省に対し提言したものでございます。タイトルを「建設現場における 4 週 8 休の実現にむけて」とし、 7 つのテーマで構成しています。国土交通省直轄工事をターゲットにしております。土木工事、建築工事とありますが、公共工事では土木が 8 割を占めるということで、土木工事を主体とした内容ですが、建築も含めた表現としています。
1 つ目「プロジェクト全体工期の適正化」という提言についてです。工期算定の根拠には、様々な要素があるということや、完成期日ありきの逆算工程での短工期受注といった契約段階での問題があります。プロジェクト全体の適正化は非常に難しく、新国立競技場など、難易度の高いプロジェクトもあれば、パターン化された事業もあります。調査企画段階、設計段階、工事段階と、実際にはいろいろ輻湊してくるのですが、竣工期日が決まっており、結果として工事工程の下流に行くほど、しわ寄せがくるということが、建設現場に大きなダメージをあたえています。
1) 「管理工程表の活用」は、日建連も指摘されています。当たり前の話ですが、事業の進捗管理、クリティカルパスの情報共有が重要です。クリティカルパスや設計変更などについて、きちんと情報共有を行い、中立な立場の監理者、コンストラクションマネージャーなりの方がきちっと管理をして進めていただきたいということです。
2 ページ、 2) 「 4 週 8 休を含む不稼働日を考慮した工期設定」については日建協が考える標準的な工期ということで提言を行っています。これはもともと建設省の工期設定から引用しております。稼働日に不稼働日を足したものを適正工期としていますが、問題はこの稼働日の算出にあります。プロジェクトでは、設計図書の完成度や施工条件、労務や資機材の調達など、いろいろな要素があります。ではいったい実働作業に幾日掛かるのか。実はこれが、なかなか算出が難しいのです。施工者によって、やり方によって、投入数量によって、実に各社バラバラなのです。こうした工期算定の難しいところに、建設現場が休日取得できない要因があります。不稼働日は、ある意味で定数です。土曜、日曜、祝日は休み、長期休暇は休み。作業不能日数、これはその土地で決められている掛け率がありますので、年間で総ずればそれほど大きくぶれないところでございます。稼働日に不稼働日をきちんと足せば、休めるのですが、稼働日自体がきちんと定まらず、結果として契約工期とかい離が生じています。これは受注者側の問題も多分にあるところですが、公共工事においては、適切な工期設定での発注をお願いしたいと思います。
2 つ目は「 4 週 8 休現場の推進」です。こちらは既に国交省でも具体的施策として打ち出されています。リード文には日建協の活動として、年 2 回の統一土曜閉所運動を記載しています。昨年 11 月の結果では、国交省直轄工事で 4 割の作業所が閉所できていない結果となっています。今年 6 月は閉所率が約 1 割、改善してきています。
1) 「 4 週 8 休モデル現場の積極的な展開」ですが、国交省直轄工事では、地域や事業規模、事業の特性によらず 4 週 8 休にしていただきたいと提言しています。
2) 「注目度の高いプロジェクトでのモデル現場の選定」では、東京五輪とか、リニアとか、事業スケジュールを決められたプロジェクトが動いていますが、そうしたプロジェクトこそ、注目を浴びるプロジェクトこそ、建設産業の魅力向上、イメージアップにむけ PR に取り組んでいただきたいということを、労働界として申し上げているところです。
3 つ目は「施工円滑化にむけた各種施策の運用強化」です。これは土木公共工事での表現になりますが「生産性向上」と置き換えてもいいと思います。各種施策、ガイドラインについては、長年国交省もいろいろと施行、改定を繰り返しているところですが、日建協アンケートによると、担当者によってその運用にバラツキがあって、現場レベルでは何とも進んでいないのが実態でございます。引き続きより一層の取組強化をお願いしています。関東地整では今般、設計変更ガイドラインの改訂版を出され、全国の地方整備局に展開されているところでございます。今後は、影響力の大きい民間公共発注者や、地方公共団体の工事においても推進していただきたいところです。
4 つ目は「下流工程への負荷を軽減する建設生産システムの普及促進」と聞き慣れない言葉ですが、上流工程、先ほどの企画や設計段階でのいろいろな不具合、発注者の思い違い、あるいはこうしたいという変更が出てくるのは、プロジェクトでは至極当然のことでございます。然るに、そういう不確定要素が多いことが、建設業の業です。ただ、結果として、なかなか図面が決まらないことから、製作物に関わるメーカーを含め、建設現場では、後へ行けば行くほどしわ寄せが生じているのが実態です。 1) は、これは概念的な話でもあるのですが、上流工程で諸課題を解決するフロントローディング型の実施設計をすべしと、上流においての設計情報の確定を早くすることによって下流工程の負荷を減らしていくという考えを推進していただきたいということです。前回の委員会でもお話が出ましたが、例えばプレキャスト化の推進も、そうした事例の一つです。全国には、大小さまざまな PC 工場がありますが、その稼働率は非常に低いということも聞いています。設計の標準化を進め、そうしたところのマッチング、これは施工者だけでは当然できませんから、発注者、設計コンサル、施工者が、国土交通省と連携してやっていくことが必要ではないかと。これは地方創生とか、話がどんどん大きくなってきてしまうのですが、そういうことを本気でやらなくてはいけないのかというところでございます。
4 ページの 2) 「次世代型建設生産システムで活躍できる人材の量的確保と育成強化」では、生産性向上に資するやり方にシフトしていくということで、国や業界団体でもいろいろ取り組み始めていますが、何せ現場には技術者がいないのです。人手不足で 20 代の 4 割が転職したいところですので、現場やそれぞれ職場に押し付けられても困ります。生産性向上、向上と経営者も言っているのですが、現行の職場でできることは限られています。その辺は本当にうまい好事例を見つけて、できる事業から少しずつシフトしていくということです。そして、そのための教育体制の強化です。産業間で人材の争奪戦になっていますが、これをすぐやらないと、取り返しのつかないことになるのではないかと危惧しています。
また余談ですが、マインクラフトというゲームがあります。これはバーチャルの 3D レゴみたいなもので、 3D の中で自ら設計し、資材を調達し、積み上げていくゲームです。現在ユーザーが、世界で 1 億人を超えたそうです。私の息子も 1 年以上そのゲームをやり続けていますが、子供はそういう 3D とかは、すぐに慣れてしまいます。 BIM や CIM を活用できる多くの潜在的な人材がいるというところで、うまく建設産業に引っ張ってこられたら良いと思います。
5 つ目の「中長期的な人材確保」については、産官学連携で PR していくべきということでございます。
6 つ目は「民間工事への波及」です。建築工事では、民間が主体になります。改正担い手三法が成立しましたが、品確法は公共工事に係るところですので、民間を拘束するものにはなっていません。建設産業全体で、担い手三法の理念を民間に普及させていくこと、そういうムードを作っていくということ重要になります。
1) 「発注者インセンティブ」では、なかなか具体がないですが、例えば、税制の優遇措置であったり、社会的評価とか、これは全ての事業に当てはまるか、全ての発注者に当てはまるかというところではないですが、そうした取組が必要ではないかと。
2) 「第三者機関の工期算定による短工期発注の抑止」では、冒頭「稼働日の算定自体が難しい」ということで、矛盾するところもあるのですが、ある程度パターン化された工事であれば、第三者によって標準工期や最低工期を算出できるのかと、検討しているところでございます。
最後 7 つ目は「技能労働者の処遇改善」です。本提言が土曜閉所という切り口ですので、技能労働者の処遇が上がらないと土曜閉所ができないとしています。ニュアンスに違和感を覚える方もいらっしゃるかと思いますが、そうした組み立てで構成しています。
1) 「賃金向上と社会保険加入促進」は、これまで国が設計労務単価を 3 度引き上げということでありますが、重層下請の問題もあって、実際に働く者にはまだまだ行きわたっていないという問題です。
2) 「雇用形態の明確化」も、現在、国交省で就労履歴管理システム構築に向けたコンソーシアムが設置されています。そもそも「管理システム」という名称が相応しくないということを聞いていますが、例えば既に存在していますが「建設マンドットコム」といった名称は、いかがでございましょうか。このシステム自体は、元請個社独自でも試行してきました。ただ、今回動き出しているのは、元請傘下下請企業の垣根を超えた全国の技能労働者 340 万人であり、全国津々浦々の職人、ハウスメーカー、サブコン、地場など全部です。それぞれの労働者のメリットをどう分かりやすく示していくか、共有していくか、そこが第一歩になろうかと思います。ますは目指すべきところについて、お示しする必要があります。将来的には、マイナンバーとの連携も視野に入りますが、マイナンバーの運用についての国民的理解が進み、次の段階であるマイナンバーの民間活用において、この就労履歴管理システムが世に出される段になろうかと思います。住基ネットのような失敗はもう許されないというところでございます。
私見でありますが、 amazon や楽天などの通販サイトでは、条件に合う物を簡単に探し出し買うことができます。ヤフーオークションでは、価値のあるものを高くで売りに出すことができます。最近、大手ハウスメーカーと amazon が協働して住宅の改修工事を材工一式でネット販売するというニュースがありました。実際の建設現場では、工種が複雑であり、請負を含め、いろいろな問題があり、そう簡単ではないのですが、何かそうした ICT を活用した仕組み、ヤフーオークションみたいに出品する側、提供する側にメリットが与えられる、その辺の分かりやすさみたいなものを示していくことも、ポイントになろうかと思うところでございます。説明は以上になります。
しろまる鎌田座長 それでは、 10 分程度御質問を頂きたいと思います。どなたからでも結構です。よろしくお願いしたいと思います。
しろまる鈴木委員 まず、この提言は誰に対しての提言ですか。
しろまる時枝委員 国土交通省本省に本年 3 月に提言したものでございます。この他に、地方整備局宛や民間発注者宛の提言書もございます。
しろまる鈴木委員 多分そうかなとは思っていました。あと、この冊子を見ますと、建設業から転職をしたい理由が、今話されました休日の件ですよね。それから会社や業界の将来に不安を感じていたり、賃金水準が低いというのがあると感じられます。賃金水準については、余り触れていないのですが、ゼネコンの職員として何かお考えはありますか。今の水準で十分だというお考えですか。
しろまる時枝委員 私ども労働組合ですので、賃金交渉が活動の柱としてあります。政策提言として、これを表に出すのはどうなのかなと思います。賃金については、あくまで経営者と労働組合の問題でございます。また日建協では年に 1 回、加盟組合企業を訪問し、経営者に対し要請を含め、意見交換を行っております。
しろまる鎌田座長 その他ありませんか。私からですが、「時短アンケート」の所で、建設業界に、取分け学生が希望しないということを聞いてもおりますし、私も大学の教員としても、いろいろと就職に悩んでいる学生に、今、東京五輪とか、人手不足が顕著な業界として建設業を紹介したりしますが、押し並べて極めて強い反発を受けると。例えば、浪人をして普通の就職ではなかなか難しいと思われる学生をターゲットにして、取分け社会経験を持ったような 2 部の学生なども含めて建設、しかも最近話した子などは建設で働いた経験のある学生だったので、特にゼネコンなどを含めて検討してみたらどうかと言ったら、絶対嫌だと。その理由が人間関係なのです。本当に個人的な経験なので一般化はできないのです。それで深く聞いたわけではないのですが、改めてこれを見ますと、私としては、改めて考えさせられたのは 10 ページの図 29 で、自分の子どもを建設産業に就職させたいかということで、とんでもない数字ではないかと思うのです。つまり、自分が経験をしていた上で、こういう数字が出てくるというのはなぜだろう。その辺の分析はどうされているのかということをお聞きしたいのです。いろいろな理由はあると思います。
しろまる時枝委員 この種の質問では、隣の芝生は青いということで、他の仕事でも自分の子供に継がせたくないという結果が出るのかも知れません。しかしながら 4 割とか 6 割の親が子供に継がせたくないということは理解できますが、 8 割ともなると異常値ではないかと思う訳です。子は親父の背中を見て学ぶと云いますが、親父の姿を見ていたら、ああ成りたくない。母親もああ成りなさんなとなる。親父は忙しくて家にも帰らない。建設現場の仕事は工期が厳しく、帰れないのです。また独身率も高く、ワーク・ライフ・バランスから対極にいるのが、建設現場で働く技術者の実態です。彼女や奥さんの理解も、相手方の両親の理解も得られない。いろいろなことが総合しての話になるのでしょうが、なかなか難しいですね。
しろまる鎌田座長 そうすると、いろいろな理由があるが、やはり労働時間の長さ、休日ということが大きいと。
しろまる時枝委員 そうですね。長時間労働の問題が一番の原因ですね。
しろまる鎌田座長 そうすると、図 26 で転職したいと思った理由ということと、ほぼ重なっているということですかね。
しろまる時枝委員 そうですね。
しろまる鎌田座長 職場の人間関係に不満があるというのは、転職の所では比較的低かったので、その子は取り分け嫌な思いをしたのだろうなと。詳しいことを聞こうとしたのですが、なかなか言いたくなかったみたいで。やはり労働時間、休日ということなのですかね。
しろまる福田委員 日建協の活動で、日建連も同じですが、長時間労働の解消、週休 2 日を何とかしなければいけないと言っているのです。
何が一番足りないかと考えるときに、製造業は単品生産でパッケージ化された物を造ることが多いと思います。今の若い人も取り組みやすいのだろうと思います。建設業は、例えば戸建て住宅などでも、 1 戸ずつ違います。それにはコミュニケーション能力がないと、常に話合いがないまま工事を進めていくから後戻りすることもある。結局、発注者が望んでいるものが出来上がらなくて、またやり直しをさせられる。工期があっても、今の建設業が今のまま進んでいったら、せっかく休日を工程の中に入れてもらっても、手戻りがあったりして工事が遅延する。そういう事態に陥るのではないかと思います。工場生産だったら、一応工程の中でうまくいくかもしれませんが、今の若い人というのは、なかなかコミュニケーションが足りない。だから、人間関係もうまくいかない。そこに原因があると思います。自分の思いも伝えられなくて、どのようにしていったらいいかということも曖昧なまま工事を進めてしまい、最終的に全然違うというか、違う形になってしまったりして、また手戻りになる。そういうことを繰り返していくのではないかと心配しています。
組合もコミュニケーション能力というか、どうやってみんなで話し合って解決していくかということにも力を入れたほうがいいのではないかという気がするのです。それはどうですか。
しろまる時枝委員 おっしゃるとおり、コミュニケーションというのは一番大事なスキルです。日建協出前講座でも、学生に対し、コミュニケーションの重要性を伝えています。学生も最近はお分かりになっていて、建設業に限らずとも、この辺は社会人として大事なことであります。私ども組合活動でも、ムードを盛り上げるということでコミュニケーションの重要性を認識しさまざまな活動を行っております。
しろまる大木委員 突貫現場は別として、一般的に作業員は 8 〜 17 時で、 5 時で終わって帰ってしまいます。大体職人はそうなのですが、ゼネコン社員は結構残っているのです。何をやっているのかなということで、デスクワークをやっているのですが、内勤の人たちは結構定時に帰ったりしていますが、現場でのゼネコン社員は長時間労働で、何をやっているかという分析したデータはありますか。
しろまる時枝委員 今回の資料にもありますが、発注者向けの書類が多いとか、社内書類が多いというのももちろんありますし、単品受注生産ゆえ、設計情報が確定された状態ではないままに現場に流されてきます。設計図や施工図の確定業務にも、かなりの労力を取られています。設計者、監理者、発注者にさまざまな確認、承認行為を行っています。施工段階では、工種ごとに施工要領書を作成して、上流の設計仕様情報をきちんと正確に協力会社や職人に伝達していく。品質の工程内管理、つくりこみの最適化、リスク軽減のために、夜間その段取りに追われています。
しろまる大木委員 その辺の仕事の仕方というか、 5 時過ぎにやらないで、日中にやればいいのにと。
しろまる時枝委員 もちろんそうあるべく、時短推進活動として努力しているところですが、まだまだできていないのが実態です。
あとは先ほど申し上げた手戻りとかつくり直しとか、いろいろエラーが出るものですから、そういうことに対応をしながら、工程をオンスケジュールに載せていくということをやっています。
技能労働者も高齢化が進み、少なくなっています。これまでは職人の協力によって成り立ってきた部分も多分にあります。優秀な施工チームでやればスムーズに行くのに、そうでないメンバーでは、後工程でやり直しみたいなことが出てきます。そういうリスクをどんどん抱えていく時代に入っていくのかなと思います。そうした幻滅感みたいなものも若手の離職の原因の一つなのかなと思います。
しろまる柴田委員 この提言を拝見すると、工程管理表の問題は相当大きいというのがあります。確かに単品受注ということは分かるのですが、昔のような工程管理のやり方でやっていても、阿吽の呼吸でやってくる人がいなくなった今は、曖昧な工程管理を出していると、手戻りが出てしまう、これをコミュニケーションだけで本当に解決できるのかというのが、まず第一の疑問です。むしろ今までは阿吽の呼吸でやってくださった技能の高い現場の技能者たちがいなくなったときに、コミュニケーション能力の欠如と言われているものの中に、発注側の指示の仕方や、受け手の技能や、理解力のなさがどのくらいあるのかを、きちんと分析しておく必要があると思います。工程管理をしたり、設計をしたりする人たちが、ここにこういうマニュアルを作っておかなければいけないとか、ここでこういう注意をしなければいけないといったことをきちんと把握すべきなのに、コミュニケーションの欠如でひとくくりにしているという感じがするのです。 1 つ終わってしまえば忘れ去られてしまっていくので、トラブルではないけれど、幾つかのモデルケースにしていく必要があると思います。優秀な現場監督は暗黙値として、「こういうときにはこのように言わなければいけない」というのがきっとあるのだと思います。だから、現場と工程表をつなぐという作業がないと、ちょっと難しいなという感じがします。
私の知っている 1 級建築士は、毎日現場に行って、ものすごく細かい所まで自分の設計について指示をするのです。マニュアル世代で育った人たちは阿吽の呼吸で何かをやるとか、設計がこのような四角のものを造りたいのだというときに、昔の人は、ここはきちんと。こことこことここは角をきっちりやっておけば、ここは大丈夫だという要の所が分かっていたに違いありませんが、今の人たちは何となく全部四角くすればいいのでしょうみたいな感じになってしまうのだと思うので、そこは本当はきちんと労使ともに研究するし、上流工程の人たちは下流工程の人たちの作業をきっちり把握できないと、そこのコミュニケーションギャップが生まれます。コミュニケーションというのは、ただ知っている、知らないではなくて、お互いの相互理解というか、何が起こっているかという現状分析が足りないような気がしました。
しろまる福田委員 今の件で、コミュニケーション能力というよりも、分からなかったら、ここはどうなっているのかというのを、まず聞くことが大事なのですが、それもしないで、聞くと怖いとか「なぜそんなのが分からないのだ」と突っぱねられたりして、そういうのは怖いとか、そういうことで聞かなくなってしまうのでしょうね。やはり両方の問題というのはすごく大きいのではないか。工事が曖昧のまま出来上がってしまう。
しろまる柴田委員 そのために、本当は監督がいたり、職長などがいるのですよね。
しろまる福田委員 そうなのです。優秀な監督は、よく分かっているから、本当に細かい指示をよく出すのです。
しろまる柴田委員 そういう教育をしているのが建設のあそこでやっている。
しろまる福田委員 富士教育センターですね。
しろまる柴田委員 また工程管理表を作っている人も、発注するときに受け手の人たちに、一体どのぐらいの日にちを見積もればいいかということをきちんと聞いているのかどうなのかというのが分からないのですよね。
しろまる福田委員 昔と比べて、技術者の能力が落ちている。今では、技能者に頼ってきたということがすごくあって、それが今こういう事態になっているのではないかと思います。
しろまる柴田委員 工期が遅れたり、何かが起こったときに、必ず何が原因だったかという原因究明会議というか、反省会をしたほうがいいと思いますが、しているのですかね。
しろまる福田委員 やっているのですが、なかなかそれが次に生かされるかなということですね。
しろまる柴田委員 頑張ろうで終わってしまうような気がしているのです。すみません。
しろまる鎌田座長 まだヒアリングを続けていただきますので、いろいろお聞きした上でということで。では、曾根崎委員、御説明をお願いいたします。
しろまる曾根崎委員 では、お話させていただきます。建設業全体を取り巻く状況などは、ずっと聞いてきたし、私がこれから話すことも日建協がおっしゃられたこととほぼ似ているところが多いので、併せて聞いていただけるといいと思います。
番号を打ってありますので、それに沿っていきますが、 2 ページの「基幹合連の概要」ということで、基幹労連は 26 万人で組織しており、加盟組合が 390 、構成組織が 780 です。去年の秋までは建設連合ということでやっておりましたが、統合して巨大組織の一員になりました。
上部団体としては、連合を通じて国際的には国際労働組合総連合に加盟しています。産業構成のところにありますが、金属労協が構成されておりますので、金属労協を通じて、インダストリーオール・グローバル・ユニオンにも加盟しています。地方の 42 の都道府県に県本部、県センターを設置して活動しています。
基幹労連を構成する業種は、鉄鋼、造船、非鉄金属、それから建設ということになります建設は 13 の組織で運営していますが、実際には鉄鋼にも、造船にもエンジニアリング部門がありまして、この中にも建設と銘を打っていないが、例えば鉄鋼の所だと、鉄の橋を架ける、土木と融合するような仕事をやっている方もいらっしゃるので、きちんとは数えていませんが、数万人単位でそこに人がいるのではないかと思っています。
活動の内容の基本目標として、雇用、生活の安定、産業政策、安全衛生等について、ここに書かれているような内容を目標に活動しています。
3 ページを見ますと、これはその後の分の目次になっています。 8 ページが個別の所定内賃金の月例、賃金、賞与・一時金、それを合わせた年間の賃金水準の表となっておりまして、これはパーシェという分析の手法というか、指数化して分析するのですが、それを使って、 1997 年を 100 とした場合に、現在はどうなっているかということを分析して、連合の賃金レポートに出ている数字を使わせていただきました。個別には見ていただければいいと思います。
トータルで年間の賃金水準ということで 5 ページの折れ線グラフにありますが、全体でも賃金は下がってきているのが分かります。総合工事業、職別工事それぞれ全体に対して大きく下回っているということが言えると思いますが、平成 12 年、 13 年は少し上がってきています。ここは賞与・一時金が少し回復してきているというのがあって、その辺の影響が大きいのかと思います。
7 ページを見ますと、 1997 年から同じように 2013 年度はどうなったかということですが、業種ごとにどのぐらい下がっているのかは、先ほどは産業平均というか、産業計ということでしましたが、業種ごとにどのぐらい下がっているのか。左の下に行くほど下がっているということになると思うのですが、総合工事業、職別工事のほうが、より下がっているということになります。その下にあるのが飲食店・宿泊業の辺りがそれ以上に下がっているということになるのですが、この辺はパートの方が増えたり、非正規の方が増えたりという影響が多少あるのかと思いますが。それぞれ左右を比べて処遇が低下しているということで、特に職別工事では顕著になっているのではないかと思います。
8 ページは、産業別の処遇の比較です。これは 2013 年の水準を同じパーシェで比較したものです。所定内賃金については他産業に比べてもそこそこというより、上回っているという分析結果が出ておりますが、賞与・一時金が低いということは、年間の賃金について下回る要因になっています。特に職別工事の所は賞与・一時金が低い、総合も低いのですが、業績の浮き沈みがかなり大きい。景気が良ければというか、工事が今はいいような感じがしますが、業績のぶれが大きいために、それを月例というか、所定内賃金ではなくて、賞与・一時金で調整していくがために押し下げているのではないかと思います。 1997 年からのを見ますと、元は産業計よりも高かったのではないかという気がします。
9 ページでは公契約条例について、少し書きました。公契約条例というのは、 ILO の 94 号条約というのがあって、 1949 年に採択され、 1952 年に発効して、日本はまだ未批准です。
この中身はどうなのかということで、 1 ポツの 2 番目の真ん中からですが、「全ての入札者に最低限、現地で定められる特定の基準を守ることを義務付る」ということで、 2 ポツの賃金や労働条件のことを指しています。公契約条例というのは、日本の自治体で一番早く制定したのは野田市で 2010 年 5 月に初めて施行され、現在は約 20 ぐらいの自治体で制定されていると認識しています。自治体の発注する公契約の中に人件費や労働条件に関する最低限の基準を設けて発注することについて、取り組んでいる自治体が出てはいるのですが、広がりに欠けているという状況です。
年間の総労働時間の推移ですが、こちらも厚生労働省の「毎月勤労調査年報」から作りました。産業計としての状態としては少し下がってきているのかと思いますが、建設については増えてきているという状況があります。 2013 年は建設は 2,097.6 時間となっていますが、これはあくまでも統計上の数字で、先ほどの日建協さんの説明にあったとおり、実際のところはこんなものではないというのが実態ではないかと思っております。
36 協定について書きました。時間外労働の限度に関する基準ということで、 36 協定を結んで時間外に働かせることができるということですが、平成 22 年に出されたときに、 36 協定は以下の基準に適合したものとなるようにしなければならないということで、 12 ページに書いたことが示されております。
その中で 3 ポツに「延長時間の限度」というのがあって、最も長い場合でも下記の時間を超えないものとしなければならないということで、一番下を見ますと、年間でも 360 時間を超えないようにしなければならないと示されております。それを超える場合には特別条項を結んで限度を延長することができるということで、 4 ポツに記載されています。
ただし、 13 ページで、「適用除外の事業と業務」として、工作物の建設等の業務、自動車の運転の業務・新商品等の研究開発の業務で、工作物の建設ということで建設業は適用除外となっていまして、これは 360 時間を超えないようにしなければならないと先ほど申し上げましたが、そちらのほうが適用されていないということで、建設業は時間外規制における適用対象外の業種として他作業と切り分けられているということになっています。
次の表は、国土交通省が出している 2014 年の建設総合統計のデータです。月別の出来高ベースでどのようになっているのかを見ていただきますと、一番顕著なのは公共の黄色の土木が 5 月には 1 兆円程度ですが、 12 月には 2 兆円ぐらいになるということで繁忙期というか、予算執行の関係が多分にあると思いますが、 5 月には少なくなって、 12 月にかけて上がっていき、 3 月末で終わるという仕事が多いですから、その辺にかけて仕事が増えるということです。ここが一番大きなことになっており、 48 %差があります。
民間の建築においても、 12 月ぐらいまでは上がって、 1 月になるとダンと下がります。これは出来高ベースですから、 1 月は休みがあるということもあろうかとは思いますが、やはり 12 月にかけて仕事が一番ピークを迎えているということが、データからは出ています。
先ほど日建協さんの取組の中でも、我々も一緒に建設産労懇で統一土曜閉所日を設定して、閉所運動をさせていただいております。 2015 年の 6 月にもあったのですが、最終の確定数値がまだ出ておりませんので、 2014 年 11 月の数字を出しましたが、全体として半数を切る程度は。読み替えというのは 11 月 8 日の休みを振り替えて休んだということですが、それが半分以下ということで、 56 %が閉所せずに作業をやっているということです。
その際に簡単なアンケートで、土曜閉所を実施できた理由と、できなかった理由を聞いております。その中で大きな要因として 3 つあろうかと思います。まず所長の意識が高いということ。 11 月 8 日は休むのだということで、事前の工程をしっかり検討して準備をしていたということだと思います。比較的工程に余裕があったということで、これが閉所できた理由です。
実施できなかった理由も 4 つの大きな内容があるかと思います。一番大きいのが➂の工程に余裕がない、突貫工事、工期の遅延、竣工前などと書いてありますが、工程に余裕がないので閉めることができなかった。外的要因として、施主や発注者の要請とか、どうしても土曜日しか作業ができない現場だった。例えば工場だと平日は動かしていますので、土曜日、日曜日でやってくれということがあると思いますので、そういった理由からだと取っていただいても結構だと思います。作業所の要員が少ない、土曜日が工程内に組み込まれているということが、 4 つの大きな要因として挙がっております。
それから、自由記入で「土曜閉所を実現するには」ということで、私が勝手に振り分けたものです。主体は「どこが」「何で」ということがあって、例えば、作業所長の意識が重要だということであれば、元請の意識改革が必要だということで、元請の意識改革に 1 票ずつというか、カウントしております。「発注者側の余裕のある工程での発注が必要だ」というのが、現場からの声として上がってきていれば「発注者の工期設定」といった所に数字を重ねています。現場からの自由記入欄では、元請に原因があるというか、元請がやらなければならない、発注者がやらなければならないということが大きく 2 つ挙がっています。元請ですと、工期設定とか、工程管理があろうかと思います。発注者という主体であれば、工期設定とか発注者側も意識を変えてもらわなければいけないということがあろうかと思います。
制度改革を書いていますが、これは自由意見欄の中で協力会社側の賃金の在り方を考えなければ、やはり土曜日に出てきて作業をしてしまうといった意見が見られました。必要でしたら、後で各委員にお送りいただければと思います。
19 ページでは、安全衛生について、特に死亡災害について記載しています。平成 25 年の産業別です。製造業、建設業、その他と分けました。建設業が死亡者数が一番多いというのは、ずっとそうなのですが、まだまだ建設業が多いということです。括ればその他が多くなるのですが、その他もたくさんあります。建設業がNo/ 1 だと見ていただければと思います。就業者数は建設業が 499 万人となっています。 1 人当たりに割ってみますと、建設業は製造業の 3.5 倍、その他の 6.9 倍、約 7 倍ぐらいの死亡者数というか、死亡率というか、死亡者がいるということで、他産業に比べて、 1 人当たりの死亡災害者数が多いといったことがあるのかと思います。
今まで述べてきたことを処遇の改善、時短、安全衛生というようにまとめました。処遇の改善には賃金・一時金の向上が必要なのかと思います。ほかの産業と同じ賃金をもらっていても、働く時間がものすごく長いわけですから、その辺については、安い給料で働いているという逆の見方もできるのかと思います。経済政策の安定的な運用が必要だろうということと、インフラの整備、修繕計画といったところを中長期的なトレンドが見えないと、企業側もそこで正社員として雇って、その人を育ててといった長期的な教育ができないのではないかと思いまして、そのようなことも必要だろうと思います。
それから、先ほどの休みで、 4 週 8 休をとか、作業ができない日をどう見るかというのもありましたが、休日をきちんと反映した歩掛りも検討しなければいけないのではないかと思います。
先ほど公契約条例を申しましたが、公契約基本法を国で制定すれば、それに基づいて各地方自治体が公契約条例を制定していくことになると思いますので、国としてもそういった基本的な考え方、法整備を行わなければいけないのではないかと思っております。
時短のところでは、時間外労働の削減ということで、適用除外業種からの解除を挙げました。今、特別な取扱いを受けている所を普通の産業と同じように取り扱っていただきたいということです。
サービス残業の撲滅ということで、先ほど統計上はこうだとお示ししました。でも、実態は先ほど日建協さんが言われたようなことで、そこの差は何があるかというと、ここはかなり聞いているのではないかと思います。実際に残業代をもらわずに、ある一定の数字で、ある意味でみなし残業みたいな形でやらされているケースもよく見聞きしますので、そういったものも改善していかなければいけないのかと思います。
と申しますのは、残業させるということはコストが掛かります。ただで働いてくれるので幾ら残業しても会社も何も言わないし、長時間働かせるということはコストが掛かるのだということで意識を徹底しなければいけないのではないかということと、あとはそれをチェックする機能の強化です。割増率引上げと書きましたが、残業させればお金が掛かるという負荷を上げるのもサービス残業を減らしていく、残業そのものも減らしていくという効果があるのではないかと考えています。
それから、発注者と受注者、これは施工者ですが、責任範囲の明確化ということで、先ほど日建協さんも言われていましたが、発注時に結構不備が多くて、それを現場で仕事をやりながら修正していかなければいけないということが、現場からの声としては相当上がっています。こういったことをないようにしていかなければいけないのではないかということです。設計図を渡されたら、現場が設計図どおりではないというのはよくあることらしくて、その辺きちんと戻って作業をしないでいいように。結局、戻った作業が最後の竣工日は決められていますから、それのしわ寄せが全部後ろに後ろに行ってしまうということです。
それから、今のも含めて現実的な適正工期の設定ということで、請負者の責任によらない着工の遅れや受注後の条件の変更等を解消する必要があるのではないか。品確法でもその辺がうたわれており、その辺を徹底していくことと、現場で机上の法律だけではなくて、現場の実態に沿うようにきちんとチェックしていく必要があるのかと思っております。
設計の管理の強化、発注事業の標準化ということで、先ほど 12 月にものすごく増えると言いましたが、今は予算の関係で国の仕組みとしてそうなっているので、国の仕組みがこれまでどおりでいいのか、何か方法はないのかということも考える必要があるのではないかということです。
4 週 8 休の推進ということで、これは官と書きましたが、国だけではなくて、地方自治体も含めて、労使共同による土曜閉社の推進ということで、土曜閉社を織り込んだ工期の設定、民間事業主への理解の促進ということで、いい品物を造るためには工期はどうしても要ります。私どもが現場にいたときには、コンクリートも乾かないのに、その上からクロスを貼ってしまうみたいなことを。物理的にそういうことが起こらざるを得ないような工期設定で発注者が工期を設定してしまうことがありますので、そういったことは品質にも影響しますし、例えば乾く前に貼るとすぐカビが生えてきますし、そういったことが起こるのだということを業界全体で認識して、例えば不動産業の協会などにしっかりと認識していただく。いいものを造るためにはお金も要りますが、時間も要るのだということも認識していただく必要があるのかと思います。
適正人員の予算化です。建設業の場合、現場 1 つ 1 つで利益を見ていくので、厳しければ人を配置するのもどうしても少なくなってしまいますし、この現場で人が何人要るのかを適正に見ていただいて、そういったものの予算化もしていただきたいということです。
それから、先ほども出ました生産性の向上ということで、工業化工法の推進を図らなければならないということ。安全衛生推進については、死亡災害の撲滅をしていくことを徹底してやっていくということで、同じ災害を 2 度と繰り返さないためには、情報と対策を共有して進めていくことが必要ではないかということで、まとめとさせていただきました。
私の今の提言というか、この内容と、日建協さんの内容を合わせていただいてゼネコンサイドとしての提言という見方をしていただいていいのではないかと思います。私からは以上です。
しろまる鎌田座長 ありがとうございます。少し時間が押してきているので、松岡部長からお話を聞いてまとめて質問時間を取りたいと、それでよろしいですか。では続けて、松岡部長、お願いします。
しろまる松岡部長 それでは、全建総連の賃金対策部長をしています松岡と申します。今日は報告の御時間を頂きまして、ありがとうございます。全建総連は、委員も出ていますので御承知かと思いますが、個人加盟、居住地を単位に組織を作っている組合です。全国に 53 の県連、組合組織が全ての都道府県にあるのですが、 1 つの県の中に複数組合がある所も含めて 53 の県連組合が加盟をしています。 61 万 947 人は今年 6 月の組織調査です。以前で言えば、町場の、それこそ大工さん、職人さんを中心に組織が始まっていきましたが、今、ほとんど全ての業種、職種、町場や住宅メーカー、それから、ゼネコンの公共工事現場などを含めた野丁場と言われるような所で働いている職人、いわゆる請負で働いている人、一人親方、こういう働き方をしている組合員で構成されています。
私たち全建総連では、いつも賃金の問題が大きな運動の柱になっていて、毎年、賃金実態調査をしています。別紙に、賃金実態調査の 2014 年の結果報告があります。最終的に今年 2 月にいろいろな分析も含めて報告したものなのですが、これを御用意しました。全国の組合から 11 万件を超えるデータを基に集計をしています。更に、それぞれの職種別、また働いている現場先、町場であるとか、住宅産業の現場であるとか、ゼネコン野丁場の現場であるとか、こういう現場形態でそれぞれ集計をしています。
別紙資料 2 ページをめくると大きな総括表があります。これは、昨年 2014 年の 5 月、 7 月を中心とした賃金調査の結果です。これを見ていただきますと、全国集計で全ての町場で上昇をしている傾向がある。特に、大工職で言えば、ゼネコン野丁場の現場での上昇率、例えば、一人親方で言いますと、ゼネコン野丁場の現場で言うと 10 %前年 2013 年より上がっていますので、かなりこういったところで特徴的な上昇傾向があったと見れるわけです。
そのほかには、 3 ページを見ますと、では、どういう所で具体的に賃金の上昇傾向が多くあったのかということで言いますと、首都圏と首都圏以外を比較して全国の集計の中で言うと、全体としての賃金の上昇傾向というのは、首都圏、東京、埼玉、千葉、神奈川とそれ以外でいうと、首都圏以外のほうが上昇傾向がよりよく見えるという傾向が出ていました。
4 ページ、では、首都圏ではどこが上がったのかと言いますと、いわゆる野丁場と言われるゼネコンなどの現場で上昇傾向が見える。特に、大工職、一人親方で見ますと、ゼネコン野丁場の現場で言いますと 12.61 %、 2013 年から比べると大きく上昇している。下のグラフにもありますが、かなり全体として上がった、上がったと言うのですが、 4 ページの下の縦棒グラフの大工、一人親方のゼネコン野丁場の現場を見ていただくと、斜め線が 2013 年なのですが、結構ほかの丁場に比べると低いです。ですから、いろいろダンピング受注などの影響を受けて大きく下がってきたところがちょっと戻った、戻る率が多かった。職人不足などの背景もあって、そういうことが言えるように感じました。そういうところです。
5 ページ、では、首都圏の中で上がった、上がったと言うけれど、職種で言うとどこが上がったのかということなのです。これも、アンケートにいろいろ職種などで回答を頂いていて、首都圏の組合員の部分を抽出した比較なのですが、特に躯体関係、大工、型枠、鳶、鉄筋、左官の 5 職種の中で、首都圏では型枠大工と鉄筋工の上昇が特に顕著でした。折れ線グラフを 2 つ並べてあるのですが、首都圏と首都圏以外というのを比較してみますとこのような調子です。首都圏で言いますと、型枠大工が前年より 7.80 %上がりました、鉄筋工は 9.21 %上がりました。首都圏以外で言うと、逆に、鉄筋工などは余り上がっていなくて、と言うか前年比マイナス 5 円ということで。あとは、 4 %ぐらい総じて上がっているというような傾向で、かなり首都圏と首都圏以外で、また、職種でこういったばらつきと言うか、特徴が出ていたことになります。
9 ページ、では年齢構成。特に、やはり若年者の入職、日経連も 20 代で 450 万ぐらい、そのくらいの賃金になればみんなそろって建設業に入ってくると、正にそこが狙いだったわけですが、実際に上がったのはどこだったかと言うと、やはり目の前の技能工不足の中で、熟練工を確保するという意味で、どうしても働き盛りの 45 歳、 50 代の上昇傾向。逆に言うと、今までそこが随分下げられてきたという言い方もできるわけですが、そこを引き上げたことが特徴だったと。特に 9 ページの下の所、ゼネコン野丁場の現場、全職種の年齢別の賃金推移。この 2 年間の、 2012 年、 2013 年、 2014 年の賃金の推移を見ていただくと、上昇率が高いのは、やはり 50 代の前半、ここが賃金上昇のピークであったし、最後の 10 ページを見ていただくと、首都圏以外で言うと、やはり 50 代以上の所が賃金上昇のピークだった。こういう特徴が 2014 年の賃金調査に出ていました。
では、今年の調査はどうかという話なのですが、資料の 2 ページに戻って、実は、まだこの 7 月まで組合員からアンケートをしていまして、今、それを全国で集約をしている際中なのです。そのような中で、東京都連という、私たちの構成組合のほうが 9 月 1 日に速報をまとめたのです。その速報の数字をちょっと出してみます。これを見ますと、大変驚きまして深刻な感じです。設計労務単価のほうは、この 3 年間で 28.5 %引き上げられたわけですが、この速報値を見る限り、 2012 年比で言うと本当に上がっていない。手間請の全職種平均で 6.45 %、一人親方の大工職で 6.62 %上がっているけれども、本当にそのほかの所で言うと 2 、 3 %。消費税の引上げにも追い付かない。これは一体何なのだということです。もちろん、先ほど細かく御説明したように、職種であるとか、働いている町場であるとか、こういう所をきちんと調べて結果を出さないといけないわけですが、どうもこういうところ。アンケートに対する自由記入で見ると、仕事不足があったり、工期短縮や施行法の変化でしわ寄せをされているとか、社会保険加入による手取額、本人負担分ももちろんあるのですが、会社負担分を職人さんの賃金減額で対応するような。社会保険未加入対策で、国としては、設計労務単価も上げて法定福利費の自己負担分も見て、事業主には経費として認めるとしてやっていただいているのですが、実態としては、もしかして、職人の賃金を減らして会社負担分を捻出して社会保険に入ると。結果として、この間、技能労働者の賃金が上昇している、上昇していると、オリンピックの問題でも盛んに言われていますが、どうも深刻な実態があるのではないか。もちろん、これから急いで私たちも全国集計をして調べていきたいと思いますし、今年は、特に社会保険の未加入対策の問題でもアンケート項目を増やしていますので、秋には何とかそういうデータも公表できるのではないかと思っています。
同じく 2 ページの 2 ポツで、「賃金・労働条件を下支えする公契約条例の広がり」というお話です。これは、今、ちょうど御報告も頂いたところですので、若干割愛をさせていただきます。とにかく、公契約条例ができることで、ダンピングを防止して施行能力がないような不良、不適格な業者を公共入札から排除する、ここが大きな目的です。そのために、現場で働く人の労働条件をしっかり確保する。賃金の下支えをする、その結果として公共サービスの質を向上させる、ここが狙いです。建設業ももちろんなのですが、痛ましいプールの事故がありましたが、ああいうことを繰り返さないことが、この間、公契約条例の制定が広がってきている背景だと思っています。
私たち全建総連は、公契約と名前の付く条例がたくさん今、出来ているので、そのような中で、 3 ページにくろまるで書いてありますが、こういう公契約の範囲をどうするとか、労働者の範囲、一人親方も対象としてくれるとか、労働者の賃金を、最低賃金というのは含めずに下限額をきっちり決めていただく。労働者に支払われなかった場合、受注者がきちんとその支払う責任を負う。こういう内容を、私たち公契約条例の 1 つの物指しというか、ものに当てはめてみると、今、全国で 16 の自治体にまで公契約条例が広がったと評価をしています。これは別紙で公契約条例ということで、いろいろ勝手なしろまる×を付けていますが、組合で整理をして、どういう要件が入ったものかということと、それから、公契約条例と言いますが、賃金下限額を定めていない理念的な条令であるとか、要綱として定めているものであるとか、こういうものをちょっと整理をしています。こうして見ますと、かなり今、公契約条例というもの自体の広がりがあると感じています。
3 ページの (2) です。また、公契約条例が実施された自治体で、公契約条例の効果についていろいろまとめてアンケートなどもしていて、厚木市や、この間、多摩市などでの、今日、ちょっと資料としては印刷されていませんが、ホームページなどで公開もされていますので、是非御覧いただければと思っています。特に、建設業の場合、昨今は設計労務単価の上昇などもあって、この公契約によって賃金が上がったという回答は少なかったのですが、しかし、我々現場で実態調査をしますと、やはり設計労務単価の、例えば 8 割とか 9 割とか決めていただいていますが、それに満たないような、具体的に言うと 1 万 3,000 円とか 1 万円ぐらいで働いているような職人さんも現場にはいまして、そういうところが、この公契約条例が制定されたことで、そこが少なくとも 1 万 8,000 円とか、 1 万 7,000 円とかという賃金に引き上げられたという感想を聞いています。また、全体としても、地域経済の活性化ということでは、厚木市で言えば 65 %が、それから、多摩市で言えば 70 %強の事業者が、こういうことに効果があったという回答をしていることが特徴だと思います。
建退共の問題です。建退共は、本当に制度として大変重要で、私たち建設労働者、特に現場を渡り歩くというか、 1 つ 1 つが期間が決まった現場で働いているわけで、しかも、働き方も、場合によっては短期の雇用であったり、請負という形の、一人親方と呼ばれるような方などが短期間就労することが繰り返されているような中で、大変有意な制度です。建退共については、この会議の中でも何度か厚労省から報告があったようにお聞きしていますが、これがやはり現場に徹底されることが大変重要で、私たち全建総連の組合も、この普及にいろいろな形で協力を、協力というか、自らの要求でもあって、これは独自のものなのですが、全建総連として、全国でこういう建退共の手帳を持ちましょうというチラシなども作って普及をしています。
ただ、残念ながら、今、建退共の普及状況ですが、 4 ページの (2) に書いてあります。もちろん全国で言うと、事業共済契約をしている事業所は 17 万事業所ありまして、建設業協会が 50 万社とすると、よくいろいろな先生方が言われているのですが、実際に営業しているのは 30 万社。全く営業していないという意味ではなくて、許可が必要な金額の請負高で営業しているのは実際 30 万社ぐらいではないかと言われているのですが、そのうちの 17 万社は建退共に加入している、 6 割近くは建退共に加入していると、事業所として。労働者の加入者数は、今、手帳を持っている被共済者が 307 万人。これは建設産業従事者を超えてしまうわけですが、実際は、手帳は持っているけれども今は現場に従事していない。かつて建設業で従事したときに手帳は持ったのだけれども、今は建設業を離れているという方も全部引っくるめての 307 万人なので、実際、建設現場で働いている人の何割が持っているのか、ここは重要なところだと思うのです。最近で言いますと、被共済者の加入者数が年間 11 万から 16 万という数字になっています。ですから、そういう点では、この間、安定的に加入者数を増やし続けてきているという特徴があるのですが、現場で働いている人がどれだけやっているのか。実は、お恥ずかしい話でもあるのですが、全建総連、 61 万の組織だと申し上げまして、今、こういう建退共の普及に努めているのですが、昨年の実績で言いますと、昨年の加入者は、合計で 1,029 人増えて 6 万 957 人です。要は、 61 万の組織の中の 1 割は手帳を持っていますと。全建総連の場合は、手帳だけ持っているというわけではなくて、この 61 万人のうちの 1 割は実際の事務組合、任意組合で、切手を貼って事務扱いをしていると、手帳更新をしているというのがこの 6 万 1,000 人だと御理解いただければと思っています。ただ、逆に言うと、 61 万人の中の 6 万 1,000 人が生きた手帳を持っているということで言いますと、実際のところ、現場実態の中で言うと、まだまだ普及に力を入れていただかないと、もちろん、建退共としても普及の目標を持ってやっているわけですが、まだまだ普及という点では足りないのではないかと感じています。
私たち、現場調査を、単組は、組合が公共工事現場など、市の職員の方や議員さんなどとおじゃまをして実際の状況をお聞きしますと、手帳を持っている人と把握されているのは、ゼネコンさんからすると一次の協力会社の皆さんのレベルで止まっていて、なかなかその下というのは把握がされていないというのを実態として我々も感じています。組合員に聞きますと、手帳は持っているのだけれども、なかなか公共工事現場に入っても貼ってもらえないという声が聞かれるわけです。
5 ページの (3) 「建退共制度の課題」です。 1 つには、先ほど申し上げた普及がまだまだと。 308 万人が加入していると言っても、逆に言えば、毎年 11 万から 16 万加入していると言うけれど、辞める人も現場で言えばいるわけで、そういうことからすると、まだまだ普及は必要ではないか。平成 11 年に、建退共としてもいろいろ普及に向けた大きな改善方向が出されて取組が強化されているわけです。また、日建連など業界団体も必要な制度だということで位置付けられているわけですが、なかなか現場に行くと貼付に応じてもらえないという問題が、我々の組合の中に多く報告をされているのが実態です。
具体的に言いますと、ある組合が現場訪問をしたら、九州で今、多いのですが、こういう建退共退職金共済証紙交付辞退届というのを 2 次以下の業者がみんな出している。私の会社は、従業員が建退共に入らないと言っているので、建退共証紙要りませんというのを 2 次下請以下がみんなこれを出す。要は、 1 次と契約をするときに、この辞退届を会社の書類一式に添えて出さないと 1 次から仕事がもらえないのだという告発もあるのです。ある九州の公共工事、学校の施設を建てる公共工事現場で言いますと、そこでは 4 割の会社からこれが出ていたと。これは、その会社に聞くと、要は 1 次が入っていないから 2 次以下には持ってこない。 2 次がこの辞退届を出すから 3 次以下には証紙が降りてこないというようなことで。日建連も国交省も、下請が貼ったりする能力がない所は、 1 次であったり元請が代行する処理ができるのですと、事務代行をすることができるのですということも言っていただいているのですが、どうも、忙しいゼネコンの監督さんに御迷惑をかけてはいけないとか、そういう信じられないような理由で手間を惜しんでというのを現場でされているのがやはり問題です。更に、今、インターネットで見ていただくと分かるのですが、建退共の証紙が金券ショップとかインターネットオークションで取引をされている、何なのだと。公共工事では、必要な枚数を買うのですということでゼネコンさんに買っていただいているのに下には降りてこない。その一方で、インターネットオークションに出ていると、一体これは何なのだという現場労働者から疑問の声が出ているということです。こういう点で、本当に制度の趣旨を再度徹底する。 2011 年の方針徹底のことを再び、こういった問題が社会的問題になる前に改めて建退共を普及すると。先ほどから話題になっている就労履歴の仕組みの中で、本当に誰が手帳を持っているのかを、このように一人一人聞かなくても、現場に入る人の何人が手帳を持っているのだと、誰が建退共共済契約をしているのだというのが分かるような仕組みにすることが大変重要だと思っています。そういった意味で、今後の取組の中で具体化をしていただけるようにお願いしたいと思います。
技能者育成のことで組合としていろいろ取り組んでいますということが 5 ページ以降に書かれています。私としては、余り詳しい分野ではないのですが、キャリア教育の問題で、私たちが「住宅デー」であるとか、学校教育現場に技能労働者、技能者を派遣して、これまで、 2014 年度の報告で言いますと、 3,658 人の指導者を派遣して、 2 万 5,277 人、 363 校でこういう学校教育の協力運動をさせていただいています。この間の、 1990 年代以降の累計で言いますと、 15 万人以上の小中高校生に対して 2 万人の組合が指導した実績があります。
6 ページで言いますと、 (2) で、職業訓練校を今、 211 施設をもって長期過程の訓練生数は、建築土木で言うと 2,392 人になっています。全建総連関係で言いますと、 211 施設のうち 81 校が全建総連の関係施設、 2,392 人中の 892 人が全建総連の関係施設で訓練を受けているということです。業界として認定職業訓練の取組を広げているわけですが、全建総連としてもかなりの部分を地域の中で、地域の中小事業主と力を合わせてこういう普及をしているということです。同時に、資格取得の関係で、長期過程以外でも、短期過程の講座であるとか、特に、労安法に基づく特別教育技能講習。最近は住宅企業などからも要請があって、こういう安全教育などを組合で受入れをして取り組んでいるというのも特徴です。こういう中で、一人親方とか、個人事業主でやっている、個人事業主の息子さんという感じで、雇用保険の適用から少し外れるような方、加入したくても入れないような方などもいまして、こういう方々がこういう職業訓練をきちっと受けられる機会なども増やしていただきたいと思っています。詳しくは小倉部長がこの分野は専門ですので、いろいろ補足をいただけたらと思っています。少し長くなりました。ありがとうございます。
しろまる鎌田座長 ありがとうございます。小倉委員、何か補足ありますか。
しろまる小倉委員 そうしたら、 6 ページの (4) 「技能者育成における課題」ということで何点か記載をしています。御案内のとおり、建設業は高齢化も非常に進んでいる中で、若年技能者の入職を促進していくことが極めて重要だと考えています。そのために何が必要なのかというのは、この間、こちらの委員会でヒアリング等もありましたし、様々な御発言がありました。取分け社会保険の加入の促進ですとか、あとは処遇の改善、とにかく離職率の高い産業であるとともに事業所間移動も非常に頻繁なわけです。そうすると、産業全体で若年技能者を育成していくという取組をしっかりやっていかなければいけない。具体的に申し上げると、新規入職者を雇用した事業主に対してしっかり雇用経費を業界として払っていく。要は、すぐに辞めてしまう方になかなか経費は掛けられない。しかも、事業者を移動してしまうことになってもそれは業界全体で支えますと。このための財源を確保するために、今、建労助成金の財源になっている雇用保険 2 事業の保険料率を、現行の 1000 分の 4.5 から引き上げてそれを財源に充ててしっかり支援をしていく、こういうことも非常に重要ではないかと考えています。以上です。
しろまる鎌田座長 ありがとうございました。それでは、曾根崎委員、松岡部長、小倉委員が補足されたことに合わせて、御質問がありましたらお願いします。
しろまる大木委員 土曜閉所の問題、建退共の問題などで、現場所長の裁量が結構高い。所長の意識の高い人は、土曜閉所しようという。先ほどの建退共の事態なんていうのはとんでもないと思うのですが、例えば我々が日建連さんに対して、あるいはゼネコンの本社に対しては言いたいことを言って、ちゃんと正しいことを聞いてくれるのですが、現場所長までブレイクダウンしていくと、所長自身の意識の低い人だと、建退共だって「そんなの金払えよ」と言ったり、「土曜を休みにしようなんて、そんなのできっこないよ」と言ったり、最悪、余り強く言うと、「じゃあ、大木はいらないから使わない」と、それで終わってしまうので、その辺の上位の人の意識の高さが、現場の所長ぐらいまで共有できればいいかなと思うのですが。
しろまる松岡部長 全くそのとおりで、我々の組合員で、建退共証紙をちゃんともらっているという組合員は、「いや、そういうのは簡単だよ」と、受払簿で紙が何枚ですよと。別に所長さんまでいかなくても、ちゃんと理解のある現場だったら、毎日現場に何人職人が入っているのか、出面帳というか帳面をつけていますから、その人数と証紙の枚数が合ったねと言って、はい、今月分という、それだけだというのです。
しかも、自治体などでも現場担当者の方が、建退共について分からないから、組合が来て説明してくれとか、そのときに下請さんで建退共に入っていない所も一緒に呼んで、現場で説明会をやろうとか、積極的に取り組んでいただいている現場はいっぱいあるのです。
一方で我々のような、現場でいうと 2 次とか 3 次以下で入って、一人親方などでやっているような組合員からすると、なかなか所長さんにもの申すなんていうような立場ではないわけですが、そういう理解をしていただけるかどうかというところで、本当に雲泥の差というか、かかっているところが大きいです。
また、 1 次さんの対応によっても、ゼネコンさんに対する気の遣い方の違いというか、いらぬ気を遣って、例えば証紙をいちいちもらって面倒を掛けたくないみたいな対応をされているというのが、非常に問題だと思っています。
しろまる鈴木委員 建退共に関しましては、公共工事の場合は証紙購入の掛金収納書を提示しなければなりませんし、何枚払い出しましたという実績資料も、検査のときに提出しなければなりませんが、 2 次業者まで元請が管理しているかどうかといいますと、多分管理していないと思います。基本的には 1 次業者を通して全部請求してくださいとお願いしておりますが、 1 次業者が入ってない、 2 次業者も入ってない場合は、未加入の報告書を出させます。この会社は未加入なので、受払はしていませんという資料です。加入している所は必ず受払簿で提出しますので、 2 次業者がそういう書類を出さされているというのは初めて聞きました。
しろまる松岡部長 特に九州が多いという。
しろまる鈴木委員 さっそく確認してみます。
しろまる曾根崎委員 現場所長の意識という問題については、これまで自分のやってきた経験というか、そういったものが身に染みついていて、それを変えるというのはなかなか難しいとは思うのですが、これは根気強く会社も我々も、いろいろな意味で申し入れていかなければいけないと思うし、我々の世代の人の意識を変えていって、それが上がってくれば変わっていくということもあるかも分からないですが、今の段階ではやはり企業と組合が一緒に、土曜はできる限り休むのだという意識をして、休めるか休めないかという判断を、最初から休まないのだということでやっていくと、それは無理だと思いますので、やはり休むのだという前提で休めない、では、なぜ休めないのかというところを潰していくということも必要なのかなという、その辺の分析をしていかないといけないのかなと思います。
しろまる福田委員 今までのお話を伺って感じるのは、やはり作業所長になる人の教育を怠ってきたと思います。そこを反省しなければいけないのかなと思いました。
それと、 1 つだけ聞きたかったのは、 9 ページにある職人の賃金のカーブですが、普通のサラリーマンと違って、職人の場合は 45 歳ぐらいまでがピークになるわけです。普通だと 50 〜 55 歳ぐらいまでがピークになります。その様になれば、すごく将来性がある職業になっていくのかなと思うのですが、結局その 45 〜 50 歳までというのは何に原因があるのか、能力が落ちるということなのか、その辺はどういう分析ですか。
しろまる松岡部長 はっきり言えば、できる歩掛が落ちる。あと、やはり体力がかなり要る。ただ、組合員もいろいろでして、年齢のいった人は管理的な。それから、建設産業で言いますと、単に技能労働者だけではなくて施工管理技士とか、そちらのほうに移っていくというか、そういうスキルアップもあるわけで、そういう方向を目指している方々も結構いらっしゃいます。
ただ、現実に職人としてやっていこうとすると、 60 歳を超えると今度は現場で高い所に上がらせてもらえなくなるとか、そういうことで言うと、 1 日の稼げる量が現実に減っているとは聞いています。
しろまる鎌田座長 そのほかはありませんか。
しろまる柴田委員 建設業を適用除外から元に戻すことは、要するに 36 協定の対象にすることは不可能ですか。誰に聞いたらいいのか分かりませんが。
しろまる鎌田座長 私も知らなかったのですが、時間外限度基準の適用を外すというのは、何を適用除外しているのですか。
しろまる曾根崎委員 先ほどの 360 というのが目安になっていて、それはほかの業種だと、 360 を超えると指導を受けたり、出すことが逆に言うとできない。
しろまる柴田委員 でも、 36 協定自体は出しているのですか。
しろまる曾根崎委員 36 協定は出します。だから 360 を超えて 540 でも 800 でも、極端に言うと 1,000 でも適用除外ですから、監督署は受け付けるわけです。
しろまる柴田委員 受け付けてしまうという問題があると。
しろまる曾根崎委員 受け付けるのです。法律でやりますので、そこに何も指導があるわけではなくて、ということです。
しろまる柴田委員 では、「これはちょっと多すぎやしませんか」ぐらいのことも、言われないということですか。
しろまる曾根崎委員 それは、そういう権限もないしみたいなことだと思います。
しろまる鎌田座長 特別条項付き協定を結ばなくてもいいということですか。いわゆる目安を超えた場合というのは。
しろまる曾根崎委員 目安を超えた協定を結べるのです。もしそれを超えるようであれば、特別条項を付けて出せばいいというように、私は認識していますが。
しろまる鎌田座長 要するに目安を超える場合には、特別条項でいきますよね。
しろまる曾根崎委員 普通は、一般はですね。
しろまる鎌田座長 ええ。
しろまる曾根崎委員 特別条項も付けずに、目安を超えた時間で 36 協定を提出できる、協定を結べるのです。
しろまる鎌田座長 そうなんですか。
しろまる谷室長 詳しく分かりませんので、次回の部会までに調べて、御説明させていただきたいと思います。
しろまる鎌田座長 なぜ建設ではそうしているのか。恐らく工期とかいろいろな関係で、集中的にやらなければいけない場合が出てくるからということなのか。
しろまる曾根崎委員 基本的に長時間なので、それを掛けてしまうと。
しろまる柴田委員 ただ、年間の枠だけは別にキープしておいても構わなそうですよね。年間の変形労働時間制みたいな感じで、ここだけはやるけど、でも 1 年間分はという感じはありますよね。
しろまる鎌田座長 ただ、使用者側としてどう思っているのかということも、少し聞いておかなければいけない。
しろまる曾根崎委員 この前、ある所でそれを発言したら、多分使用者はそんな 36 協定のことなんて考えてないのではないかと言っていました。
しろまる福田委員 技術者の労働時間が長いと言うことで、建設業はブラック企業と言われるのではないかと心配している経営者もいます。
しろまる鎌田座長 だけど普通、製造業の人たちは特別条項なしで目安を超えられるというと、それだけでひっくり返る人が出てきますよ。
しろまる曾根崎委員 そうなんです。
しろまる柴田委員 危険ですね。
しろまる曾根崎委員 すごく危険です。だから、本当に危険なところはね。
しろまる鎌田座長 詳しいことがよく分からないので、今は想像で話しているので、次回にでもその辺を、私も初めて知ったので。
しろまる曾根崎委員 建設連合時代から、やはり長時間労働の温床になっているのではないかということは、ずっと訴えてきたので。
しろまる鎌田座長 資料を含めて、なぜそうなっているかということも示して、少し教えてください。では、そのほかに何かありますか。
しろまる柴田委員 あとは公の発注は難しいので、先ほど言ったように変形労働時間制とか、春から夏にかけては完全週休 2 日制にするとか、何か対処療法で考えていかないと、無理というか、こちらはこちらの方法で、その期間は完全週休 2 日制ですから、工期は絶対に土日休みをカウントしなければいけませんとか、そのぐらいにしないと難しいかなと思いました。まだいろいろありますが、また今度にします。
しろまる鎌田座長 ありがとうございました。まだまだ御質問は皆様おありではないかと思いますが、本日のところはヒアリングは以上ということで、よろしくお願いします。それから、事務局は改正派遣法のことで何か御説明があるのですか。
しろまる富永補佐 「参考」と書かれた 1 枚紙の資料に基づいて御報告します。 3 月に今国会に労働者派遣法改正案が提案されていましたが、 9 月 11 日に成立しています。施行期日は 9 月 30 日となっていますが、建設労働法に規定されている建設業務労働者就業機会確保事業、これについても一部、派遣法の改正部分について適用している所がありますので、派遣法と同時に建設労働法の該当部分について改正が成立しました。施行が 9 月 30 日であるということと、あとは労働者派遣法改正の 1 〜 5 まで、大きな柱が書いてありますが、その内容について適用する・しないというのが書いてありますので、そこについて少し御説明したいと思います。
内容については、何度も国会に提出されては廃案になったりということをしていまして、昔のこの委員会でもお話をしているところではありますが、まず一番上の「派遣事業の健全化」という所で、今は労働者派遣事業で、特定労働者派遣事業は届出、一般労働者派遣事業は許可制という区分をしているところですが、これを許可に一本化するという派遣制度の改正については、もともと建設業務労働者就業機会確保事業については、常用労働者のみを送り出すという制度を許可制で既に行っているということで、この部分の派遣法の改正については適用しない。適用しないというか、既に先取りして適用しているということですので、この改正については適用しない。
それから、 2 点目の「派遣労働者の雇用安定とキャリアアップ」という部分についてですが、派遣労働者に対する教育訓練やキャリア・コンサルティングを派遣元に義務付けするという点と、派遣期間終了時の派遣労働者の雇用安定化措置、派遣期間が終わった後の派遣労働者への次の仕事なりを探すということについては、教育訓練、キャリア・コンサルティングについては原則、就業機会確保事業でも適用する。派遣労働者の雇用安定化措置については、原則、就業機会確保事業では適用しない。もともと送り出しの事業主の常用労働者であるということもあるので、原則適用しないことになっています。
それから、「労働者派遣の位置付けの明確化」ということで、今までは労働者派遣法で「派遣就業は臨時的・一時的」というのは法文上書いていなかったのですが、それを条文に書き加える。「派遣就業が臨時的・一時的なものであることを原則とする」というのを法文上明確に書くという部分ですが、これは適用する。もともと就業機会確保事業は臨時的・一時的なものを前提にしているので、これは適用する。
それから、 4 番の「より分かりやすい派遣期間規制への見直し」。今、派遣事業では派遣先の受入れが最長 3 年ということになっていまして、ただ、 26 業務については期間制限はかからないという制度になっていますが、それを事業所単位で、派遣労働者の派遣先への受入れが 3 年を上限、それを超えるためには過半数労働組合等からの意見聴取が必要という部分と、あと個人単位の期間制限として、同一の派遣先の組織体については、派遣労働者は 3 年までしか行けないという、 2 つの制限に変わるわけですが、事業所単位の期間制限については、現在でも就業機会確保事業は受入事業所単位の期間制限、最長 3 年というのは適用されているため、そのまま適用する。個人単位の期間制限、同じ人が同じ派遣先の組織体に行けるのは 3 年までという部分については、もともとこの就業機会確保事業は、送り出し労働者当たりの就業日数制限、所定労働日数の 5 割までしか送り出せないという制限を設けているため、個人単位の期間制限は適用しないとなっています。
それから、最後の 5 番「派遣労働者の均衡待遇の強化」については、現在でも均衡待遇推進の努力義務を適用されているため、これは適用することになっています。施行期日は短いですが、 9 月 30 日からの施行になっています。ただ、実質的には、この就業機会確保事業への影響というのは、余りないと思っています。派遣法の関係については以上です。
しろまる鎌田座長 どうもありがとうございます。時間が来たのですが、もし御質問があれば数分程度延長したいと思います。今の点について何か御質問はありますか。そもそも改正の中身の説明がないと、何がどう変わったのかというのが分かりづらかったのかなと思いますが、時間がない中で、あとは個別に事務局にお尋ねいただければと思います。
しろまる富永補佐 もう 1 点、次回の委員会です。現在調整中ではあるのですが、ヒアリングの対象者として学識経験者、教育機関等を予定していたところですが、御推薦等がありまして、学識経験者として芝浦工業大学の蟹澤教授を予定しています。それから、教育機関については全国工業高等学校長協会で調整中です。日時・場所等については、また調整の上、追って御連絡したいと思います。以上です。
しろまる鎌田座長 ありがとうございます。それでは、本日の委員会はこれで終了します。今日はヒアリングでお出でいただいて、どうもありがとうございました。本日の会議に関する議事録の署名委員については、労働者代表は曾根崎委員、使用者代表は福田委員とさせていただきます。よろしくお願いします。本日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。
(了)

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /