ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医政局が実施する検討会等> 医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件に関する検討会> 第4回 医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件に関する検討会 議事録(2014年11月27日)




2014年11月27日 第4回 医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件に関する検討会 議事録

医政局研究開発振興課

しろまる日時

平成26年11月27日(木)10:00〜12:00


しろまる場所

厚生労働省 12階 専用第14会議室(中央合同庁舎5号館)


しろまる出席者

委員

楠岡座長 青谷委員 和泉委員 大津委員 近藤委員
下瀬川委員 中川委員 中西委員 橋本委員 花井委員

事務局

福島審議官 (厚生労働省大臣官房)
飯田審議官 (厚生労働省大臣官房)
神ノ田課長 (厚生労働省医政局研究開発振興課)
南川課長補佐 (厚生労働省医政局研究開発振興課)
河野治験推進室長 (厚生労働省医政局研究開発振興課)
佐々木企画官 (厚生労働省保険局医療課)

しろまる配布資料

資料1 臨床研究中核病院の承認要件について(骨子案)
資料2 臨床研究中核病院における適正な研究実施体制について(案)
資料3 臨床研究中核病院に求められる臨床研究実績等に関する論点
資料4 早期・探索的臨床試験拠点の中央値を基準とした場合のシミュレーション(暫定版)
参考資料1 第3回医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件に関する検討会議事録
参考資料2 臨床研究中核病院の承認要件に関する調査について
参考資料3 臨床研究中核病院の承認要件に関する追加調査について(暫定版)
参考資料4 医療機関・研究機関による臨床研究の適切な実施に係る自主点検の結果概要
参考資料5 医療機関・研究機関による臨床研究の適切な実施に係る追加の自主点検の結果

しろまる議事

しろまる神ノ田課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第4回「医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件に関する検討会」を始めさせていただきたいと思います。

委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、本検討会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。本日は委員の皆様方全員に御出席をいただいております。

それでは、配付資料の確認をさせていただきます。

1枚紙で議事次第と配付資料一覧を記載したものがございますが、それに沿って御確認をお願いします。

議事次第の次に、それぞれ1枚紙で、座席表、委員名簿がございます。

その後に資料1から資料4と、参考資料が1から5までございます。

不足・落丁等ございましたら、事務局までお知らせください。よろしいでしょうか。

それでは、これより議事に入りますので、審議の円滑な実施のため、撮影はここまでとさせていただきます。

(カメラ退室)

しろまる神ノ田課長 以後の進行につきましては、楠岡座長にお願いいたします。

しろまる楠岡座長 おはようございます。

それでは、早速、議事を進めていきたいと思います。

議題1「医療法に基づく臨床研究中核病院の承認要件の取りまとめに向けた議論」でございます。前回かなりいろいろ議論いただきました点と、少し宿題として残った点につきまして、事務局のほうで整理していただいたものが資料1から参考資料5ということで出されておりますので、まずその説明からお願いいたします。

しろまる南川補佐 それでは、事務局から資料を説明させていただきます。

まず、資料1の1ページですが、これまでの御議論を踏まえた臨床研究中核病院の承認要件の骨子案を提示させていただいております。

まず初めに、これまでの議論の背景及び経緯についてですが、臨床研究中核病院については、厚生労働大臣が医療法に定められている以下のしろまる1〜しろまる10の要件を満たした病院を承認することとされております。

この検討会においては、これらの要件について臨床研究に係る「実施体制」及び「実績」、「施設」の観点、そして「人員」の観点から実態調査の結果も踏まえて検討を進めてきました。

医療法の承認要件なのですが、しろまる1〜しろまる4については、臨床研究中核病院に求められる能力、そしてしろまる6〜しろまる10については、臨床研究中核病院としての要件として定めるべき施設だったり、診療科名だったり、人員要件だったりについての要件が医療法上定められております。

2ページ目を御確認ください。「特定臨床研究について」ですが、臨床研究中核病院が行うこととされている特定臨床研究については、前回の第3回の御議論を踏まえて、1つ目は薬事法に基づき実施される治験、2つ目が見直し後の「臨床研究に関する倫理指針」に定める事項にのっとって実施される介入及び侵襲を伴う臨床研究とさせていただいております。

「3.臨床研究中核病院の承認要件について」の(1)臨床研究中核病院の機能を果たすために必要な体制についてですが、これは第2回の検討会で以下のア〜クの体制について御議論いただいておりますので、ア〜クの体制について提示させていただいております。

次のページを御確認ください。それぞれの体制について、部門、専任者、会議体、手順書の整備等の要件の概要を記載しております。

「ア 病院管理者を中心とした研究管理体制(ガバナンス体制)」については、これは宿題事項でございますので、別途資料にて御説明させていただきます。

「イ 臨床研究支援体制(ネットワークの構築を含む)」というのは、部門の設置、責任者の配置、手順書の整備を要件としております。

「ウ データ管理体制」についても、部門の設置、責任者の配置、手順書の整備という形にさせていただいております。

「エ 安全管理体制」については、部門については医療安全の部門があることを念頭に、部門の配置を要件とするのではなく、専任の安全管理を行う者の配置、そして医薬品等の品質管理を行う者の配置、手順書の整備としております。

「オ 倫理審査体制」については、質の高い倫理審査委員会の設置、倫理審査関連事務を担当する部門の設置、手順書の整備としております。

「カ 利益相反管理体制」については、質の高い利益相反管理に関する委員会の設置、手順書の整備とさせていただきます。

「キ 知財管理・技術移転体制」については、質の高い知財管理・技術移転に関する委員会の設置、専従の責任者の配置、そして手順書の整備とさせていただいております。

「ク 国民への普及・啓発及び研究対象者の相談体制」については、国民への臨床研究に関する普及・啓発を行っていること、臨床研究に関する組織としての実施方針を策定し公表していること、特定臨床研究の実施状況について公表していること、患者・研究対象者及びその家族からの相談体制を有することを要件とさせていただいております。

「(2)臨床研究中核病院の機能を果たすために必要な実績について」、これもしろまる1〜しろまる4の能力を確認するためのものでございます。

まず、ア、特定臨床研究の計画を立案し実施する能力及びイの他の医療機関と共同して特定臨床研究を実施する場合に、主導的な役割を果たす能力については、別途の資料についてまた御議論させていただければと思っています。

ウの他の医療機関に対して、特定臨床研究の実施に関する援助を行う能力については、第3回の検討会で御議論いただいたとおり、他の医療機関が企画・立案する特定臨床研究について、プロトコール作成支援、データマネジメント、モニタリング等に関する支援を、契約またはそれの準ずる書面に基づき、年間合計しろまる件以上実施していることとさせていただいております。

エの特定臨床研究に関する研修を行う能力につきましては、前回の検討会のとおり、臨床研究を実施する者、支援する者、そして倫理審査委員会の委員を対象とした、外部参加が可能な講習会の実績要件及び当該機関における研修体制を要件にするとしています。

「・」以降は前回御提示したとおりでございます。

5ページ目は(3)の施設に関する要件です。これは第2回の検討会で御議論していただきました。

まず、標榜科につきましては、臨床研究中核病院についても、さまざまな重篤な有害事象に対して対応するための総合的な能力を有するべきという観点から、特定機能病院の要件を参考に、以下の15の診療科のうちから10以上を標榜することということを要件とさせていただいています。

病床数については、これも特定機能病院を参考に400床以上を有することにさせていただいております。

臨床検査室については、第2回の議論の御指摘を踏まえて、国際水準の臨床研究を実施するために必要となる臨床検査室の技術能力について、外部評価を受けていることを要件として提示させていただいています。

人員配置につきましては、臨床研究の医師・歯科医師、薬剤師、そして看護師につきましては、臨床研究支援・管理部門に所属するそれぞれの有資格者が常勤換算で何名以上いることという形の要件にさせていただいております。

6ページ目の「その他の従事者に関する要件」ですが、臨床研究コーディネーター、そしてデータマネージャー、生物統計家についても前回お示ししたとおり、それぞれの臨床研究支援・管理部門に所属する専従の方がしろまる名以上、一定水準いることということで要件にさせていただいております。

このうち、前回モニタリング担当者というものを提示させていただきましたが、前回の御議論の中で、モニタリングのやり方はCRCの方と兼務する場合もあり、専従者として指定する場合に妙な業務分担を生みかねないという御指摘もあったため、CRCの中でモニタリングを行っている方を入れてもらう。あと講習等を受けているということを新たな要件として入れさせていただいております。

「(エ)薬事審査関連業務経験者」につきましては、同じく臨床研究支援・管理部門に所属する専任の、この「専従」と「専任」という意味では、専任は5割以上のエフォートを持つ方という意味で提示させていただいていますが、しろまる名以上いることとさせていただいております。

この薬事審査関連業務経験者を専任とさせていただいた理由につきましては、この方は企画・立案相談業務等を行っている方ということで、これらの業務については必ずしも常に起こるものではないということで、専従で8割以上となると厳しいのではないかという御指摘を受けたこと、また薬事審査関連業務経験者について、前回定義が曖昧だという御示唆を受けて、(注記)のところに日米欧の規制当局において、直接書類の内容を確認する方という形で提示させていただいております。

また、前回の検討会で提示させていただきましたプロジェクトマネージャーというものにつきましては、プロジェクトごとに設けられるということと、やはりこれも研究内容において、またほかの職種と重複する可能性があるということもありますので、今回は要件として落とさせていただいております。

「4.臨床研究中核病院に期待される取組等」についてですが、これまでの御指摘を入れさせていただいております。

まず、革新的な医薬品・医療機器の開発の推進のために、必要に応じて医工連携等を初めとした医学分野以外の研究分野との積極的な連携を行うこと。

また、人材育成の観点から、系統的なプログラムを策定して、高度な臨床研究人材の育成に努めること。その際に、CRC養成研修、データマネジメント講習などの研修、講習会の受講を積極的に勧奨するとともに、国際水準の臨床研究の実施のために国際的な認定資格の取得等を積極的に勧奨すること。

また、First-in-Human(FIH)試験については、現状においてはかなり限定的なので承認要件にはしないけれども、いずれにしろFirst-in-Human試験が実施できる体制を積極的に整備していくこと。また、診療・治療ガイドライン策定に資する大規模な臨床研究の実施についても、積極的に行っていくこと。

そして、今後創設が見込まれている患者申出療養について、患者からの申し出や相談に対応する窓口機能を設けること。

臨床研究中核病院の承認要件については、必要に応じて見直しを行っていくこととさせていただいて、今回骨子案として提示させていただいています。

資料1の説明については以上です。

資料2を御確認ください。主にガバナンス体制と言われる部分についての資料でございます。臨床研究中核病院には、昨今不適正事案が起こっていることを踏まえて、未然に防止して、かつ適正な研究活動を確保する取り組みが求められるということから、承認前、そして承認後を含めた形でガバナンス体制をしっかりとやっていくことを確認することとしてはどうかとさせていただいております。

まずは承認前につきましてですが、申請を行う病院については、申請前に過去の不適正事案の有無について自主点検を実施していただき、不適正事案を確認された場合は、その事実関係や再発防止策等についての報告を申請に当たって求める。これについては、当然なかった場合についても自主点検の内容だったりとかいうことも含めて申請書に記載していただくこととしています。厚生労働省については、書面審査を踏まえた上で実地調査を行い、承認に係る手続きを行うことになります。

承認後につきましては、臨床研究中核病院内の取り組みから説明させていただきますと、適正な実施体制を確保するための会議体を設置する。この会議体には病院長のほか、臨床研究支援部門の長や、例えば事務部門の長だったりと適正な方で構成していただいて、その役割としましては、当該機関において実施される臨床研究の適正実施のための定期的な管理・監督、そして不適正な事案が起こった場合の是正措置というのを会議体の役割としたいと考えております。

これについては、もともと病院長自身の責務でありますが、組織として実効性を確保するという観点から、病院長の補佐的な役割を行うこの会議体についての設置を要件とし、この会議体が臨床研究を実際に実施する部門から報告を求め、それに対して調査・監督、改善指示、場合によっては病院長の権限のもと中止を指示する形を考えています。また、この会議体に対して、内部通報がちゃんと報告される仕組みを構築していただき、倫理審査委員会だったり、利益相反委員会については、個別研究に対して不適正な事案を行った場合に、病院長が意見を求めて、その意見を踏まえて適切な対応をとる等連携が図られていくということを考えております。

これらの会議体の他に、第三者委員会というものを外部委員で構成されるものをその行う施設ごとに設置していただき、臨床研究にかかわる管理体制の取り組み状況を中立かつ客観的に評価して、適宜助言をするということを考えております。

具体的には、例えば内部不適正事案が起こった場合のその中核病院の対応が不十分ではないかとか、実際の管理・監督の行い方がもっと積極的に行うべきではないかとか、そういった組織の取り組みそのものに対する意見を言っていただく。これらについては、厚生労働省は、臨床研究中核病院適用国としてさまざまな事項を求めることになりますが、その中にガバナンス体制の実施状況等を含めて、第三者委員会の評価結果をちゃんと含めていただく。これらを踏まえて、必要に応じて法律に基づいて報告命令だったり、立入調査を行っていく。これらの一連のシステムの中で臨床研究中核病院に不適正事案が起こらない、また起こった場合に適切に対応できるように、体制を確保していきたいと考えております。

資料2の説明については以上です。

次に、資料3についての説明をさせていただきます。臨床研究の実績等について改めて幾つかの論点を提示させていただければと思っております。

まず、論点1について、前回、実績だったり人員だったりの具体的な基準については、早期・探索的臨床試験拠点の中央値を基準として定めるというのをおおむね御了承いただきましたが、その基準として定めた場合に、論点1にあるとおり、医師主導治験に関する実績要件がかなり高い基準になってしまうとともに、医師主導治験の対象が、一部の疾病領域に偏在する懸念があるのではないかという論点を挙げさせていただいております。

これに対する事務局の対応案としましては、医師主導治験の実績が早期・探索的臨床試験の基準を満たさない場合であったとしても、一定数の医師主導の臨床研究の実績がある場合については、承認することとしてはどうかとさせていただいております。

なので、考え方につきましては、医療法上の臨床研究中核病院については、日本発の革新的医薬品、医療機器等の開発を求められることから、その観点から申し上げますと、医師主導治験の件数で評価することが基本だと考えております。

他方、医師主導治験の対象については、現状で抗悪性腫瘍薬が最も多くなっているため、医師主導治験に関する実績要件について高い基準を設定すれば、医師主導治験ががん領域の医師主導治験を行っている病院に偏在されることが懸念されます。これについては、前回の検討会でもこのような御指摘を委員からいただきまして、事務局のほうでも一部調べさせていただいたことを御紹介いたしますと、過去3年にPMDAに申請された医師主導臨床研究の中で医薬品を用いたものについて、約半数が抗悪性腫瘍薬を対象にした医師主導治験でした。それだけでなく、生物学的製剤という品目の中で、やはりがん領域を対応にしているものが幾つかございました。

これらの原因について具体的に詳細な分析まだはできていないのですが、何名かの有識者の先生に聞くと、抗がん剤のお薬というのは企業が承認を得ただけでは使うことは難しくて、幾つかの組み合わせをもって医療現場で使うことを前提にしているもので、医師主導治験が積極的に行われるのではないかであったりとか、がん領域というのは極めて重篤な事象とかも起こりやすい領域ですし、臨床研究そのものに対して極めて熟練した医師が多いのではないかなどの御意見をいただいているところでございます。

これらのことを考えますと、医師主導治験について極めて高い基準を設ける場合に、がん領域に対しての実績がある病院に対して集中してしまう可能性があるということを懸念しております。

承認要件のイメージにつきましては、特定臨床研究の計画・立案を実施する能力については「・」にある過去3年間にみずから立案し、新たに開始された医師主導治験の件数がしろまる件以上であり、そのうち1件は未承認で医薬品・医療機器を用いた医師主導治験であること。または過去3年間に企画・立案し新たに開始された医師主導治験が1件はある。けれども、医薬品・医療機器等を用いた医師主導臨床研究の件数がしろまる件以上であること。この「しろまる件以上であること」というのは、これまでと同様に早期・探索的臨床試験拠点の中央値を前提に考えております。

イの要件については、ほかの医療機関と共同して特定臨床研究を実施する場合の主導的な役割を果たす能力についてですが、これについても過去3年間に新たに開始された施設が主導的に実施する多施設共同の医師主導治験の件数がしろまる件以上であること。または、過去3年間に自施設が主導的に実施する医薬品・医療機器等を用いた多施設共同医師主導臨床研究、これは介入・侵襲を伴うものに限りますが、しろまる件以上であることという形の要件にしたらどうかと考えております。

次のページの論点2についても、前回の議論で複数の先生から御指摘いただいたことでございます。

臨床研究の実施を評価するに当たって、配慮が必要な疾病領域を設定する必要はないかという論点を上げております。これについては、配慮が必要な疾病領域については、前回の中でも出ましたような難病・希少疾病、そして小児疾患、新興・再興感染症領域としてはどうかという提案をさせていただいております。

また、これらの疾病領域を中心として研究を行う病院については、先ほどの中央値ではなくて、早期・探索的臨床試験点を25パーセンタイル値と検討してはどうかという対応にさせていただいております。

考え方につきましては今、申し上げた難病・希少疾病領域、小児疾患領域、新興・再興感染症領域については、医療上の必要性も高いものと考えますが、企業が開発しにくい疾病領域でございまして、これらの疾病領域については、医師主導治験及び医師主導臨床研究を中心に行う病院について、特に配慮することとしてはどうかということでございます。その配慮については、対象疾患が限定されるということ、それらの対象についてはそれなりの対応を求められることから、実績に係る基準については緩和することにして、早期・探索的臨床試験拠点25パーセンタイル値としてはどうかということにさせていただいております。

最後の論点3については、実績に関することではないのですが、実施体制の基準について同一法人内において統一的な臨床研究に関する実施体制を整備しているところに対して、どう考えているかということでございます。

これについての事務局の対応案については、臨床研究についてのガバナンス体制、そして安全管理体制、患者、研究対象者への相談体制については、病院内に必ずある必要があると考えておりますが、それ以外の体制、例えば臨床研究・支援体制だったり、データ管理体制だったり、倫理審査委員会、利益相反体制などについては、統一法人内に統一的な実施体制を有する場合については、病院ごとに各支援・管理体制に関する責任者を置くとともに、必要は人員などそれぞれの機能を確保することに要件を満たすことにしてはどうかということを出させていただいております。

考え方についてですが、今回の臨床研究中核病院については、あくまでも病院体の承認になりますが、同一法人内において統一的な実施体制を整備して効率的に運営しているケースもあることから、このような場合については一定の条件のもとであれば認めたらいいのではないかと考えております。

その一定の条件については、申請する病院ごとに各支援・管理体制の責任者を置くことと、必要な人員を確保することとしてはどうかとさせていただいております。

資料3の説明については以上です。

次に、資料4の説明をさせていただきます。

早期・探索的臨床試験拠点の中央値を基準とした場合のシミュレーションの暫定版という形で提示させていただいております。基本的には前回御提示させていただいたシミュレーションとつくりは一緒でございます。黄色く色をつけているものが、前回これが妥当な基準ではないかとさせていただいた、早期・探索的臨床試験拠点の中央値となります。今回参考として25パーセンタイル値をつけさせていただいております。

しろまる1計画・立案能力」の一番左の「医師主導治験・主体」、これが過去3年間のものとなりますが、例えば早期・探査的臨床拠点の中央値であれば過去3年間に4件やったこととなります。縦に列を見ていただきますと、基本的にこれを満たしているものは、早期・探索的臨床試験拠点の中央値でA、C、Dの機関が3つでありますが、ほかの機関であれば現時点では1つしかない。かつ16機関以外ではほとんど超えているところはないということが見てとれると思います。

また、次の「介入・侵襲研究主体」の臨床研究、これは医薬品・医療機器等を用いたものに限られていますが、これは3年間のもので80件というのが中央値になっております。この中央値につきましては、しろまるの部分を見ればわかるとおり、早期・探索的臨床試験拠点については3つ、その下の臨床研究品質確保体制整備病院については4つになります。

先ほど御提案させていただきました点については、しろまる1の実施件数の要件を満たすに当たって、この医師主導治験及び介入・侵襲研究の要件双方ともに満たすという意味ではなくて、まず医師主導治験の要件を満たすことが前提であろう。他方、これだけだと先ほど言った懸念が指摘される懸念がありますので、仮にこの4件を満たしていない場合であっても、医師主導治験をやっているのであれば、介入・侵襲研究主体の研究の80件を満たしているということをもってして、しろまる1の実施件数の実績に関する承認要件を満たすことにしてはいいのではないかということでございます。なので、医師主導治験の4件をやっているか、または1件及び臨床研究を80件やっていることというのが、実施件数の要件としたらどうかということでございます。

次の特定臨床研究に関する論文18件というのは、今回改めて調査をさせていただいた部分です。これにつきましては、早期・探索的な試験拠点の6機関については出してもらっているのですが、これは事実上1週間で出してもらったこともあり、かつ、これは結局各研究代表者にそれぞれ当たらざるを得ないというところだったので、無理やり出してもらったというか、わかっている範囲で出してもらったというものでございますので、引き続きこれは調査中という感じで考えていただければと思います。現時点では18件、そしてこれを満たすものについては「しろまる」とさせていただいております。

しろまる2主導能力」につきましても同じような考え方で、医師主導試験は2.5件、そして介入・侵襲研究は29.5件となっております。

しろまる4研修能力」「しろまる5人的体制等」についても、これまで説明したとおりの形で中央値を並べていまして、これについて「しろまる×ばつ」というのはそれぞれが満たしているかどうかと考えております。

先ほどの「しろまる1計画・立案能力」についても、現時点の実績でA or Bにすると一部要件が緩和されるように見えるのですが、研究論文のものも含めて考えますと、早期・探索拠点においてもまだ今のところでは3件のみが満たしているということになりますので、おおむねその3機関が現時点では満たしているという機関の実績要件になると思いますし、それに加えて、さらに人的体制だとか研修能力の要件が加わってくると考えております。

資料4の説明については以上です。

参考資料については、時間がかかりますので簡単に触れさせていただきますが、参考資料1は議事録をつけております。

参考資料2につきましては、基本的には前回もお示しした暫定版について、再度調査の後に各機関、特に15機関については確認依頼をしまして、数字を確定させていただいたものでございます。1点だけ御紹介させていただきますと、「1 体制・施設について」で、今後臨床研究中核病院に申請予定のところという部分につきましては、15機関についても100%今後医療法上の臨床研究中核病院に申請したい。主な臨床研究機関、117機関の15拠点以外においてもやはり75%が申請を予定している。申請時期についても、平成27年度中に申請したいと言っている機関が48機関あるという状況でございます。

ほかの調査については、前回御提示しなかった項目も含めていろいろと御提示していますが、これについては時間の関係がありますので、この場では御説明を割愛させていただきます。

参考資料3を御確認ください。前回の調査を踏まえて、論文については特に侵襲・介入研究に限るべきだという御指摘も踏まえて、改めて前回の会議後に11121118日の1週間弱の期間で15拠点を対象に行った調査でございまして、これについては現時点で100%回収できてはおりますが、やはり記載ができていない部分であったり、それぞれの研究機関の暫定版という形で出してもらったものであります。これについては、幾つかいろいろな項目をとっていますが、今回の研究機関検討に関連する部分だけ暫定版の資料として2ページ目以降に提示させていただいています。これについても、今回の説明については割愛させていただきます。

次に、参考資料4につきましては、これまで高血圧症治療薬の研究事案に関する検討委員会、ディオバンに関する不適正事案に対する検討委員会において指摘されたことを踏まえて行った自主点検の結果概要でございます。これは平成2512月に公開したものでございまして、このとき対象になったのは、今回の調査の対象となっている117機関でございます。

このときの自主点検の内容につきましては、簡単に申し上げますと、今回の倫理指針が改定されましたのが平成21年でございまして、その21年以降に倫理指針違反があった部分についてと、あとはデータの捏造・改ざんに関する懸念が生じた部分ということについての調査を行った結果が、裏にございます事故点検結果となっております。

これにつきましては、おおむね138件の不適切な事案があったという御報告がございまして、内容につきましてデータの信頼性が損なわれた事案というのが東邦大学に1件ございましたが、倫理指針が重要視されていない事案が123件、これにつきましては件数が多いものを申し上げますと、データベースの登録がなかった39件だったりとか、進捗状況の報告であったりとか終了時の報告がなかったというのが50件だったり30件だったりが多いものとして挙げられますが、説明、同意が行われていなかったものについては1件あったりとか、利益相反マネジメントの管理状況に不備があったというのが14件あったりとか、そういう状況が昨年の12月の段階での調査結果でございます。

次の資料を御確認ください。この資料につきましては、ことしの3月までに行った調査の結果でして、先ほどの調査結果においては、ディオバンが平成14年以降の臨床研究事案として起こったものですので、やはりそこについても、そこからの研究データの捏造・改ざんの事案についてちゃんと把握すべきではないかという御指摘を踏まえて行った調査結果でして、これも平成12年、2000年以降、平成21年までについてデータの捏造・改ざんが疑われる事案について、各研究機関において調査委員会が行われた事案についての調査結果でございます。

これについては次のページを御確認ください。この調査結果につきましては、具体的に調査の結果の件数ですが、対象機関については先ほどと同じ117機関で、調査の件数につきましては12件ほどございました。そのうち調査の結果特段問題ないと判断された事案は3件、問題があると判断された事案が9件でございます。そのうちの5件につきましては、いわゆる高血圧症治療薬ディオバンに関する臨床事案についてでございまして、それがそれぞれ各大学において調査が行われ、それぞれの調査結果についての公表が行われております。

そのほかの部分につきましてですが、4つのケースが報告されまして、この4つのケースにつきましては、きっかけについては共著者だったりとか、あとは学術誌側からの指摘、特定の研究者に対する改ざんの疑いの指摘だったりするもの、そういうある意味通報的なものを踏まえて組織として調査を行った。それに対しての結果について調査報告がそれぞれの研究機関について行われております。機関のデータの捏造・改ざんではないけれども、不適正な事案として報告されたものが2件ほどございました。これについても参考資料として御報告させていただきます。

参考資料6については、いつもつけさせていただいております条文の抜粋でございます。

長くなりましたが、事務局の資料説明については終わらせていただきます。

以上です。

しろまる楠岡座長 どうもありがとうございました。

資料1に関しましては、今までの議論をまとめたものと、資料2以下のものをまとめた格好になっておりますので、資料1に関しては最後に点検的な意味で戻ることにいたしまして、まず資料2及び3に関して御議論いただきたいと思います。

まず、資料2でございますけれども、これは第2回の検討会においてガバナンスが議論になりまして、それにつきまして事務局のほうで提出いただいた資料でございます。この資料2に関しては、今回のかなり大きな部分になるかと思いますので、このような形でいいのか、あるいは何か追加すべき事柄、修正すべき事柄がないか、ぜひ積極的な御議論をお願いしたいと思います。

この議論は、中川委員が特に提起されたところかと思うのですが、中川委員から見ていかがでしょうか。

しろまる中川委員 この資料2の一番左側の「承認前」というところで、「申請」と「承認」と書いてあるけれども、申請を受理するしないというその辺のハードルはないのですか。

しろまる南川補佐 申請に当たって、手続の流れを申し上げますと、書面をいただいた上で、その内容を確認した上で、当然各種の事項が満たしている場合については社会保障審議会の分科会にかけますので、受理の段階で書面について正しく記載されているかというのは確認を行います。

しろまる中川委員 書類的に不備があるかないかではなくて、そもそも内容以前の問題というか。言っていることわかりますか。

しろまる南川補佐 わかります。

しろまる中川委員 例えば、余り言いにくい話だけれども、そもそも今、報告があった参考資料5の不適切事案があったところが申請を出してきた。最近報道されている腹腔鏡で8人も亡くなった。保険請求もどうもあやしい。こういうところが医療法上の臨床研究中核病院になりたいと申請を出してきたときに、それ以外のほかの医療機関と同等に申請を受理して審査に持っていくということでいいのでしょうか。それを最初の第1回目から私は申し上げているけれども、それについての明確なスタンスがどうもこの資料2には示されていない。書類の不備がなければとりあえず審査までいくのだということでは、毅然とした厚生労働省としての姿勢が見えない。何度も繰り返し言いますが。

しろまる南川補佐 御指摘ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思っていまして、今回この事案に限らず、各種のいろいろな、例えば論文であればパンフレットに載っていることであるとか、そういうものも事務局として書類を受理する際に確認していく必要があると思っております。当然、昨今いろいろあります、例えばディオバン、各種の研究性事案だったり等についても、申請時にそもそも自主点検の部分がどのようにやったかをちゃんと確認した上で、そもそもやったけれども不適正事案はありませんでしたということだけではなくて、各種問題になっている不適正事案が含まれていない場合は、それをそのままうのみにして審査のほうに回すということは考えておりません。しっかりと調査及び再発防止策、過去行われたものを確認した上で審査に回し、そしてそれをさらに審議会等の先生との実地調査も含めて承認していくと考えております。

しろまる中川委員 はっきりしませんね。

しろまる神ノ田課長 若干補足しますと、いろいろ報道等で指摘を受けているということであれば、その事実関係をしっかりと当然調査すべきだと思いますし、調査の結果、何か問題があるということであれば、再発防止策も含めて報告をしていただくことになりますので、先ほど御指摘されたような事案については、もし申請が上がってきたときに、それに関する調査等が含まれていなければ、申請に必要は書類が十分整っていないということで、そこは審査に入る以前の問題になるだろうと思います。

しろまる中川委員 だから、書いてあればいいというものではないのではないですかと言っているのです。資料1の1ページのしろまる1〜しろまる10の項目の、例えば報道されていることが事実であるとすれば、1ページのしろまる1〜しろまる10のどこに抵触するのですか。そもそもガバナンス能力もないと思うけれども、これはしろまる1〜しろまる10のどこに抵触するのですか。

しろまる南川補佐 今回それぞれの能力を確認する基準について、しろまる1〜しろまる4の全ての能力を確認するために、ガバナンスを含めて管理体制等を入れていますので、抵触するという意味ではしろまる1〜しろまる4、そしてしろまる10がその他特定臨床研究の実施に関する厚生労働省令で定める要件に適合するものであることというものの中で要件を見ていくと考えています。

しろまる中川委員 しろまる1〜しろまる4としろまる10、そこに抵触するということですね。

しろまる南川補佐 はい、そうです。

しろまる中川委員 では、それは審査まではいくのですか。申請書類を受理するというハードルはないのかと最初に聞いたのですけれども。

しろまる南川補佐 先ほど課長の御指摘いただいたとおり、申請する以前の話ですので、当然受理する際のハードルがあると考えております。

しろまる中川委員 あるのですか。

しろまる南川補佐 例えば報道等の事案について調査そのものをやっていないということで申請書が出てきたときは、当然それについては受理だったり審査のほうに回せないと考えております。

しろまる中川委員 調査していないのではなくて、調査して書いてくればいいのですかと聞いているのです。

しろまる南川補佐 もちろん調査して書いてくるだけでは不十分でして、調査をして、かつその事実関係をしっかり把握をして、さらにその再発防止もとられていて、それをさらに徹底されている。そこまで確認するものと考えております。

しろまる中川委員 かみ合わないですね。申請してくるのだから、再発防止の措置もみんなちゃんとやりました、体制も整えましたと言うに決まっているではないですか。それでいいのですかと聞いているのです。

しろまる神ノ田課長 医療法に基づいて承認するかどうかということは、審議会等で御議論いただくことになると思うのですけれども、その前提として行政として事実確認をしないといけないと思っております。ですから、報道等でいろいろとこういう問題があったという指摘があった場合に、それが事実なのかどうなのか。また、問題があるとすればどういう対応をとるのかというところをまずは病院のほうで整理をしていただいて、その資料に基づいて審議会で御議論いただくという手順になるかと思います。

したがって、報道等があったということをもって、無条件で受理しないという取り扱いはなかなか難しいと思うのですけれども、報道のあったこの問題については、病院としてこういう形でしっかりと調査をし、それに対してこういう対応をとっていますと。もちろんその対応が十分でなければ、まだ承認するには時期尚早だという判断を審議会としてしていただくことになると思います。

しろまる中川委員 報道等があって、まだ確認されていないという時点で、受理するかどうか保留にするという措置もあると思うのです。

しろまる神ノ田課長 そういう意味では、多分御指摘は同じことをお答えしたつもりではあるのですけれども、つまり。

しろまる中川委員 課長と私が同じなのですか。

しろまる神ノ田課長 つまり保留という意味は、まだ調査ができていない段階、その段階については保留になります。

しろまる中川委員 そうなると、参考資料5の2ページのしろまる1の4大学、これはそういう観点で言うとどうなりますか。

しろまる南川補佐 参考資料5の4大学というか、5大学になりますが。

しろまる中川委員 いや、4大学にしてくださいよ。

しろまる南川補佐 4大学につきましては、我々の承知している限りでは、千葉大学、京都府立医科大学、滋賀医科大学については調査結果を公表して再発防止策をやっているところと考えております。その再発防止策について、申請の際には当然確認をしていくことになると思います。

慈恵医科大学については、調査結果について公表していますが、一部まだ調査を続けていると聞いておりますので、一部調査を続けている段階では、当然申請そのものについて受理をしないと考えております。

しろまる中川委員 ではこの4大学について、まだ申請も上がってきていない段階でこういう議論をするのはいろいろ問題もあるというのを承知の上で言うのだけれども、ほかの病院と同等の条件で同等に審査するということになりますか。

しろまる神ノ田課長 そういう意味では、この書類として出していただいたものについて、こちらの資料2にも書いておりますけれども、まずは書面審査をしますし、実際に実地調査をしてどういう状況なのかというところもしっかり調べたいと思っております。そういう中で事務局として整理した上で、また審議会でも御審査をいただくことになりますので、審査の段階ではしっかりと厳しく内容を確認していただいて、十分でないということであれば承認しないということになるかと思います。

しろまる中川委員 資料2のこの絵の中に「審査」というところが全く抜けているのです。「承認前」と「承認後」と書いてある。どこでどう審査するのかが全く欠落しているでしょう。

しろまる南川補佐 申しわけございません。少し簡便化してしまったせいで、御指摘のとおりだと思いますが、一番左の「承認前」のところでしろまる1で申請をして、厚生労働省にいきまして、具体的には承認の前に「(注記)書面審査、実地調査を実施」と書いてありますが、これをもう少し丁寧に御説明申し上げますと、当然申請があり、この申請については申請書という形で、厚生労働省がまずは受理をするかどうかを判断するのですが、受理をした場合に、その書面審査について内容を確認した上で、厚生労働省と、この後にあります社会保障審議会に審査をお願いすることになります。

その審査をお願いする前の段階で、審議会の先生と申請をしていただいた病院に対して実地調査をした上で、審議会で御審議いただき審査をしていただいて、その意見を踏まえて厚生労働省として承認するという形になっています。

しろまる中川委員 都合のいいときには審議会の委員が判断するとかという表現になるのだけれども、実質的には、承認をするかしないかを決めるのは概ね事務局です。あとはほかの委員の先生は、もちろんそれは十分にかかわるのだけれども、基本的なスタンスは事務局の方向性でおおむね決まるのです。だから、今の段階で私は申し上げているのです。どうも方向性が定まらないと感じますけれども。

しろまる南川補佐 御指摘ありがとうございます。書面を確認する、この承認の一連の業務に当たって、当然しっかりやるべきという御指摘と捉えていますけれども、我々事務局としても中川委員の御主張とほぼ一致すると思っておりまして、ただ、当然この研究の不適正事案の承認に当たっては、しっかりと確認するという形で考えております。

しろまる楠岡座長 花井委員、どうぞ。

しろまる花井委員 今のやりとりなのですけれども、中川委員がおっしゃっている機能、つまり前提としてちゃんとやっているのかというところについては、事務局がさばくという案ですよね。そもそも申請を受理する前に事務局で、事実関係とか曖昧だったらそれは相手とやりとりをして、ちゃんとして一応出させた上で審議会に上げる。その時点で受理だから、前さばきの段階、受理前に事務局がちゃんとやりますということをおっしゃっていると思うのです。それは複数の審議会をつくるか、事務局の前さばきでやるかという論点だと思います。

中川委員の提案はそもそも前提が足切りなのだから、もしかしたらそこの前科を検討する特別な委員会が別途あって、もう一回その上で審査するという2段階になれば、中川委員の言っているところが形になるのですけれども、今の説明は事務局で前さばくとおっしゃっているので、私は別にそれでもちゃんとそれができるのであればいいのですが、具体的な話をしますと、ディオバンの話で検討会をつくってやりましたね。私もそこの委員だったのでよくわかるのですが、関係者にインタビューをしました。もっとしたい人はたくさんいたけれども、できなかった。それからインタビューはしたけれども、強制力がないから、今回は臨床研究中核拠点になりたいから、それを応じなければなれないから強制力が伴いますよね。そうすると、さらに前の委員会の権限より踏み込んだことができるわけです。

ディオバンのとき、例えばもう既にいろいろ関係者のインタビューもしたし、それから大学の報告書も読ませていただいて、さらにそこの報告書を踏まえてディスカッションもして、この5つの病院はやったわけではないですか。それでもまだ時間も足りず、インタビューする相手も限定されということなのだから、もし本気で前さばきしようと思うと、事実関係ですよ。こう再発防止しましたという案は、皆さん全部書いてきているわけです。だけど、まだやぶの中のことが幾つか残っていて、それは明らかにならないかもしれないけれども、あの委員会の権限では足りなかったのをさらに今回明らかにできるということです。

余り具体的な話をするとややこしくなるのであれなのですが、要はさらに踏み込んでやるとしたら、事務局の作業というのはかなり膨大になると思います。何回も人を召還して、この担当者は誰ですかと。データ工程がここでありますよねと。この後にここにもう一回アクセスありますよねと。誰がIDを配ったのですか。そのときにいた事務員来てください。それであれば、この前のディオバンの検討会を上回る強制力を持った事実関係の確認ということは可能なのですが、それを事務局が今、やるとおっしゃったのですけれども、相当大変ではないですか。

しろまる南川補佐 前さばきという言葉が適切かわからないですけれども、当然審議会に行く前に事実確認、特に報道等であったことについては十分に、報道等その他いろいろな情報を事務局で当然しっかりやっていく。ただ、別途調査委員会を設けるという意味ではなくて、確かに御指摘のとおり、ディオバンの検討会とかに比べると、承認に伴って必要な条件になりますので、当然そのときよりは厚生労働省としていろいろなものを求めることだったりとかできると思いますけれども、いずれにしてもディオバンの検討会は物すごく多大な御協力を皆さんから得てやっていることを考えますと、やはり基本的には申請病院の中で不適正事案だったりするものを出してきてもらうということで、その申請内容だったり、そこら辺についてこれまでも問題になったディオバンの事案だったりとか、そういう不明確な部分が残っていないかとかを含めて事務局でしっかり確認をした上で、審議会の審議にかけていくという趣旨で発言したものでございます。

しろまる花井委員 もしそれがちゃんとできるのであれば、きっちりやってくださいという要望なのですけれども、こういう議論の経緯とか、これまでのいろいろなことがあったので、その審査する機関、今度はこの臨床研究中核病院を審査する段階で、もちろんこのこと以外のたくさんのことを審査するのですけれども、そもそもそこで事実関係が曖昧だったら差し戻されてしまうと思うのです。全然明らかではないではないかとなってしまうので、相当大変になると思いますが、だけれどもそれをやっていただきたい、そういうことになろうかと思います。

しろまる南川補佐 ありがとうございます。

しろまる楠岡座長 ほかにございますか。

先ほどから具体的なプロセスの話になっていて、審査ということになると、多分これは社会保障審議会の医療分科会でということになると思うのですけれども、私も今、医療分科会のメンバーですが、確かに特定機能病院とか、法人の合併は都道府県に移りましたからあれですけれども、そういうのは今の医療分科会で十分検討できると思うのですが、この臨床研究中核病院は非常に特殊分野なので、医療分科会で審議するというのも、事務局が幾ら準備、調査されても、判断が難しいところがかなり出てくるのではないか。事務局の報告をうのみにするというわけではないですが、なかなか突っ込んだ議論ができない。ある意味では通常の医療と研究というのはちょっと違う分野なので、そこのところに関して、花井委員がおっしゃっているのは分科会の下にさらにコミッティーみたいなものがあって、そこでより専門家的な人が調査をし、それで分科会に上げるという、今の分科会のシステムにないものをつけ加えないと不十分ではないかと。中川委員がおっしゃるところもそのような気がするのですが、そのあたりはいかがなのでしょうか。

しろまる中川委員 座長がおっしゃるとおりで、これは失礼な言い方ですけれども、医療分科会では臨床研究中核病院を承認するかどうかという審査は機能的に非常に無理があると思います。だから事務局が申請を受理してさばいたそのさばき方で医療分科会はその方向で、よほど明確な問題点がない限り概ね承認してしまうのです。だから、この資料2の左のところで余りにも簡素化されている。申請して承認という書きぶりが、どうも書類の不備がなければそのまま真っすぐいってしまう。ディオバンの4病院も腹腔鏡の病院もみんな平等にいってしまうと見えるのです。そういうことでは国民に説明がつかないでしょう。いかがですか。

しろまる楠岡座長 そこは即答は難しいと思うのですが。

しろまる神ノ田課長 審議会の運営の仕方にかかわることですので、またちょっと考えさせていただきたいとは思いますけれども、決して事務局が用意したとおりに、シナリオどおりに承認していただくということは考えておりませんで、事務局のほうである程度、もちろんできる限りの整理はしますけれども、まだまだ十分でない、ここをもっと調べるべきだという御意見をいただければ、それをまた病院に返して、さらに追加の調査をお願いすることもできますし、そういうやりとりの中で、これではまだまだわからないということであれば当然承認もされないわけですので、その審査の運営の仕方を工夫することで、ここは対応させていただければなと思います。どういう会議体にするかというところは、また審議会の担当部局とよく相談して考えたいと思います。

しろまる楠岡座長 では、この点は次回に持ち越すことになるかと思います。次は承認後の会議体に関して、あるいは第三者委員会の構成、機能に関して、このあたりはいかがでしょう。

しろまる中川委員 私がこの絵を見て一番思うのは、第三者委員会が臨床研究中核病院の会議体よりもどうも立場が低いと見えるのです。これは逆でないとだめですよ。この書きぶりも大きさも違うでしょう。それがまず第1点。

それと、その下の内部通報。これは実は勇気のある行動だと高く評価して守ってやるという仕組みにしなければならないと思います。そうでないと、自分の身、立場も危ないのですから、内部通報なんて出ません。同じ内部組織にいるのでしょうから。だからもう少しこの書きぶりも、ちゃんとした仕組みなのだということでないとまずいと思います。

しろまる楠岡座長 中西委員。

しろまる中西委員 中川委員のおっしゃるとおりだと思います。この内部通報については、文部科学省が研究不正に関する新しいガイドラインを出して、そこにかなり細かく書き込んであります。これは文部科学省が出したものではありますけれども、ある程度そことの整合性をとってやられれば対応する施設側も混乱がないと思いますし、かなり具体的に書かれております。

もう一つ感じますのは、このガバナンスそのものが不適正事案を未然に防止するということがこの枠の中に書き込まれておりますけれども、一見するといかにも何か不適正事案が起こった後の調査・監督に力点が置かれているような気がします。

一番大事なことは、まず臨床研究実施部門に対して定期的に調査をする。そしてその調査あるいはその一部は内部通報があるかもしれませんけれども、その結果として報告を受ける。そして、その報告を受けた上で再調査もしくは監督改善命令と、その流れがあって、最初の入り口で未然に、あるいは大きな問題になる前に認識することは大事だと思いますので、そういう書きぶりにされたほうが誤解がないのではないかと思います。

しろまる楠岡座長 橋本委員、どうぞ。

しろまる橋本委員 前の議論のときもちょっとそういう意見が出ていたと思うのですけれども、第三者委員会が先ほど施設ごとというお話だったのですが、現状でIRBもそうですけれども、施設ごとに設置している結果、お手盛りというか、どういう審査が行われているのだとか、どういうチェックが行われているのだということが表にならないまま行われているというケースも少なくないと理解していまして、全体のガバナンスを高めるために第三者委員会というものをしっかりつくって、中身をモニタリングしていくのだということであれば、その中身をしっかりと公表していく。

第三者委員会とついでに言うとIRBについても、どういう活動をしているのか。個人情報等にかかわることがあると公表できない部分もあるとは思うのですけれども、そういう部分はマスクするなりして、ガバナンスというかモニタリングの体制がしっかり行われているということをしっかり外部に訴えていかないと、ここまで落ちた国民の信頼というのは回復できないのではないかということで、外部委員会のチェック機能というのはなるべく情報公開するという立場で報告書なりをつくっていっていただきたいとしていただければいいかなと。

しろまる楠岡座長 第三者委員会の報告書は、中核病院の会議体に戻すだけではなく、公表を義務づけるという感じでよろしいのですね。

しろまる橋本委員 そうですね。

しろまる楠岡座長 大津委員、どうぞ。

しろまる大津委員 私もほとんど同じ意見なのですけれども、その第三者委員会が、施設間差がかなり出てしまうおそれがあるということと、ちゃんとしたチェック機能で作用するかどうかというのは非常に疑問がある。本来であれば、現在行っているような早期探索とか臨床研究中核で行っているようなサイトビジットを、厚労省自身がやるのかあるいはどこかに委託して行うか、ちゃんと臨床試験の体制というところを調査できるメンバーでの拠点調査のようなものは、定期的に行っていくべきではないかなと考えます。

しろまる楠岡座長 サイトビジットというのは今回初めて出てきた考え方ですが、サイトビジットというのは厚生局で行うようなシステムがあるのか、それとも今回新たにそれはつくらないといけないのか、そのあたりを含めて。

しろまる神ノ田課長 資料2の下のほうに書いてありますけれども、厚生労働省は第三者委員会の評価結果も含めて、臨床研究中核病院から定期報告を受けることになっております。また、それを受けて不十分なところがあれば報告命令をかけたりとか、あるいは必要に応じて立入調査もできるようになっております。「必要に応じて」というところをどこまで広げるかということだと思いますけれども、場合によっては定期的に確認することも含めて、法律上は対応できるようになっております。

しろまる南川補佐 追加で公表の件につきましても、厚生労働大臣への報告については、厚生労働省令を定めるところよりまず報告書の内容を公表しなければならないとなっていますので、我々厚生労働省のほうから公表する。その中で、今の御指摘にある第三者委員会の評価結果については、しっかりと公表するようにという御指摘と捉えております。

しろまる楠岡座長 よろしいですか。

ほかに。

しろまる大津委員 実際に施設に行って、現実に行っているわけですよね。今、ほとんど丸一日かけて拠点調査を行っているという状況ですので、同じようなシステムを継続して行うべきではないか。本当に丸一日ぐらいかけていろいろな施設の中の資料もかなり吟味してやっていますので、そういうシステムというのは必要ではないかと思います。それから、報告書を出すにしても、ある程度統一したフォーマットとして出せるようにしていかないと、なかなか施設間の標準化というのが進まないのではないかなと思います。その辺も御考慮いただければ。

しろまる楠岡座長 ほかにございますか。

この会議体の構成ですけれども、今、病院長と臨床研究支援部門の長等ということになっているのですけれども、例えばこの部門の方は必ず入っておいてもらったほうがいいというか、それはどこまで書き込めるかとは思うのですけれども、何かそういう点に関してもし御意見があれば。

これは個人的な意見ですけれども、私としては、臨床研究に関する医療安全の専任者を置くわけですが、それ以外に病院全体の医療安全、いわゆる総括リスクマネージャーのような人がここに入っていればと思います。問題が現場から上がってくる時、総括リスクマネージャーのところにも早く上がってきますので、そういう人も一緒に入ってもらうことが考えられます。病院の中の臨床研究部門とは別のセクションで特に入ってもらう人があれば、それも一つ考えておいていいのではないか。

特に今、リスクマネージャーというのは単なるリスクのマネジメントだけではなく、言うならば病院における医療の質のコントロール、マネジメントの担当者という考え方で部門として置かれていますので、そういう人たちのほうが意外とこういう臨床研究として行われるところでの問題点を早くに察知できる可能性もあるので、それも一つの可能性として少し検討していただければと思います。

青谷委員。

しろまる青谷委員 楠岡座長からお話がありましたように、リスクマネージャーや医療安全部門の方がこの会議体の構成員になることについては、私も必要だと思います。そのほかに事務部門や薬剤部など臨床研究に直接かかわる部門の責任者の方が入ることも重要だと思います。

これとは別に、少し前の議論に戻るのですが、第三者委員会の位置づけについて、私は図の意味がわからなくなってきました。内部通報する人にとって、病院長や病院幹部の方々がいらっしゃる会議体に直接言わなくてはいけない状況は、非常に難しいだろうということが1点目です。

また、この図を見て感じるのは、第三者委員会がどちらかというと、臨床研究中核病院のガバナンスに関するアドバイザーという、執行部の会議体に近い位置づけになっていて、第三者的に中核病院の問題点を評価したり、サイトビジット等による外部評価をして問題点を指摘するという視点の位置づけではないように見えます。どうやったらうまくいくかという病院執行部へのアドバイザーに近い会議体であるような印象を受けるのですが、いかがでしょうか。もっと独立性を重視して、この図で言えば、内部告発等があれば第三者委員会に直接上がって、第三者委員会からの報告が中核病院の会議体に通達され、厚生労働省にも必要に応じて第三者委員会から直接報告が上がるとしたほうがすっきりするのではないかと思います。

しろまる楠岡座長 中西委員にお尋ねしたいのですけれども、文科省の研究不正の場合の第三者の内部通報制度は、どんな形になっているのですか。

しろまる中西委員 外部ではなくて、内部でそういう部門を設けることになっています。ただ、恐らく具体的には名前が管理者としてもほとんど事務部門になりますから、そこで心理的なプレッシャーがあるかもしれませんけれども、全く外ということになると、逆に入り口がわからないということもあるだろうと思いますし、一方でその心理的な問題が起こることを念頭に置いて徹底的に守るべきだということは、かなり強調して書いてあります。ですから、これは仕組みとしてどちらが有効かというところでの判断すべきことかと思います。

しろまる楠岡座長 近藤委員。

しろまる近藤委員 独立行政法人だと、理事長はじめ組織の運営をしっかり監督する立場で監事というポジションがあります。監事は理事長が独断でとんでもないことをしないようにという仕組みができているわけです。また、内部通報などは、一旦はそこに届けられる仕組みになっています。このような情報並びに通報者を保護する仕組みが必要と思います。

しろまる楠岡座長 下瀬川委員、どうぞ。

しろまる下瀬川委員 私もこの図を見て、以前から思っていたのですが、この第三者委員会の位置づけというのは非常に甘いと思います。ここにある程度きちんとした権限を持たせないと公平な審査ができないと思うのです。ですから、例えば「臨床研究中核病院は、独自に臨床研究に精通する外部委員で構成」だけではなくて、厚労省や文科省などからきちんとした基準で委員を出すような、権限を持たせるような第三者委員会でないと意味はないのではないかと思います。

しろまる楠岡座長 和泉委員、どうぞ。

しろまる和泉委員 私も第三者委員会を本当にガバナンスをきちんとさせる委員会にするのであれば、できるだけ医療機関と離したほうがいいのではないかと思いますし、委員についても、今、下瀬川委員がおっしゃったように、もう少し第三者的なところが任命するみたいなシステムにしないと、どうしても医療機関で選ぶということになりますと、ある程度お手盛りみたいなところになってしまう可能性はあるのではないかなと思っております。

しろまる楠岡座長 そうしますと、今までの議論をまとめますと、第三者委員会は本当の意味の独立性を保つために、構成メンバーに関しても多少制限といいますか、この臨床研究中核病院そのものとの利害が全くないという方は難しいでしょうけれども、利害関係を考えてそこを調整していただくということ。

第三者委員会の報告は、確かに厚生労働省を通じての公表はあるとしても、自主的になるかもしれませんけれども、タイムラグを考えると、第三者委員会が開かれた後すぐぐらいにも公表していただくほうが、より透明性は高くなるということもあると思うので、その辺は考えていただく。

サイトビジットに関しては、立入調査の中で考えるということで、これも今の補助金事業でやっているサイトビジットと異なり、どちらかというと医療監視的な要素になるかもしれません。ただ通常の医療監視とは違って臨床研究がわかる人が行かないと、あるいは実績が評価できる人が行かないといけないというところで、この辺に関して少し仕組みを考えていただくということ。

内部通報に関しては、文科省の研究不正に関するものも一つ参考にして、少し研究を。臨床研究の不正も研究不正の一部になりますので、そこは逆に共通性があったほうがいいかもしれないということで御検討いただくということ。

この会議体が、この図だと報告があってそれを調査するみたいですけれども、逆に言うと自主点検を命じて、調査報告を受けて検討するという、そのプロセス、確かに一番上に適正実施のための管理・監督と書かれているので、そういう意味とは思いますけれども、そこのところを明示する。

あとは会議体の構成の中で、中核病院側に任せるのではなくて、最低限この部門の人は入っておいてもらいたいという人があれば、そこは示したほうがいいのではないか。

承認前のところに関しては、審査体制に関してどういうふうにするかということも明示的にする。この絵だけでは読み取れないところがあるので、実際は文書として出すことになるので、その文書としてどういう書きぶりになるかのところを御検討いただくというところかと思います。

ほかに追加すべきことは。花井委員、どうぞ。

しろまる花井委員 実際いろいろな施設の形があって、ガバナンスになると、多分施設長は病院長の上に通常理事長みたいな人がいるのですね。近藤委員の指摘は、その理事長だから、今回の法律は施設でやっているので、その上の理事長と監査というのは今回ちょっと書きにくいのかもしれないのですが、そうすると主体として、多分この図だと、上の会議体は座長が施設長、委員長になりますね。右側の三者委員会は第三者委員会委員長なのですけれども、臨床研究実施部門の責任者は誰になるのですか。この中に含まれる範囲がどこを指しているのかが、ここだけが唯一曖昧でわからない。その研究の主任医師なのか。そうすると、この実施部門と支援部門というのが割と近いわけだから、上と下は同じ人が絶対入っていないのですか。入っていてもいいというイメージなのか、ちょっとそこだけが判然としないのですけれども。実施部門とは一体誰でしょう。

しろまる南川補佐 基本的に支援部門で、先ほど骨子案で提示しましたア〜クの体制です。データ管理体制だったり、支援管理体制だったりとか、そういう部門のことを言っています。

この部門については、このあと論点として提示させていただいていますけれども、機関ごとに病院内にある部門だったりとか、法人内になる部門がありますので、それについては、そもそも認めていいかというのがこの後の議論になるのですけれども、基本的には病院ごとの認定で、まずは病院ごとにちゃんと確立していくことを考えると、病院長があって、その支援部門の長、それがその支援部門を束ねた何とかセンター長であるのか、それともそれぞれ分かれているデータ管理センター長と支援部門長、それは法人内にいようが病院内にいようが、いずれにせよこの会議体で基本的には参加してもらって、適切に実施体制を確保していくと考えています。

実施部門の方というのは、実際に研究責任者だったりとかそういう方を考えていますので、絶対に重複しないかというと、絶対に重複しないこともないかもしれませんが、臨床研究中核病院については、ある程度支援部門がかなり充実していることを考えると、その長だったりする人については、それは今、専従だったりとか、基本的にその仕事をしている人ということを考えています。

しろまる花井委員 わかりました。

しろまる中川委員 今のお答えだと、資料2の一番下の臨床研究実施部門と一番右にある倫理審査委員会、利益相反委員会、これはア〜クが実施部門に当たるとすれば、オとかは倫理審査体制、利益相反管理体制、これとそれぞれの委員会と違うと考えているのですか。これは外に出ていますけれども、倫理審査委員会と利益相反委員会。

しろまる南川補佐 お答えさせていただきます。

基本的には倫理審査委員会だったり、利益相反委員会というのは施設が指針だったりに基づいて施設長が設置するものになります。ただ、設置するに当たって、事務局などについてはその施設内にいることがほとんどですので、基本的には倫理審査体制という意味では、まずは倫理審査委員の構成がちゃんと指針に基づいていることで、当然指針の中には外部委員も入れなければいけないとあるのですけれども、実際運営するに当たっては、その倫理審査委員会を設置している施設の事務局みたいなものが部門としてございますので、そこら辺の方も必要であれば参加していくと考えています。

しろまる中川委員 では原則的には、倫理審査体制と利益相反管理体制は、この委員会とは別に実施部門にあるというイメージなのですね。

しろまる南川補佐 実施部門は、実際に研究をやっている、例えば何とか診療科の何とか先生がある研究チームをつくってやっているというイメージで書いています。支援だったり管理する部門というのは、例えば臨床研究何とかセンターという中にデータ管理部門だったりとか、CRCとかの方々が在籍する支援部門、そして場所によっては、施設によって異なると思いますけれども、倫理審査委員会の事務局はそこに入っていたりとか、もしくはその支援体制の中のセンターとは別に、その管理部門であったりとか、その組織によっていろいろな形態があると考えています。

しろまる楠岡座長 多分中川委員が考えておられるのは、当初のこの会議体というのはガバナンスを効かすためであって、単に支援部門とか実施部門の運営委員会ではない。今の御説明だと何か運営委員会みたいな話になってしまっている。運営委員会のさらにその上にあって、全体的にきっちりできているかどうかを考えるということなので、上にある適正実施のための管理・監督というのは、確かに支援部門は実際に研究をやっている個別の研究者等に関する管理・監督をするのがもともとの役目ですけれども、今度はそれをさらに越えた上のところで、支援部門がきっちり管理監督ができているかどうかとか、あるいはどうやればそれができていくかを考える、そういうものと当初は考えていた。多分中川委員のお考えとか、あるいはここの今までの検討ではそうだったのですけれども、そこが矮小化と言うとおかしいですが、ちょっとうやむやになってしまっているような感じがするのですが。

しろまる神ノ田課長 資料のつくり方が悪かったのかもしれないのですけれども、この会議体については、病院長のリーダーシップを発揮するための会議体というイメージで、病院長だけでは全てを把握できないので、支援部門のそれぞれ倫理審査を担当している人、あるいは利益相反を担当している人それぞれ入っていただいて、病院長をしっかり補佐していただく、そういうイメージです。そういう中で病院長としてリーダーシップを発揮し、ガバナンス体制を整備していただくということです。

右下のほうに倫理審査委員会とか、利益相反委員会とか書いておりますけれども、これは会議体としての委員会ということで、ガバナンスを発揮するための病院長を中心とする会議体とこういう委員会がしっかり連携を図っていくということでございます。うまく整理できていなくて済みませんでした。

しろまる楠岡座長 今の御説明でよろしいですか。

しろまる花井委員 同じようなことで、それで大体理解しました。要は、倫理指針も含めて施設長が最終責任を持つという形式に全てなっていて、それは単に形式ではなくて、そこがちゃんと権限とファンクションを持つという仕組みと理解します。ということで、先ほどの質問の答えとしては、臨床研究実施部門はある程度アドホックであるということですよね。研究プロジェクトごとに、もちろん同じ生物統計科とか、そういうのがかかわるにせよ、一応新たな研究が立ち上がればこのチームでやるという形で、これが楕円形の丸という理解でよろしいですよね。

しろまる楠岡座長 そうしましたら、資料2に関する点に関しては、今、幾つか検討事項が新たに出てまいりましたので、そこを整理していただいて、次回もう一度最終的な形をお示しいただくということで、次に資料3に移りたいと思います。

実施基準の成績等に関するところで、論点が今、3つほど出されておりますけれども、まず論点1に関しては、前回の結論としまして、いろいろな数値に関する基準に関しては、早期・探索的臨床試験拠点の中央値ということになったわけですけれども、それでは少し難しいところがあるのではないかということで今回、対応策が出されておりますが、これにつきましていかがでしょうか。

確かに早期・探索はもともと疾患領域を定めて選んだ経緯があるので、偏りがもともとあって、その後、臨床研究中核病院という構想が出てきて、そちらにだんだん移るような形にはなっている。しかし、もともとが特定領域に非常にすぐれたところを選んだ形になっていますので、多少バイアスがかかっているということがあるかもしれないということで、今回出てきた承認要件のイメージとして、この中央値だけでは足りないところに関しては、少し補助的手段を入れるということでありますが、この点はいかがでしょうか。

和泉委員。

しろまる和泉委員 この資料にも書いてございますけれども、臨床試験あるいは治験等も企業主導ですと、いろいろな企業の考え方もございますので、そういう意味では開発している領域もかなり偏りが出てくる。ただ、今後患者さんが一番求めているのは、希少疾患や難病等でまだまだ薬が出ていないということを考えますと、こういう領域別の部分を考慮して、ある程度数値もそれなりに考慮する必要があるのではないかなと思っております。

しろまる楠岡座長 ありがとうございます。

ほかにございますか。

一応この論点1に関しては、承認要件のイメージというところで出ているもので、まずこれでよろしいでしょうか。

(委員首肯)

しろまる楠岡座長 それでは、論点1に関しては承認要件のイメージという形で進めていただくということで、次の論点2で配慮が必要な疾病領域に関しては、少し加えた基準を考えてはどうかということで、難病希少疾病領域、小児、新興・再興感染症に関しては25パーセンタイル。例えば医師主導治験の実施の割合が50パーセンタイルではなくて25パーセンタイルであってもそれは認めるという形だと思いますが、これに関してはいかがでしょう。

下瀬川委員、どうぞ。

しろまる下瀬川委員 私も総合力がある病院と、特定の疾患を深くやっている病院というのは、ある程度分けて考えるべきだろうと思うのです。ただ、そのときに最初から分けるのか、あるいは最初はもう全て受け付けて、それをどうより分けるかとか、そういったところが難しいと思うのです。ですから、中核病院の役割というのを、例えば1群とか2群に分けて選定していくのかどうかという、その手順は皆さんで話し合われたほうがいいのではないかと思います。

しろまる楠岡座長 いかがでしょうか。中川委員、どうぞ。

しろまる中川委員 今の先生のおっしゃっていたイメージは、特定機能病院の総合的なところと、特定機能と、その塊から幾つずつ承認するというイメージになりますね。そういう考えでよろしいですか。

しろまる下瀬川委員 私としては、全般的に総合力があるような中核病院を例えば10とか、そのほかに、例えばがんあるいは難病希少疾患などを深くやっているところを幾つか選定するか、そういった議論になると思うのです。だから私は、臨床研究が日本の中で発展していくためには、もちろん総合的な全てに対応したような病院も当然必要だとは思いますが、やはり特化したところで非常に深くやられているところがあっても、それはそれで必要なのではないかとは思うのです。

しろまる中川委員 患者申出療養をつくろうと決めたときの田村、稲田両大臣合意の中に、要件を満たせば臨床研究中核病院は随時承認を追加していくのだと明記されているのです。ですから、この決めは非常に慎重にやらなければいけないと思っていまして、要件さえ満たせばどんどんふえていくということではないのだろうと思っていまして、そういう意味で今、確認したということです。

しろまる楠岡座長 そうしますと、今の議論としては、今までの話がファーストトラックとすると、こういうセカンドトラック的なものはあったほうがいいであろうという御議論かと思うのですが、それをファーストトラック、セカンドトラックとして分けて考えるのか、それともその点に関しては同じなのだけれども、ただ、セカンドトラック的なものを設けておくのかという、そこになるかと思うのです。

ただ、ここはあくまで実施数に関する話なのですけれども、後ろのほうに人的な対応とかがあって、もしそのファーストトラック、セカンドトラックを分けてしまうと、セカンドトラックのほうはもっと小規模でもいいのではないかとかいう議論が出てくると、体力的に臨床研究中核病院として本当にやっていけるのかどうか。人員に関しても次の議論になりますけれども、一応中央値ぐらいをめどにしているので、ある程度体力が要るのですが、それを切ってしまうと倒れてしまうというのが危惧されるところなのです。この点に関してはいかがでしょうか。

しろまる下瀬川委員 例えば疾患領域で分けて、それで25パーセンタイルというふうに基準を下げた場合、申請するときに自分たちはこの領域で25パーセンタイルだという病院が増えてくると、これもまた質という面から言うと困ると思うのです。そこは十分議論をしていく必要があるのではないでしょうか。

しろまる楠岡座長 中川委員、どうぞ。

しろまる中川委員 特定機能病院でも、特定領域のほうが総合領域よりも要件が厳しいのです。そう考えると、ここに申請してくるところは当然そういう体力があるところしか申請してこないでしょうから、それは余り心配ないのだろうなと。

しろまる楠岡座長 そうしましたら、後ろのほうは分けないで、業績に関するところでは、領域に関しては少し別配慮でクリアしていれば一応認めるということでいいということですね。

それでよろしいですか。花井委員、どうぞ。

しろまる花井委員 今の議論でいいと思うのですが、一方で今の議論からすると、特定の疾病領域を中心として研究を行うという概念なのですが、これがどうなるかというのが一方になくて、今の配慮の趣旨からいうと、余り裁量でやるべきではないと思うのですが、25パーセンタイルと決めたりとか、疾病も今、言っているのですが、これ以外にないのかあるのかちょっとわからないのですけれども、あえてそういう疾病名とか、何パーセンタイルというのを決めてしまわないほうがいいのかもしれない。私はそのほうがいいという意見ではないのですが、中心として行うものがどうかというのがまず決まらないといけなくて、それを踏まえて、だから総合判断的なものでもあるかもしれないので、ちょっとそこは一つ論点かなと思いました。

しろまる楠岡座長 そうすると、その25パーセンタイル値という数値を出すのではなくて、中央値だけれども、そこに足りていないところに関しては、審議の場において多少そこに裁量を持たせるのだという。

しろまる花井委員 という御判断もあるのではないですかね。つまりその施設ごとに中心としてということは、施設ごとにここが強いねというのを何か総合的に判断しているからそれが言えるのだろうと思うのです。もしかしたら論文数とか、そういうので基準を決めるのかもしれませんが、それによって実務的対応が変わると思うのです。

しろまる楠岡座長 事務局、どうぞ。

しろまる神ノ田課長 若干補足させていただきますと、実績については、例えば特定疾患領域について取り組みますというところについては、特定疾患領域の実績だけで判断することになりますので、そうなると非常に臨床研究も実施しにくい領域において実績を上げていただくことになりますので、本則にあるような50パーセンタイルということになると、それを超えられないのではないかということもありまして。

しろまる花井委員 ということだと思うのですね。そうなると、これも私は実態をわからずに言っていますが、例えばウルトラオーファンだったらこの数でもすごいよとか、感染症だったらこのぐらいの数がすごいというので、その領域ごとに件数のすごさというか、これはなかなかやっているねという基準が変わってくるので、疾病ごと一律にするのではないのではないのかなというのが推定できるのです。だからこの領域でこれだけやったら、かなりやっているねということがもしあるのであれば、25パーセンタイルと最初に全部決めてしまうと不都合があるかもしれないということです。

しろまる神ノ田課長 そこは御議論いただきたいと思っていまして、目安としてこれぐらいというのは示す必要があると思うのですけれども、それを下回っている場合であっても、審議会での御議論の結果、これはすごい画期的な研究だというところを評価してもらうというやり方もあるかとは思います。ただ、目安については一定程度お示しいただかないと、なかなか申請もできないのではないかと思われますので。

しろまる楠岡座長 大津委員、どうぞ。

しろまる大津委員 我々のところもそうでありますけれども、例えば小児病院みたいなところである場合と、例えば大学みたいな総合病院の中で、特に小児が強いとかという場合とでは話が違ってくるのかなと。病院ごとという話になると、大学の中でそこだけが強いという話で、全部基本的に病院単位ということですよね。だからそうすると、ほかの分野まで含めた総合部分というところの評価も必要になると思いますし、この辺はなかなか難しい問題だと思いますので、審議会で基本的には総合病院は総合的な評価で、その中でこういった希少疾患等がすぐれているという場合は、そこでの加点みたいな形で考えられてはいかがかなと思います。

しろまる楠岡座長 橋本委員、どうぞ。

しろまる橋本委員 前々から皆さんこれぐらいの基準というか、設備なり人的パワーがないとできないということである程度線を引いて決めている中で、ではそれに満たないところをどうするかというときに、線を引いてどうこうというのではなくて、では足りない部分をどうするのかというときに、例えばほかの病院との連携とか、まずそういうところで何とかしていこうと。いろいろなことを考慮して、でもここだけはどうしても足りないのだけれども、この研究からして判断すべきだということは、個別に審議会などで議論されて決めていくような、これだったら大丈夫だという判断をしていくものであって、余り最初から25%に下げてしまって、それをクリアしていればいいですよという話ではないという気がします。

しろまる楠岡座長 いかがでしょう。

前回もこの議論があったときに、25パーセンタイル値かどうかは別として、特定の疾患領域を中心的に行っていて、かつ体力があればAROとしてやっていただく。もしすごい研究企画力はあるのだけれども、実際そのスタッフ面ではなかなかそろえられない場合はどこかのAROと連携してやっていただく。それが今のAROをつくっていこうという当初の目的というか目標ですので、そういう意味では今、橋本委員がおっしゃるような形というのも十分考えられると思うのです。特定領域だから小さくてもいいという話ではやはりないと思うのですが、ただ、そこそこ体力はあるのだけれども、ただ業績の数だけではどうしても50パーセンタイルに届かない場合をどうするかということ。

大学病院なのだけれども、たまたまそこに、例えば難病領域ですごい専門的にやっている先生がおられて、そこの業績だけで25パーセンタイルに到達するから申請するというのは違うだろうと。やはりそれの疾患に特化したところ、例えば小児なら具体例で言うと小児病院とか成育医療センターなどが考えられると思うので、そうすると特定機能病院の1、2的なのですが、そういう分け方はあえてしないけれども、審査申請したときにどちらのほうで審査してほしいかという希望ぐらいは出しておいていただいて、こういうデータをつけていただく、そういう考え方になるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

下瀬川先生、どうぞ。

しろまる下瀬川委員 今の座長の意見に賛成です。ですから、基本的に体力があって、申請時点で自分はどちらのほうに申請するか、それを全体的に見て、審議会のほうで判断する。そのような体制でよろしいのではないかと思います。

しろまる楠岡座長 まず和泉委員から。

しろまる和泉委員 恐らく申請する医療機関にとってみれば、ある程度目標値みたいなものが必要なのかなと思っておりまして、それが絶対値である必要はないのですが、今、基準を満たしていないのですけれども、ではどれぐらい頑張ればいいかという意味での目標値みたいなところはある程度あってもいいのかなというイメージで、25パーセンタイルがいいのかどうかは別として、あったほうがいいのではないかと思います。

しろまる楠岡座長 青谷委員、どうぞ。

しろまる青谷委員 1点確認させていただきたいのですが、医療法上の臨床研究中核病院の認定にあたり、体力評価という言葉が先ほどから出ておりますが、もともとは病院単位での体力評価だったと思います。ところが、今回のご提案の中には法人単位での評価案が出てきており、今の議論の中では、連携して他の病院や他のAROを使う話も出てきたのですが、どこまでの範囲を中核病院の体力評価に含むのかを教えていただけないですか。

しろまる中川委員 次の論点です。

しろまる青谷委員 次の論点になりますか。はい、わかりました。

しろまる楠岡座長 私が先ほど申し上げたAROにというのは、AROに依頼する側の病院は、それを持つ必要はないかわりに臨床研究中核病院でもないという、中核病院とあくまで連携であって、それを足し合わせて、2つの病院で合わせてという話では決してないという範囲。

そうしたら論点2に関しましては、一応25パーセンタイルがどうかということに関しては、一応目標値として考える。例えば領域によっては、この25でもかなりしんどいところもあるかもしれませんので、そこは審査のところで多少は考えるということと、ほかの要件に関しては、特定の領域だからといって斟酌することはなくということで進めていくことでよろしゅうございますか。

次が第3で、病院に全部持たせる必要があるのか、法人内に複数の病院があったり、あるいは法人の中に全体としてそういう部門がある場合に、そちらにある程度業務連携で任せて、病院内に新たにそういう組織をつくらなくてもいいのではないかということです。そのものとしては今、ここにはア、エ、クの3つ以外は連携でも構わないのではないかという考え方で出ていますけれども、しかし、一番下にありますように、外に連携で置く場合にも、病院の中にはそれの責任者に相当する人は誰かいていただく。全く外に出してしまうのではないという歯どめのもとで考えるということであります。これに関していかがでしょう。

中川委員、どうぞ。

しろまる中川委員 これは、例えば分院もOKだということですよね。これは特殊な例、オとイのところとは違って、臨床研究中核病院に承認された暁には、例えば大学病院の分院も全部OKだということになりますよね。そうすると、これは膨大なことになると思うのです。ですから、私は余り賛成できません。

しろまる楠岡座長 いかがでしょう。

しろまる大津委員 ちょっと確認ですけれども、病院ごとというのは、大学病院とかの本院、分院という場合には、本院と分院が、分院が出すなら分院は分院として出すという意味ですよね。ということですね。

しろまる南川補佐 そうです。

しろまる大津委員 だから中川委員が懸念されるようなことではないということでよろしいのですか。

しろまる南川補佐 申請に当たっては、あくまでも病院単位ですので、本院として申請してもらいますし、分院として申請してもらう。ただ、例えば今、言ったある大学病院で、本院と分院に共通する臨床研究支援部門があった場合において、それがかつ2つの病院を同時に見ることによって極めて効率的に動いている場合に、この申請に当たってその組織として一つの組織でやっているものを、本院用のものと分院用のものにわざわざ既存の組織を分けて申請をしてもらう必要があるかどうかという確認です。

ただ、仮に統一のままを見る場合であったとしても、例えばここでCRCがある病院に、臨床研究中核病院に対して10人必要だとかいう話になったときに、ではそれが統一組織だからといって、それぞれの病院に対して本院でいっているわけではなくて、あくまでも組織としてはその統一した支援部門によるけれども、人だったりとか病院としてはちゃんと10CRCを確保してくださいと、そういう趣旨で書かせていただいております。

しろまる楠岡座長 下瀬川委員、どうぞ。

しろまる下瀬川委員 私も、これはこれでいいのではないかと思います。例えば、以前にもお話ししましたが、大学ですと必ずしも医学部だけではなく、工学部だったり理学部だったりいろいろな研究があるわけです。それを取りまとめて大学でCOI委員会をつくって、全てを審査している場合があるわけですから、そういったものがきちんとあって、なおかつ病院の中にそれと直接リンクしたような責任者がいて、会議体の中に入ってモニターするようなシステムができていれば、それでいいのではないかと思います。

しろまる楠岡座長 ちょっとその前に、ア〜クまでのところというのは、資料1の2ページの「3.臨床研究中核病院の承認要件」のア〜クということですね。これを見ながら検討をしていただきたいと思います。

中川委員、どうぞ。

しろまる中川委員 象徴的に分院と言いますけれども、一緒にやっていくのだという場合に、この資料2の臨床研究実施部門に参加するといいますか、教育するということなのではないですか。同一法人だからこういう特例で認めるということは、ずっと離れた分院も臨床研究中核病院に承認されるということなのです。それはどう考えてもおかしいと思います。

しろまる南川補佐 分院という使い方はあれかもしれませんけれども、仮に本院として申請されて、本院として申請されるに当たって各種の要件を満たさなければいけないことになるのですけれども、例えば臨床研究データ管理部門を持たなければいけないという要件を満たす際に当たって、それがそのデータ管理部門が本院と分院を含めた法人内にある場合に、ただそこはちゃんと病院に対する例えばデータマネージャーがちゃんといる場合に、それで申請した場合は、必ずしもその支援センターが病院内の組織でなくてもいいのではないかと。ただし、仮にこれで認めた場合であったとしても、あくまでも本院を認めただけであって、分院もそれで臨床研究中核病院として認めたということにならないですし、中川委員が恐らく懸念されている、例えば今後想定される患者申し出療養を分院を中心にできるかというと、そういうことではないです。

しろまる中川委員 何を言っているかわかりません。

追加して聞きますけれども、特定機能病院の承認をされていますが、大学病院も分院は特定機能病院にはなっていません。そういう現状も考えると、やはり同一法人内だからいいという特例で認めるというのは違うと思います。

しろまる神ノ田課長 臨床研究中核病院はあくまでも病院単位でしっかりと体制を整えていただくということで、この資料1の2ページ、ア〜クについては、しっかり体制を整えてもらうということなのですが、組織上の位置づけとして、例えばイとかウ、オ、カ、キについては、病院ではなくて法人の部分で組織上位置づけられていても認めていいのではないかということです。ですから、分院としてまた承認を受けたいということであれば、分院としての体制はしっかり整えてもらうことになりますので、中央の病院が認定されたら、ほかのものも全て自動的に承認されるという取り扱いではございません。

しろまる楠岡座長 ちょっと確認したいのは、イの臨床研究支援体制が法人側にあるという、ここが懸念材料で、これを認めると、中川委員が心配される、本院と分院で一つの支援体制という話になってしまう。今、本院も分院も本来はそれぞれがフルスタッフなければいけないのが、足してフルスタッフあればOKという話になってしまうので、イに関してはどういう考え方になっているのでしょうか。

しろまる南川補佐 当然その支援部門体制という部分については、主にCRCさんが多いと思うのですけれども、CRCについて要件は決まっていませんが、例えば10名必要だといった場合に、当然今までいた本院分院であった場合に、本院に実際にはCRCさんがちゃんと10名いる。ただ、その支援部門としては、組織上の位置づけが臨床研究支援センターとかいう形で法人内にある。ただ、実際の同意取得だったりとか、基本的には本院にいるということが病院に確保されているのであれば、それはよい。だから当然本院も分院も両方とも、病院が申請してくる場合は、当然分院においても支援体制の中にいるCRCさんが分院にちゃんと10人いるということになるので、統一であるから半分でいいということを申し上げているつもりはないです。

しろまる楠岡座長 ただ、この臨床研究支援体制というのは、本当に臨床研究中核病院の実行部隊で一番肝になるところなので、それが共有化される形はやはりまずい。例えば1法人で病院として1つしかなくて、たまたま位置づけが例えば総長の直下にあるとかいう形であれば、業務量というのはあくまで1病院になるわけですけれども、一つの法人の中に幾つも病院があって、そしてそのCRCが法人に所属していて、全ての病院を支援に行っているとなると、実際上はもう薄まっているわけで、こちらが期待しているだけの人数が実際働いているというわけにはならない。支援体制の中でもう少し整理ができるもの、これは別に病院に専属でなくても共有化でもいいだろうというのは整理していただく必要がある。イを丸々外へ出してしまうのは大きな問題があるのではないかと思います。

しろまる南川補佐 御指摘を踏まえて整理します。

しろまる楠岡座長 下瀬川委員、どうぞ。

しろまる下瀬川委員 私も今の座長の意見には賛成で、中核病院としては主体があるべきで、それの認定だと思うのです。ですから、分院まで含めて、薄まった中で質が下がるというのは、それは中核病院としてふさわしくはないので、主体病院からの申請とするべきだと思います。

しろまる楠岡座長 論点3に関しましては、今のような形でよろしいですか。

それでは、もう時間が来てしまいましたので、資料1に戻れませんが、今まで御議論いただいてきたところで、資料2に関する議論、それから資料3に関する議論に関しては今、終わったところです。あと4に関して人的体制ですけれども、これに関してはデータが一応出たというところですので、今までの議論で行きますと、早期・探索の黄色のところを目安にするということになるかと思いますので、一度それをということ。あと論文に関しては、今、調査中ということですので、それがフィックスされたところで、もう一度御検討いただくことになるかと思います。

資料1の3ページ、ア〜クに関して、ガバナンスに関してはきょう御議論いただいたところ。

そしてそれ以外のイ、ウ、エ、オ、カ、キに関しては、今まで議論をいただいたところ。

4ページ(2)の臨床中核病院の機能を果たすために必要な実績に関しては、これはきょう一部御議論をいただいたところです。

5ページ(3)施設について、これは今までに議論が済んでいるところ。

(4)人員配置に関しては、一応今までのところで、最後、モニターとか、プロジェクトマネージャーに関しては少し変更がありましたけれども、これに関しては特に今回の変更で問題ないかと思いますが、よろしゅうございますか。

資料1に関してはきょう全部をもう一度チェックすることができなかったので、また次回になるかと思いますが、次回に残った宿題もあわせて再検討させていただくということで、特に何か今、追加しておきたいこととかはございますでしょうか。

はい、まず近藤委員。

しろまる近藤委員 昨日の臨床研究の在り方検討会でもちょっと申し上げたところでありますが、診療情報の電子化の標準化というのは、これから避けて通れない話だろうと思うのです。ですから、これは総論としてお話ししますが、これから例えば医政局としてはそれなりの対応をとっていただきたいと願うところです。現在、PMDAがファーマコビジランスを東北大学、九大も東大も含めて全国の10の大学や診療機関の電子診療情報を集めて、1,000万人規模のデータベースによりファーマコビジランスとしてうまく機能するかどうか今、テストしているところです。

目下、各診療機関の電子診療情報の細かいマッチングをしているところですが、情報の素材がばらばらだからなかなか大変なのです。それでも何とかあわせることはやっているのですけれども、例えば「頭痛」「腹痛」と書いてあってもそれがあるのかないのか確定できない。したがって、もうこれは使えない。こういったカルテのあり方では、今後こういう臨床研究が推進されるとは思えない。

ですから、基本的な将来の電子診療情報のあり方をしっかりと様式を整えることを厚労省がリードして、方向性をしっかりとして出していただきたいです。少なくとも中核病院になるところは、その方向を目指してもらいたいと思うところです。

以上です。

しろまる楠岡座長 それに関連して、次の検討課題になるかもしれないですが、近藤委員、例えば臨床研究中核病院はCDISC対応ができなければいけないとか、そういうところまで求めますか。

しろまる近藤委員 いや、治験ではCDISCですから、10年先は間違いなくCDISC

しろまる楠岡座長 一般臨床研究においてもCDISCで、それがそのまま治験に移れるためには、CDISCで最初からやっていただくというような。

しろまる近藤委員 10年先にはね。そうしないと国際標準にならないですよ。また日本が取り残されてしまう。だから、これは明確なゴールはあるのです。だから、いいことは早くやったほうがいいに決まっている。

しろまる楠岡座長 今回はまだそこまで求めなくていいと。

しろまる近藤委員 目標だけ設定してもらえれば。

しろまる楠岡座長 青谷委員、どうぞ。

しろまる青谷委員 電子化の推進に関する御意見、全く同感です。

もう一点、この資料の区分のどこに含まれるのかを考えたことがあります。おそらく3のエの安全管理体制のところに含まれるのだろうと思うのですが、「被験者の安全性確保の観点から、臨床研究中核病院には緊急医療体制が整っていること」という要件が明確に打ち出されていないように思うのですが、どこかに含まれていますか。

しろまる楠岡座長 それは病院としての設備、機能というところで救急対応ができるようにというのが一応入っていますね。ICUを持つとかそういう話ではなくて、救急対応ができるというのはたしか議論の中にあったと思うのですけれども。

しろまる下瀬川委員 恐らく要件の中では16診療科のうちの10でしたでしょうか。救急科というのがありますが、今、言われたことは私も気になっていて、やはり臨床研究中核病院で何か起こったときに優先的に見られるようなシステムというのは必須のような気がするのです。ですから、救急科や救命センターを1516のうちの10ではなくて、それは必須としたほうがいいのではないかなと思います。

しろまる楠岡座長 それは今後の検討で。

それから、施設基準の中にICUとかを持たなければいけないというのは。

しろまる南川補佐 そうですね。法律上にICUの設置が義務づけられています。

しろまる楠岡座長 だから、今のような救急科を必須にするとか、ICUは持っていなければいけないということである程度は担保できるかと思います。

しろまる大津委員 特定機能病院でも同じような要件があったと思うので、それで対応でよろしいのではないかと思うのですが。

しろまる楠岡座長 青谷委員、よろしいですか。

しろまる青谷委員 救急科の標榜があるとか、ICU設備があるという意味だけではなくて、被験者に何か異変があったときに緊急対応が適切にできるという、窓口的な対応体制整備についても要件として明記することが必要なのではないかと思います。

しろまる楠岡座長 わかりました。そこは運用のところになるかと思うのですけれども。それは審査するときにそういう組織なり体制がとられているかどうかを記載してもらうということにはなると思います。

ほかはよろしいでしょうか。大分時間が過ぎて申しわけございません。

そうしたら、2番目の議題の「その他」に関しまして、事務局のほうで何かございますか。

しろまる南川補佐 特にございません。

しろまる楠岡座長 わかりました。

ありがとうございます。そうしましたら、きょうまたいろいろ御議論いただきましたので、それを整理していただくことと、審査の点ではかなり大きな話になりますので、これも時間がかかるかもしれませんが、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。

一応以上で本日予定していた議題は済みました。何かほかによろしゅうございますか。

特にないようでしたら、事務連絡をよろしくお願いいたします。

しろまる神ノ田課長 次回の開催日時、場所等につきましては、事務局から追って御連絡を差し上げたいと思います。

また、本日の議事録につきましては、作成次第、委員の皆様方に御確認をお願いし、その後、公開させていただきますので、あわせてよろしくお願いいたします。

事務局からは以上でございます。

しろまる楠岡座長 ありがとうございました。

それでは、以上をもちまして閉会いたします。時間が超過いたしまして申しわけございませんでした。本日はどうもありがとうございました。

(了)

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