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平成24年4月17日

【照会先】

医薬食品局食品安全部

監視安全課 輸入食品安全対策室

室長: 道野(内線2495)

担当: 近藤、竹内(内線2474、4242)

(電話代表) 03(5253)1111

(電話直通) 03(3595)2337

基準審査課 新開発食品保健対策室

室長: 温泉川(内線2456)

担当: 森川、小林(内線2479、4272)

(電話代表) 03(5253)1111

(電話直通) 03(3595)2327

報道関係者各位


食品衛生法に基づく安全性審査を経ていなかった遺伝子組換え微生物を利用した添加物についての対応(第5報)


しろまる 今般、食品衛生法第11条第1項に基づく「組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続」(平成12年厚生省告示第233号)第3条に定める安全性審査を経ていなかった遺伝子組換え微生物を利用した添加物「L-フェニルアラニン」が確認されたことから、その対応についてお知らせします。


1 概要

しろまる 平成24年4月17日、協和発酵バイオ社から同社が製造販売している添加物(「L-フェニルアラニン」)が遺伝子組換え微生物を利用し製造されているにも関わらず、食品衛生法に基づく厚生労働大臣が定める安全性審査を経ていない旨、報告を受けました。
しろまる 当該品は、ニュートラスイートカンパニー社(NSC社、本社:米国)が製造した、「L-フェニルアラニン」の原料「L-フェニルアラニン(粗精製品)」を精製したもので、協和発酵バイオ社が国内で製造したもの(平成21年〜24年3月:約35トン)とShanghai Kyowa Amino Acid Co.,Ltd.(中国上海市)が製造し輸入したもの(平成20年以降:約6.5トン)があります。
しろまる 昨年12月の同様事例を踏まえて実施した調査において協和発酵バイオ社は、以前にNSC社より遺伝子組換え微生物を利用していないとの回答があったため、遺伝子組換え微生物を使用した添加物には該当しないと回答していましたが、その後の協和発酵バイオ社による詳細な調査の結果、今回の事例が判明しました。
しろまる 協和発酵バイオ社は、本年3月6日に自主判断で販売を中止しています。

(注記) L-フェニルアラニンは必須アミノ酸の1つで、協和発酵バイオ社製のL-フェニルアラニンはスポーツドリンクやサプリメント等に使用されているが、一般的にはスポーツドリンクなどの他、アスパルテームなどの甘味料の原料にも利用されている。

2 現在までの対応

所轄の保健所が協和発酵バイオ社に対して、販売先への情報提供を行い、その提供を受けた事業者が加工販売することを自粛するよう指示しました。

3 これらの添加物の安全性と今後の対応等

(1)安全性
次のとおり現時点で安全性への懸念はないと考えてます。
しろまる従来から添加物として使用されている化学的に合成された「L-フェニルアラニン」と化学構造が同じであり、化学物質としての安全性に差はありません。
しろまる日本薬局方に基づく成分規格に適合し、個別の食品添加物の成分規格を満たしています。
しろまるすでに国内で広く使用されていますが、安全上問題となる情報はありません。
(2)今後の対応等
しろまる食品安全委員会での安全性評価に必要な資料が整い次第、速やかに諮問します(日程については現在調整中)。
しろまる当該製品及び当該製品を用いた食品の回収等については、食品安全委員会の審議状況を見て判断します。
しろまる今般の事例を踏まえ、「L-フェニルアラニン」の取扱い業者に対して、あらためて検疫所及び都道府県等を通じて再調査を指示し、報告を求めることとしました。

4 再発防止策について

今回の事例は、食品添加物を製造する際に遺伝子組換え微生物を利用して製造された粗精製品を使用した違反事例であり、今後同様の事例が発生しないよう、あらためて、業界団体を通じて関係事業者に対し注意喚起を行います。

<参考1>食品衛生法(昭和22年法律第233号)
第11条
1) 厚生労働大臣は、公衆衛生の見地から、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、販売の用に供する食品若しくは添加物の製造、加工、使用、調理若しくは保存の方法につき基準を定め、又は販売の用に供する食品若しくは添加物の成分につき規格を定めることができる。
2) 前項の規定により基準又は規格が定められたときは、その基準に合わない方法により食品若しくは添加物を製造し、加工し、使用し、調理し、若しくは保存し、その基準に合わない方法による食品若しくは添加物を販売し、若しくは輸入し、又はその規格に合わない食品若しくは添加物を製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、保存し、若しくは販売してはならない。

<参考2>組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続(平成12年厚生省告示第233号)
第3条 厚生労働大臣は、組換えDNA技術を応用した食品又は添加物について、その開発者、その代理人その他適切な資料を提出することができる者から申請があったときは、食品が組換えDNA技術によって得られた生物であり、又は当該生物を含む場合にあっては当該生物の品種ごとに、食品又は添加物が組換えDNA技術によって得られた生物を利用して製造された物であり、又は当該物を含む場合にあっては当該生物の品種ごと又は当該食品若しくは添加物の品目ごとにその安全性の審査を行う。
2 前項の審査は、食品安全委員会の意見を聴いて行うものとする。

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