◆だいやまーく基本的なQ&A
厚生労働省は、平成14年度から「C型肝炎等緊急総合対策」を実施しており、関係部局が連携して、検査の受診の呼びかけや、検査・治療体制の整備等を行っています。
平成16年12月に、厚生労働省は、三菱ウェルファーマ社(現田辺三菱製薬株式会社)から報告のあった7,036医療機関のうち6,933医療機関等の名称等を公表し、C型肝炎対策の一助となるよう、フィブリノゲン製剤を投与された可能性のある方などに肝炎ウイルス検査の受診の呼びかけを行いました。
今般、フィブリノゲン製剤の投与によるC型肝炎ウイルス感染の問題が改めて提起されたことを受け、フィブリノゲン製剤を投与された可能性のある方に、一日も早く検査を受けていただき、早期発見・早期治療に結びつけていただくため、平成16年12月以降厚生労働省ホームページで公表しているフィブリノゲン製剤納入先医療機関に対し、追加調査を依頼し、再度その名称等を公表することとしたものです。
フィブリノゲン製剤は、人の血液から血漿という成分を分離し、その中に含まれる「フィブリノゲン」を高純度に分離精製し、凍結して乾燥させた製剤で、産科などで出血の多かった方や大きな手術を受けた方の低フィブリノゲン血症(止血困難時)に使用された可能性があります。
平成13年にウェルファイド社(現田辺三菱製薬株式会社)が行った調査によると、フィブリノゲン製剤は、出産や手術で出血が多く止血が困難な時に産婦人科、外科、内科、小児科など22診療科で使用され、臓器接着剤として外科、心臓血管外科、脳外科など23診療科で使用されていました。ただし、中心的に使用されたのは、主に産科の疾患その他で出血が多かったときか大きな手術をしたときと考えられます。出血を伴わない病気で医療機関を受診されてもフィブリノゲン製剤を投与されることは、まず考えられません。
ちなみに、平成16年の医療機関に対する調査において、医療機関から回答のあった診療科は49となっており、産婦人科、外科の回答が多数を占めていました。
また、フィブリノゲン製剤を生体接着剤である「糊」(フィブリン糊)として使用された場合があります。
製薬会社から厚生労働省へ報告された例としては、以下のものなどがありますが、詳しくは治療を受けた医療機関に直接お尋ねください。
フィブリン糊として使用した診療科と主な使用疾患・用途診療科名
主な使用疾患・用途
外科
肝臓癌等の肝切除面の止血、大動脈瘤、胃癌・胃潰瘍等の手術時、肺癌・肺嚢胞の肺切除面の止血と空気漏れ防止、気胸に対する胸膜接着、腸管吻合、胆石除去(結石をフィブリン塊に包埋して取り除く方法)等
心臓(血管)外科
腹部又は胸部大動脈瘤の手術時、心筋梗塞・狭心症に対するバイパス手術時、弁膜症・弁置換術、先天性心疾患の手術時、人工血管のプレクロッティング等
脳(神経)外科
脳出血等の脳血管障害の手術時、脳腫瘍の手術時、硬膜接着、髄液漏れの防止等
整形外科
骨折等、骨接合、骨移植等
産婦人科、産科、婦人科
子宮癌・子宮筋腫等の手術時等
泌尿器科
腎結石等の尿路結石除去(結石をフィブリン塊に包埋して取り除く方法)等
内科
気胸に対する胸膜接着等
腹部外科
心臓バイパス術、弁置換術等
救急部
食道静脈瘤、気胸に対する胸膜接着等
呼吸器(内)科
気胸に対する胸膜接着、肺癌・肺嚢胞の肺切除面の止血と空気漏れ防止等
呼吸器外科
気胸に対する胸膜接着、気管瘻等
消化器科、胃腸科
肝生検、胃癌・胃潰瘍等の手術時等
口腔外科
口腔腫瘍の手術時、口腔形成術等
消化器外科
肝臓癌等の肝切除面の止血等
注)その他、製薬会社には小児外科、麻酔科、耳鼻咽喉科、循環器(内)科、皮膚科、形成外科、眼科、歯科、小児科等での使用の報告例が寄せられました。
これらを踏まえ、厚生労働省では、下記のような方々に肝炎ウイルス検査の受診を呼びかけています。
【フィブリノゲン製剤(フィブリン糊としての使用を含む)を1994年(平成6年)以前に使用された可能性のある方】
C型肝炎は、C型肝炎ウイルスの感染によって起こる肝臓の病気です。肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて肝臓の働きが悪くなります。
C型肝炎については、肝炎ウイルスの除去を図るインターフェロン療法や肝細胞の破壊のスピードを抑える肝庇護療法といった治療法が進展しつつあり、早期治療につなげるためにも、早期の検査受診が重要です。
厚生労働省では、都道府県等保健所を設置する自治体に対し補助を行うことで、保健所における基本的に無料の肝炎ウイルス検査を推進しております。また、平成20年1月から平成21年3月までは、保健所が委託をした医療機関で受診する場合も費用が無料になるよう措置しており、平成20年1月以降、順次、準備の整った自治体から、医療機関でも無料の検査を受けることが可能となります。
こうした事業の実施主体は保健所等を設置する自治体となりますので、お住まいの地域で医療機関における検査が開始されているか、その場合の費用が無料となっているか等の詳細については、各自治体の窓口にお問い合わせください。
HCVについては、1988年に米国で発見されるまでは、非A非B型肝炎などと呼ばれており、ウイルスの検査方法はありませんでした。米国での発見後、HCV抗体検査等が開発されました。
HCV(hepatitis C virus:C型肝炎ウイルス)に感染しているかどうかは採血して検査します。
検査方法としては、(1)HCV抗体の量(HCV抗体価)の測定、(2)HCVコア抗原の検出、(3)HCV NAT(核酸増幅検査)などがあります。
実際の肝炎検診の検査項目及び実施方法は各都道府県、保健所設置市、特別区など実施主体により異なりますので、詳細は各自治体の問合せ窓口にお尋ねください。
(※(注記)肝炎ウイルス検査の受診方法については、Q5を参照)
(※(注記)肝炎ウイルス検査の受診方法については、Q5を参照)
平成20年度からB型及びC型肝炎のインターフェロン治療に対する医療費助成を開始しました。
助成制度の内容は、B型・C型肝炎患者のインターフェロン治療について、所得に応じて医療費負担の軽減を図るものとしています。
詳しくは、以下をご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/index.html#