厚生労働省:紹介予定派遣で1万人が派遣先に就職〜労働者派遣事業の平成16年度事業報告の集計結果について〜

厚生労働省発表
平成18年1月17日

職業安定局需給調整事業課

(1) 実際に派遣された派遣労働者数(※(注記)1)は2,266,044人(対前年度比4.1%減)、常用換算派遣労働者数(※(注記)2)は890,234人(対前年度比19.7%増)であった。
具体的には、一般労働者派遣事業では、常用雇用労働者が274,813人(対前年度比16.2%増)、登録者数(※(注記)3)が1,844,844人(同7.2%減)であった。また、常用雇用以外の労働者(登録者が労働者派遣される場合)の常用換算(※(注記)4)は469,034人(同27.4%増)であった。
一方、特定労働者派遣事業では、常用雇用労働者が146,387人(同5.4%増)であった。
なお、派遣労働者数について、派遣実績のあった1派遣元事業所当たりの平均をみると、一般労働者派遣事業の常用雇用労働者は40.8人(前年度42.7人)、常用雇用以外の労働者は69.7人(同66.5人)、特定労働者派遣事業の常用雇用労働者は25.6人(同30.7人)となっており、前年度と比較すると一般労働者派遣事業における常用雇用以外の労働者は増加しているが、一般労働者派遣事業における常用雇用労働者及び特定労働者派遣事業における常用雇用労働者は減少している。また、登録者について、報告書を提出した1派遣元事業所当たりの平均をみると、198.9人(同259.1人)となっており、前年度よりも減少している。

(2) 平成16年6月1日現在で、政令で定める26業務(p22参照)に労働者派遣されていた派遣労働者数について、業務の種類別の割合をみると、一般労働者派遣事業では、事務用機器操作48.6%、財務処理12.7%、ファイリング5.9%の順で多く、特定労働者派遣事業では、機械設計32.4%、ソフトウェア開発28.7%、事務用機器操作16.2%の順で多くなっている。

(1) 労働者派遣の役務の提供を受けた者(派遣先)の数は、一般労働者派遣事業では467,565件(対前年度比16.5%増)、特定労働者派遣事業では29,553件(同25.7%増)となっている。この結果、全体としては497,117件(同17.0%増)となっている。

(2) また、派遣先の数について、派遣実績のあった1派遣元事業所当たりの平均をみると、一般労働者派遣事業では69.5件(前年度72.5件)、特定労働者派遣事業では5.2件(同5.2件)と、一般労働者派遣事業では前年度より減少しているが、特定労働者派遣事業では増減はない。

(1) 労働者派遣事業に係る売上高は、一般労働者派遣事業では2兆3280億円(対前年度比21.7%増)、特定労働者派遣事業では5,335億円(同19.1%増)となっている。この結果、合計は2兆8,615億円(同21.2%増)となっている。

(2) また、売上高について、売上のあった(※(注記)5)派遣元事業所当たりの平均をみると、一般労働者派遣事業では3億4,265万円、特定労働者派遣事業では9,000万円となっている。

(3) 売上高をランク別にみると、一般労働者派遣事業では売上高5,000万円未満の事業所が約5割(45.9%)を占めているが、特定労働者派遣事業では売上高5,000万円未満の事業所が約7割(70.3%)を占めている。

(1) 一般労働者派遣事業の平均料金は15,958円と、前年の16,003円より0.3%減であった。政令で定める26業務について業務の種類別にみると、ソフトウェア開発が22,635円で最も高く、次いで事業の実施体制の企画、立案(21,950円)、通訳、翻訳、速記(21,717円)、アナウンサー(19,926円)の順で高くなっている。平成15年度と比較して上昇したものは、デモンストレーション(19.2%増)、事務用機器操作(12.2%増)等であり、逆に低下したものは、放送番組等の大道具・小道具(16.2%減)、アナウンサー(13.8%減)等であった。

(2) 特定労働者派遣事業の平均料金は25,628円と、前年の24,084円より6.4%増であった。政令で定める26業務について業務の種類別にみると、事業の実施体制の企画、立案(33,849円)が最も高く、次いで、研究開発(33,167円)、調査(32,186円)、ソフトウェア開発(31,187円)の順で高くなっている。平成15年度と比較して上昇したものは、調査(29.1%増)、添乗(24.8%増)等であり、逆に低下したものは、セールスエンジニアの営業、金融商品の営業(8.7%減)、テレマーケティング(8.2%減)等であった。

(1) 一般労働者派遣事業における派遣労働者の平均賃金は11,405円であった。政令で定める26業務について業務の種類別にみると、事業の実施体制の企画、立案(15,433円)が最も高く、次いで、通訳、翻訳、速記(15,173円)、ソフトウェア開発(15,105円)、アナウンサー(14,916円)の順で高くなっている。

(2) 特定労働者派遣事業における派遣労働者の平均賃金は15,997円であった。政令で定める26業務について業務の種類別にみると、調査(23,064円)が最も高く、次いで、放送番組等演出(21,334円)、アナウンサー(21,170円)、事業の実施体制の企画、立案(20,795円)の順で高くなっている。

(1) 実際に派遣された派遣労働者数について地域ブロック別にみると、一般労働者派遣事業及び特定労働者派遣事業の合計の派遣労働者数は、南関東が46.4%、近畿が18.7%、常用換算派遣労働者数は、南関東が44.5%、近畿が16.4%となっている。平成15年度と比較して、一般労働者派遣事業及び特定労働者派遣事業の合計の派遣労働者数については、九州ブロック、北関東・甲信ブロック等で増加し、北海道ブロック、南関東ブロック等で減少している。常用換算派遣労働者数については、いずれのブロックでも増加しているが、東海ブロック、北関東・甲信ブロックで大幅に増加している。
具体的には、一般労働者派遣事業では、常用雇用労働者で南関東42.2%、近畿16.4%、東海13.0%の順、常用雇用以外の労働者(常用換算)で南関東46.7%、近畿16.9%、東海14.2%の順、登録者で南関東47.4%、近畿19.3%、東海10.1%の順、特定労働者派遣事業では、南関東42.1%、近畿15.0%、東海14.2%の順で多く、いずれも南関東の割合が最大となっている。

(2) 派遣先件数について地域ブロック別にみると、一般労働者派遣事業及び特定労働者派遣事業の合計は、南関東が45.8%、近畿が16.4%となっており、平成15年度と比較して、東海ブロック、北関東・甲信ブロック等で増加し、北海道ブロック、中国ブロック等で減少している。
具体的には、一般労働者派遣事業では、南関東45.8%、近畿16.5%、東海12.4%の順、特定労働者派遣事業では、南関東46.6%、近畿15.1%、東海12.0%の順で多く、いずれも南関東の割合が最大となっている。

(3) 売上高について地域ブロック別にみると、一般労働者派遣事業及び特定労働者派遣事業の合計は、南関東が48.9%、近畿が16.1%となっており、平成15年度と比較して、いずれのブロックでも増加しているが、北関東・甲信ブロック、中国ブロックで大幅に増加している。
具体的には、一般労働者派遣事業では、南関東49.3%、近畿16.8%、東海11.5%の順、特定労働者派遣事業では、南関東47.1%、東海15.9%、近畿12.9%の順で多くなっている。

※(注記)6 労働者派遣契約の期間については、報告対象期間に締結した一労働者派遣契約における労働者派遣の期間であり、当該派遣労働者が当該業務に実際に派遣就業する期間とは必ずしも一致するものではない。

※(注記)7 OJTとは、業務の遂行過程内に行う教育訓練である。

※(注記)8 Off−JTとは、OJT以外の教育訓練である。