平成21年度第1回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会議事録 (1)日時 平成21年5月27日(水) 14:00〜16:00 (2)場所 厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 委員:池上直己分科会長、??木安雄分科会長代理、泉キヨ子委員、 猪口雄二委員、大塚宣夫委員、佐?蜷i委員、椎名正樹委員、 武久洋三委員、三上裕司委員 事務局:佐藤医療課長、佐々木課長補佐、他 (4)議題 1 平成20年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査について (5)議事内容 しろまる池上分科会長 それでは定刻となりましたので、ただいまより、平成21年度第1回診療報酬調査専門 組織・慢性期入院医療の包括評価調査分科会を開催させていただきます。 私は、会長を仰せつかっております池上でございます。座らせていただきます。 まず、委員の交代がありましたので、事務局より御紹介をお願いいたします。 しろまる佐々木課長補佐 では、御紹介させていただきます。名簿順に御紹介させていただきます。 近藤正晃ジェームス委員に代わりまして、今回より佐?蜷i委員でございます。 しろまる佐?蛻マ員 佐?蛯ナす。 しろまる佐々木課長補佐 続きまして、木下毅委員に代わりまして武久洋三委員でございます。 しろまる武久委員 日本慢性期医療協会の会長の武久です。よろしくお願いします。 しろまる佐々木課長補佐 続きまして、天本宏委員に代わりまして三上裕司委員でございます。 しろまる三上委員 三上裕司です。よろしくお願いします。 しろまる池上分科会長 それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。 しろまる佐々木課長補佐 すみません、事務局の異動がございましたので、申しわけございません、御紹介をさせ ていただきます。 前回の分科会開催以降の異動につきましてでございます。昨年7月11日に着任いたし ました、保険局医療課長の佐藤敏信でございます。 しろまる佐藤医療課長 よろしくお願いします。 しろまる佐々木課長補佐 同じく、保険局医療課保険医療企画調査室長の小野太一でございます。 しろまる小野保険医療企画調査室長 よろしくお願いします。 しろまる佐々木課長補佐 続きまして、4月1日付けで着任しました、医療課課長補佐の長谷川学でございます。 しろまる長谷川課長補佐 よろしくお願いします。 しろまる佐々木課長補佐 同じく、医療課課長補佐の習田由美子でございます。 しろまる習田課長補佐 よろしくお願いします。 しろまる佐々木課長補佐 最後になりましたが、昨年7月11日に着任しました佐々木健でございます。よろしく お願いいたします。 しろまる池上分科会長 ありがとうございました。 申し遅れましたけれども、猪口委員は本日御出席の予定でございます。特に遅れられる ということは伺っていませんので、始めさせていただきました。 それでは、資料の確認を事務局からお願いします。 しろまる佐々木課長補佐 では、資料の確認をさせていただきます。まず議事次第が1枚物、それから座席表でご ざいます。それから名簿でございます。それから、診調組慢−1の資料といたしまして 「平成18年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査」の報告書でございます。 それから、慢−2といたしまして、「平成20年度診療報酬改定における主要改定項目 について」の資料でございます。 それから、慢−3といたしまして「療養病床における医療区分」の資料でございます。 なお、この資料に関して、裏面でございますが、ADL区分につきましてちょっと訂正 をさせていただきたいと思います。左側の0から6まで書いております欄の3の「部分的 な援助」の欄の3行目「体重(身体)を支えない援助を3回」と書いてありますが、「3 回以上」でございます。その「3回」の一番後ろに「以上」を追加をお願いいたします。 それから、5の「最大の援助」の部分でございますが、これも2行目の「できず、体重 を支える援助を3回以」となっていますが「3回以上」、「上」という字の追加をお願い いたします。 それから、最後の慢−4といたしまして、「平成20年度慢性期入院医療の包括評価に 関する調査の概要」。 資料は以上でございます。 しろまる池上分科会長 ありがとうございました。 それでは、ただ今御説明いただいた内容について、これから御説明をお願いいたします。 これは引き続き、資料の説明をお願いいたします。 しろまる佐々木課長補佐 では、引き続きまして、事務局より資料の説明をさせていただきます。 まず、慢−1でございます。平成18年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査報告 書でございます。これは、一昨年になりますが、平成19年8月8日に中医協の基本小委 に池上分科会長から御報告をいただいた報告書でございます。これ、調査は大部でござい ますので、調査の目的、手法等につきましては細かく御説明はいたしませんが、最終的な 結論のところを御説明させていただきたいと思います。 21ページでございます。すみません、恐縮でございますが、この前回の慢性期入院医 療評価に関する分科会の議論のまとめのところでございまして、これに関しましては、ま ずこの分科会の役割として、医療区分、ADL区分の妥当性の検証を行うということでご ざいまして、それに関して議論していただいております。 まず、「医療療養病棟の役割について」というところでございますが、これは介護施設 との関係というのもあるわけですが、2つございまして、まず病院長の意見。これは調査 を行った、協力いただいた病院の院長先生方の御意見ということですが、アンケートの結 果としては、急性期の一般病棟の治療の受け皿、それから経口摂取が困難な患者、在宅介 護料での一時的な受け皿等々、そういうような意見がございました。 それから本分科会の意見ということで、まとめていただいた御意見といたしましては、 同じく急性一般病棟での治療の受け入れが期待されているということでありますとか、円 滑な在宅療養への導入を図るという場としての在宅支援の役割も持っていると。 それから、医療の必要性が高く継続的な療養の提供を求められるという患者像として、 終末期の看取り、それから緩和ケアを必要とする患者、神経難病、認知症の患者を挙げる 御意見がございました。 それから、喀痰吸引や経管栄養、膀胱留置カテーテル等の医療処置が継続的に必要な患 者さんにつきましては、介護施設においてそのような患者に対応できる位置づけができる までは、医療療養で行うべきではないかという意見が出されております。 22ページをお願いいたします。医療区分、ADL区分、認知症機能障害加算の妥当性 につきましてですけれども、この結論といたしましては、診療報酬改定後もタイムスタデ ィ調査、それから患者1人1日当たりの直接ケア時間等の順序制が保持されているという ことが確認されており、概ね妥当ということで報告はまとめられております。 医療区分に関する個別の検討に関しましては、患者の生活を支える視点から、点滴・注 射、カテーテル等の医療処置により医療の必要性を測るよりも、状態像から医療の必要性 の高さを測るべきだと。高齢者の状態像に視点を置いて検討するべきだろうという意見が 多く出されています。これで、患者分類で、調査時点で医療機関の現場で十分理解されて いたかどうか、アセスメントが正確になされていたか等について検証が十分でなく、現場 の実態を十分に反映してないという可能性があることから、医療区分項目の追加、削除の 範囲は最小限にとどめるべきという結論ということになっております。 その結果、具体的に対応しました項目につきまして、このaのところに書いてございま して、新たに医療区分3の評価項目とするというものにつきまして、抽出した項目に該当 する患者のうち、既に他の項目により医療区分3と分類されている患者を除きまして、平 均のケア時間、1日費用を算出して検討を行っております。その関係で、「医師の1日数 回の指示見直しが必要」、「医師の毎日の指示の見直しが必要であり、看護師による頻回 の観察が必要」、「医師の毎日の指示見直しが必要で、看護師による24時間の観察が必 要」等、医療提供頻度にかかる項目について検討するということになりましたが、看取り を評価する項目であって採用すべきという意見もありましたけれども、診療報酬上の評価 をするにはあいまいな項目であり、見送られておるということでございます。 新たに医療区分2の評価項目というものにつきましては、23ページでございますけれ ども、同じく検討の結果、 5行目のところでございますが、ケア時間が長く、費用が多くかかり、医療区分2と同等 と考えられる項目としては「個室管理」、「余命6ケ月以下」、「注射・点滴日数が週に 6日」、「注射・点滴日数が週に7日以上」、「抗生物質注射」、「末梢静脈栄養」等の 項目が挙げられましたが、これにつきましてもあいまいな項目であるという指摘がなされ ております。 それから、cのほうでございますけれども、医療区分3から医療区分2の評価項目に変 更するというものにつきましてですが、これも6行目からでございますけれども、検討の 結果、「ドレーン法・胸腹腔洗浄」についてはケアの時間、1日費用ともに全体の費用と して差がなかったが患者数が9名とごくわずかであった。それからまた、「酸素療養」、 「発熱を伴う気管切開・気管内挿管」、「感染隔離室におけるケア」については、ケア野 時間、1日費用ともに全体費用と差がなかったが、ただし「発熱を伴う気管切開・気管内 挿管」については、全ての患者が重複する他の項目により医療区分3として評価されてい たということ。それから、「感染隔離室におけるケア」については、他の評価項目に該当 しない患者が13とわずかであったというようなことにおきまして、結果として「酸素療 法」については、現在の規定を見直して、今後、適切な要件とするということになってお ります。 それから、医療区分2の評価項目から除くものということにつきましては、これも6行 目からでございますけれども、検討の結果、「うつ状態」、「問題行動」、「多発性硬化 症」、「パーキンソン病関連疾患」、「神経難病以外の難病」、「脊髄損傷」、「脱水」、 「嘔吐」については、ケア時間、1日費用ともに全体の費用と差がなかったと。ただし、 「問題行動」、「多発性硬化症」、「脊髄損傷」、「嘔吐」については、他の評価項目に 該当しないものが少数あったということでございまして、「うつ状態」、「問題行動」の 項目については、適切な治療ケアの方法が必ずしも実施されていない可能性があるという ことで、今後、適切な要件とすることが必要であるという御議論がございました。 また、難病につきましては、本来受け入れるべき患者像であるということで、ケアの難 易度を考えれば、項目を除外するべきではないという意見が出されております。さらに、 「脱水」、「嘔吐」につきましては、「発熱の伴う脱水」、「発熱の伴う嘔吐」というこ とが全体の平均よりもケア時間が長く、1日費用がかかっていたという結論でございまし た。 経管栄養・胃瘻につきましては、医療区分2に加えるべき項目ということについて、非 常に意見が多かったわけでございますけれども、そのADL区分3の平均ケア時間を比較 すると、経管栄養、胃瘻のみを選択しているものの平均ケア時間は余り差がなかったとい うことでございまして、対応しておりません。 認知機能障害につきましては、ADL区分1の、医療区分1と2を対象として検討しま したが、今回の調査では、この治療区分1についてはケア時間も費用も若干の差が認めら れたが、医療区分2については差が認められなかったという結論でございました。 25ページですが、患者の分類と収入につきましてですが、患者分類ごとの1日当たり の費用については、医療区分、ADL区分の順序と対応しており、費用の分類としては妥 当であるということでございました。しかしながら、診療報酬における入院基本料の設定 は、医療区分それぞれに見ると、上下幅が広くなっているというようなデータが出ており ます。これは5区分にまとめられているということがあって、費用の上下幅が広くなって いたということであろうということでございました。 医療区分1、2、3のいずれにおいても、ADL区分1よりもADL区分3が小さくな っていたということでございます。 26ページは図表でございますので飛ばしまして、27ページにまいります。 患者分類に基づく包括評価導入前後の医療の質の変化に関しましてですが、今回の調査 からは、質の評価について糸口をつけたというものでございまして、各QIの領域におい て、それぞれ全体平均と比べて逸脱した値の病院があった。今後、結果をフィードバック して原因を精査することにより、データの精査とケアの質の向上が期待できると考えられ るということでございました。 それから(5)番目です、患者及び施設の介護への移行の状況ということで、医療療養 病棟においては、医療の必要性の高い患者の受け入れが進み、それにふさわしい職員数増 加、職員1人当たりのケア時間の増加が見られることが明らかになったと。しかしながら、 医療療養病棟の多くが介護等への移行を考えていないということも明らかになったという ことでございました。 それで28ページ、最後ですけれども、今後の課題として18年の報告、19年の8月 の報告で出ておりますのが、医療の質の評価についてでございます。これに関しましては、 医療療養病棟の患者さんに対して、安心、納得できる医療が行われるためには医療の質の 評価は不可欠ということで、いわゆるQIの指標を算出するため、入院時から継続的にア セスメントを行いデータベースを構築するということが重要と、今後これに向けて検討が 必要であるというようなことが宿題になっているという状況でございます。 こういうような報告を基本問題小委のほうに報告した結果、資料慢−2でございます、 2枚物の両面のものでございますけれども、慢性期分科会の本日の資料慢−2のとおり、 平成20年度診療報酬改定における主要項目のうちの、医療療養病棟の評価に関するもの の抜粋でございます。 1枚めくっていただきまして、1枚目の裏面でございますが、実際に実施したことにつ きましてはこの具体的な内容でございます。 まず、医療区分、ADL区分の評価の簡素化ということで、患者の病態の変化に医療区 分及びADL区分の評価を引き続き行うということになっております。 それから、医療区分の評価の見直しということでは、酸素療法については毎月酸素療法 を必要とするかどうかを確認を行うということにしているということと、「うつ症状」及 び「他者に対する暴行」については、医師を含めて原因や治療方針等の検討を行って、必 要なケアについて実施した内容を診療録に記録するということとしております。それから、 「脱水」、「嘔吐」につきましては、発熱を伴うものという取扱いとしました。 認知機能障害加算については、その廃止をしているということで、医療区分2、ADL 区分1の患者での加算を廃止しております。それから、新規に褥瘡評価実施加算というの を付けておるということでございます。 次のページでございます。2枚目の表面でございますけれども、(5)のところといた しまして、「医療の質の評価へ向けた取組の促進」ということで、先ほど報告書の最後に ございましたが、病棟単位で治療・ケアの質を反映できる事項について継続的に測定・評 価するということを義務付けるようなことをしております。 あと、基本料の見直しということでございますけれども、医療経済実態調査の結果等を 踏まえまして、基本料の評価を引き下げております。医療区分1・ADL区分3について は据え置きということで、ほかのところにつきましては評価の引き下げを行ったというと ころであります。 それから、2枚目の裏面でございます。これも関連事項でございますが、退院調整加算 ということで、(1)のところでございますが、療養病棟入院基本料を算定する病床に入 院している患者さんにつきましては、退院支援計画作成加算というものを100点と、そ れで退院加算ということで、実際に退院になりましたらさらに100点ということをつく っていると、こういうことでございます。 こういう形で、診療報酬として、この慢性期の分科会の議論の結果を反映させていただ いています。 資料慢−3、1枚物の両面、先ほど訂正をお願いした資料でございますが、見直しを様 々行うということをしておりますものを反映した最新のものでございまして、医療区分1 ・2・3の対象となる患者さん、それからそれのおのおのの診療報酬を記載しております。 裏面のADL区分につきましても、その評価の方法につきまして、考え方につきまして の表でございます。 以上のような内容で、前回改定しておりますけれども、最後、資料慢−4でございます。 1枚物が最後にございまして、今回、次期改定に向けまして慢性期の入院医療の包括評価 に関しまして、これは例年実施しております調査、これも前回改定も18年度調査をして おりますけれども、それにつきまして20年度調査ということで開始をしておるところで ございます。 目的のところにございますとおり、療養病棟入院基本料等の医療の実態を調査し、診療 報酬改定の検討資料とするというのを目的としております。 調査項目と内容につきましては、18年度の方法を踏襲しつつ、ここにございますとお りレセプトの調査、それから施設特性の調査、それから患者特性の調査、それからコスト 調査ということで調査を実施するということにしております。実施をしておりまして、今 取りまとめを行っております。 調査実施数につきましては、病院700施設、有床診療所650施設というようなこと でございまして、今後、この慢性期の分科会にこの結果を御報告させていただき、御議論 の題材としていただく予定でございます。 御説明、以上でございます。 しろまる池上分科会長 ありがとうございました。 それでは、ただ今御説明いただいた内容について御質問等ございますでしょうか。 はい、どうぞ。 しろまる三上委員 久しぶりに、この慢性期の入院医療の評価分科会が開催されたんですけれども、基本的 にはこれは診療報酬調査専門組織ということで、診療報酬とリンクをした形でやるんだと いうことでした。ただ、16年から始まったこの慢性期の分科会ですけれども、当時は余 り診療報酬とリンクせずに、医療区分だけをまじめに分類したんだということだったんで すが、今回の18年、あるいは20年の診療報酬改定を踏まえて、診療報酬点数とこの分 類の在り方についての問題が大きいんだと思います。 ですから、今現在、医療難民、介護難民という問題が出ておりますし、特に療養病床再 編に伴って、そういった形のものが顕在化してきている中で、点数の問題と区分の問題と いうのがどのように考えるか。例えば今の点数の枠組みの中で区分を変えていくのか、難 民を出さないために区分を変えていくのかということと、あるいは、区分は区分で別にし て、今まで療養病床にいる患者さん以外に、例えば特養入所者が今重度化しているわけで すが、そういったところでは見られないということで、療養病床が受け皿になるのか、あ るいは介護療養病床におられる方を医療療養病床のほうに受け入れるような形に医療区分 を変えていくのか、そういったことも前提に議論をしていただきたいというふうに思いま す。 特に、前回の療養病床再編問題のときには、今年の2月20日の朝日新聞の記事にもあ りましたように、非常に政治的な意図で医療区分1の人と医療区分2のうち30%の人を 収支が赤字になるような形にして、退院させるというか、そこを削減することを目標につ くられたというふうなことが書かれておりますし、実際に17年12月に開催されており ます中医協の資料でも、それまでに出てきた調査の資料が、医療の指示の変更がないとい うことが、医療の必要がないというふうに書き換えられたり、あるいは、様態の変化が非 常に少ない、医学的な管理は一定は要るけれどもというものが、在宅や福祉施設で対応が 可能だというふうに言い換えられたような図表で説明されて、療養病床に入院されている 患者さんの半数以上が在宅でもできるんだというふうな、情報操作と言ったら言い過ぎで すけれども、そういうような流れの中で点数等が決められた経緯がございますので、今回 は介護療養病床が廃止になる、介護保険から給付されないということを前提に、そういっ たところで今おられる患者さん、あるいは入所者の方々が将来難民化しないように、在宅 で苦労されないようにということが非常に大事だというふうに思いますので、診療報酬の 点数を変えるということを前提にやるのか、あるいは今の枠組みの中で、そういう難民を つくらないために医療区分を変えていくのかということを前提に議論するのかということ を、まず聞きたいというように思います。 しろまる池上分科会長 分かりました。 点数の改定を議論するか、分類の改定を議論するかということで。 しろまる三上委員 今の885点とか750点という医療区分1の点数は大方は変わらないんだということ を前提に、区分の変更を考えるのかということをお聞きしたい。 しろまる池上分科会長 これについて、事務局はいかがでしょうか。 しろまる佐々木課長補佐 前回の改定の際も同様のお尋ねがございまして、要するに基本問題小委とこの慢性期の 分科会の役割分担というところもあるのかと思います。 基本的に、療養病棟入院基本料等の点数を何点にするかということにつきましては、こ れは基本問題小委の専管事項ということになると思います。医療区分というものの必要性、 この区分の妥当性ということとか、ADL区分の妥当性、それから今調査を行っておりま す包括医療療養病棟の調査の結果を分析しまして、区分の妥当性等について検討していた だくということが、慢性期の分科会の役割というふうに理解をしておるところです。 しろまる三上委員 一応、そういうことは分かるんですけれども、最近、いろいろ特養とか様々なところを 視察して、そこの担当者の方の御意見を伺いますと、やはりかなり重度化しているという ことが問題です。 要介護度としても、特養でも4.3とか、4を超えてくる。老健でもそうなんですけれ ども。その中で、医療の必要な人たちを医療職のいない施設で見なければならない状態が 起こっているということが非常に大きな問題で、現在、厚労省の中でも特養における医行 為について介護職にさせようじゃないかと、訪問介護者に医行為をさせようじゃないかと いうふうなことが話し合われているわけですが、基本的にはそういう方は医療のある施設、 あるいは医療のあるサービスの中で見ていくんだということであれば、そういう人たちが どれぐらいいらっしゃるのかということを調査する必要があります。医療区分も、例えば 喀痰吸引8回以上が医療区分2ですけれども、夜間に何回かの喀痰吸引が要る場合に、ヘ ルパーさんに、いわゆる介護者にそういった医行為をさせるということがないように、そ ういった方が医療療養のほうで引き受けることができるような形に、医療区分として上げ ていくのか、あるいは、胃瘻とか経管栄養の人たちを医療区分を引き上げて、そういうと ころで療養ができるようにしていくのか、そういうようなことも含めて考えていただきた いということなんです。 しろまる池上分科会長 承りました。 ほかに。武久先生、どうぞ。 しろまる武久委員 まず、これは診療報酬の調査専門組織となっていますので、診療報酬とリンケージする ことは確実と思うんですけれども、まず、療養病床の削減をするということで15万床に すると。 それを昨年で22、3万床共用して、回復リハビリ病棟は別だということは、結局、約 30万床と。現実にこれが始まったころは、確かに医療療養に軽症の患者さんも一部いた と思うんですけれども、この数年でかなり内容が変わってきたと。 それと、急性期病床での平均在院日数の削減傾向が非常に強くなって、平均在院日数が 短くなれば退院患者が多くなるわけですから、その人たちがみんなよくなって家へ帰られ るわけではないということは、その後の慢性期医療を必要とする人も倍増するのではない かと。 そういうことから考えると、医療療養に入っている患者さんの状態像というのが、多分 4年前と比べるとかなり変わっているんじゃないかと。それは、佐々木先生も今調査をし ているということで了解しているんですけれども、現実問題として、療養病床なりの慢性 期医療を行う機関をどのぐらいのキャパシティとして考えるかということが、やっぱり診 療報酬の上では最初の大前提から大きく影響されるんじゃないかと思うんですね。 今、三上委員がおっしゃったように、もう特に関東周辺とか大阪とか都会の周辺では、 慢性期病院に入院することはできないと。したがって、特養老健にそういう患者さんが、 本来なら介護医療型医療施設のようなところにいるべき患者さんが、どんどんと特養に入 っていって、現実に私も特養をやっていますけれども、実は100人の特養の患者のうち の50人が経管栄養になっておりまして、これは悪くなって病院へ送りますと、胃瘻をつ くって帰ってきちゃうので、これをとれないというと、「あんたのところから紹介してき たんだろう」というようなことになりまして、結局だんだんたまっていって、結局、看護 婦さんを当直させないとできないということで、これは特養なのかここは医療施設なのか というようなところも全国に見当たるということでございます。 したがって、これは結果的にいうと、そういう患者さんを一体どこで看るのかというコ ンセンサスができてないと非常に困ることだと思いますし、私はやっぱり三上委員と同じ ように、そういう医療が必要な人は医療の関与度がかなり高いところの施設で看るべきで はないかというふうに思っておりますけれども、今回は医療保険の医療療養病床について の、主に診療報酬なり医療の患者分類の検討会と思っておりますけれども、その辺のとこ ろの周辺の環境の変化と、それから、今後の24年に向かっての大きな介護と医療との保 険の同時改定、その後の超高齢者、団塊の世代の方々の高齢化に対応するような、基礎的 な検討を今のうちにしておかないと、今回は22年度改定だから22年度改定だけしたら いいんじゃないかということではなしに、この調査は池上先生、ずっと平成15年からか かわっていらっしゃいますから、結局この方向でずっといくのか、それとも方向性を変え るのか、マイナーチェンジで終わるのか、メジャー的な制度全体を俯瞰して検討するのか というような、まず大枠をちょっと検討していただきたいと思います。 しろまる池上分科会長 ありがとうございます。 ほかに御意見ございますでしょうか。 どうぞ、椎名委員。 しろまる椎名委員 この分科会が、一番最後にいつ開かれたのかとうちの事務局にちょっと調べてもらいま したら、平成19年6月28日なんですね。要は、先ほどこちらの事務局が説明した報告 書を議論したのが一番最後になっているんですね。それから、もう2年たっているわけで、 一体あのとき私はどんな発言をしたのか。厚生労働省のホームページから議事録を取って もらったんです。 そこで、この分科会は一体どんな範囲で何をやるのかということが平成19年6月の一 番最後に開かれた分科会の中で議論されているんですね。医療療養病棟に関する診療報酬 の値付けも含めて、基本問題小委員会で議論してもらうためにエビデンスのある結果を上 げるということで今まできたんですけれども、先ほど三上委員等から出ているように、そ の後非常に変動が出てきた中で、この分科会でどういう範囲の施設を調査するのかと大い に議論があったわけです。私の考えは、やはり急性期以外の一般病床から医療療養、あと 介護のほうに入りますけれども、介護療養、特養、老健とスルーでやってみてそれでどう かと。ですけれども、結局、実行の面で調査の対象や記入者負担とかいったことで、最終 的に医療療養に絞られてしまったんですね。 ですから、改めてこの分科会は、療養病床の再編とか、値付けが実際に行われて2年半 たった中で、いろいろな変動が起きている。急性期病院の平均在院日数がどんどん減って いる。そういう中で、この分科会が、対象も含めて何をやるのかを改めてきちんと議論し てから、再スタートすべきだと思います。 しろまる池上分科会長 ありがとうございました。 大塚委員、どうぞ。 しろまる大塚委員 私もけっこう長い間、この委員会に属させていただいておりますけれども、流れを見て きたところでは、結局はこの分科会でのいろいろな議論というのは、結果としては診療報 酬の引き下げと、医療療養病床の削減、この2つの方向に合致する部分だけがつまみ食い されるような形で展開されてきたのではないかというのが、私の偽らざる感想であります。 もう一つ、私が懸念しているのは、医療区分あるいはADL区分によって診療報酬に大 きな差がつけられて、そして特に軽症者の入院が継続できないような形で展開をされてき た結果として、医療療養病床には非常に重い人だけが残った。かつ、そこで働く人の確保 に、大変大きな支障を来すような経営環境になってきていることです。 結果として、非常に手のかかる人をたくさん抱えて一人一人に割り当てられる介護の力 というのは、当然以前よりも減らさざるを得ないということが起きている。つまり、質的 な低下を明らかに来しているというのが現場の状況であるということを踏まえた上で、こ の先の委員会としての議論をお願いしたいと思います。 しろまる池上分科会長 ありがとうございました。 ほかはよろしいですか。 猪口委員、どうぞ。 しろまる猪口委員 私も多分、この委員会ができて最初からの委員をやっておりまして、すごく記憶に残っ ているのは、前回の改定のときに出た資料の中で、結局は医療区分それからADL区分に 分けたのは、その後の調査でも仕事量、コストをうまく反映したという結果が出ている。 ただ一つ反映していないのは、そこにつけられた診療報酬であったと。そこには、我々は 関与はしていないということなんですね。 ただ、この先、これをまた今度進めていくときに、一体どういう目的でやるのかという のは非常に気にかかっております。それをやっぱりはっきりしてくれないと、ただ見かけ 上いい分類をつくりました、値踏みは全然違う話ですよという話だと、考え方が変わって くるだろうというふうに思います。 あともう一つは、前回も問題になっておりましたが、介護の保険施設と医療療養、特に 介護療養はもう廃止が決まっておりますので、それを見据えたときに医療療養はどうある べきかというのはまた話が変わってくるだろう。介護療養もどのように変わっていくか、 この転換老健がどういうふうに落ち着いていくかというところがまだ見えない中で、取り 扱う対象の方たちは非常にオーバーラップしているわけです。そのときに、ここをどうす るかというよりも、やっぱり介護のほうの今後の展開も見据えないと、特に介護のほうに、 先ほどから出ている医療処置、吸引とかそれから経管栄養、これは一応医療処置が必要な わけで、そういう方が数多く行って耐えられるのかどうかということによっても、また医 療療養の在り方が変わるだろうと思うんです。 ですから、ここだけでただ議論していても、何となくこの先の非常に大きい何十万、ひ ょっとすると百何十万ぐらいになるのかな、その病床数もしくは介護施設のベッド数の機 能分化とどのように絡めるかというのがちょっと見えづらい。ですから、やるならばそう いう大きい議論にするのか、それとも、本当にこの15万だか22万だか知りませんがそ この議論にするのか、そこだけはちょっとはっきりさせてからにしてほしいなという気は しております。 しろまる池上分科会長 ありがとうございました。 ほかに御意見ありますでしょうか。 はい、どうぞ。 しろまる武久委員 まず、椎名委員から先ほどちょっと出ましたけれども、慢性期の患者さんはどこに入院 しているかというと、普通に考える医療療養と、それから介護療養型医療施設となるんで すが、実は一般病床の90日以上入院すると特定患者というのになるのです。その特定除 外という特典を利用しながら、一般病床の中で実質的に脳卒中とか認知症のような患者さ んが除外の規定の中で、非常に長期に一般病床の中で入院していると。 こういう人は、病態像としてはむしろ現在の医療療養の患者さんよりかなり医療区分と しても軽い患者さんもいらっしゃいますので、こういう人は平均在院日数に算入しないか らといって除外してしまっているのです。各委員がおっしゃったように、この医療療養だ けのことを話し合うのではなしに、慢性期と書いてある以上はポストアキュートというか、 要するに慢性期の患者さんを見ているところの全て関連するだろうし、そこへ入院してい る患者さんは全てここである程度の議論をしないと、入っているところは違うけれども病 態はほとんど変わらないような患者さんを、違う診療報酬体系で評価するということ自身 が非常に不公平ではないかというふうに思いますので、少なくともその辺りの整理をして いただきたいと思うんですけれども。 折しも昨年の10月23日に社会保障国民会議から、将来の医療提供予想図みたいなの が出ましたけれども、ここでは一般病床という名前はなくなっておりまして、急性期か慢 性期かと、その間というふうになっておりますので、そういう方向を厚労省なり政府が打 ち出してきている以上、そういう方向に考えて、一般病床でいようと療養病床でいようと、 慢性期の患者さんはポストアキュートだから、一括して同じような土俵で検討するように するということが、私は公平でないかというふうに思っております。 しろまる池上分科会長 ありがとうございました。 ほか。どうぞ、三上委員。 しろまる三上委員 一般病床にもたくさん慢性期の方はいらっしゃるわけですけれども、基本的には慢性期 の病院だけでなく、その他の介護施設にもあるいは在宅にもたくさんおられると思います。 本来療養病床でいわゆる療養していただくべき人たちというのはたくさんおられるし、こ れから恐らくもっと増えるんだと思います。 高齢者の数というのが増えるということは人口動態ではっきり分かっているわけで、2 025年には倍増するということも分かっているわけです。なおかつ、その上で世帯構造 変化の中では、人口構造の中では、現役世代が半減してくるというふうなこと。それから、 独居とか老老の方も非常に増えるということで、家族介護力とか家族看護力というのは余 り期待ができない状態というのがこれから進むということが、非常に大きな環境の変化だ ろうというふうに思いますし、近々では、あと3年後には介護療養がなくなって、そこに おられる方が医療療養なりあるいは転換老健なり、どこに行かれるか分かりませんけれど も、どこかで療養しなければならないと。 その際に、本当に医療の必要な人たちがどれぐらいいるのかということをまず調査をし ていただいて、医療療養でそういった方を見るということであれば、どの程度のベッド数 が要るかということをまず試算をしていただいて、それを吸収できるというか受け入れる ことの受け皿となれるだけの条件を決めていくということが大切なんじゃないかというふ うに思います。 前回の18年改定は15万床に療養病床を減らすんだということで、医療区分1につい ては、赤字になるような800点台、700点台の診療報酬がついて、今日の資料の最後 のほうにも出ておりますが、マイナス3,000円か4,000円、1日赤字になるんだ というような点数にして、医療機関がそこから撤退をしていくんだという点数に使われた と。 事務局の方に今回いろいろ調査するということですけれども、この調査が病床削減をす るために利用されるのではなくて、必要な方が必要なところでちゃんと療養できるように するための調査であれば協力できるということは申し上げておりますが、その辺のところ も確認していただきたいというふうに思います。 しろまる佐々木課長補佐 今、調査のお話が出ておりましたので、本日の資料慢−4でやっておりますのは今年の 調査でございますけれども、対象といたしましては、療養病棟の入院基本料、また有床診 療所の療養病棟入院基本料が算定されているというところを対象に、20年度の調査とい うのは実施をしております。このデータというのは、基本的に前回、それから前々回もそ うですが、議論に使っていただきまして、それで区分でありますとか18年改定から導入 しております区分の妥当性ということ、それから前回も実施しておりますけれども、必要 に応じて区分の内容の見直しというようなことは、このデータから出てくるところについ ては議論していただくと。 それから、それ以外にも、先程来御指摘がありますとおり、急性期の病院の入院日数が 短縮しているというようなこと等によって、例えばデータによって、このいわゆる療養病 棟に入院しておられる患者さんの病像というものに変化があるということであれば、それ に応じた評価ということについて、この場で何点にするというところまでは議論はしてい ただくという役割はないと思いますけれども、基本小委にそのデータを上げて議論してい ただくということと理解しています。 しろまる池上分科会長 どうぞ。 しろまる三上委員 それでいいんですけれども、基本的には医療区分を見て、医療療養の中におられる方の 医療区分あるいはADL区分等で患者さんを分類していくわけですが、そこで分類された 方が、そこにおられないような形には絶対しないということを前提にして分類をしていく べきだと思います。750点のような点数をつけられるような方が、その分類の中に入る こと自体が非常に違和感を感じますし、それを前提に議論するのであれば分類したくない という気がいたします。 もう一つ、日本医師会としても、療養病床に関する患者調査というか、療養病床の調査 をいたしまして、厚生労働省は医療区分1の方は、医療がほとんど必要ないんだというふ うに言われたわけですけれども、我々の調査では、医療区分1の中でも医療処置等、ある いは医療が必要で退院できない人が、医療区分1の20%は少なくともいるんだというデ ータが出ておりますので、そういった方につきましては必ず、いわゆる療養病床の運営上 赤字にならないような点数設定にするんだということを前提に議論ができないものかとい うふうに思うのですが、いかがでしょうか。 しろまる池上分科会長 事務局のお考えを聞かせてください。 しろまる佐々木課長補佐 今ディスカッションしていただいたような内容について、最終的に点数設定というとこ ろにつきましては基本問題小委ということになりますので、例えば今御提案がありました けれども、データとかに基づいて、この検討会で参考になるような資料を各委員、もしい ろいろとお持ちでございましたら、また御提示もしていただければと思っています。 しろまる池上分科会長 どうぞ。 しろまる武久委員 今、三上委員がおっしゃったように、医療区分1というのは50%と当初想定されてい たんですけれども、医療区分2・3以外が1ということになっておりますので、我々、日 本慢性期医療協会としては医療区分1は2・3以外だから、余りに大ざっぱなので、先生 おっしゃったように重度から軽度まで5段階に分けて調査をいたしました。 そうすると、18年と20年で調べてみましたところ、医療区分1は23.6%から2 2.4%をとった。わずか1.何%しか下がってなかったんですけれども、医療区分1の 5という非常に重度、例えば重度意識障害、ジャパンコーマスケール300とか、それか らがんの末期とか、いろんな状態の人も全部2・3以外の項目に当たらなければ全部1に なりますので、そういう医療区分1のうちの一番重いのは1の5というふうにしましたと ころ、2年間で41%も1の5という重いのが増えている。 区分1自身はそれほど変わってないんだけれども、その中で医療区分1の中の重度の患 者さんが非常に、5割近く増えているということが分かりました。また、この資料等につ きましては、次回6月11日に、この2年間でのいろいろ、我々は日本慢性期医療協会で すから、そういう病院ばかり集まっておりますので、独自に調査をした結果についてまた 御報告させていただきますけれども、そのような傾向がございます、確かに。 したがって、この患者分類による医療区分をリーガルなように、妥当なように直そうと 思うと、多分とてつもない労力が要ると思いますので、その辺のところは事務局もお考え かどうか分かりませんけれども、そのようないろんなディスクレパンシーみたいなものが 生じているということ自体は御理解いただけたらということで、発言させていただきまし た。 しろまる池上分科会長 ありがとうございました。 どうぞ、椎名委員から。 しろまる椎名委員 資料慢−4というのが、何か分からないのですけれども。ひょっとしたらタイトルが間 違っていて、21年度調査の概要というものか。 なぜかというと、この分科会が開かれたのはちょうど2年前で、そのとき今後どうする かという議論があったんですね。その時に、当時の厚生労働省の事務局の発言では、基本 小委にその当時の分科会長報告を上げて、その後はどうなるか分かりませんと。基本小委 で何か注文がついたら再開するかもしれませんと、そこで終わっているんですね。それか ら2年たってしまった。 それで、このタイトルが正しいとすると20年度の調査、つまり前年度ですよね。これ は一体、どこが発議してどんな調査なのか、その辺が全く分からないし、本日再開された わけです。この分科会は、先程来何を議論するのか、対象をどうするのかと、その辺を踏 まえて新たに今年度調査を起こすのか、事務局の見解を聞かせていただきたいと思います。 しろまる佐々木課長補佐 資料慢−4の関連でございます。これ、20年度と書いておりますのは、年度としては 間違っておりませんで、実は18年度の調査というものが、これは20年改定のときに使 ったデータなんでございますけれども、その調査を踏襲して次期改定に向けていろいろ議 論していただくためのデータが必要であろうということで、従来実施しておった調査とい うのを、既に開始しておるということでございまして、それが20年度ということにやっ ております20年度の調査ということでございます。 他の、椎名委員以外からも御指摘多々あるのでございますけれども、その慢性期の分科 会というものの設定当初の、基本問題小委から提示されているということにつきましては、 もともとは医療区分なりADL区分ということができる前は、療養病床というか慢性期の 療養病床の患者さんの評価というか、それに関して何か指標といいますか分類を提案とい うことから始まっておりますけれども、その18年にそれで導入されまして、20年につ きましてはそれの妥当性の検証というものが宿題ということでお願いをしておるところで ございます。 20年改定の際の検討結果としては、分類としては妥当ということと、それから、今回 の報告書、提示いたしました資料慢−1の一番最後でございますけれども、今後の課題と いうところ、28ページです。一番裏をひっくり返していただくと、医療の質の評価とい うところについて、これは旧来の指標について今後どういうふうに活用していくのかとい うことについては課題であるということになっておりますので、これは宿題事項として残 っているというふうに理解をしております。 ですので、検討をお願いしたい項目としましては、既に着手はしておりますが、平成2 0年度の慢性期の入院医療の評価の調査を踏まえた意見交換というところと、質の評価の 部分の対応について御議論していただくと。 それから、各委員のほうで先ほどもいろいろと御提案なりがございましたが、取りまと めなりしておられるデータというものについて、分科会のほうに参考となるようなデータ も御提供いただきたいと、こういうような状況でございます。 しろまる椎名委員 そうすると、この資料慢−4ですけれども、20年度に既にこれは調査が行われたわけ ですか。それで、先ほどあげられた質の評価とかそういった課題がちゃんと入っているわ けですか、この20年度調査に。 しろまる佐々木課長補佐 その質の調査につきましては、例年実施しておる調査では入っておりませんので、この 20年度に実施した調査というのは、18年度にも行っております方法を踏襲しておると いうことで、質の評価に関するデータということではやっておりません。 しろまる椎名委員 そうすると、例年実施というのは、これは例年こういう調査をやるとどこで決まったん ですか。 はっきり言って、基本的にここは調査専門組織だから、調査を設計していろいろ議論し て、いい調査をつくって実施して、それをきっちり評価して、エビデンスを出して、それ を基本小委に上げて議論してもらって、診療報酬の値付けとかをやってもらう。ですから、 調査専門組織というのは、その調査項目の対象から、調査の設計をいろいろまず基本的に 議論して、それからスタートさせるわけですけどね。分類が導入されて初めてやったのが、 この分科会でいろいろ項目も含めて議論してスタートしたのが前回調査ですよね。 例年、調査を機械的にやるなんていうことは、一体どこでいつ決まったんですか。分科 会長、御存じですか。 しろまる池上分科会長 いや、私は存じませんでした。 事務局はどういうお考えでしたか。 しろまる佐々木課長補佐 前回の調査の結果というところに、この区分の妥当性、それからQOLの区分ですかね、 ADL区分それから医療区分につきましては概ね妥当というようなことで、御結論もいた だいております。その結果も踏まえまして、ただし、今後22年次期改定に向けまして御 議論いただくということであれば、やはりデータがなければ議論はできないということも ありましたので、例年どおりの調査を実施をさせていただいているということでございま す。 そういう意味では、必要なデータということにつきましては、例えばやり方につきまし ては、どの程度のやり方ができるかどうかというのはございますが、分科会のほうで各委 員から御提案もいただけるというものであれば、それも資料として議論していただきたい と思いますし、事務局のほうで、こういうデータがないかという御指示があれば、それは 調査をするということになると思います。 しろまる椎名委員 何だかよく分からない。この前回調査は18年度にやって19年8月に報告したわけで すよね。そこで幾つかの課題を載せている。何ゆえ20年度にやった調査の中に、課題に 関する項目が入っていないのか。今までの事務局の説明を聞いて、全然納得できないんで すけどね。それが1つ。 もう1つは、今回分科会が再開されて、21年度どうするのかについて、事務局の考え を示していただきたいと思うんですよね。 先程来の議論で、今までと同じ医療療養に限った調査をやるのか、あるいはもっと広げ てやるのか、さらに質の問題も当然やるのでしょうけれども、その辺の基本的なフレーム を事務局の考えとしてぜひ聞かせていただきたい。 しろまる佐々木課長補佐 幾つか御指摘があったと思いますけれども、まず範囲の問題につきましては、先ほど資 料慢−4でお示ししていますとおり、療養病棟入院基本料ということですから、医療療養 の範囲と。医療療養病棟の実態調査ということで行っておるということでございます。 このほかにも、例えば慢性期のこの分科会のほうで議論をするかどうかということにつ きましては、これは慢性期の分科会で判断するというよりは、基本問題小委が判断すると いうことになりますので、少なくとも従来の議論をしていただいている範囲ということか ら考えますと、医療療養病床の議論をしていただくということになっております。 それから、前回の宿題事項ということで御説明しております今後の課題の部分につきま しては、確かに事務局のほうで調査をするということも当然一つあると思うんですけれど も、関係する機関等々でも調査もされているということも情報もあったものですから、そ ちらのデータも参考にさせていただきたいというふうに思っておりまして、そういう意味 では、そういうデータがもしございましたら委員からも御提案いただければと思っており ます。 しろまる三上委員 私も椎名委員の御指摘は正論であるというふうに思います。基本的に医療療養だけを対 象に調査をするということであれば、慢性期の医療についての研究をするということでは ないと思います。ですから、いわゆる今回、社会保障国民会議がシナリオをいろいろ出し ておるわけですが、長期療養病床については22、3万床でずっと変えないというふうな ことというのは、いわゆる環境の変化等を考慮に入れずにこの形でいくということであり、 23万床でずっと延々とこれから20年先もいくんだということを前提にいくのであれば、 療養病床の在り方自体がかなり重度の人たちを受ける病床だということを前提に議論しな いといけないと思います。 現在あるような、今まで考えていたような療養病床の中で同じような機能でやるという ことであれば、恐らくそこの対象になる人たち、高齢者の患者さんについては非常に数が 多くなるんではないかと思います。特に介護療養がなくなるということで、そちらのほう から流れてくることもあるし、高齢化とかいわゆる核家族化とかいろんな意味で、入院を しなければならない状態が人たちというのは増える可能性がありますので、やはり対象は 広げる必要があるんじゃないかというふうに思います。 だから、療養病床だけではなくて、一般病床にどれぐらいそこの対象になる人たちがい るのかということをまず調査をする必要があるし、難民が出ないようにするにはどうした らいいかということを、この分科会の中でも検討していかなければならないんじゃないか と思います。 しろまる池上分科会長 ありがとうございました。 事務局として、この慢−4にある資料というのは、医療療養についての調査だけで、そ してこの調査、平成20年度となっていますから、もう既に完了しているわけですね。 しろまる佐々木課長補佐 先ほど、かなり早足で御説明を冒頭いたしましたので、再度申し上げますと、この調査 自体は20年度ということでございますので、調査の報告といいますか、そのデータにつ きましては、次回この分科会のほうで議論いただけるような形で提示をさせていただくと いう予定でおります。 しろまる池上分科会長 三上委員、どうぞ。 しろまる三上委員 恐らく、これは24年の介護報酬と診療報酬同時改定、そして介護療養型が廃止になる 時期に向かって、こういった患者さんというかこういう特性の患者さんたちをどういうふ うに見ていくのかということを、総括的に議論する必要があるんじゃないかと思います。 ですから、今回も今いろんな話が出たように、もう少し調査を別の形でやるんだという ことであれば、どういう調査をするかということも含めて議論していただけないでしょう か。 しろまる池上分科会長 どうぞ、椎名委員。 しろまる椎名委員 関連してなんですけれども、まず確認したいことは、この調査専門組織というのは、基 本問題小委員会から付託を受けて、それできちんとした調査を設計して、調査結果を分析 して、それで基本問題小委員会の委員が分かるような形で基本問題小委員会に上げて、診 療報酬改定の参考にしてもらうと、その点はいいですね。私はそういうふうに理解してい るんですけれども、その見解はいいですね。 しろまる佐々木課長補佐 基本問題小委の議論に参考になる資料を御提案いただくということは間違いない。 しろまる椎名委員 それならば、今年度分科会の再開に当たっては、本日いろいろ議論になった対象とか中 身とかに関して、基本問題小委員会に分科会のほうから上げてもらって、それで議論して もらって、そこで付託を受けるという手続をとったらどうでしょうか。 しろまる佐々木課長補佐 正直申し上げて、従来の調査というもので、前回の結論が医療区分それからADL区分 について概ね妥当ということでありましたので、調査自体は従来のものを実施するという ことで御議論をいただくというような考えではおりましたけれども、分科会としてぜひ、 例えばこれは事務局のほうで勝手に判断ということはなかなか難しいですけれども、例え ば課題設定というかそういうことについて明確にする必要があるということであれば、小 委で御議論いただくということにつきましても検討させていただきます。 しろまる池上分科会長 ありがとうございます。 はい、どうぞ。 しろまる高木分科会長代理 今の椎名先生、それから三上先生の話と現場の方々の話を聞いていて、やっぱりこれは もう一回原点を確認しないと動かないと思いました。先ほども猪口先生から、食い逃げさ れたという話が出ましたけれども、この分科会が始まるときにできれば、老人保健施設も 介護保険の施設も、片方で一般病床も調査する対象を広くとって、その中で慢性期の議論 をしましょうと始まって、それが療養病床のみに狭められて、しかも医療区分とADL区 分のうち、医療区分ばかり議論されていて、ADL区分ももっと議論してほしいと思って いる。制度も2回の改定を経て、慢性期入院医療のマーケットがかなり変わっているし、 しかも政府も介護療養の廃止という、慢性期の市場を変えるすごい政策を出しましたので、 この医療区分とADL区分だけを議論していても、現場の病院の方々は納得しないし、次 のステップに動かないという気がしています。 ですので、平成20年度の調査についても、マーケット全体を俯瞰したときの医療療養 病床の役割とかそういうのも踏まえないと、読み取れないのではないかと思います。 しかも、これは決定的だと思うんですが、現場が今回の医療区分のやり方にすごい不信 感を持っているという問題です。慢性期の診療報酬を考える上で、調査専門組織としては、 調査をしようにもやりづらいわけで、現場とのラポールは重要ですので、これだけあちこ ちからタマが飛んできたのでは、調査専門組織を従来の方向でいくというのはしんどいな と思いました。ぜひ事務局も基本小委も含めて、この組織の今後の運営の仕方、調査のや り方というのも検討してほしいと思います。 しろまる池上分科会長 ありがとうございました。 そういう御要望がありましたけれども、対応はいかがでございましょうか。 しろまる佐々木課長補佐 検討させていただきます。 しろまる池上分科会長 ほかに御意見はございますでしょうか。 はい、どうぞ。 しろまる三上委員 中協医のこの報告書は今日初めて報告されているんですか。 しろまる池上分科会長 いや、これは前に報告されているんです。 それでは、まず今後のこととして、平成20年度の調査の結果というのは、少なくとも このような調査が適切であったかどうか、あるいは十分であったかどうかは別としても、 まずはその報告を伺う必要があるのではないかと思いますけれども、これはいつごろまで に御報告いただけるんでしょうか。 しろまる佐々木課長補佐 すみません、先ほどいろいろと、今分科会の先生方の御意見を承っておりますと、まず は基本問題小委のほうで、分かりやすく申し上げますと課題設定といいますか、そういう ことが必要なのではないかという御指摘があったということだと思いますけれども、それ の手続のことについては事務局で検討させていただくということなんですが、それと並行 してということでございましょうか。 スケジュールとしては、次回にはデータとしては御提示する予定ではございましたけれ ども。 しろまる池上分科会長 手続的に、基本小委に戻ってこの分科会として付託される範囲などについて確認いただ いた上で次回の分科会を開くか、それはそれとしてやることを検討していただくが、並行 して平成20年度の調査結果を次回の分科会で報告していただくと同時に、関連の報告も 次回していただくかと、このいずれかの選択があると思うんですけれども。 しろまる佐々木課長補佐 すみません、池上会長に今議論を整理していただきまして、事務局から提案がございま す。いずれの当分科会で議論する範囲を検討いただくにせよ、今回のデータは、少なくと も必ず見ていただかなければいけないデータであることは間違いないと思っております。 分科会の検討範囲の設定については、中医協のスケジュールとの関係もございますので、 我々が今準備しておりますデータについては提示させていただいて御議論いただ期待と思 っております。 しろまる三上委員 ちょっと質問なんですけれども。資料慢−1で、調査の結果、18年度調査をされた結 果をまとめていただいているんですが、コスト調査の部分で26ページに図表32から3 4まであるんですけれども、けっこう、収支差がマイナスであるにもかかわらず、資料− 2であるように、20年改定ではADL、最後の医療区分1以外は全部引き下げたという ことは、このコスト調査を踏まえて引き下げたということと解釈していいんですか。 ですから、例えば医療区分1がここでも前回の18年の診療報酬での差額として、医療 区分1はマイナス2,885円から4,224円の医療区分1を、さらに引き下げて2, 995円から4,364円マイナスになるように、764点を750点に引き下げたとか、 こういう改定をされたというふうに解釈できるんでしょうか。 しろまる佐々木課長補佐 これは、先ほど診療報酬の資料慢−2のほうの資料のほうでも御説明をいたしましたが、 この点数自体の見直しは、今回の分科会の調査だけでなく、医療経済実態調査の結果とい うものも踏まえて設定をしております。具体的に申しますと、療養病床を有する医療機関 の経営実態というものが、医療経済実態調査というものに出てきたのでございますけれど も、一般の病院に比べて、これは医療経済実態調査の結果から見ますと、いわゆる収支差 額としてはプラスと、大きかったということがございました。それを踏まえまして、点数 自体は引き下げを行っているということでございます。 しろまる三上委員 ということは、医療経済実態調査を踏まえて診療報酬改定をするということで、この慢 性期のほうのコスト調査は参考にしないということですね。 しろまる佐々木課長補佐 参考にしないということではございませんで、当然、各区分の妥当性という調査結果も 使っていますと同時に、傾斜といいますか、区分ごとの点数の傾斜の検討には使っておる ということだと思います。 しろまる三上委員 この18年の報告書の中にもいろんな意見があって、見ておりますと、療養病床への入 院対象としてふさわしい患者像として、図表22というのが15ページにありますけれど も、その中で、経口摂取が困難な人というのが79.8%、けっこう多いわけですね。実 際に特養等に調査をしても、やはり胃瘻等の人で非常に困っているということがあります ので、こういったものが改定の中で評価をされて、区分の見直し等に反映されてないとい うことがちょっと気がかりなんですけれども。 今回の調査については、必ずそういったことについての見直しについて、こういったも のが参考にされるということを前提にやるということでいいのでしょうか。 しろまる佐々木課長補佐 お答えいたします。図表22は、実はこれはすみません、14ページから続いておりま して、患者分類に対する病院長の調査ということでございます。どちらかと言うと、アン ケートに近いような内容でございます。 ですので、今後、今実施しております調査で、例えばデータとして、例えば区分などの 見直しに必要であるというデータなりが出てきましたら、それは分科会の検討結果を踏ま えて中医協に御報告させていただくことになると思います。 しろまる池上分科会長 この病院長に対する調査というのは、平成20年度の調査にはないですものね。 しろまる佐々木課長補佐 アンケートになりますね。先ほど、私、データと申し上げたのは、いわゆる患者さんの 病状とか病像とかそういう部分のデータで区分の見直しということができるようなデータ があれば、それは分科会のほうで提案していただければということでございます。 しろまる高木分科会長代理 診療報酬の病院長のアンケートが出ましたが、現場の人たちの医療の考え方がポイント です。例えば経口摂取はやっぱり療養病床でやりたいと思っているのか、経営的な判断で 重い人につけてくれれば収入が増えると思うのか、その辺の見きわめが重要です。 DPCのほうは、今までの出来高を単にコンビネーションしただけですので、今までや っていることの延長で考えればよかった。しかし、この慢性期は、医療とADLの区分で 患者の資源投入の仕方をガラッと変えましたので、現場からもたくさんクレームが来てい るわけです。しかし、もう4年間たってみて、この方法に対して現場が慢性期の診療報酬 としてこういうところのチェックが欠けている、着目するところが欠けているとか、これ は今までの延長でよいとか、現場の人たちの納得の上につくっていかないと、現場の行動 も歪んでしまうわけです。 ですから、先程来も現場からたくさんクレームが来て、しかも政策的にひどい点数もつ けている部分もあるので、その辺を整理してもっと丁寧な調査をやらないと、次のステッ プ、この議論も収拾できないでしょうというのが、私の発言です。 しろまる池上分科会長 ありがとうございました。 ちょっとスケジュール的なことをお聞きしたいんですけれども、来年度、診療報酬の改 定があるわけで、この慢性期の問題というのは今後ずっと検討するべき課題で、この分科 会として検討する範囲や内容について、今日いただいた意見を参考にして、改めて枠組み を決める必要がありますが、一方において平成22年度の改定を視野にすると、大体どう いうスケジュールにする必要がありますでしょうか。 しろまる佐々木課長補佐 いろいろと御議論、御意見をいただいた上であれでございますけれども、前回は、平成 19年8月の時点で意見を分科会長のほうから小委員会に報告をしていただいております。 ですので、中医協の次期改定に向けた議論は、通常、秋ぐらいから始まりますので、それ に向けましてある程度の取りまとめいただくということになるかと思っております。 しろまる池上分科会長 私は、内容は別として、進行上の許されるスケジュールということだけで申し上げてい ますけれども、この22年改定に間に合う何らかの分科会の意見を反映させるとしたら、 2年前の日程を踏まえると8月、そこから若干遅れるとしても一月ぐらいがタイムリミッ トではないかと考えておりまして、今日椎名委員がおっしゃったように、2年ぶりにこの 分科会が開催されたと。この時点で、かなりもう制約されてしまったんではないかと思い まして。ですから、分科会としてどのような、また、について検討するかというのは、よ り長期的な展望に立って行うべきであると考えますが、一方においては22年改定に間に 合わすためには、選択肢はかなり限られているのではないかという気がいたします。 それを踏まえて、次回の分科会で何をするかと、そして22年改定に向けてどのような ことが可能性としてあるかと。確かに、もう既に22年度改定に向けて20年度の調査は もう調査設計も事務局のほうで規定されて、もう既に調査は実施されたわけです。ですか ら、これを別な枠組みに実施するとか、これを追加調査するといっても、今日のこの平成 21年度の第1回の分科会が今日開催されたという経緯から、かなり難しい状況にあると 考えております。 まず、それを踏まえまして、これは本日開催されたということは、どうあがいても元に 戻らないことでございますから。 はい。 しろまる武久委員 椎名委員も会長もおっしゃったように、要するにこの2年間何をしていたのかと、多分 言外には言いたいのではないかと思うんですけれども。要するに、超高齢化でどんどんど んどんと、慢性期の特に高齢者の患者さんが年々増えていくという事実をほとんど無視し たかのような、将来も長期療養は23万床で固定して、全然プランの1、2、3、ADL もほとんど変えないというような硬直した考え方があると思うんですけれども、要するに、 この2年間で既にこういう先ほど委員の方々がおっしゃったような、非常に問題化する、 慢性期の患者さんをどういうふうにするかというような大きなテーマで議論しておくべき であったんですけれども、と私も思うんですけれども、事ここに至れば、会長がおっしゃ ったように、毎月2回したとしたって、もう知れているわけですね、回数で。 とてもじゃないけれども、これは長期療養の部分の診療報酬の改定の基盤を、ある程度 ここで検討しなければ、結局8月の末とか9月にもう間に合わないわけですから、事務局 として保険局医療課が適切かどうかは別として、先生は学者さんですから、結局どんどん 増える長期の患者さん、慢性の患者さんがどんどんと医療から遠いところの特養とか在宅 へシフトしていって、結局そこには医師とか看護師がいないために、夜間ちょっと熱が出 て苦しいと言ったら、すぐに救急車を呼んで救急病院へ行っちゃって、そこで今度はまた それはミスマッチングな患者さんを引き受ける高度急性期病院も大変だと思いますけれど も、そういったことでどっちかというと社会問題化してきているような、一方的に介護の ほうへ押しやっていくような傾向を、ちょっとこの辺で立ち止まって、一体どうしたらい いのかというふうなことを、大所高所から議論する機会を、ここで、この会の9月以降で するかどうかは別として、何かそういう機会もつくっていただくということを要望として 言いながら、この会ではとにかく9月の初旬ぐらいまでにとにかく22年度の診療報酬改 定の慢性期についての、ある程度の意見は出さないといけないという使命が、多分会長の 肩にかかっていると思うので、私もそういう委員としては協力したいと思っていますけれ ども、その辺のところをちょっと分けて考えていかれたらどうかと思いますけれども、事 務局としてどういう考えだかちょっと聞いてください。 しろまる佐々木課長補佐 事務局といたしましては、次期改定に向けての議論というのは、ぜひ早急に進めていた だきたいというのがありますし、あとまた、御要望がありました、そもそもどういう範囲 で検討するとか、今御提案のありました議論と、これはちょっと各局またがるような話に なってしまうのでなかなか医療課、事務局だけで議論できるかどうかというのがあります けれども、そういうことも並行して、先ほど申し上げましたけれども、いわゆる議論でき るところは進めていただきたいというふうには思っております。 しろまる三上委員 基本的に、医療区分というのはどんな形でも分けられると思うんです、いろんな研究を すれば。ただ、療養病床を削減をする、いわゆる医療費適正化という医療費抑制策の中で 平均在院日数を短くし、そのためには長期療養の部分を少なくしていくんだということを 前提に診療報酬改定が行われるということが、もし将来的には確実に決まっているのであ れば、ここで医療区分云々を検討するということはかなりむなしい話になるわけです。 ですから、基本的には、今問題になっているような医療難民等が出ないようにするには どうしたらいいのかということも含めて、この分科会では考えていくべきで、分類はした、 調査もしてコストも出したけれども、前回のように医療区分1は療養病床から撤退しても らうために、マイナスになるような点数設定をするんだということが前提にあるというこ とであれば、非常に問題だというふうに私は思います。 しろまる池上分科会長 ですから、今後の議論として大きく分けて、今、武久委員、三上委員から御指摘があっ たように、そもそも療養病床でなく慢性期の医療をどう考えるかということについて、こ の分科会で本来は議論するべきという御意見であったけれども、これは基本小委としてそ うした議論をこの分科会で付託していただけるかどうかと。 この分科会の委員は、高木副座長からも御指摘があったように、ほかの御発言いただい てない委員は分かりませんけれども、そのように慢性期医療を広くとらえて検討するべき という付託を基本小委からいただきたいというのがコンセンサスではないかと思うんです けれども、ただ、それは、分科会側の意見であって、基本小委としては別のところでそれ は議論する、で、ここは療養病床だけでいいという御判断になるかもしれませんけれども、 いずれにしてもそれはここで議論して結論が出ることではないですので、基本小委のほう に上申していただければと存じますけれども、その点はいかがでしょうか。 しろまる佐々木課長補佐 先ほど検討すると申しましたけれども、そうなるように取り組みたいと思います。 しろまる池上分科会長 まず、その点についてはよろしいでしょうか。ここで議論することではなくて、ここで の議論としては、そうした課題をこの分科会で検討したいという要望を基本小委に上げて、 基本小委としての御判断を仰ぐというような。で、その全体的な中長期的展望については、 その基本小委の御判断を踏まえて改めて伺いたいと存じます。その点は、これでよろしゅ うございますでしょうか。 それはそれとして、平成22年度の診療報酬改定だけに絞った場合には、かなりタイム リミットが来ておりまして、それについては何らかの分科会としての答申を行う、報告す る責務がありまして、また、医療課の判断で数カ月前に実施された平成20年度の調査の 結果について、次回御報告いただくという点に関してはよろしいでしょうか。 どうぞ。 しろまる武久委員 先ほど申しましたように、日本慢性期医療協会でも2年間にわたっていろいろ調査した 結果がございますので、一緒に出させていただきたいと思いますが、よろしゅうございま すでしょうか。 しろまる池上分科会長 ほかの委員の皆さん、よろしいでしょうか、日本慢性期医療協会。 それも併せて御提示いただくということで、よろしくお願いいたします。 しろまる椎名委員 健保連が、20年度調査で慢性期の入院患者さんの質の評価について、実際臨床の現場 に入って、評価表とかQIがどう活用されているのか、されてないのかと、その辺の調査 をやって、現在報告書を取りまとめている段階です。 次回以降になろうかと思いますけれども、その調査結果の御紹介もぜひこの場でさせて いただきたいと思います。 しろまる池上分科会長 それでは、もう一つ調査がございまして、それは健保連が実施主体として行った調査も 併せて報告を次回以降なさりたいということでございますけれども、それは御報告はよろ しいでしょうか。 それでは、次回以降、医療課が実施された平成20年度の調査、それから慢性期医療協 会が実施された調査、及び健保連が実施された調査、この3つを次回以降に御報告いただ いて、検討させていただくということでよろしいでしょうか。 繰り返しますけれども、それと並行して、基本小委に対してこの分科会で議論するべき 内容についての付託をいただきたいと存じます。 まだ若干時間がございますので、全体に......。 はい、どうぞ。 しろまる佐?蛻マ員 全く離れた話ですけれども、今日、これからの大きな問題を、ここで議論をしていく内 容を認識しながら参加させていただきましたけれども、そういう大きな問題でいけばもう 一つ、在宅の体制をどんなふうにつくり上げていくのかという問題が、大きな視点でいけ ば、今の議論を突き詰めていくに当たっても、そこのところがないと、これもまたかみ合 わないですけれども、そこはどこでどんなふうに議論されるのでしょう。 基本問題小委員会でいろいろと仕分けしながらやっていくことと思うのですけれども、 在宅のところ辺りは何を前提にしながらこれからの議論をしていくのかという、その辺の ところがちょっとどうなっているのかということも含めて、何か情報いただければありが たいのですけれども。 しろまる池上分科会長 まず、事務局の考えをお願いします。 しろまる佐々木課長補佐 在宅に関しましては、通常であれば政策的には、在宅の推進ということであれば医政局 というのが担っておりますけれども、在宅に関してもやはり様々な施策との連携というこ ともありまして、かなり各局横断的な話になると思います。 通常、診療報酬の改定要望については関係する学会から改定の要望というのを毎回受け 付けるようなことをしております。その学会からの要望を検討する中医協の組織で医療技 術評価分科会というのがございますが、平成20年の改定の際はなかったんですが、今回 は在宅の要望も受け付けることとしております。ただし、そういう技術的というよりは、 若干連携とかそういうような部分につきましては、基本問題小委で議論していただくとい うのが今の流れということでございます。 しろまる池上分科会長 よろしいでしょうか。 はい。 しろまる佐?蛻マ員 在宅の話になってくるとあるべき論がまずあって、ところがなかなか定着していかない という問題がいつも出てくるのですが、そこから一歩も進まないのもいかがなものかとい うふうにいつも思っていたのです。 私自身の病院は急性期の病院なので、慢性期の病院に送るだけではなくして、在宅のほ うの整備をしっかりしていかなければ、この高齢化社会を乗り切れないなという気持ちを ちょっと持っていたものですからね。そういう意味で、在宅はどこまでできるかという技 術的な評価も非常に重要だと思うのですけれども、やはり制度的な問題も含めてやっぱり 誘導していく必要があるのじゃないかなという気がしています。 そういうことの検討の状況などもここに入れていただきながら議論させていただければ ありがたいと思います。 しろまる武久委員 今、佐?蛻マ員がおっしゃったことは、日本医師会として三上先生がこの場にお出になっ ていらっしゃいますから、在宅療養支援診療所等のことについても非常にお詳しいと思い ますので、この会をエクスパンジョンして、非常に局を横断するようなものにしようと思 うと、これまた大変な問題でございますので、とりあえずこの中でそれぞれの立場を代表 した委員がいらっしゃると思いますので、池上分科会長の下でそういう検討をとりあえず この会としてやるというふうに私は提案したいと思いますけれども。 しろまる池上分科会長 ありがとうございます。 この分科会の名称は、慢性期入院医療の包括医療ということでございますので、まず、 これは入院医療ということに限定されるのではないかと思います。 ただ、入院医療に限定した場合でも、御指摘にあったように一般病床にも慢性期の患者 は入院していますので、その対応はどうするかという、これはこの分科会のマターなのか どうかということを、まず、これも基本小委に御判断いただかなければいけない点だと思 います。 それから、慢性期入院医療といいますと、まだ介護保険の療養病床があるわけでして、 これも入院なんですけれども、ただ、この包括評価という診療報酬の枠組みからしますと、 それは外れる可能性もある。ですから、そこの介護保険における単位を決めるというとか どうするかというのは、ここの分科会のマターでないことは確かですけれども、補完関係 が本来あることを前提にして始まった包括評価導入でありますので、関心事ではあるとい うことではないかと思います。 その関心事をさらに広げると、介護保険の各施設あるいは特定施設など、形式上は在宅 に区分されるところも関心事にだんだん広がってまいります。しかし、この慢性期の入院 医療だけでも療養病床以外のところもございますし、また、精神病床も広く言えばこれは 慢性期になりまして、これは認知症の患者の場合には当然また関連してきますので、基本 小委のほうでこの枠組みをどのように設定するかということを御判断いただく必要がある のではないかと思いますので、先ほどのこの分科会の今後の中長期的検討課題の中にそれ を含めて、私の分科会長としての個人的な見解を述べたまででございまして、そのほかの 御意見も委員の方がおありかもしれませんけれども、整理しますと、そういう点ではない かと思いますので、ぜひ御意見を、付託事項の整理をしていただければと存じます。 今申し上げたような整理以外に、何かほかの切り口がありましたら、ぜひこの際おっし ゃっていただければと思いますけれども。 はい。 しろまる高木分科会長代理 今の佐?蜷謳カの御指摘は重要だと思いますね。そもそもこのADLと医療区分の9区分 という方法は前回の診療報酬改定で退院調整の話が出て、実は退院のときもADLと医療 区分のアセスメントのツールは、在宅にも持っていってやるべきだと思っている。そして、 ケアの生活部分が大きくなったら、介護保険にも基本的につながっていくと考えています。 だから、できれば高齢者ケア、慢性期ケアの一連のツールとしてみんなが使えるようなも のを目指したいというのが、私の個人的な目標です。 そうしないと、みんなぶつ切りで、急性期と慢性期は、入院と在宅、外来など、20年 の診療報酬でも後期高齢者のかかりつけ医の議論が混乱してしまっているけれども、どこ かにこういう連続するようなツールで患者も供給者も使えるようなもので構築すべきでは ないかと考えています 。 しろまる池上分科会長 ありがとうございました。 ほかに御意見ございましょうか。 それと、もう一つ、平成18年度の報告書として基本小委に出した中で、最後のページ にあります医療の質に関してですけれども、これは20年度調査においても調査されてい るんでしょうか。 しろまる佐々木課長補佐 項目としては入れているんですが、要するに比較ができない。要するにここの宿題で、 継続的なアセスメントと、28ページの御指摘ある、「継続的にアセスメントを行い、デ ータベースを構築」というとき、例えば調査対象の医療機関が同じであれば継続的な評価 ということができるんですが、無作為抽出でやっておりますので、その全く違う病院が対 象になるということが基本的になりますので、そういう意味ではデータとしてはあります が、その比較というようなことはできないというような状況です。 しろまる池上分科会長 一部同じ病院もあるわけですね。 しろまる佐々木課長補佐 無作為ですので、そういうのに当たることはあると思います。実際当たっているかどう かはちょっと確認はしていません。 しろまる池上分科会長 同じ医療機関で継続的な変化を見ないと、それは患者の特性が変わっただけだというこ とになると思いますので、もし次回報告いただくときには、同じ病院についての変化を中 心に報告いただければと思います。 しろまる佐々木課長補佐 了解しました。データを見まして、同じ病院があればそういう解析ができるようにいた します。 しろまる池上分科会長 分かりました。ありがとうございます。 そうしますと、次回以降、3つの調査報告についての御説明と審議を行うということで、 また中長期的な方向性については基本小委の付託を改めていただくということで、本日の 討議は集約させていただいてよろしいでしょうか。 ありがとうございました。 それでは、ほぼ意見が出そろったようですので、本日の議論を踏まえて次回以降、3つ の調査結果を事務局より提出していただき、検討させていただければと存じます。よろし ゅうございますでしょうか。 しろまる佐々木課長補佐 次回は、今、日程調整中であり、すぐ決まり次第、御連絡をいたします。 しろまる池上分科会長 ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。 本日の分科会は以上としたいと思います。次回は、追ってまた事務局から御通知させて いただきます。 それでは、平成21年度第1回診療報酬調査専門組織・慢性期入院医療の包括評価調査 分科会を終了させていただきます。本日はお忙しいところありがとうございました。 −了− 【照会先】 厚生労働省保険局医療課包括医療推進係 代表 03−5253−1111(内線3278)

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