03/04/23 第3回看護師等養成所の教育活動等に関する自己評価指針作成検討会議事録 第3回 看護師等養成所の教育活動等に関する自己評価指針作成検討会議事録 日時 平成15年4月23日(水) 10:00〜 場所 厚生労働省専用第13会議室(5階) 出席メンバー 浅川明子、荒川真知子、笠井勝代、鈴木ミドリ、成田容子、菱沼典子、 平山朝子、舟島なをみ、星北斗、山?ア美惠子(五十音順、敬称略) ○しろまる田村看護課長 ただいまより「第3回看護師等養成所の教育活動に関する自己評価指針作成検討会」 を開催いたします。当検討会は当初2回の予定でございましたが、皆様から大変活発な ご議論をいただき、今日3回目を開くこととなりました。年度当初の大変お忙しい時期 にお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。議事に入る前に、看護課の 人事異動により、岩澤和子が看護課長補佐となりましたのでご紹介いたします。 ○しろまる浅川座長 議事に入らせていただきます。まず、事務局より資料の確認をお願いいたします。 ○しろまる岩澤課長補佐 本日の資料は資料1「報告書(案)」、資料2「再修正案についての意見」の2種類 です。 ○しろまる浅川座長 委員の皆様のご意見を踏まえ、事務局で作成した自己点検・自己評価指針の報告案に ついてご議論いただきたいと思います。資料2に皆様からいただいた再修正案がまとめ てありますので、その順番に議論していただきたいと思います。誤字・脱字については よろしいかと思いますので、次の表現修正についてですが、修正の案をいただいたよう に修正することでいいか、この点について、他の意見があるかないかという点で進めて いきたいと思います。 ○しろまる岩澤課長補佐 資料2については誤字・脱字を指摘いただいたので、報告書(案)に反映いたしまし た。表現修正について、1つずつご確認いただきたいと思います。 5頁3行目、「本指針がそのすべてをカバー」としていますが、「カバー」という言 葉を「網羅」と訂正しております。6頁の8番の2行目ですが、「看護師等養成所とし ての自養成所の水準を」の「自養成所」という言葉は書かなくても自明であることから 、ここは削除しております。9番の「評価のカテゴリーやその下位項目は必ずすべての カテゴリーをしなければならないというものではない」という表現を改め、「全てのカ テゴリーを自己点検・自己評価しなければならないというものではない」と、わかりや すく替えております。 次は14頁上の「点検」の5番になります。ここは「自養成所の教育上の特色を明示し ているか」を「特色を示し、かつ、それは法との整合性があるか」と替えておりますが 、基準のところで、法との整合性についても述べていますので、点検項目の中にも入れ ております。18頁の下から3行目、「教育課程編成者の活動は」という言葉を「教育課 程編成者と教職員全体は」という表現に改めております。23頁5行目、「学生の卒業時 の像」という表現を「卒業時の学生像」と、わかりやすく改めています。24頁について 、波線のところが今回いただいた修正で、替えているところですが、わかりやすく「し たがって」とか「ために」、「さらに」という言葉を加え、読みやすくし「したがって 、実習の場を学生にとって看護への関心が高まり、充実感を味わえる様に調整するため に、看護に必要な物品や実習中にも必要な図書、カンファレンスルームなどの整備が必 要である。さらに、実習施設の責任者をはじめ」のように替えております。 27頁最後の行ですが、「授業において学生を刺激する」を、学習意欲ということで「 学生の学習意欲を刺激する」とし、刺激するものをはっきりさせています。29頁の「指 導技術の工夫」の最後から2行目ですが、「教育方法について一貫性や統一性があるよ うに検討され、教師間での充分な協力体制が必要である」というのを、「一貫性や統一 性が必要なため検討され、教師間での充分な協力体制が不可欠である」のように替えて います。31頁図6の中の言葉ですが、「判断後の処置」を「判断後の対応」に改めてい ます。35頁の「財政基盤」のところですが、「教員にとっては教育的観点から、事務職 員にとっては事務的な観点から、財政的な考え方を持ち、意見を」というところを、「 教員は、教育的観点から、事務職員は、事務的な観点から」のように少し言葉をわかり やすくし、「財政的な考え方を持ち」は削除しております。 45頁は最後の段落ですが、「卒業後に、諸外国へ留学や、看護の点から協力すること 、看護職に就くことを希望する」を、「卒業後に、海外での学習(勉学)や、技術協力 、就労を希望する」のように、少し表現を改めております。以上が、いただいた表現修 正の意見をもとに直した箇所でございます。 ○しろまる浅川座長 いただきました意見について、表現上の修正をし、本日提示しております。よろしけ れば、次に再検討の意見としていただいた内容について意見を伺う方向で進めたいと思 いますがよろしいでしょうか。 ○しろまる星委員 追加で直してほしいところがあるのですが、いまで構いませんか。 ○しろまる浅川座長 お願いいたします。 ○しろまる星委員 いま直されたところは大変リーズナブルだと思ったのですが、私が気になったところ がいくつかあったので、4点だけ述べさせていただきます。 1点目は25頁の6行目、「さらに、2者が互いに刺激し」とあるのですが、「2者」 というのは上の部分にある「両者」という言葉などいろいろ出てくるのです。指してい るものが今ひとつはっきりしないので、「何々」と書いたほうがわかりやすいと思いま す。「学生の看護実践云々」から「質的、量的に充実を図ることは非常に重要である」 、「実習を受け入れる学生数や、学生の学習段階に応じて的確に指導できるように、質 的には、実習指導者講習会の受講者を整備するなど、また、量的にも整えていく必要が ある」とありますが、質的にはこのようなことをすることで充実を図るということでし ょうし、量的にも整えるという意味が、文章のつくりからすると、「〜するなど、量的 にも整えるまたは、充実させる」という意味なのでしょうが、取って付けたような表現 になっていると思います。これについては、私もあまりいい言葉は思いつきませんでし た。 2点目は32頁、下から2行目に、「図書館や情報科学室の開放」とありますが、「情 報科学室」というのは、いわゆるコンピューターが置かれている部屋のことだと思われ ます。一般的な用語ならば構わないのですが、少なくとも、私たちはこのような呼び方 をしていないので、別な言い方があれば替えてほしいと思います。図書館は誰が見ても 図書館ですが、ここに「館」とあり、後ろが「室」というのも私としてはどうだろうか と思います。一般的な図書館というと単独な建物を想定するので、「図書室やコンピュ ーター室」、あるいは「実習室」としたらはっきりするのではないかと考えます。 ○しろまる田村看護課長 指導要領では「情報処理室」という言葉がありますが、そのように替えてはどうでし ょうか。 ○しろまる星委員 そのほうがいいと思います。図書館も図書室でいいのではないかと思います。 ○しろまる浅川座長 図書館という形を取っていない養成所のほうが圧倒的に多いと思いますので、「図書 室」とさせていただきます。この部分は「図書室や情報処理室の開放など」といたしま す。 ○しろまる星委員 表現の問題で、37頁の3)の「社会的活動への支援体制」は非常に変な表現になって います。それは、「重要であり、このような点においても、教職員の支援・指導を受け ることができるようになっていることである」という部分ですが、もう少し何とかなら ないかと思います。最後に43頁で、これは表現の問題ではないのかもしれませんが、「 卒業・就職・進学」の3つ目のパラグラフ、「就業状況は」というところですが、「卒 業生をどのような看護のフィールドに送り出したかを把握することで」の後に「育成し ているかを把握するために必要である」というダブリがあるのが気になるのと、ここで いう就業状況と、この下の2つの文章の意味がいまひとつピンとこないので、もう少し わかりやすく表現されていればありがたいと思います。例えば、「卒業生をどのような 看護のフィールドに送り出したかを把握することである」、つまり、就業状況とは把握 することを意味しているわけで、「養成所の理念や目的に挙げている人材を育成し、輩 出したかを評価するために必要である」というような表現にしたほうがいいのかもしれ ません。 ○しろまる浅川座長 趣旨としてはこれで構わないということで、表現上の修正はお任せいただいてよろし いですか。 ○しろまる星委員 お任せいたします。 ○しろまる浅川座長 次に再検討項目に入ります。資料2の2頁目について説明をお願いいたします。 ○しろまる岩澤課長補佐 1点目は16、17頁についてです。16頁の本文の「継続教育との関連」のところで、教 育理念、教育目的、教育目標について述べているのですが、それを反映した図4につい て、継続教育は卒業時に修得している能力からの矢印だけになっています。これを継続 教育も教育理念、教育目標にかかるように矢印を付けてはどうかという意見で、図には すでに矢印を付けております。 ○しろまる浅川座長 ただいまの説明のように、ご意見を踏まえ、すでに線が付けてあるとのことですがい かがでしょうか。 ○しろまる鈴木委員 16頁の「以上より、教育目標の設定に当たっては」ということがまとめのように書い てあり、「卒業時に修得している能力」はもちろんわかりますが、継続教育の試案に入 れた目標の設定があったほうがいいのではないかということで書いてあるので、矢印が 継続教育からも教育理念、目的、目標に入っていたほうがいいのではないかと思ったの で一応出しました。 ○しろまる浅川座長 それでは、修正されたこの図のとおりに整理することといたします。次に2番目の○しろまる について説明をお願いいたします。 ○しろまる岩澤課長補佐 23頁は教員の教育・研究活動の充実ということで、3項目挙げられているわけですが 、2)が「相互研鑽を保障するシステム」、3)が「自己研鑽を保障するシステム」と なっております。これを2番目に自己研鑽、3番目に相互研鑽としてはどうかという意 見でした。 ○しろまる浅川座長 項目立ての位置を替えていったらどうかということですが、ご意見があればお願いい たします。 ○しろまる星委員 賛成です。 ○しろまる浅川座長 2番と3番を入れ替えることにいたします。3つ目の○しろまるについて、説明をお願いいた します。 ○しろまる岩澤課長補佐 3つ目の○しろまるについては、10頁から続く表をご覧ください。「自己点検・自己評価カテ ゴリー下位項目」が左にあり、真ん中に「基準」、右に「資料(データ)」となってお ります。この「基準」という言葉は自己点検・評価の基準なのかという意見がありまし た。基準の項を見ていくと、例えば、教育理念、教育目的については図の下、14頁にな ります。基準の中に「点検」という点検項目が挙がってきて、次のカテゴリーにいった ときに基準が述べられており、最後に点検項目が出てくるという順序になっています。 これについて、わかりづらいということでしたので、7〜9頁にある「自己点検・自己 評価カテゴリーおよび下位項目一覧」の中に、点検評価項目を入れ込み、ここの指針の 中枢部分としてはどうか、という意見です。さらに、10頁以降はその解説という位置づ けにしてはどうかということでした。 ○しろまる菱沼委員 これは私がメールでお送りした意見です。読んでいて、基準の中に点検項目がボンと 出てくるので、基準と点検項目との関係性がどうなのか、わかりにくいのではないかと 思ったわけです。むしろ、最初の7頁からの表に点検項目までを入れると、このような ことが点検のカテゴリーとしてあって、そのカテゴリーでは具体的にこのような項目が あるということが一目でわかるのではないかと思ったのです。フォームを変える話なの で、ちょっと気がつくのが遅かったのですが、そのように申し上げました。 ○しろまる浅川座長 この件について、何かご意見がありましたらお願いいたします。 ○しろまる田村看護課長 私どもとしては、初めて養成所でこうした自己点検、評価を行うという意味での、本 当に導入になるための指針でもありますので、ある意味では、どのような基準でそのよ うな点検項目が挙がってきているのかを、この点検に携わる教員や事務職員、あるいは 設置者の校長先生方がわかるように、むしろ、基準に書いた部分を読んでいただき、そ の結果、このような項目が挙がってきたのだということが理解いただけるようにしたほ うが、より教育活動の評価については、そのほうがいいのではないかと思ったのです。 むしろ、先に点検項目があり、これを点検すればいいという形になってしまうよりは、 丁寧に点検のフィロソフィーというか、教育に対する考え方をもう一度考える機会にす る意味でも、基準をきちんと読んでいただくということも含めて、このような形にアレ ンジしてみたわけです。 そのような点からすると、菱沼委員の意見もなるほどとは思うのですが、私どもとし てはそのように考え、このような配置にしたのです。 ○しろまる荒川委員 案として示していただき、いま説明があったように、やはり基準があって、だからこ のような点検が、というような解釈で読みましたから、私はいままでどおりでよく理解 できます。 ○しろまる星委員 折衷案というわけではありませんが、基準とだけ書いてあって、そこに点検というの が出てくるから変なので、表の頭のところに、「基準・点検」と書き、点検項目が出て きたときにびっくりしないようにすれば、いま言われたことはクリアできるのではない かと思います。 ○しろまる田村看護課長 そのようにさせていただき、最後のCの表は、ある意味で、その中に入っていたもの を便利さの観点から一覧にした、結果としての一覧だと見ていただければいいのではな いかと思います。 ○しろまる浅川座長 いまの件について、菱沼委員はよろしいですか。 ○しろまる菱沼委員 結構です。 ○しろまる星委員 点検のところですが、最初にいただいた私の資料では太字になっていたのです。太字 にする必要があるかどうかわかりませんが、この項目だけ、例えば一段落ずらして書く とか、幅を狭くするとか、あるいはイタリック体で書くとか、何かそのような工夫をし 、誤解を受けないようにしたほうがいいと思います。活字になって、官報などに載った りするときにもわかるようにということならば、イタリック体などよりは一段落ずらす という方法がいいのではないかと思います。 ○しろまる舟島委員 いま、菱沼委員から指摘があったところについてですが、基準という言葉を英語に直 すとクライテリアになると思うのですが、ここに書かれてある内容はクライテリアだと は思えないのです。どちらかと言うと、自己点検評価をするための前提、基本的な考え 方がここに書かれてあり、それに従ってどのような項目について点検していくのかとい う点検項目が書かれてあるような気がするのです。ここの基準という言葉は自己点検評 価のための前提なのだと思うのです。その辺の表現を少し変えることによって、そこが クリアできるかなという気がいたします。海外に発信されたときにも、おかしくない内 容をここに明示しておく必要があると思います。 ○しろまる浅川座長 用語としてですね。 ○しろまる和賀教務科長 ここで基準という言葉を使ったのは、この指針を作るに当たり、いろいろな文献を読 んでいく中で、いま大学、特に看護系大学などでも参加している大学基準協会発行の『 大学評価マニュアル』というものがあり、大学はその基準に従って評価していると理解 したわけです。そこに載っている基準という表現が、まさにこのような内容として表現 されていたので、いろいろ考え、どのような表現にしようかというときに、1回目のと きにも議論しましたが、基準だけではなく解釈ということもここには含まれるのではな いか、看護学校が初めてすることなので、基準と解釈を含めて載せたのです。解釈のほ うは隠れていて、基準という言葉だけが出ていますが、趣旨としては、2回の検討を踏 まえて、かなり解釈の部分はだいぶ省き、説明の多くなった部分を省略してきましたか ら、いまはかなり基準的な部分が残ったかと理解しております。 ○しろまる浅川座長 そのような意味では、他文献等でも、基準という用語が活用されているということで すね。 ○しろまる菱沼委員 大学基準協会が言っている基準というのは、大学基準協会が大学というものはこうあ るべきだという基準を別に出しているのです。その基準に基づき、点検・評価せよと言 っているので、そのようなものがあるわけですが、ここで言う基準というのは、看護師 等養成所、学校はこういうものでなければならないという新しい基準、先ほど舟島委員 が言われたクライテリアとしてこれが動くのかどうかによって、相当言葉には気をつけ なければいけないのではないかという気がするのです。大学基準協会などが言っている のは、認可は文部科学省ですが、大学基準協会で言う、「大学というものはこういうも のであるから、そのようなものを満たしていなければ大学とは呼ばないぞ」のような言 い方であるわけです。 ○しろまる平山委員 ここの文章は自己点検評価のカテゴリーと下位項目、その項目を出して、その項目に ついての考え方の説明だと思うので、基準という言葉は私は使わないほうがいいと思い ます。この項目をなぜ出すかと言えば、これこれの考え方でこれから看護養成所等を発 展させていくために1つひとつが大事だという意味ですから、基準ではないのではない かと思います。 ○しろまる和賀教務科長 そこのご意見は私も十分にわかっておりますが、表現をするときに、委員の方々は目 にされていると思いますが、ここで言う基準というのはこのように表現してよいのだと いう理解をしましたので使いました。ただ、評価指針の意味が強いだろうとは思ってお ります。 ○しろまる浅川座長 考え方というほうが柔かくは伝わるかと思います。「自己評価・自己点検をしていく ときの基準」と書かれてあるよりは、「基準となる考え方」とか「考え方」のほうが柔 かく伝わってくる感じがします。基準という言葉の使い方について、1つの手がかりと して解説がなされているわけですが、言ってみれば、「このようなことを指します」と いう意味でもあるわけです。 ○しろまる田村看護課長 「評価の考え方と点検」としてはどうでしょうか。先ほど「点検」を中黒で入れると いう案をいただいております。 ○しろまる浅川座長 「自己点検・自己評価の考え方」となりますか。 ○しろまる田村看護課長 自己点検・自己評価と繰り返さなくてもいいのではないかと思います。 ○しろまる浅川座長 繰り返さず、「評価の考え方」ということでいいかと思います。次の説明をお願いい たします。 ○しろまる岩澤課長補佐 4点目は全体的に非常に細かく、作業は大変になると思われる中で、点検をしていく 上で参考とする資料をこの表のいちばん右に出しているわけですが、連番を打っていま すが、全部で91あります。これが点検していく上で資料を細かく規定し過ぎではないか というご意見です。 ○しろまる菱沼委員 これはそう思ったということです。看護教育全般の反省として、あまりに型を決め過 ぎているという反省があると思うのです。こういうのが出てしまいますと、これを集め ることに誰でも必死になるのが普通だと思うので、こういうことを示すのにはどういう データが必要かということをここまで細かく3年にわたってやろうと思ったとしても、 年間30ずつ集めるということになりますよね。それは本当に大変なことだと思い、逆に また私だったらもう考えない。ここにあることを集めてきて文書を作ってしまうという ことをやりそうな気がするのですが、それでよろしいのでしょうかということです。 ○しろまる荒川委員 前回もご説明があったのですが、これ全部を一気にやるということではなくて、やれ るところからということがあって、私はそれで安心しています。91をどこから何をとい う主体性は専門学校の教員でもあるかと思いますので、これを集めるためにというには どこの専門学校も考えないと思いますから、そこはできるところからということで、そ のような考えではもしかしたら大変時間がかかるかもしれませんが、それでも示してい ただいているほうが、やれるときになったらそれを大事なものとして選んでやっていく ということはできると思いますから。 ○しろまる浅川座長 1つの手がかりという意味ですね。 ○しろまる荒川委員 はい。 ○しろまる成田委員 私も同じ意見で、必ずこの資料をすべて集めなければならないということではないと 思うので、実際にやるときにこのように挙げていただいたほうがやりやすいと思います 。あとはそこの学校の中で必要なものを考えて、また、これに追加になったり削除した りということがあると思うので、私は挙げていていただいたほうがいいと思います。 ○しろまる浅川座長 本当に全体をこの視点で自己点検・自己評価をしていこうということになると、膨大 な作業になるわけですよね。ただ、私も養成所をやっていていちばん細か過ぎると感ず るのが、カリキュラムのところなのです。ただ、全体の枠組みの広がりはご意見をいた だいてどんどん広がってきまして、そのことに関してはかえって全体像が見られるよう になった。ある意味では養成所としての評価の観点の枠組みがしっかりできてきたとい う感じがして、カリキュラムが少し細かいという感じはしていますが、できるところか らやろうということと、できていないところはできるように取り組んでいって実現して いったらどうかと感じているところなのです。そういう意味で項目数は大変だと思いな がらも、手がかりになると感じてはいたのです。よろしいでしょうか。 (異議なし) ○しろまる浅川座長 今回はこの91項目で整理をするということでお願いをしたいと思います。次をお願い します。 ○しろまる岩澤課長補佐 次を説明する前に1カ所訂正をお願いします。48頁、C.<点検>(評価内容)一覧 というところです。ご指摘を受けて本文を直したのですが、ここの点検項目のところを 直すときに少し余分な字を残してしまいました。Iの5です。「自養成所の教育上の特 色を示し、かつそれはあるか法」と書いてありますが、「あるか」を削除してください 。「教育理念」2とありますが、これは5です。 ○しろまる浅川座長 Iの5に直していただいて、中ほどの「あるか」というのを削除するということです ね。よろしいでしょうか。 ○しろまる岩澤課長補佐 5点目に<点検>(評価内容)一覧についてのご意見をいただいています。「この点 検項目の表現が『と言えるか』という表現になっているが、この表現に対して選択肢の 表現が『よく当てはまらない』となっているが、これでは合わないのではないか。どち らかの表現を修正する必要がある」というご意見をいただいており、具体的にどのよう に修正すればよろしいでしょうということで、次の頁、大きなカテゴリーのIとIIにつ いてこのような表現にしてはいかがかという修正案をいただいています。 ○しろまる浅川座長 これは舟島委員のほうからですね。補足説明があるようでしたらお願いします。 ○しろまる舟島委員 ここに持ってきている基本的な考え方は、前から連続しているということで非常によ くわかりますし、これに関する必要性の有無に関してもこれまで検討されてきたとおり なのですが、これは測定用具としてきちんと機能するためにはそのように修正しなくて はいけません。例えば、かなりたくさんの問題があるのですが、基本的にはこのように 尺度化した場合には1項目1つの評価項目になっていませんと、2つ重なるとどちらに 重きを置くのかということが出てくると思うのです。そういう意味で1項目1つの内容 を評価し、文章を選択肢との対応で整理すると、例えばこうなるということで、少しだ け考えてみたというところです。 ○しろまる浅川座長 舟島委員の提案された意見、例えば「目標」のIの1のところですと、これが2つの 評価項目に分離されているということですよね。 ○しろまる舟島委員 はい。 ○しろまる浅川座長 この点についていかがでしょうか。出していただきました資料は、どのような資質を 明示するかということが1つですよね。私はただ、それだけではなくてその明示されて いるのが、「社会に対する看護の質を保障するのに妥当であるか」という後ろのところ に重きを置いていると感じていたので、2つの要素というようには見ていなかったわけ ですが、評価項目は1つの要素に1つというのが基本だと思いますが、いてその点につ いてはいかがでしょうか。 ○しろまる星委員 言われてみればそうだと思いました。ただ、「その」と言ってつながって、1、2と 並列しているのはすごく変なので、やるならば1−1「教育理念は何々と明示している 」で、1−2で「その資質は」と書かないと。そして2「教育理念は」、4のところは 2−2と書いてもらったほうが、私は読みやすいです。これを替えるならば、もちろん 本文中のものも点検項目も替えるのでしょうね。そうしないと何やら変なことにはなり はしないかと思います。ですから、おっしゃるように「資質を明示している」というこ とについては当てはまるけれども、「妥当ではない」というと、3−1ということはあ り得るわけです。でも考えてみると、妥当でなければ明示しても意味はないのではない かという話ももちろんあるわけですが、冷静、客観的に考えていくと、それらは分けた ほうがなるほどと思うのではないですか。ただ、そのときに関連性がない独自の項目と して並列されるのは変だと私は思います。 ○しろまる田村看護課長 私ども事務局でも話合いをしたときに、まさにそういう評価の理論から考えて1項目 に2つの要素が入るのはおかしいというところで、これはどうかということの議論をし ました。しかし、いままでご議論いただいた基準とこれまで書いてきた中身と同様に、 ここでも書いてありますように、明示してあることが目標ではなくて、その明示したも のが本当に看護の質を社会に対して保障するのに妥当であるかというところに重きがあ るので、その両方が関連性のあるものとして1つで評価できるようにしておくべきだと いうことも考えて、一見、2項目入っているかのようには見えるのですが、こういう表 現にしたほうがいいと考えて提案させていただいたところです。 ○しろまる浅川座長 検討のプロセスと説明がありましたが、いかがでしょうか。 ○しろまる田村看護課長 文章だけが目的化してしまわないようにという意味を込めて書いたところなのですが。 ○しろまる星委員 であればこそ、私は単に1、2、3、4、5、6、7とずらずらと書くべきではない ということで、1と2で合わせて両方3、3になって初めて価値があると理解できるよ うにしてくれれば、明示はされているけれども駄目というのもあるし、中身はいいけれ ども明示はしてないということもあるわけで、これは両方なのねというのがわかるよう に。冷静に読めばわかりますが。 ○しろまる田村看護課長 いま星委員のおっしゃられたように1−1、1−2、2−1、2−2として、その塊 としての目標するところが1としてわかるようにすると。しかし、テスト理論から考え ての要素は分けて明示をすると。 ○しろまる星委員 そうであるならば、私もこの中身は替えなくてもいいと思うのです。 ○しろまる田村看護課長 点検も替えないといけない、替えなくていいですか。 ○しろまる星委員 いや、私はどちらでもいいと思います。替えてもいいし、替えなくてもいいと。むし ろ塊として評価されるべきだということで、替えないことのほうが理解は得やすくて、 ただ点検項目に来たときには2つに分かれていますということの理解のほうが、私は理 解をしやすいと思います。 ○しろまる浅川座長 いま課長から説明がありました方向でよろしいですか。 (異議なし) ○しろまる浅川座長 それでは、そのように修正、整理をお願いしたいと思います。もう1点舟島委員から いただいているご意見として、「提示された資料は『よく当てはまる』『大体当てはま る』『当てはまらない』となっていますが、『当てはまる』『やや当てはまる』『当て はまらない』という表示の修正をしたらどうか」というコメントもいただいていますが 、この点はいかがでしょうか。 ○しろまる舟島委員 これは私の意見ではなくて、テスト理論の副詞から、表現の副詞から正確なものを持 ってきているということです。 ○しろまる浅川座長 事務局、よろしいでしょうか。「当てはまる」「やや当てはまる」「当てはまらない 」とします。 ○しろまる岩澤課長補佐 1点ご確認いただきたいのですが、点検項目の最後の語尾のところ、報告書案は「で あるか」という疑問型になっていますが、舟島委員からご提案いただいている修正案で は「している」「なっている」となっていますが、これをどうしましょうか。 ○しろまる浅川座長 項目によってですね、「か」と書いてあるところ。 ○しろまる岩澤課長補佐 すべてです。 ○しろまる笠井委員 「か」よりも、舟島委員の「明示している」というほうがよくわかるように思います。 ○しろまる星委員 私は本文中は「か」でいいと思うのです。点検項目にきたら、「している」で「当て はまる」「やや当てはまる」「当てはまらない」と、これは国語の問題だと思うのです が。 ○しろまる浅川座長 よろしいでしょうか。 (異議なし) ○しろまる浅川座長 何点か修正が出ましたが、たくさんご意見、検討をしていただき、いままでの段階で は「再検討」のところも含めて終了しました。もう一度全体をご覧いただいて、不足す る事項がありましたらご意見をいただきたいと思います。 ○しろまる星委員 1つ気になるので、例えば11頁を見ていただきたいのですが、「自己点検・自己評価 のカテゴリー下位項目」の欄と、新しく言えば「評価の考え方点検」の欄のところで、 4のところは「看護教育についての考え方」と、右にも「看護教育についての考え方」 と書いてありますが、その下のところ、「学習・教育観と学生観」と書いて、右側には 「学習・教育の考え方と学生のとらえ方」と、これは同じものと違うものがあります。 例えば、左側は名詞で止めて体言止めになっている。右側は、例えばそれをわかりやす く書いているというならまた話はわかりますが、同じものと異なるものがパラパラと散 見されるので、どちらかの考え方に統一してやられるか、あるいは全く同じであればな くてもいいと思います。 ○しろまる浅川座長 表現として一貫性をと。 ○しろまる田村看護課長 真ん中の欄のところの見出し項目は取ってしまったほうがすっきりしますか。 ○しろまる星委員 そのほうがいいかもしれません。 ○しろまる田村看護課長 はい、取りましょう。 ○しろまる浅川座長 ほかにありませんか。 ○しろまる舟島委員 「看護師養成所の教育活動等に関する」、今回は「自己点検・自己評価」なのですが 、大学評価の場合というのは、「自己点検評価」プラス「外部評価、第三者評価」とい うのがこのセットになってきているのですが、この「看護師養成所等」の評価に関して は、評価全体を考えたときに、将来的な展望みたいなものは入れておかなくてもいいか ということは考えなくてもよろしいのではないかと考えていたのですが、いかがでしょ うか。 ○しろまる田村看護課長 将来的にはやがて第三者評価という話も、当然、時間が経てば出てくる時代なのだと は考えています。ただ、現在のところ、2頁の上のほうの文章にも「第三者評価を得る 機会や公表の機会を設定することも志向していく必要がある」と書いていますが、第三 者評価機関というものが現在のところありませんし、看護教育の評価をどういうように していくのかということについて、関係する団体もいろいろなお考えはあろうとは思っ ていますが、いま現在、第三者評価ということをこの文書の中できっちりと書き述べる 、そういう状況には私どもはまだないと考えているところです。将来的にそういったこ とが施行されるであろうことは、十分に承知をしています。 ○しろまる浅川座長 現段階では、表現としてはこの2頁の段階でとどめると。 ○しろまる田村看護課長 公表に関しては努力義務規定が専修学校等の設置基準に入りましたので、皆さまがな さったところから公表されるいろいろな機会を設定されると思いますが、第三者評価は そういう状況だということです。 ○しろまる星委員 舟島委員がおっしゃられたことといまの話と若干違うのです。というのは、ここでは 「第三者評価や公表は自己点検・自己評価の一環である」という言い方をしていて、つ まりやりたい人はどうぞと。それはあくまで自己点検・自己評価の枠組みの中というお 話ですね。ただ、その外部評価というのは、たぶん実は違うのです。いま大学で行われ ている外部評価というのは外側に基準というのがあって、つまり自分が何を示している かどうかは別として、外側に基準があって、それに実際に当てはまるかどうかというこ とを自分たちが評価したものと外から評価したものと並べてみて、さてどうだったと。 これをも、いま我々の考え方というのは、ここに書いてある考え方は自己評価の一環で あると言っているわけです。ですから、ここの文章自体に私は自己矛盾を来しているの ではないかと。 ○しろまる田村看護課長 「第三者評価の」という言葉をここから削除する。 ○しろまる星委員 ここから削除をして、いきなりこうやって目次で始まるのは変なので、こういう点検 評価項目についてまとめましたというところの頭書きをつくって、3回検討し、2回の 予定が3回になってしまったなど書いて、その中で第三者評価、あるいはそういう公表 などについての議論もあったと。これについてはまずこれが定着していくことが前提で 、しかしながら、そのことを考えなくていいというものではないのだ、ということを明 示することのほうがいいのではないかと思うのです。 ○しろまる浅川座長 なかなか看護教育会をめぐる仕組みのことが絡んできますね。大学と養成所とかなり 違いがあります。同じ看護教育といいましても、条件も状況も違っていますので、どこ までその仕組みとして整えられるかというのは、今後、大きな課題になると思います。 ○しろまる舟島委員 いま、まさしく星委員のおっしゃってくださったとおりなのですが、第三者評価、あ と外部評価、他者評価に該当するので、こことは少し違うと思います。 ○しろまる浅川座長 いまいただいたご意見で整理をしていくということでよろしいでしょうか。 ○しろまる田村看護課長 いま星委員のおっしゃられた前書きといいますか、その部分は事務局としては準備を 今日の段階ではしていませんので、それについては後ほど座長とお諮りをさせていただ いて、また委員の方々にお目通しいただくという形をとらせていただく方向でよろしい でしょうか。 (異議なし) ○しろまる浅川座長 では、その他お願いします。 ○しろまる平山委員 質問なのですが、25頁に「学生からケアを受ける対象者の権利の尊重」という項目が あるのですが、「学生の受け持ちとなることへの依頼・承諾」というのは、これは誰が どのようにして取るということを前提にしているのか、考え方を聞きたいのです。検討 会等でもやっていますよね。 ○しろまる田村看護課長 依頼というのは「学校と臨床サイドと両方が依頼をし、患者及び患者の家族であると かそういう保護者になる人も含めて承諾を得る」という形で3月末の「看護技術教育の あり方の検討会」で報告をいただいたところです。 ○しろまる平山委員 私は別にここまで進んできた議論を蒸し返そうと思っているわけではないのですが、 本当に確認したいのは例えば5)の所では「安全対策のために事前に学生に教育をして おく」という観点はありますよね。学生からケアを受ける対象者の権利を守るというこ とは、学生にちゃんとそのことを自覚してもらわなければ困るわけですよね。形だけで 承諾書を取ればいいというものではないし、患者からすれば、どの学生か、あの学生だ ったら受けないという話もあるから、学生が行って「よろしくお願いします」の挨拶も するし、学生自身が了解を取るということで、それを臨床指導者が助けてくれるという 仕組みというのが、現場の状況を考えたらいちばんいいのではないかと思うわけです。 こういうときに、その上にある臨地実習指導者の助力、助言、そういうものがきちっと 得られるような仕組みが必要だし、その臨地実習指導者の側、つまり患者側に立って実 習の場で役割を果たす、そちら側の人がそういう意味で了解を取れるように、学生を助 けてくれるということがあっていいし、そういう指導をするというのも臨地実習指導者 の役割だし、事前に対象者の権利をきちっと守るのだということを学生に、十分、事前 指導してくるというか、安全のときと同じようにしてくるということが必要なのかと思 いました。私はここを読んでいるときに、何と何と何が関係する、要素が関係するもの を出したほうがいいと思っていたのです。事前にいい案を考えてこられませんでしたの で言わなかったのですが。 ○しろまる浅川座長 わかりました。ご意見をいただき、また検討するということでよろしいでしょうか。 ほかにはよろしいですか。今日は大変手順よくスムースに整理をさせていただきました 。本当に皆さまのご協力でこの自己評価指針、膨大な手がかりをいただいたわけですが 、取りまとめを行うことができました。報告書の取扱いについて事務局から説明をお願 いしたいと思います。 ○しろまる田村看護課長 この報告書はこれから先、また座長と詰めさせていただき、なお委員の方々にもお送 りして最終のご了解をいただいた上でのことですが、その後各都道府県の看護の担当主 幹部局に宛て、まずこのようなものがまとまったということで発出をします。そして都 道府県から各養成所に対して通知をしていただいて、皆さんに周知を図るということを します。実際に各養成所等において自己点検、評価に使っていただいてと考えています が、できればこういったペーパー上だけではなくてきちっとした冊子にして、少なくと も何年間か開いて使えるような形にさせていただければ、より便利性も高まると考えて いるところです。当面は都道府県へ発出という形を取りたいと思っています。 ○しろまる星委員 せっかくですから実際の使い心地がどうなのかとか、やったことによるプラスの要因 などをお得意の厚生科学研究か何かで是非ともやっていただいて、点数がどうかではな くて、この表現なりこの示した項目は妥当であるかの検証と、そういうものをやったこ とによるデベロップメントについての、主観的でいいから実際にそれを行った施設の人 たちにそういう声を上げてもらいたいと思います。そうすると「どうしようか」、「や れ」というからという思いを持っている人が、「これはなかなかよさそうだ、少し敷居 は高いけれどもやってみようか」とかいうことにつながると思うので、そういう呼び水 というか、そういったことに是非ともこの結果が活用されることを期待したいと思いま す。 ○しろまる浅川座長 これで終了したいと思います。委員の皆さまにはお忙しい中、またたくさんのご検討 、ご意見をいただきまして、ありがとうございました。 ○しろまる田村看護課長 本来でしたら医政局長が最後にはご挨拶をということで今日は準備をしていましたが 、いま平成16年度の概算要求のフリートーキングの真っ最中で、どうにも抜けられない という連絡がまいりましたので、代わりまして私からお礼のご挨拶を申し上げたいと思 います。本当に3回という限られた回数ではありましたが、委員の方々のご熱心な、し かも専門的な見地からのご議論をいただきまして、養成所の点検、評価のための項目が 出来上がりまして、本当に嬉しく存じます。これからまだお目通しいただいたりお時間 を頂戴することがあるわけですが、今後とも私どもの看護教育全体を引き上げていく、 そういうこの活動にご協力を賜りたいと思っています。どうぞ今後ともよろしくお願い します。長いことありがとうございました。 照会先 厚生労働省医政局看護課 岩澤、金居 連絡先 03-5253-1111(内線 2599、2594)