03/03/26 第2回看護師等養成所の教育活動等に関する自己評価指針作成検討会議事録 第2回 看護師等養成所の教育活動等に関する自己評価指針作成検討会議事録 日時 平成15年3月26日(水) 15:00〜 場所 厚生労働省議室 出席メンバー 浅川明子、荒川真知子、笠井勝代、鈴木ミドリ、成田容子、菱沼典子、 平山朝子、舟島なをみ、星北斗、山?ア美惠子(五十音順、敬称略) しろまる田村看護課長 第2回の「看護師等養成所の教育活動に関する自己評価指針の検討会」を始めたいと 思います。 本日は、年度末の最後の週で、お忙しい日々をお過ごしの皆様方に、当検討会にご参 加いただきまして本当にありがとうございます。今日の予定といたしましては、前回い ただきましたご意見に基づき、修正をかけましたものについてのご議論をいただきたい と思っております。それでは座長、議事進行をお願いいたします。 しろまる浅川座長 皆様こんにちは。本日はお忙しい中、全員にご出席いただけ、大変うれしく思います 。それでは早速、議事に入らせていただきます。まず、事務局から資料の確認をお願い いたします。 しろまる勝又補佐 資料の確認をさせていただきます。座席表、議事次第、メンバー表です。資料1「看 護師等養成所自己点検・自己評価指針(原案)−修正−」、資料2「看護師等養成所自 己点検・自己評価指針原案・修正案の対照表」、資料3「基準の説明、図の理解に関す る事前調査結果」です。 まず資料1ですが、これは前回のご意見により修正を加えたもので、例えば1頁です が、赤字で加えてありますのが修正箇所です。資料1の8頁までが資料1、9頁以降は 資料2の新旧対照表で、修正案と最初に出した原案との対照表です。先生方に事前にフ ァックスでお送りしたものが資料2になります。赤字で修正しているところは、原案に 追加したもので、下線を引いてあるところが文言の修正を加えているところ、というこ とでご覧いただきたいと考えています。以上が資料の説明です。資料の修正部位につい ては、和賀のほうからご説明をさせていただきます。 しろまる和賀教務科長 原案の修正についてご説明いたします。第1回の検討会以降、修正した点について申 し上げてまいります。資料1の1頁、基本的な考え方について、原案ではただ項目的に 書いておりましたが、言葉として説明を加えました。赤で書いてありますように、「教 育評価の意味」というところでは、「学校、養成所における自己点検・自己評価は教育 評価の一環として位置づけられる」という文言を挿入し、それ以下、教育評価の意味を 読んでいくことにより、より理解できると考えました。「自己点検・自己評価の目的」 については、前回は図だけを示しており、この文言は原案の基準の中の文言として入れ ていたものを、若干修正してこの冒頭に持ってきたものです。図を説明しているもので す。 2頁、赤で書いてあるところの3行目に、第三者評価のことを付け加えています。図 式は同じですが、図の説明という意味で、図のところに赤を入れています。 3頁、「自己点検・自己評価の対象」も、前回は図式だけを示していましたので、言 葉として「自己点検・自己評価の対象は、各養成所の教育・研究活動であり、下図に示 す9カテゴリーとその下位項目からなる」という言葉を入れて、分かりやすくしたつも りです。下位項目の部分は、前回は「自己点検・自己評価の基準」の中で示していて、 一覧で見るようにはしていませんでしたので、一覧で見ることができるよう、7頁、8 頁に示しています。 5頁、「自己点検・自己評価の活用にあたって」というところでは、前回ご意見をい ただいた中で、各養成所の中で准看護師養成所等が、どのような対象として視野に入っ ているかというご意見がありましたので、「保健師養成所、助産師養成所、看護師養成 所、准看護師養成所ごとに、個々の状況や背景があり、本指針がそのすべてをカバーで きるものではないので、各養成所においては、自養成所の場合として読み替えて活用す る必要がある」という文言を加えました。それでこの指針を各養成所が、その意味で使 えるのではないかと考えます。 4番目ですが、本指針の中で示している資料(データ)は基準の内容を点検・評価す る上での目安として示しています。その具体的内容(どのようなもの)や量(どの程度 )については、各養成所が自ら考え、選択していくものであるということで、この点も 前回の資料の中では説明しておりませんでしたので付け加えました。 6番目ですが、C.<点検>(評価内容)一覧では、各カテゴリーで設定した点検を 一覧できるようにしたということで、これもいきなり「点検・評価内容」という文言で 始まっていましたので、少し分かりやすくしたつもりです。後半で、本指針においては このC.<点検・評価内容>で示している尺度のみを独立して使用するのではなく、基 準、資料データと連動して活用することに意味がある、という使い方について説明を加 えました。 6頁、8番ですが、ここでは前回の文言では、いきなり「評価が高くなることは」と いうことから始まっており、意味がとりにくかったと思いますので、「C.<点検>( 評価)を一覧を用いて行った評価が高くなることは」ということで、意味をより明確に しました。9番、評価のカテゴリーは9領域あり、点検は前回は59項目でしたが、今回 は精選した結果61項目になっており、61に修正してあります。また、9番の下の赤のと ころ、「評価のカテゴリーやその下位項目は、必ずすべてのカテゴリーを点検しなけれ ばならないというものではない。1で述べたように、各養成所の状況に応じて、意図的 にカテゴリーを選択して、自己点検・自己評価を行うことである」という文言を付け加 えました。☆印は、教師、教員という言葉の使い方等について、『広辞苑』を用いて、 私どもはこういう使い分けをしておりましたので、それを言葉にして表記いたしました 。 7頁が、先ほど申し上げた自己点検・自己評価カテゴリーおよび下位項目の一覧を出 したものです。その中で、特に変えたところはVの領域の「経営・管理過程」の中の4 番、指導体制の5)臨地実習施設というもの以外に、「実習施設の選択と整備」と「学 生の適正な配置」という下位項目を起こしています。実習施設の選択と整備、学生の適 正な配置ということで、臨地実習施設について、これも前回ご意見がありましたので、 より基準の内容を明確にして付け加えたところです。その他のカテゴリー等については 、文言等を整理しながら、おおむね同じものが掲載してあります。 9頁以降ですが、いろいろご意見を伺いました結果、また私どもがもう一度見直した 結果、基準の説明が大変回りくどい言い方をしているということが非常によく分かりま したので、説明が詳細であるということについては基本的に変えてありませんが、回り くどい言い方や、言葉として分かりにくいところは、かなり努力をして変えたつもりで す。 資料・データの覧ですが、前回は76項目ありましたが、これも整理した結果、82項目 になっています。また、文中で、これもご指摘いただいたところですが、「学生」「学 習者」という言葉について、どうしてもそこは「学習者」のほうがいいという場合を除 いては、おおむね「学生」という言葉に統一いたしました。 カテゴリーの「経営・管理過程」の中で、先ほど下位項目を起こしたところを大幅に 臨地実習施設を起こしましたので、そこの内容に基準と下位項目、資料・データを加え て、ここの部分はかなり新しくなった部分です。もう1点、新しくなった部分は、同じ く「経営・管理過程」の下位項目の中で、「学生生活の支援」というところです。対照 表の39頁、「学生生活の支援」という部分、この部分は基準の内容を、前回は全くなか ったものですが、新しく文言として起こしております。 次の「自己点検・自己評価体制」のところは、冒頭のところで、「自己点検・自己評 価」のほうへ文言を移していますので、ここも新しく、自己点検・自己評価体制をどの ように整えていくかということについて、新旧対照表の40頁で自己点検・自己評価の組 織、資料・データの収集、蓄積、資料・データの分析、解釈、41頁で課題や改善点への 取組みと教育の理念、教育目的、教育目標へのフィードバック、第三者評価結果の公表 ということで、自己点検・自己評価をしていく上で、ここに戸惑いがあると、かなりや りにくくなるだろうということで、ここは意図的にカテゴリーを細かくし、詳しく書い たつもりです。 43頁の卒業・就学・進学のところですが、ここの点についても新しく、基準の内容を 説明を加え直しています。あとは大体、赤で書いてあるところをご覧いただければよろ しいかと思います。 次に大きく変えましたところは、資料1の42頁、C.<点検・評価内容の一覧>とい うところで尺度を、前回は5段階に分けていましたが、今回は「よく当てはまる」「大 体当てはまる」「当てはまらない」の3段階でいいだろうということで、分かりやすく 変えました。点検の内容は、先ほど申し上げましたように59項目から61項目に増えてい ます。最後の頁は全く変えておりません。全体として、説明が詳細すぎるということに ついては、変えてありません。これが指針、資料1及び資料2の修正した分についての 説明です。 資料3は、前回、先生方に最初にお送りした指針原案と全く同じものについて、調査 をした結果です。まず1枚目、基準の説明や挿入してある図が理解できるかという問い に、尋ねに対して、資料のI〜IXまでのカテゴリーで、おおむね「やや理解できる」以 上であるということが分かると思います。つまり、「理解できない」というのが2、3 あるということで、大変分かりにくかった説明ではありましたが、対象校からは、「や や理解できる」以上として結果が返ってきています。 その下の2つの欄ですが、C.<点検>(評価内容)一覧について、付けやすいかど うかということを尋ねています。それについても、「付けにくい」というのが3年課程 では8校、2年課程では2校ということで、「やや付けやすい」以上が両方合わせると 3年課程は29校、2年課程は23校ということで、かなり表現が回りくどかったりしたの ですが、付けにくくはないという結果が出ています。 最後の頁に例として、第1ラウンド、第2ラウンドという例を示しておりましたが、 第2ラウンドまでやれるのか、第1ラウンドまでならやれるのか、あるいは全く出来そ うにないかということを尋ねましたところ、3年課程は38校中29校は第1ラウンドまで ならやれる、2年課程では25校中21校が第1ラウンドまでならやれそうであるというこ とでした。第三者評価の導入、公表すること、自己点検・自己評価を継続することが第 2ラウンドなのですが、それをやれるといってくれた学校が、3年課程では4校、2年 課程では3校ということで、多くの学校は第1ラウンドまでならやれるという意思表示 をしていました。 2枚目の資料ですが、「指針の点検」という項目で、前回は59項目示して、5つの尺 度で尋ねたものですが、それについて、あの指針は大いに指針となるのか、ある程度指 針となるのか、それともほとんど指針とならないのかということについて尋ねました結 果、「ほとんど指針とならない」というのはあまりなく、「ある程度指針となる」以上 で結果が返ってきていると読んでいいかと思います。 3枚目は、前回示した資料・データという項目について、その時点で学校がどういう 状態にあるのか、資料がないとどうしても自己点検・自己評価活動に支障がきますので 、どの程度整っているかを知る必要があると考えて、整っている状態を尋ねました。「 整っている」「ある程度整っている」「整えつつある」「ほとんど整っていない」とい う尺度で聞きました結果、これはかなりバラついた結果が出てきています。教育理念・ 教育目的のところでは、5番の「教師及び学習者が、教育理念・教育目的をどのように 認知し、教育及び学習活動に活かされているか」というところでは、こういう資料はま だ整っていないとか、8番、10番、「教育理念・教育目的の点検・評価計画」は、やは りないということが分かります。11番、「教育目標及び目標の意図が記述された文書」 は、整っている。しかし、14、15、16、すなわち就職後、卒業生の看護実践についての 評価、卒業生の入学・編入状況ということになると、これはまだ資料が整っていないと いうことが分かりました。 教育課程のカテゴリーですが、これは17、18番は資料がまだ整っていないということ が顕著に出ていると思います。それはどういうことかというと、教育課程編成委員会等 の目的、機能・役割を説明した文書とか、編成した教育課程がどのように実践され、そ の評価はどのようになっているか、その評価結果をどのように教育課程改善につなげる かを明確にした文書ということになると、やはりそういう文書は明確に作っていないと いうことが分かります。 IVのカテゴリー「教授学習評価課程」のところでは、全体としては「整いつつある」 以上のものとして見ることができると思いますが、25の「教材研究資料を整理した資料 」となると、ここは整っていないということが分かります。30番「評価の考え方」、31 番「評価計画を明示した文書」、35番「教育点検システムについて明示した文書」にな ると整っていない。33番「学生の授業評価結果」も、今は普及しつつあるかと思います が、調査の時点では、まだ整っていないという数値が出ています。 Vの「経営・管理過程と財政」では、37番、38番、「組織員にどのように経営・管理 過程が理解されているか」ということとか、「経営管理にあたって管理職にある者が、 教授・学習過程と教育課程をどのようにとらえているかを明記した文書」になると、ま だこれは整っていないということが分かります。40番「財政基盤についての教職員の理 解と、それを示す資料」も、まだ整っていない段階だということが分かります。42番も そうです。下の47、48、49、50は、当然自己点検・自己評価に関する資料(50番は将来 構想ですが)、は明らかに整っていないということが理解できます。VIの「入学者の選 抜とその考え方」のところでは、大体、学校としては現時点では整っているということ が分かります。 VIIのカテゴリーの「卒業生の就業・進学状況」のところでは、62、63、64、すなわ ち「卒業生の看護実践の能力を評価した結果、その分析記録、就職先への調査結果、卒 業生の動向」、これらに関しては、まだ整っていない状態だということが分かります。 VIIIの「地域社会との連携、国際交流」ということになると、68の後半は整っていたり することがあると思いますが、大体このVIIIのカテゴリーとIXの「研究」のカテゴリー は、まだ整っていない状況だということが分かりました。以上が調査結果です。 調査結果の1枚目のところで、かなり回りくどい言い方をした表現ではありましたが 、学校の先生方は、大体あの基準で理解できるし、おおむね第1ラウンドまでならやっ ていけそうだという回答をいただいたというふうに理解しましたが、この新しい指針で 、もっと良くなっていけばと考えております。以上です。 しろまる浅川座長 1カ月の間に、さまざまな修正、基礎資料の収集等をしていただきました。修正案が すでに各先生方のお手元のほうに届いていると思います。非常に短期間ではありますが 、お目通しいただいているものとして、今日はこのことについて議論していただきたい と思います。説明にありましたように、ABCDとそれぞれ内容ごとに区分けをされて いると思いますが、この区分けごとに議論を進めていきたいと考えていますので、よろ しくお願いいたします。Aは、看護師養成所における自己点検・自己評価についての基 本的な考え方ということになろうかと思いますが、まずこのカテゴリーに関するご議論 をお願いしたいと思います。資料1の1〜3頁までのところになりますが、このことに 関してはいかがでしょうか。 しろまる星委員 保健師、助産師、看護師とあり、1つ抜けているのですが、あえて抜いているのです か。入っているところと抜けているところが混在しているのですが、これは書き方を「 看護師等」なら「等」で、すべて表現を一定にしたほうが分かりやすいのではないです か。 しろまる田村看護課長 前回、准看護師養成所も対象になるのかというお話がありました。専修学校設置基準 だけではなく、各種学校設置基準も同様に、自己点検・自己評価ということの努力義務 が課せられたところですので、今回5頁に「准看護師養成所」というのも入れたところ です。そこでも同様に使っていただければと考えたわけで、そういう意味で准看護師が 1頁で抜けているのは適当ではないと思います。すべて「看護師等」という言い方で私 どもは言っておりますので、そのように整理させていただきます。 しろまる浅川座長 そのほか何かありませんか。Aのカテゴリー、基本的な考え方と、自己点検・自己評 価の対象がここに含まれると思いますが、よろしいでしょうか。 しろまる星委員 2頁の上から2行目から3行目にかけて、「自己点検・自己評価が目的化してはなら ない」とあるのですが、自己点検・自己評価を行うことだけを目的にしてしまってはい けない、目的はそうではなくて、その維持発展だという意味なのでしょうが、表現とし ては分かりにくい、普通ではないという感じがいたします。 しろまる和賀教務科長 星委員がおっしゃったように、養成所の維持発展というところにつながるというとこ ろがゴールですので、そのゴールのほうへ言葉を変えればいいかと思います。 しろまる星委員 「目的化」というのは、たぶん形骸化なのですね。つまり、評価すればいいというの ではない、評価をするということを目的にしてはならないということでしょう。国語の 問題だと思いますから。 しろまる浅川座長 この辺りの言い回しの問題ということですね。他にいかがでしょうか。 しろまる舟島委員 3頁の自己点検・自己評価の対象ですが、ここで自己点検・自己評価の対象が、各養 成所の教育・研究活動というふうに限定しているのですが、この図を拝見しますと、V に「経営・管理過程」というのが入っている。もちろん、経営・管理というのは、教育 ・研究のためにやるのですが、「組織運営」ということも入れておいたほうがいいので はないかと思います。そのほうが、評価項目とも合っていくかと思いますので。 しろまる和賀教務科長 広く教育活動の中に、このカテゴリーがまずあると考えて、そういうふうに細かくし なかったのですが、それは変えるのはかまわないと思います。 しろまる浅川座長 「組織運営・管理」は、入っていたほうがいいですね。かなり大きな要素を占めると 思われますし、養成所全体の自己評価ということになりますと、その面まで広げて、実 際は項目が設定されていますので、入れていく方向で検討していただくということでよ ろしいでしょうか。 しろまる和賀教務科長 はい、分かりました。 しろまる舟島委員 もう1点、1頁の「教育評価の意味」のところの日本語が、もう一歩かなという感じ がするのです。これで教育学的には間違いではないのですが、少し分かりづらいかと思 います。後ほどもう1回、日本語のところを検討していただければいいと思うのですが 、こんなふうに直してはどうかと考えてみました。「教育評価は、教育目的・目標の実 現を目指して行われる教育活動に関する決定を行うために必要な資料を収集整理して、 実際の教育が当該目標をどの程度達成したかを見極め、それを次の教育活動へフィード バックする手続である。それは、さらにその結果を再度目標の達成度から解釈すること の循環的、継続的過程である」というふうにすると、最後の「循環的、継続的過程」の ところが強調されて、より明瞭になると思いました。意味としては同じだと思います。 しろまる和賀教務科長 舟島委員の言われる意味はとてもよく分かります。先ほどの調査の中でも記述があり ましたが、この「教育評価の意味」のところで、調査対象の2、3の学校から返ってき た言葉の中には、むしろ「教育活動に関する決定とは何ですか」という問いがきていた りします。そういう意味でも、やはり難しい、言葉の意味は、確かに分かりにくさはあ ったと思います。 しろまる浅川座長 意味としてというよりも、表現として少し修正を加えたほうがいいということで、舟 島委員の今の言葉をいちおういただいておいてよろしいですか。では、ほかにはいかが でしょうか。大体よろしいでしょうか。気づいたことがあれば、また考えるということ にして、次にBにつきましてはいかがでしょうか。 Bは大変量が多いところだと思います。Bも、大きくカテゴリーを分けると、8頁ま でと9頁以降に分かれるかと思います。9頁までは、全体の枠組みが示されていると思 うのですが、この点に関してはいかがでしょうか。 7頁、8頁が項目の全体像になろうかと思うのですが、先ほど修正がいろいろありま した中身も含めて、項目の位置づけの問題とか、設定の問題とか、そういう点がこの項 目の中で考慮できるかと思うのですが、この点に関してのご意見等はいかがでしょうか。 しろまる星委員 こういうのが適当かどうかよく分からないのですが、例えば外の人たちとの関わり方 について。外の人たちというのは、学校の中の人たちと学生と実習施設とかというので はない人たち、具体的なイメージとしては、例えば保護者という人がいるわけですね。 この保護者を排除する理由はないと思うのです。もちろん、学生を預かっているのです から、責任は学校の側にあるにしても、保護者をどういうふうに捉えるのか。あるいは 卒業生をどういうふうに捉えるのか、というようなことに関して、やはり何らかの考え 方がその学校にないと、一切出入りするな、3年間は隔絶した世界に我々が預かるのだ から、あとは金だけ出せと言うのか。学生生活ということだけではない、つまりいろい ろな意味での支援なり協力なりが必要だと思うのですが、そういう項目が探してみると ないのです。どこに入れるべきかよく分かりませんが、ここは検討してほしいと思いま す。 しろまる和賀教務科長 いま「保護者」という言葉が出たので、それだけに反応しているわけではないのです が、じつは専門学校設置基準の局長通達の中には、「保護者」という言葉が入っていま す。それで、最初にこの3頁の図式を考えるとき、VIIIのカテゴリーのところに、地域 社会と保護者と国際交流ということで考えてみたわけです。専門学校設置基準でも、さ まざまな専門学校があり、看護の専門学校を考えたときに、「保護者」という言葉を入 れたらどうかと考えつつ、「地域社会」という言葉で代表できないだろうかということ だったのです。いちおうは考慮したつもりですが、基準の中にはほとんどそこは入れて いないので、ご指摘は分かります。 しろまる浅川座長 いま星委員からご意見がありましたことに関しては、いろいろな考え方があろうかと 思うのですが、その点について委員の先生方はいかがでしょうか。いわゆる支援母体と いうか、同窓会のようなものと、初等、中等教育でいうPTAのようなものと考えてよ ろしいのでしょうか。 しろまる星委員 PTAというのはどうかと思いますが、少なくとも私たちの学校では、とにかく保護 者の方に、学校に興味を持ってもらうように仕向けています。それは、金を払ってもら うということも、もちろん一つのやり方ですが、とにかく何かあれば学校に来てもらう 。そして、どんなところで学んでいるのか見てもらう、というようなことを考えている わけです。私としては、支援母体というよりは、その教育をするにあたって必要な情報 提供なり、情報交換をするという場面というふうに捉えているのです。ですから、単に 組織化されているかとか、そういうことを問うているわけではないのです。それが分か るようにするのは、非常に難しいと思いますが。 しろまる浅川座長 この点について、少しご意見を伺えればと思います。 しろまる荒川委員 当校も、例えば式典のときに保護者をご招待して、本当は高等教育では要らないのか なとも思いながら、お出でいただいたときに、これまでの学習状況をお知らせしたりと いう会を10年ぐらい前から設けています。ただ、それがこの自己点検・自己評価の中に 入れなければならないのかどうか。星委員がおっしゃられる意味がちょっと分からない 。入れておいたのと、入れておかないのとでは、何か違うのかということをもう少しお 聞かせいただければと思います。 しろまる星委員 私が言いたいのは、教育の効果を高めるにあたって、いろいろな人の協力が必要だと 。それで、いちばん身近なのは、たぶんご家族であり保護者だと思うのです。ですから 、教育の効果を高めるために、保護者なり保護者会なり、あるいは保護者たちのいろい ろな活動を利用しようとしているか、あるいはそういうものについて意識を払っている かどうかは、重要なチェックポイントだと思うのです。単純に保護者会がありますか、 ということを聞けという意味ではないので、そこを理解してもらえるような書き込みが ないと、保護者会があればいいのかということになる。あればいいのではなくて、協力 が得られるような関係を作る努力を、あなた方はしているのかというのは、十分な問い かけだろうと思うのです。 しろまる和賀教務科長 そのときに、「保護者」という言葉が局長通達の中に出ているのですが、そのとき「 保護者」という言葉に、どうも私は引っかかったような気がします。それはなぜかとい うと、やはり18歳以上の学生だということと、社会人の人たちがかなり入ってきている という状況も踏まえて、どこまで「保護者」という言葉を使うかということが、作成し ている段階で引っかかったものですから、それで「保護者」という言葉が消えてしまっ たということです。 しろまる星委員 保護者だけではない、例えば授業料にしても生活費にしても、金を出すのは誰かとい う話です。それは関係ない、授業料を払ってもらえれば、あとはどこでどんな食事をし ているか、アルバイトはどうしているかは知らなくていいんだと言うのか。教育のいろ いろなことを考えていくときに、アルバイトをどうするかという話はそれぞれの学校が 考えればいいのですが、お金を払ってくれる人が、どんなふうに教育に対して意識を持 つかというのは、大いに教育の効果に関係すると思うのです。 関連して、例えば育英会のようなものがありますが、多くの一般の学校ではそれは必 要ないのかもしれませんが、現実にはああいうものがないと学ぶ環境が作れない、とい う人たちもいるわけです。そういう心配を学校で親代わりをするということを100%私 たちがやると言い切れるのであれば、お金に困れば金の工面までしてやるというのであ ればいいのですが、そうでないとすれば、余計なことをしないで彼ら、彼女たちが勉強 できる環境を作っていくために。保護者という言葉だけに私も固執するつもりはありま せんが、そういう環境を整えるような努力をしていますかということは聞く必要がある のではないかと思うのです。 しろまる菱沼委員 いまの論議は、学生生活への支援というところに大きく含まれるのではないかと思う のです。学生生活をするために、学生1人に対してどれだけの人たちがサポートしてい るか。この全体の基準といいますか、この考え方の中で、「学生生活の支援」というよ うな表現は、Vの「経営・管理過程と財政」というカテゴリーの中の1項目になってし まっている。 それは、たぶん安彦先生の本からとったものを基礎にしているために、こういう言葉 でしか出てこないのかもしれないのですが、教育のことを考えたときに、学生生活の支 援という、いわゆるカリキュラム上の教授・学習活動と、狭い意味のカリキュラムには 入ってこないそういった学習者への支援というものとが、大きく二つ並ぶと考えますと 、学生生活の支援というのを、Vの「経営・管理」のところに置いてしまうと、いま星 委員のほうから出た学生への配慮という辺りをすごく軽くしてしまう結果になってしま うのではないかという気がするのです。カリキュラムという言葉の中にも、いわゆる教 育課程のプログラムだけではなくて、学生生活全部を含めてカリキュラムというという 方もいるし、いろいろな考え方で言葉が違ってくると思うのですが、安彦先生のこれを 基にされたことには、何か特別な意図がおありなのですか。ここから全部カテゴリーを 出していますが、この言葉を使うとそれが出てこないのではないかと思うのですが。 しろまる和賀教務科長 出てこないということではなく、安彦先生は下位カテゴリーを示していないので、そ れを今度、下位カテゴリーを設定するときに、最初に枠を設定してしまいますので、ど うしてもどこかの下位になる、あるいは上位なのに下位になる、ということが今のご指 摘だと思うのですが、その辺は、1回目のときに説明しましたように、いろいろな教育 学等の文献等を検索しましたときに、設定している下位項目、上位項目を併せるとあま り変わらない。それをどういうカテゴリーでまとめたり、どういう下位項目にするかと いうときに、かなり違ってくるということで、いろいろ検討した結果、なかなかすっと フィットするものがなくて、別に特別な意図があって、これでなければならないという 意味で設定したわけではなく、このほうが分かりやすいかということで選んだ概念図で す。 ですから、いま菱沼委員がおっしゃったような意味で、学生生活というものを、この 図の中では教育活動の全体の中で、あるいはカリキュラム全体の中にそういうものを含 むということで、理解していただければと思います。前回は下位項目が抜けていました が、今回はそこの下位項目として入れたということです。 しろまる星委員 はっきり申し上げると、我々のような学校だと仕事の半分はこれ、学生生活の支援で す。つまり、本当にこの子たちの勉強しやすい環境を作ってやるということに腐心する わけです。カリキュラムだとか教育の中身は、もちろん大きな役割ですし、それは大切 なこととしてやっていますが、現実に我々が日常、学生を見ているときに、実はいちば ん苦労するのはここであります。それについては、菱沼委員がおっしゃるように、1項 目起こしてもいいぐらいだと思います。本当に腐心し、苦労をするのですが、それが評 価されないというか、ある意味で「何やってるんだ」というようなことを言われてしま うところがある。やはり、教育のプロセスにおいて、そういう活動が実は非常に大切で 、意味があるのだということを設置者とか、経営者に理解してもらうためにも、そうい う努力は1つのまとまりとして大変重要な役割だということを、明確にしてもらったほ うがよろしいかと思います。 しろまる浅川座長 今までいただいたご意見は、学習者への支援という項目は、内容的に考えて、1つ項 目を起こしたほうがいいのではないかということですね。 しろまる田村看護課長 5として、「学習者・学生生活への支援」といったものをという理解でよろしいでし ょうか。 しろまる浅川座長 項目を起こしながら、その中身については今までのご意見を入れていく必要があるの ではないかと、こういうことでよろしいでしょうか。 しろまる菱沼委員 たぶん、今それでパッと起こしてしまうと、この全体の枠がガタガタになってしまう でしょう。IIIの「教育課程経営」の中には、いわゆるプログラムの経営と、学生支援 というのが2項目、大きくあるという、そういう置き方をなさらないと、新しく項目を いまここで入れるのは大変だと思います。 しろまる浅川座長 この3頁を見ていくときに、人が出てこないですね。教師も出てこない。学生と教師 がこの概念の中に表現されているほうがいいのではないかと思うのですが、その辺はい かがでしょうか。今は学生の問題が出ていたのだと思うのです。 しろまる和賀教務科長 座長のご意見も分からないではないのですが、私自身、これを作成したものとして、 この図を根本的に直すことではなく、この中で例えばカテゴリーの作り方の大きさの問 題だと思いますので、そこを何とか、学生生活の支援が大きく出るような考え方をとる 。今は、Vの「経営・管理過程」の中の1項目ですが、あるいはその文言の説明の仕方 等も工夫をして、IIIの「教育課程経営」のほうに置くとか。ご意見は分かりましたの で、そこはもう少し検討させていただきたいと思います。 しろまる浅川座長 それでは、意味として表現に取り組んでいくということでよろしいでしょうか。 しろまる舟島委員 基本的に、この図の中には人が出てきてはいけない。活動を評価して、それを受け取 った人々がどうするのかということを考えていくのだと思うのです。やはり、活動を評 価するという図式になっていかないと。評価対象は活動ということでいかないといけな いわけですね。 しろまる浅川座長 そうですね。いまBのカテゴリーについていろいろ検討しているところですが、進め 方の上で、いま8頁までのところを検討していますが、これに関連して、また別の内容 でもよろしいですが、ご意見を承りたいと思います。 しろまる平山委員 学生生活の支援のところで、菱沼委員が、さっき星委員が言われたような事項が入っ てくるのではないかということをおっしゃっていましたが、私もそのとおりだと思うの です。これを見ていると、トントン拍子 にいく学生を相手にしているような、いわゆ る狭い意味の教育評価であって、養成所が看護師などを養成していくときに、全然つま ずかないような感じで作っているような気がしてならないのです。最初に「教育評価」 という定義がありますが、なぜここで、教育評価の意味ということを書かなければいけ ないのか。学校、養成所が自己点検・評価をやるということは、単に教育評価、いわゆ る狭い意味での教育評価だけではなくて、教育活動に関わる構成要素すべてにわたって 、人材育成活動のいま直面している課題や何かをすべて含めて、関連するところは全部 評価しますということです。そういう意味ではないかと私はとっているので、ここの文 言がすごく苦しいと思って見ていたのです。 確かに、大学で自己点検・評価をやろうとすれば、学生生活への支援というところは 、ものすごく大きなウエイトを占めてくるわけです。知識だけを教育しているのではな くて、学生をきちんと見て、学生生活への支援をするという立場で現実的な項目を取り 上げていくべきです。アルバイトをしている学生もいるし、奨学金の問題も出てくるし 、ちょっと不適応みたいなことが生じてくると、結局単位が認定できない。学位取得で きずにいることを家族は知らずにいる状況があるが、どこかで知らせる仕組みが必要で はないか。そういう問題に対応するために、大学・学校側はどういう対処の仕方を仕組 みとして作っているか、ということが点検の項目になる。社会的な存在としての学校と いう観点からは、親や保護者は関連する要素として、ものすごく重要なものがある。た だお金を出していればよいということではないと思うのです。 話がちょっと外れますが、これ全部を通して、学校の点検評価結果、つまり大学内部 の情報をどういうふうに公開しようとしているか。情報公開をどこまでやろうとしてい るか。また、親のような関係する人にどこまで情報を出すか、その辺りが問われると思 います。学生生活の支援という項目を入れると崩れると言われましたが、取り上げたほ うがよいのではないか。大学などは、それがなければ自己点検・評価をしたことにはな らないと思うのです。これは教育活動全体に係わってくることだと思うので、原案をい じるといろいろな問題が出てくるというのは、分からなくはないのですが、それでもあ えて挙げたほうがよいと思うのです。 しろまる浅川座長 挙げたほうがいいというのは、IIIの概念の中に人間を挙げたほうがいいということ ですね。 しろまる平山委員 そうです。教育・研究活動の主体は教員ですね。そこら辺も出てこないといけないし 、この図で入らないということで排除していたのでは、前に進まないのではないか。柔 軟に考えて、必要に応じて項目を挙げていったほうがいいと思うし、その場合に学生生 活のことは、すごく大事ではないかと思うのです。 しろまる浅川座長 舟島委員、いかがですか。 しろまる舟島委員 平山委員がいまおっしゃったことは、この図の中に人間を入れるということではない ですね。 しろまる平山委員 人間を入れるのもありではないですか、ということを言っているだけで、私は学生生 活支援を大事な項目として挙げるべきではないかということを言っているのです。 しろまる浅川座長 入れるか入れないかというふうに決めてしまうのではなくて。 しろまる和賀教務科長 これは入れておりますので。今おっしゃられた表現の仕方の中で、一つの項目の非常 に重要な項目について、基準の説明がかなり求められている、あるいは期待するような 表現であるかどうかということがまず第一の問題なのですが、いま学生生活の支援が必 要だという理解をして入れてあります。そして、この会の内容についても、経済的支援 、学習の困難さの支援、社会に目を向ける支援、そういう全般について項目を吟味して 内容については入れてあります。ただし、そのことが伝わるかどうかの問題が一つある ことは、今お話を聞いて分かりましたので、そのことは十分検討をして盛り込ませてい ただきます。 そのことを今度はカテゴリーとして、どういう大きさに出すかということについては 、委員の方々のご意見も踏まえて、なおかつできるだけ表現を、例えば研究というカテ ゴリーも図2でいきますと、どこへ行くのだろう。どこにもあるものではないので、こ ういう図にしたので、可能なかぎり努力はしてみますが、入れないとか入れるとかとい う話ではなく、もう入れてありますので、そのところは人を表現するとかではなくて、 支援の内容は経済的、学習困難性とか、さまざまな生活全般の不安とかいうことも意味 して入れたつもりですので、そこはもちろん広げていきたいと考えています。 しろまる浅川座長 情報開示の問題というか、そのことも含めてですね。 しろまる和賀教務科長 情報開示のことは自己点検・自己評価の所に、誰に向かって情報開示をするかという ことは、養成所が決めるものですので、その表現をしています。 しろまる浅川座長 とにかく意味として組み込んでいる。あとは整理のやり方、それから相手への伝わり やすさを考慮するという点での表現、そこを考えていくということでよろしいでしょう か。 しろまる笠井委員 私もやっぱり学生生活の支援の中に入れて、内容的に盛り込んでいくということで。 私どもの専修学校では教員が個人面接に費やす時間は、本当にひどい。星委員のように 理解がある方が学校長ではありませんし、いろいろなので、その時間を見てくれないと いうか、教員は何しているのだというような専修学校の悩みがあるのです。ですから保 護者に学校への関心を向けてもらうということは、先ほど荒川委員が言われたように、 私ども入学式、戴帽式、卒業式とかいう行事には必ず保護者との話し合いを持ってとか 、間では家庭通信とかで個人の状況を知らせていくとか、全体の学校の状況という情報 を家庭に回している。 私どもも単位認定とか不適応とか、留年、休学、退学が非常に多くて、その辺り家庭 とどのように通信したらいいかというのが悩みなのです。だから家庭で起こった出来事 も、学習成績評価には関わらないから専修学校では特に知らせてほしい、学校であった こともすぐにお知らせするということで、両方が連携していきましょうということです。 保護者ということでは社会人入学が入って来ると、夫とか妻とかいろいろなことにな ったりする。最初は父母会とかいろいろ呼んでいたのですが、これ困ったなと。前の学 校ではPTA会とかにした経緯もあるのですが、呼び方としてはどうなのだと毎回その つど良い呼び方が浮かんでこないので、その時々で考えてはいるのです。 同窓会、卒業生の就職先の先輩とかを通しながら、見ていただくとかいうような連携 のあり方を、広く学生の支援という方向性で置いているので、その辺り非常に時間をか けて、本当に苦労をしている教育活動というか、そういうのが少し浮き彫りに出る。そ れでまたカウンセラーとかいろいろな支援体制が組まれるのではないか。だからカウン セラーも看護の専門のカウンセラーと、私がいま思っているのは心理学専門のカウンセ ラーという両方がいるのではないか。授業に対する悩みと精神的なもの、その辺りの支 援体制を組んでいただけるような指針が出ると、専修学校の教員にとっては非常にラッ キーなあり方かなと思っています。 しろまる和賀教務科長 今のところは資料1の33頁に「学生生活の支援」の所で、ここは全面文言を新しく挿 入したところです。まず「学生生活の支援」ということで、ここに下位項目を起こせば 、もっと明確になるだろうということと、その具体的内容は、最初のパラグラフのとこ ろは、まず学業を最後まで継続できるような支援、それはカリキュラム上の支援とか、 経済的支援とかという項目を起こしておきます。次のカテゴリーでは、笠井委員が言わ れたように、カウンセラー等の配置など、健康相談等に関しても、そこの中に表現して おります。 次のカテゴリーでは、本当に低学力等に関する支援体制と、次は視野を広げられるよ うな支援。それを今度、資料という点検のところでは、どのような学生生活の支援体制 を整えているかを示す文章。これは学校が考える支援体制を整えることなので、逆にこ こまで大きくし過ぎたので、学生生活の支援の下位カテゴリーをもう少し明確にして、 資料との関係を明確にすればもっといいかなと思います。もう少し説明をより加えると いうことで努力をしてみたいと思います。 しろまる浅川座長 平山委員から先ほど教員の問題についてもというご発言があったかと思うのですが、 委員、そのところは何かご意見がありますか。 しろまる平山委員 いまの話と全然違いますが、いまの問題でいうならば、ここにある学生生活の支援体 制をどう整えているかという仕組みだけの話ではなくて、現実にどれだけの時間を使っ ているかとか、どういう相談があるのかという内容を出していかないと、教育活動でも 教壇に立って教えたり、実習に行って教えたりするだけではなくて、そういう相談にも のすごく労力を費やしているわけだから、そういうことが見えるようにしないといけな いのではないか。 しろまる星委員 いまの教師の件ですが、私、前回も発言したのを覚えていますが、これはその教師が 良いか悪いかを評価するのが目標ではないので、それはどうでもいいのです。その教師 がキャリアを積んでいって、教師として成長していくという過程、それをどういうふう に支援するのか、それは明確に位置づけられる必要があるのだろうと思うのです。つま り研究をすれば、あるいは研修を受けに行けばいいのだ、研修計画があればいいのだと かというのとは少し違うのだと思うのです。教師自身もどこかで自分を乗り越えるとい う作業が必要です。学生がやはり乗り越えるという作業をするので、それを支援する側 も自分を乗り越えていく、そのことを組織全体として支援していくことが多分必要だろ う。私も目の当たりに泣いたりわめいたりするのを見ているものですから、ああいうも のがきちんと評価されて、その進捗状況を誰かがきちんと見てやる。情緒的で申し訳な いのですが、入れられないのかなとは思います。 しろまる和賀教務科長 いまのことに関して、資料1の30頁の指導体制のところの「教職員の質(力量)と量 の確保」というところで、教師がどのような支援をもって、自分の専門領域を高めてい けるようになるかということを、そこには盛り込んだつもりです。その辺で教師の成長 という言葉等は出ていませんが、そういうことでは出しているので、その辺をもう少し 見直していきたいと思います。 しろまる菱沼委員 いま言われた30頁の指導体制なのですが、多分、指導体制という言葉だと違うことを イメージしてしまうのです。教員の研修というか質の向上ということの意味だと、カテ ゴリーとしてVの管理の所に入っていてもいいのだろうと思うのですが、学生に対する 指導体制という言葉で、もしこの指導体制をお使いならば、これは教育のところに持っ ていくべきことではないかと思います。ここは指導体制という言葉を「教員の質向上」 、とかいうことに変えられたらいいのではないかという気がします。 しろまる田村看護課長 教員の発達を。 しろまる菱沼委員 今、文科省などはFDと言うのですが、そういう言葉を使う必要はないと思うので、 「教員の質の向上」というようなことを使われたほうがいいのではないでしょうか。 少し関連もするのですが、例えば今の指導体制の30頁の1)2)3)4)という項目 が出ていますが、この1)2)3)4)というのが、それぞれについて説明があるわけ ではないので、この1)2)3)4)は例えば10頁の看護教育についての考え方でも、 1)から7)までとかということで、これが全部この表のカテゴリーの7頁から8頁の ところに、この片括弧までが全部挙がってきているのですが、この片括弧の番号はどう いう意味なのですか。 しろまる和賀教務科長 今回、努力というか検討、修正のときに私たちが考えたのは、まず今ご指摘のように 、カテゴリーと下位項目をまず明確にしよう、出来る限り下位項目ごとに説明をしよう とまず考えました。しかし、例えば教育理念とか、後ろの指導体制は今考えれば下位項 目ごとにしたほうが良かったなと思いつつ、ほかのところはかなり下位項目ごとに説明 を視覚的にも分かるようにしているのですが、この理念等のところは、下位項目はある ものの、その項目ごとに書くのはかなり厳しいなという表現上の問題もあって、下位項 目は片括弧レベルでは起こしたものの、基準の説明はまとめて書いているというような こともありまして、その辺はこちらの努力と説明をする力の問題でもありますが、ほか のところでは極力下位項目と基準の説明を、対応関係で分かるようにはしているのです が、いま指摘されたところがそうなっていないということです。 しろまる菱沼委員 対応できるくらい項目が明確であれば、出されてもいいかもしれないのですが、例え ば7頁の下位項目までが出ているリストを見た時に、その細かさが多分すごく違う。例 えばIVの教授・学習・評価過程のところですと、一斉授業・個別指導・小集団指導とか いうような授業のやり方の、こういうところまでが7頁のリストに出てきてしまう。そ れと先ほど言ったように、学生生活の支援は1項目だけになってしまうというふうに、 すごくレベルが違うような気がするのです。ですから、なるべくならば大きくして、文 章ができる範囲ぐらいにされたほうがいい、もうこれは細かく書けば書くほど縛りがき つくなる、という気がするのです。 しろまる和賀教務科長 とてもよく分かります。結果的にこれが2回目の修正段階ですが、作成している過程 で回を重ねるごとに、そういうことがだんだん分かってきました。最初はこういう基準 の説明を書くときには、自分の頭の中で下位カテゴリーをもっと細かくといって書きま した。それがこういうふうに整理をし始めると、今みたいに大中小がごちゃごちゃして ということで、ご指摘は大変よく理解できますので、そこは大きさを整えるようにした い、それから説明もそういう対応関係でできるようにしたほうがいい、今回は修正の時 にそう考えていましたので、そういう努力をして直したいと考えます。 しろまる山崎委員 今、議論になっているのは、学生生活の支援のことがメインになっていると思うので すが、安彦先生のこの枠組みありきという感じがすごくします。平山委員が言われたよ うに、Vの経営・管理過程と財政のところの6番目に学生生活の支援が入っています。 そして、今までに出てきた意見の中では、IIIの教育課程経営に入れてはいかがなもの かという意見も出てきているのですが、やはり、どちらかに入れるということは、何か うまく学生生活全体を評価できないような気がするのです。 そこで私の意見としては、安彦先生のこの枠組みがありきではなくて、学生生活を、 どこか大きなカテゴリーとする必要があるのではないかということです。そうしないと 、ちょっと無理があるのではないかという気がするのです。 しろまる星委員 今のとは関係がないのですが、先ほど良いことを言っていただいた。これは優秀でそ のまま卒業をする人のことしか考えていないと。国家試験に落ちる人というのは、今回 どのくらいの合格率かは知りませんが、10人に1人は大体落ちるわけです。その人に、 「あなた、諦めなさいよ、ほかの道に行きなさいよ」と言うぐらいだったら卒業をさせ なければいいわけです。いろいろな葛藤の中で自分というものを見つめて卒業をして、 さあ、職業人にといった時に、合格できなかったというのは大変なことなのですね。そ の人たちに対する支援をどうするのかは、学校ごとにいろいろあると思うのです。 例えば完全に自前で予備校に行きなさいというところもあるでしょうし、私は過保護 だと思いますが、うちなどのようにいつでもおいでと言って勉強をする部屋まで作って いるようなところもあるでしょう。でも、そういうことが確かに言われるように抜けて いる。つまり、これは1例です。全体の問題をいったときに、みんな優秀な方しか教え たことがないのだと思いますが、うちぐらい優秀でないと大変に苦労をするので、そう いう観点でもう一回全体を見直していただくと、必要な項目というのがあるのではない かと思うので、是非ともそこは見直していただきたいと思います。 しろまる浅川座長 全体にという意味ですね。 しろまる和賀教務科長 もちろんそれは理解しまして、全体に見直しをします。別に反論をするわけではあり ませんが、学業を継続できるように支援することが、先ほどの学生生活の支援のところ の冒頭に書いているので、そこは頭の中には無いわけではないので、そこをもっと明確 にしたいと思います。 しろまる浅川座長 山崎委員の先ほどの意見も、事務局に考えてもらうことにします。 しろまる平山委員 先ほどの教員のことはどうなるのですか。 しろまる浅川座長 ご意見として、もう少し教員自身がキャリアアップを図っていけるように、またそれ を学校として、どう支援体制を持っているかという観点で、もう一度整理をします。 しろまる平山委員 私は自己点検というのは自己点検・評価をやって、看護学校側からすれば、看護学校 が良くなるために看護学校の運営をし、教育をしていく条件が良くなっていく、そうい うことを保証しなければいけないと思うのです。だから、私は真実をそのまま出せばい いと思うのです。 例えば教員が5人いたら、誰々はどこどこの授業を何時間持っている、個別の教員が 授業は何時間持っている。相談は何件、何時間費やしているという客観的事実が出るよ うなデータの上に、こういう仕組みがあって、そして、今後こうあるべきだというよう に、仕組みを変えるべきだとしてほしいと思うのです。これだと、どうも誰が何時間担 当しているというのは、どこにも出てこないような感じがするのですが、どこに出てく るのですか。 しろまる和賀教務科長 そこは先ほどの管理体制、指導体制のところに出てくるものです。ここの文言には出 ていませんが、管理指導体制のところの「教員の量」という言葉です。これは14条報告 のほうでも必ず書く項目としてあるので、それと連動してできるだけ14条報告、あるい は設置時の段階で指導要領に挙げられている学校が、設置の時に認可される項目につい ては、いちいちそれをなぞる形では挙げていませんでしたので、そういうご指摘がある かと思いますが、14条報告も図1の中にあるので、それとの関連で学校が自己点検・自 己評価をする時に挙がってくる項目だと考えています。 しろまる平山委員 14条報告を横に置いておいて、事実として自己点検・評価のときに、そのデータを用 いてもう1人教員が欲しいとかいうこと、改善措置がイメージできるような形が導かれ るようでないと自己点検・評価にならないような気がするので、その辺は入れてほしい と思います。 しろまる浅川座長 ただいまはBのところを進めていますが、Vのカテゴリーのところにかなりの意見を いただきました。それについてはもう一度再検討をするということで、考えさせていた だくということです。 もう一つの意見としては、全体のバランスの問題というか大きさの問題です。その辺 についてももう一度見直しをする。先ほど学生の試行錯誤のプロセスを支援するという 気構えがどの程度表現されているか、それを全体的な項目や内容の下ろし方の点に反映 させて点検をしてみるというように、大きく意見がいただけたかと思いますが、さらに 付け加えて、このBの自己点検・自己評価指針のことについて何かありますでしょうか。 しろまる星委員 例えば来年どのようなことをしようかということを普通は計画します。そして、その 計画に沿って仕事ができたのかどうかを評価するわけです。今うちは来年度の経営目標 を5つ立ててやりましょうということになっていますが、そういう活動についての評価 を、つまり、目標を立てて、目標にどれだけ我々が近づけたか、そうでなかったのかと いうのは、この自己評価とは別に、非常にルティーンに行われるものだと思うのです。 それは1年という単位で行われる場合もあるし、1人の教員としての目標があるのか もしれないし、ある分野についてこういうことをやりましょう、こういうことをしてい きましょうという計画が必ず立てられて、それを客観的に評価するというプロセスが必 ずある。そういうものをきちんと明文化し、確認をしていくという作業の積み重ねが多 分改善だと。自己評価とは別ですよ、繋がると思うのですが、そういう部分の評価がい ま一つない。そういう部分というのはアニュアルにとか、あるいはパーソナルに目標を 立てて、それがどれだけ達成されたかに対する活動が一つです。 財政のところでお金がどこから出ているか気にしなさいというだけではなくて、予算 を立てるという行動。私は予算を立てるという行動はとても大切なことで、それは削ら れてしまうかもしれないし、余計なことを言うなということで、設置者にバッサリやら れるかもしれないが、少なくとも、自分たちがやる活動に対してどういうお金がかかっ て、その積み上げとしてどういう資材が必要なのだということについて、認められる認 められないは別として関わるべきだと思います。そのことはこの全体の中ですごく遠慮 がちに書いてあるのです。 財政基盤というのは与えられるものだと、多くの方は考えているのでしょうが、そう ではなくて実は築いていくものだということを、この点検・評価をしていく過程におい て、財政のことに関して言えば、自分たちが予算というもの、あるいは実際に使われた ものについての評価は、私たち自身もしなくてはいけない、私たち自身だけでできるこ とではないのだと、そういうことを分かってもらえるような項目にしたらいいのかなと 。ここで言うのが良いかどうかは分かりませんが、少なくても財政基盤と書いておきな がら、何を書いたのかといったら、お金がどこから出ているか気をつけなさいよとしか 書いてないわけですね。私はそういう計画を立ててという一般論の話と、それから予算 を立ててという話は、あるべきだと思います。 しろまる和賀教務科長 理解いたしました。今のは毎年学校が、今年は何をしようかという教育計画であり、 組織的な計画でありということは、今ご指摘いただいて、どこに入れるか、入っている かと考えたときに、今のカテゴリーの中の将来構想という、大きい枠で捉えているので 、そこをもう少し細かく年々の積み上げという考え方と連動して、説明するほうがいい のだと理解しました。今までは、先ほどの山崎委員のご指摘ではないのですが、各カテ ゴリーで考えていた。毎年の計画みたいなものはなかなか表に出なかったということに 気づきましたので、その辺、将来構想という言葉だけでは大きく出過ぎていたので、そ こを毎年の教育計画、教育実践というところをどうするか考えてみたいと思います。 しろまる浅川座長 先ほど舟島委員から3頁の自己点検の目的、対象はというところがあった時に、教育 機関運営という文言を入れたほうがいいというご意見もありましたので、それとの関連 で表現しやすくなりました。 しろまる舟島委員 その点に関してですが、もう少しはっきりと看護専門学校の管理運営への教員・管理 者の参加状況とか、学生の参加のための体制とかという項目で起こすと、よりその辺が 浮き彫りになってくるかなと思います。 しろまる鈴木委員 31頁の臨地実習施設のところに関して、「学生の臨地実習中に発生する事故への対応 」を示した文章の所で、「実習中に学生自身が事故を起こしたり、巻き込まれたりする ことがないとは言い切れない」というところで、「その学習の継続が可能になるような 手立てを整えておく必要がある」というところで、事故の部分が入っているのですが、 ここの事故の部分というのは、具体的には例えば施設内だと針刺し事故とかいうものを 想定して考えておられるということなのですか。 しろまる和賀教務科長 個々のあの事故あの事故というようなことよりも、これは事故だといわれるものとし て、まず理解をしていただきたいということです。もう1点は、この背景には教育実習 という科目があって、教育実習に研修生を出すのですが、その背景で看護専門学校から 学生の指導に当たって、保険の加入をしておいてほしいということを言われたことがあ りました。これは今後増えていくのではないかということもありまして、そういう体制 を専門学校側が整えていくような状況にある、ということを理解しましたので、それに 対して学校が何らかの手立てを整えておかなければならないだろうという意味で入れて いて、個別の事故を想定してはいません。 しろまる鈴木委員 今言われたようなことだとすると、たぶん各学校で、学生用の保険に加入している現 状があるかと思うのです。例えば感染性の患者と接触することによって、学生がすぐに は感染の状況が確認できなかったり、後々になっていろいろ処置が必要になってくると いう学生を、私のほうは保健学科なために3年間の基礎教育の中での実習体験で、例え ば、救急外来とかいうところで結核患者さんから暴露してしまったりとかいうことがあ る。 入って来た時に健康診断をして、ツベルクリン反応とかをやったときに、その辺の接 触体験の有無とかを全部調査しながら、健康管理の確認を取っているところがあるので す。そのあたり、学生の事故との関係もあるかと思うのですが、学生の指導の部分に是 非加えておいてほしいと思いました。そこに対して、どういうように学校側が対応でき るのかなというところも、健康管理体制というところでカウンセラーとかも入っていま したが、そこのところは是非きちんと入れておいていただきたい。そこを実習施設と綿 密に連携を取りながら確認しておく配慮が、学生が不利益を受けないようにするため、 学生生活の支援の中に加えておいてほしいと思いましたので、お願いいたします。 しろまる成田委員 今、臨地実習施設のことが話に出ましたが、選択に関してはすごくイメージができる のです。整理のところに関して、例えばすごく的確な実習施設というのはいいと思うの ですが、そうではないところもたくさんあると思うのです。評価したら改善点がたくさ ん出てきたような場合に、どのように養成所としてその実習施設に働きかけていくのか 、というのがイメージがあまりできないのです。養成所が弱い立場ではないですが、非 常に忙しい中をお願いして指導をしていただいている施設の評価をして、あまり指導体 制が整っていない、不十分だという評価になったときに、どのように改善していくよう に持っていけばいいのかというのが、この基準から私としてはあまりイメージがつかめ なかったのです。 しろまる浅川座長 大変現実的な問題です。 しろまる田村看護課長 学校の指定等の場合に、実習施設も含めて調査をさせていただいているのですが、ま だ実習受入施設として不十分な体制であるといった場合には、学校側がきちんと実習指 導ができるように、適切な実習指導だけを担当する教員を非常勤なりで雇用して、実習 施設に送り込むということをやってくださいという指導はしているのです。この部分を どういう表現でするかということは、また工夫があるかと思いますが、基本的には実習 施設に依頼して、実習施設がそれでは協力をして努力をしましょうと言ってくださると ころと、それはなかなか難しいという場合ときっとあるに違いない。難しい場合には学 校側の責任において、実習指導体制を整えるということではないかという認識で進めて いるところです。 しろまる星委員 成田委員の言われること、よく分かりますし、看護課長の言うこともよく分かります 。ただ、46番の資料の言い方はなんとなく独善的で、学校側のことしか考えていないわ けで、実は施設に対してどういう関係を持とうとしているのか、あるいは施設との関係 を良くしていくためにどんな努力をしていくのか、私はそれがすごく大切だと思ってい ます。 ですから、そういうことについて明らかにされている文章。例えば毎月定例の懇談会 を持っていますと、実習があろうがなかろうがやっているとか、あるいはそこの実習指 導者に対する講習会をお願いしてやってもらっているとか、あるいは懇談会をやって、 どうしても指導者として適切でない方には代ってもらうようなことをしているとか、実 習施設との関係を示すような文章。あるいはその関係を示すことによって、改善に繋が るようなものをイメージできないとこれはすごく独善的です。これ学校側のことだけを 書いているので、その違和感は私もあるのです。どういうふうに書くのはよく分かりま せんが、臨地実習施設と書いてあるこの文章は、ごちゃごちゃにいろいろなことが書い てあって、よく理解できないので、まず、それは整理をしていただくことが前提です。 その時に、自分たちも実習生を送り込む、あるいは実習指導者を一緒に送り込んで、 実習施設でただ世話になるだけではなくて、こういうことを一生懸命やるから、そうい う刺激もそちらの施設にもプラスでしょうという部分も、多分あるのだろうし、そうい うことが分かるようにしていただきたい。ただ単にお願いをしてとか、変だったら代え てとか、お金を渡してみたいなことになってしまうと、変な形になってしまうと私は思 うのです。実習施設との関係はすごく大切ですよね。 その関係について、どういう考え方を我々が持っているかということも必要ですが、 端的に言えば、実習施設がどういう考え方を持っているのかを、我々はどうやって測り 、そしてもしそこに齟齬があるのならば、どうやって解決をしていくのか。そのプロセ スについてどう考えるのかを書いてほしいと思います。 しろまる浅川座長 そういうことを共有する場があるかとかいう感じですね。 しろまる星委員 そうです。 しろまる浅川座長 平山委員よろしいですか。 しろまる平山委員 実習施設に対して、学校側として施設の状況と実習指導の改善のためにどういう努力 をしてきたかを点検する、ということでよいのではないかと思うのです。実習施設の選 択と整備という項目があるけれども、選択という表現は誤解を招きます。実習施設を良 くしていく、実習に相応しい、良い実習ができるようにしていくのが養成所側の責任で もあるわけです。だから、どういう働きかけをしてきたか、それはどういう成果を上げ ているかとかいう点検項目の考え方で良いのではないかと思うのです。 しろまる和賀教務科長 多少文言の整理と、ここでは書き過ぎているというよりも、今いただいたご意見、い ただいた項目は、実は私からすると、一言でも二言でも入れているのですが、要するに カテゴリーを起こしていないが故に、それから、言葉の使い方が選択と整理の中に一気 に入れ込み過ぎたりしているので、言いたかったことは関係性とかいうことをカテゴリ ーとして下位項目に出したりするということとか、今のご意見は十分に理解しましたの で、ここは整理します。 しろまる浅川座長 今はBの範囲でたくさんのご意見をいただいていますが、あとCとDが残っています 。Bの段階についてはもうよろしいですか。 しろまる星委員 32頁の施設設備の整備と完備と書いてあるのですが、整備と完備ってよく分かりませ んが、完備と言うと全室何とか完備ということしか思い浮ばないので、たぶんこれ用語 の問題が一つある。 それから特に図書・文献資料の整備に関して言えば、計画的な購入とか、定期的な点 検、あるいはどういう図書が欲しいかということのアンケートだとかいろいろあると思 うのです。少なくとも図書については、是非、項目を起こしてもらいたいと思っていま す。図書館がありますかという物理的な問題ではなくて、図書の管理に関する一定のル ールがあるかとか、あるいは雑誌の選択に関してはどういう考え方をしている のかということは問われるべきです。 例えば実習施設からはこういう本を読んできてほしいとかいうことがあるわけです。 雑誌だけではなくて、例えば文庫本だって何でもいい。今の学生はあまり新聞を取って ないし読まないから、極端なことを言えば新聞だって見られるようにすべきだとか。そ ういうことに関する考え方を明記している文章がありますかという問と、それからそう いう点検項目としては、図書なりそういうものに対して整備をするという基本的な考え 方や、そのプロセスについて明示されているかとか是非ともそこは入れとほしい。それ がないと勉強をする環境としては非常にまずい。プロジェクターの1つや2つ壊れてい てもいいですが、連続するシリーズの本で1冊欠けているのはとんでもないことなので 、是非ともその辺を考えに入れてほしいと思います。 しろまる浅川座長 Bのところはよろしければ、CとDに移りたいと思います。 しろまる菱沼委員 学習教育環境のところで、例えば図書館、図書室という項目のご指摘が今あったので すが、それと同じように、自分たちが勉強できる部屋があるのかとか、コンピューター を使える部屋はあるのかとか、そういったことも整備状況をチェックして、それが学生 数に見合っているのか、今の医療のレベルに合っているのかという辺りも点検項目とし て挙げられたほうが。それはそんなに大変ではない、分かりやすいことだと思うので、 あったほうがいいのかもしれません。 しろまる和賀教務科長 時代に対応した内容を整えるという文言は意図的に入れていますが、委員が言われた ような学生が十分使えるか、使える部屋ということでは入れていませんでしたので、そ こは検討させていただきたいと思います。 しろまる舟島委員 資料1の17頁、教育課程編成の考え方とその具体的な構成、ここに唐突に看護技術の ことが出てきて、工学的モデルを特定する案ですが、その辺の考え方は私には分かりに くかったのです。 しろまる和賀教務科長 ここは削除してもかまわないのですが、カリキュラムを編成するときに、こういう言 葉を使えてもいいかなと思って入れていたので、もし困難であればこれは削除するのは かまいません。今、委員が言われたように、看護技術という内容の違いを意識して看護 の考え方とか、学生が学習を深めれば、いくらでも発展的に理解していく内容と、それ から技術のように、ある程度到達とか達成をかなり明確にできるものとではカリキュラ ムのモデルや考え方を変えてもいいということが理解されていいだろうということで入 れましたので、別に工学的モデルという言葉をそこに入れなければならない必然性はな いのです。 しろまる舟島委員 ここは多分系統的にということなのだと思うのですが、ここはもう少し軟らかく、各 施設の教育目的、目標の達成に結び付くモデルの採用、という表現でいいのかなと思い ます。 もう1点、多様な側面の必須の教育内容としているという、今回の資料1の14頁の1 行目に、「したがって、具体的には獲得しなければいけない専門的な看護の知識・技術 、看護専門職として多種の職種の人々のチームを組み云々」ということで出ているので すが、こういうふうに表現されると、確かにこれ全て大切なものだとは思うのですが、 こういうものを短い期間の中に凝縮して入れなければいけない、というようなニュアン スで伝わる可能性があるので、これは「継続教育との関連から検討をし」というような ことを入れておかないと、教育がより過密になる可能性があるかと思います。 しろまる和賀教務科長 そこはご意見としていただいて、再度検討をしたいと思います。 しろまる舟島委員 もう1点気になるのは、看護学実習で私がチェックしてきたのが24頁なのです。4) の授業内容間の関連と発展のところで、「教育内容を意図的に精選し、教育目標を設定 する必要がある」というこの表現ですが、目標が先にきて、目標に合わせて内容なのか 、内容が先にあるのかというところが分かりにくい表現になっているので、全体の整合 性との関係でここは十分表現し尽さないと、矛盾が生じるかなと思いました。 しろまる和賀教務科長 いま舟島委員が言われたのは新しい指針では21頁のところですね。授業内容間の関連 と発展のところでよろしいですか。 しろまる舟島委員 はい。 しろまる和賀教務科長 教育課程編成のプロセスのところが強く出過ぎていると思いました。つまり、理念を 設定して、目的を設定して、そして委員が言われたように大きく教育目標を設定して、 その下位に教育内容を設定するという考え方を今委員は言われていると思いますので、 その辺、表現の仕方でちょっと逆転していったかも知れないので、分かりました。 しろまる浅川座長 ご意見ありがとうございました。いずれにしましても、今日たくさんご意見をいただ きました。CとDも残っていますが、これは関連で整理できるものだとも感じられると ころですが、もう1回できますか。 しろまる田村看護課長 当初は今回で終わりにと考えたのですが、今日これだけたくさんのご意見をいただき ましたし、そして修正を加えたところをもう一度見ていただいたほうがより良いものに なると思いますので、是非とも4月以降に引き続きもう一度この会を持たさせていただ けるように調整をお願いしたいと思っております。 しろまる浅川座長 委員の先生方よろしいでしょうか。 しろまる菱沼委員 もし見直しをしてくださるのでしたら、カリキュラム評価のところにものすごくウエ イトがあって、そこは細かいので、そこをもう少し整理することもお考えいただけると 有難いと思います。 しろまる和賀教務科長 分かりました。 しろまる浅川座長 全体でそこが非常に重いですね。それではもう一度ということをお約束させていただ きまして、CとDのところまで含めて、残った時間でご意見をいただければと思います 。Cは<点検>(評価内容)一覧、Dは自己点検・自己評価活動になりますが、この点 に関して、特にもう1回会を開く前にお話をしておきたいということがありましたら、 お伺いしたいと思います。おそらくこの内容も今回の見直しの中で整理されることにな りますよね。 しろまる山崎委員 36頁の赤で書いた看護教員養成課程等を修了していることとなっているのですが、こ れは義務づけられているのですか。平山委員もやはり教員の資質のことはかなり大きい ウエイトを占めるべきだと言われていまして、それと関係することだと思います。 しろまる田村看護課長 厚生労働省の局長通知で、養成所における教員の資格要件として、まさに看護教員養 成講習会とか、看護研修研究センターの教員養成課程など、今、都道府県でもやってい ただいているので、そうしたものを修了していることを望ましいということではありま すが、定めて行政指導として各都道府県において指導をしていただいている状況です。 したがいまして、現行ではもう8、9割の看護教員は、かつての人は6カ月、最近では 8カ月あるいは1年の教員としての、基礎的な教育訓練を受けて教壇に立っているとい う実態です。そのことをそこで述べているものです。 しろまる星委員 たぶん、ご心配は、例えばこれから大学での教育学の修士課程を取ってくるとか、ま た別な方法もあるのだろうし、今言われたように、いくつかの選択肢がいまでもあるの です。そうすると、そのいくつかの選択肢を示さないと、これを読んだ人が看護教育養 成課程を修了していないというのは、即ちだめなのだという誤解をするのではないかと いう心配ですから、ここはどこどこの局長通知で示されていると書かなくてもいいです が、それが分かるように、同じような表現に書かれたらいかがですかということだと思 います。 しろまる和賀教務科長 今のところで言われたように、大学等の卒業については、既に4、5年前から指導要 領にも載っているものなので、そこに「等」と付けたのは、看護教員養成課程だけでは なく大学等の、そこの指導要領に載せている意味で、私はその「等」に含めたものです。 しろまる星委員 これから看護教育といいますか、医師も臨床研修が義務化されていて、卒後研修の話 が出てきます。これは今までは大学がやってきた。看護の世界も多分同じで、これまで は多くの場合、自分の卒業した学校の近辺あるいはその実習施設等に進まれた。どちら かというとどういう教育をしているかというのは学校側のことも、どのような医療をや っているかという実習施設というか、教育をする側も分かっていたのです。 これ大きく変わってきました。 特に大学の看護学部を出られた方々などは、多分全国的にこれからどんどん散らばっ ていくと思うのです。ですから生涯教育との関連をどのように捉えるかというのは、生 涯教育を引き受ける施設から見たときに、卒業した学校の到達目標がどういうレベルの もので、その人がどういうレベルのものをその中で理解をしてきたのかを知ることは、 すごく大切で、それができないとほぼ何もできないというところからスタートをしなけ ればいけないのです。そして、何人かそういう人たちが来て、あの学校はこうだとか、 この学校はこうだということに多分なっていくのだと思うのです。 私はこの評価システムは卒業後のことと連動して、そういう継続教育を担当する人た ちにとっても、すごく意味があるものでなければならないと思うのです。継続教育に繋 がることがある程度書き加えられましたが、そういうことを施設として継続教育をして いる所に知ってもらえるようなことが必要です。 そのためには到達目標は何かについて明確にして、品質保証書ではありませんが、う ちを卒業をした人は少なくともこうだということを示していくことが求められるのだと 思うのです。そういう活動は今すぐにということではないと思うのですが、自己点検・ 自己評価の結果の公表だけではなくて、多分学校としての情報開示に関していうと、必 要になってくるのだと思うので、どこにどういうふうに書き込むかは分からないし、今 回書き込めないかもしれませんが、近い将来くるであろう全国規模での流動化について 、念頭に入れてほしいというのが一つです。 その延長線ですが、結婚して遠くに行ったり戻って来たりいろいろするわけです。そ の間に学校を出て、そして継続教育というプロセスがある病院なのか、ない病院なのか は分かりませんが、4年目、8年目で来た人たち一人ひとり見ると、どういうところで トレーニングをしたかによってずいぶん違っているのです。これは今回には関係ありま せんが、いずれ継続教育の中身、これはたぶん病院でということ、あるいは大学でとい うことになるのでしょうが、そういうことも評価して伝えていく努力が必要になると思 うのです。この自己評価は多分その礎になると思うのです。そういう観点をどこかに、 みんなで持ってほしいし、そういうものを持たなくてはいけないと思いますので、是非 とも皆さんに理解してほしいし、そういう目で見てほしいと思います。 しろまる荒川委員 前回も今回もカリキュラムのほうに、すごく特化しているというご意見があったと思 うのです。今日出た具体的なところで、例えば図書の問題だとか、カウンセラーの問題 などというのは、そういう評価はないですが、意識して改善できるように、今いろいろ 調査をしたりしながら進めています。それができたということは、カリキュラムの理解 がしっかりできていなければそこまでいかないかなと思いますので、大学の先生方とは 違う専門学校として、私個人のニーズかもしれないのですが、やはりカリキュラムのと ころがしっかり理念とか、目的・目標が分かっていないと、末端のところまでには至ら ないので、そういう現状だということもご理解いただいて作っていただければいいかな と思います。 しろまる浅川座長 実際に事前調査をしていただいていますので、それらの成果をまた反映させていただ きながら、もう一度整理をお願いして、次回に検討ということでよろしいでしょうか。 しろまる菱沼委員 Cの所で評価内容一覧がありまして、やはりよく当てはまる、当てはまらないという 、このチェック項目を5段階から3段階にされたという説明を先ほどいただいたのです が、これはどうしても3、2、1にしないといけないのでしょうか。 しろまる浅川座長 何か委員のほうでありますか。前回もそのことで。 しろまる菱沼委員 自己点検・自己評価ですから、比較対照するものは何もないわけですよね。それを、 わざわざ3、2、1とする必要はなくて、これが自分たちとしてはこういう目標を出し て、それに対してどうかという文章で、これは自分として書くしかないのではないかと いう気がするのです。 しろまる浅川座長 量化するということではないですね。私的にそれを記述していくということから始め たらどうかというご意見ですね。 しろまる菱沼委員 そうです。 しろまる和賀教務科長 これは例えば病院評価のやり方なども参考にしますと、そこの背景には病院評価では 例えば8段階とか、A、B、Cとか必ず付けるようになっている。そして今委員が言わ れたように、必ず記述のほかに今これが病院評価では一部のところが8だ、項目によっ ては全てが8ではないのですが、8、6、2とか、最後は6だったりすることがあって 、そしてその6としたことの記述がされるという病院評価のやり方を参考にさせていた だいた時に、今言ったように記述だけでいいかなということも1回は思考しました。 しかし、そのことがしなければならないという意味ではなくて、私自身は最後の頁に 、とにかく学校がこの評価に取り組んで、前向きにやっていくというときに、普通の思 考として、自分のところはどんなのだろうと思うのが、普通の思考なと思っています。 それを把握するための手立てとして、いちいち細かくするというよりも、ざっと見た時 に、凹凸が分かる。その凹凸の状態が分かったときに、へこんだ部分から取り組んでい くということが分かれば、取り組みやすいだろうという意味において設定してみました 。ですから、そこにもし弊害があるのであれば、それは別に下げるのはかまいません。 しろまる浅川座長 このことは少し議論をしなければいけないかなとも思います。 しろまる菱沼委員 これは外部評価ではないし、何か基準があって、これが整っていればよく当てはまる とか、今例に出された病院評価のようなものとは少し質が違うものだろうと思うのです 。それはあくまでも自分たちで設定した目標に対して自分たちがどうかということを言 っていくことなので、やはり質的な評価にとどまるのではないかと思うのです。ですか ら、そうした上でここは自分たちとしては、今いちばん問題がどこかというのが見えて くればいいのだろうと思うので、当てはまるとかというのが自分がやるとしたら使えな いなという気がするのです。 しろまる星委員 あんまりこだわる必要はなくて、嫌ならそこを隠して使えばいいのです。ただ記述式 にすると、よくあるパターンとしては、何を記述しているのか分からない。短気な人だ と、読んでいてしろまる×ばつなのかどちらなのだと言いたくなります。ごちゃごちゃ書く よりも、とりあえず自分たちがこれはしろまるだと思う、あるいはしろさんかく×ばつがたくさんあって、 その中でもここをいちばんにやらなくてはいけなくて、この事とこの事を目標にしてや りますというほうが分かりやすいので、別に使いたくなければそこは使わなくて結構だ ということでいいのではないですか。これ何点ですかと出しなさいということを求めて いるわけではないと私は思います。 しろまる浅川座長 しろまるを付けてそれで終わりというのもとても困ることなので、菱沼委員が言われたよう に、質的な表現をしながらこの点検表が使えるといいですね。 しろまる和賀教務科長 そのことは基準の中に細かく下位カテゴリーをおいて、説明はいちおうしていますが 、主観的な評価であるということだけは付け加えないといけない、ということは分かり ます。 しろまる浅川座長 ただいまの意見は評価表のかなり重要項目で、継続検討をさせていただいて、次回、 少しご意見をいただくということでよろしいでしょうか。星委員からご意見もいただき ましたので、自分が付けるとすればという立場で考えてみて、次回で整理させていただ くということでよろしいでしょうか。課長からは、本来は今日で終わりというお話をさ れていたのですが、もう一度是非日程を都合していただいて、この会が開催できるよう にお願いしたいと思います。本日はどうもありがとうございました。 しろまる勝又補佐 ありがとうございました。4月以降はこちらから日程調整を皆さまにお伺いいたしま して、最も出席していただきやすい日時で設定して、再度ご連絡を申し上げます。 しろまる田村看護課長 どうぞよろしくお願いいたします。 照会先 厚生労働省医政局看護課 岩澤、金居 連絡先 03-5253-1111(内線 2599、2594)

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