12/02/08 障がい者制度改革推進会議総合福祉部会(第19回)議事録 日 時:平成24年2月8日(水)15:00〜18:09 場 所:厚生労働省19階専用第23会議室 出席委員:佐藤部会長、尾上副部会長、茨木副部会長、朝比奈委員、荒井委員(代理出席)、 伊澤委員、石橋委員、伊東委員、氏田委員、大久保委員、大濱委員、岡部委員、 小田島委員、小野委員(代理出席)、河?ア委員、北野委員、君塚委員、 倉田委員(代理出席)、近藤委員(代理出席)、斎藤委員、坂本委員、 佐野委員(代理出席)、清水委員、水津委員、末光委員、竹端委員、 田中(伸)委員、田中(正)委員、中西委員(代理出席)、中原委員、奈良?ア委員、 西滝委員、野原委員、橋本委員、東川委員、平野委員、広田委員、福井委員、 福島委員、藤井委員、藤岡委員、増田委員、三浦委員、光増委員、三田委員、 森委員、山本委員 ※(注記)会議の模様は、YouTubeの厚生労働省動画チャンネルにて動画配信していますの で、併せてご確認ください。 (URL:http://www.youtube.com/watch?v=5agv-SqkqeY) ○しろまる佐藤部会長 部会長の佐藤でございます。定刻になりましたので、ただいまから第19回「障が い者制度改革推進会議総合福祉部会」を開会いたします。 スチールカメラの方は冒頭のみとさせていただきますので、恐れ入りますが御退室願います。 ムービーカメラの方はそのままで結構です。 まず、委員の出席状況と資料の確認について、事務局よりお願いいたします。 ○しろまる東室長 こんにちは。担当室の東でございます。 まず、出席状況の確認でありますけれども、今日は8名の委員の方が御欠席であります。小澤 委員、柏女委員、門屋委員、川?ア洋子委員、駒村委員、野澤委員、宮田委員、渡井委員、以上8 名の方です。 なお、荒井委員、小野委員、倉田委員、近藤委員、佐野委員、中西委員の皆様につきましては 代理出席ということであります。以上47名の方が今日御出席になっております。 次に資料の確認をいたしたいと思います。議事次第にありますけれども、資料1として「総合 福祉部会の骨格提言への対応」というものがあります。 資料2が「厚生労働省案」です。 この資料1、資料2はいずれも厚生労働省から提出された資料であります。もっぱら資料2に ついて後で議論いただくという形になろうかと思っております。 また、委員の提出資料として、参考資料という形ではありますが1から4まであります。佐藤 委員提出資料、広田委員提出資料、福島委員提出資料、藤岡委員提出資料という形になっており ます。意見並びに資料なども含まれておると思います。 また、今日持ち込みの資料もあるかと思います。お手元にあるのは、まず、佐藤部会長から出 されておりますが「骨格提言における提言項目と厚生労働省案の関連整理」という表題が付いて おります。この後ろの方には自治体の意見書の採択状況といったものも付けてあります。 加えまして、お手元に配付しております資料で、8月30日にまとめました骨格提言に関する資 料を再度配付させていただいております。 また、改正障害者基本法のわかりやすい版ということで資料があります。 それと、平野委員の方から盲重複障害者に関する資料が出されております。 ほかにも今日、当日の持込み資料があるかと思いますが、こういう状況ですのでなかなか配付 することが難しいんですが、どなたか持ち込まれている方がいらっしゃればお手を挙げていただ ければ、事務方の方で配付しますので、よろしくお願いします。 どなたかいらっしゃいますか。 ○しろまる岡部委員 もう預けました。 ○しろまる東室長 そうですか。 ほかにはいらっしゃいますか。 では、そういうことでお願いしたいと思います。 以上でございます。ありがとうございます。 ○しろまる佐藤部会長 ありがとうございます。 なお、私、佐藤部会長と尾上副部会長の位置が配席図とは違っております。両副部会長の間に 部会長がいた方が何かといいだろうということで、進めてまいりたいと思います。 本日の会議は18時までを予定しております。 会議の進め方ですが、まず、3時50分まで事務方から資料の説明、その後10分間の休憩を挟 みます。休憩を挟んで4時から津田政務官がお見えになる予定になっておりまして、厚労省の説 明に基づく部会の意見を述べる、政務官にしっかりと聞いていただくということを中心とした議 事にしたいと思っております。途中休憩を挟みながら、18時まで進めるとしたいと思います。 また、御発言に際してのお願いがございます。まず、発言をされたい方は挙手もしくはその他 の方法でお知らせいただいた上で、指名を受けて、その後お名前を述べられてから御発言いただ きたいと考えております。 発言は時間がない中ではありますが、なるべく簡潔にゆっくりとお願いします。 以上、情報保障という観点から、必ず守っていただきますようお願いいたします。 それでは、議事に入らせていただきます。まず、厚生労働省からの資料の説明をお願いいたし ます。 ○しろまる中島課長 厚生労働省障害保健福祉部企画課の中島でございます。私の方からは資料1と資料 2を御説明申し上げるということでございます。 資料1につきましては、本部会の骨格提言につきましてこれまでやってきたこと、そして、来 年度予算も含めて今後講じていく施策です。当然のことながら、法律事項も含めた形で整理をさ せていただいているというものを、まず御説明いたします。 その上で、法律事項について別途資料2という形でまとめておりますので、それを読み上げさ せていただくということでございます。 御用意しています資料1でございます。ルビ版は同じページでございますが、点字版はその都 度ページ数を申し上げますので、よろしくお願いいたします。 論点、骨格提言ごとに、チャプターごとに整理をさせていただいております。 「骨格提言のポイント」という欄には、本部会御自身でおまとめいただいた骨格提言のポイン トをそのまま写させていただいておるということでございます。 まず「1.法の理念・目的・範囲」ということでございます。「骨格提言のポイント」は法制定 の経緯、この法に求められる精神等を内容とする前文を設ける。 法の名称は「障害者総合福祉法」。 障害の有無によって分け隔てられない共生社会を実現する。 保護の対象から権利の主体への転換と、医学モデルから社会モデルへの障害概念の転換をする。 地域で自立した生活を営む権利 介護保険対象年齢になった後でも、従来受けていた自立支援法に基づく支援が継続されること を規定。こういうことになってございます。 「これまでの取組」でございます。1つ目の黒ポツでございます。障害者自立支援法では、基 本的理念の定めを障害者基本法に委ねているということでございます。 3つ目の黒ポツでございます。社会保険優先原則の下、介護保険法によるサービスの支給量・ 内容では十分なサービスが受けられない場合には、上乗せしてサービスが受けられるようにする 等、自立支援法に基づく給付が行われることになっておるということでございます。 一番右の欄の「対応」でございます。 法律事項として、障害者基本法の改正を踏まえ、日常生活、社会生活の支援が、可能な限り身 近な場所において受けられること、共生社会を実現すること、社会的障壁を除去することに資す るよう、法律の理念として新たに規定することとする。 その上で、法律の目的規定を改めるとともに、法律の名称そのものを見直すこととするという ことでございます。 次に「2.障害(者)の範囲」でございます。点字版資料では4ページでございます。 「骨格提言のポイント」でございます。障害者総合福祉法が対象とする障害者(障害児を含む) は、障害者基本法に規定する障害者をいうということで、昨年の7月に改正された障害者基本法 の定義ということでございます。 [参考]に掲げさせていただいておりますが、心身の機能の障害がある者ということと、社会 的障壁により制限を受ける、ここの部分がポイントになるということでございます。 心身の機能の障害には、慢性疾患に伴う機能障害も含むという形になっておるということでご ざいます。 「これまでの取組」といたしましては、1つ目の黒ポツで、自立支援法により、身体・知的・ 精神と種別ごとに分かれていた制度を一元化。とりわけ支援費制度では対象外であった精神障害 者も対象として、サービスを拡充したということでございます。 また、一昨年の冬に民自公共同提案で成立いたしました、いわゆるつなぎ法を「22年改正法」 と書かせていただいておりますが、それと昨年7月の基本法の改正によって、これまで「制度の 谷間」の1つとされていた発達障害が精神障害に含まれるということを、法律上も明確化したと いうことでございます。 今後の対応でございます。法律事項として、新たに治療方法が未確立な疾病その他の特殊な疾 病(難病など)であって、政令で定めるものによる一定の障害がある者を法律に基づく障害福祉 サービスの給付対象とするということでございます。 「3.選択と決定(支給決定)」でございます。点字版資料は7ページでございます。 「提言のポイント」は、障害程度区分に代わる新たな支給決定の仕組み。 サービス利用計画に基づく本人の意向等が尊重される。 協議調整により必要十分な支給量が保障される。 合議機関の設置と不服申立ということになってございます。 「これまでの取組」でございます。2つ目の黒ポツでございます。22年改正法におきまして、 障害者等の置かれている環境を勘案して支給決定を行うということを法律上明記したということ でございます。 また、相談支援の部分でございますが、同様に22年改正法で、サービス等利用計画案作成対象 者を拡大するなど、支給決定プロセスを見直した。計画案において本人の意向等を勘案すること を法律上明記したということでございます。これらはいずれも、この4月からの施行ということ でございます。 今後の対応でございます。障害程度区分の認定の在り方について検討を行い、その結果に基づ き所要の見直しを行うということを法律上明確に規定するということでございます。 来年度の予算案には、障害程度区分に関する調査・検証の経費として1億円を計上させていた だいておるということでございます。 また、この4月からは運用面で、ケアマネジメントを重視した支給決定の弾力化ということで、 ここに書いてございますように、程度区分の運用を弾力化するという措置を、運用上していくと いうこととしておるところでございます。 1ページは以上でございます。 2ページでございます。「4.支援(サービス)体系」でございます。点字版資料は10ページ でございます。 「骨格提言のポイント」でございます。権利条約を踏まえ、障害者本人が主体となって、地域 生活が可能となる支援体系を構築する。 「全国共通の仕組みで提供される支援」と「地域の実情に応じて提供される支援」で構成する。 「障害者就労センター」と「デイアクティビティセンター」といったものにサービス体系を再 編する。 グループホームとケアホームを一本化する。 重度訪問介護を発展的に継承し、パーソナルアシスタンス制度を創設する。 そして、医療的ケアを確保するということでございます。 「これまでの取組」の欄でございます。「○しろまる利用者本位のサービス体系に再編」とございますが、 自立支援法では本年3月までに新体系サービスへの移行を完了していただくという形になってお るところでございまして、まず、施設・病院に入所・入院する者の地域移行を推進する。 昼夜分離の体系で、利用者の意向によるサービスの組合せを可能とし、選択に基づく支援を提 供する。 全国一律の基準に基づく個別給付だけでなく、地域の実情等に応じて柔軟に実施できる地域生 活支援事業を設けるということで、移動支援、コミュニケーション支援等を地域生活支援事業と してやっておるということでございます。 後ほど申し上げますが、重度の方々の移動支援は個別給付化しておるというところでございま す。 2つ目の「○しろまる地域における居住の場の確保」というところでございますが、2つ目の黒ポツで、 22年改正法ではグループホーム・ケアホーム利用者への月額1万円を上限とする家賃助成という ものを創設ということで、既に昨年の10月から施行しておるということでございます。 就労支援でございますけれども、障害者が可能な限り一般就労できることを目指すとともに、 一般就労が困難でも就労系障害福祉サービスを利用できるよう、就労移行支援・就労継続支援(A 型・B型)の仕組みを導入する。 障害者のニーズに応じ、就労系障害福祉サービスから一般就労への移行は着実に増加している とともに、就労継続支援も利用者が増加してきているということでございます。 移動支援につきましては4つ目の○しろまるでございますが、重度の障害者については、既に自立支援 給付の対象として、義務的経費によって全国共通の仕組みにより支援している。 重度の肢体不自由者については重度訪問介護、知的・精神障害により行動上著しい障害を有す るという方は行動援護ということでございます。 これに加えて22年改正法では、視覚障害により移動に著しい障害を有する方については同行援 護という制度が新たに設けられたということでございます。 これについても、既に昨年の10月から施行されているということでございます。 また、医療的ケアのたんの吸引等については、介護保険法の改正により一定の研修の受講等を 要件に、介護職員がたんの吸引等を実施できるという措置を講じることとなっており、この4月 に施行ということでございます。 今後の対応でございます。障害者の日常生活及び社会生活を支援するということで、上の5つ ぐらいのポツを書かせていただいていますが、予算、更には報酬の見直し等で、各種の取組みを 充実しておるということでございます。 6つ目の黒ポツでございます。法律事項として、新体系移行がこの3月末に終了することも踏 まえて、一定の期間後に就労支援の在り方について検討を行い、その結果に基づき所要の見直し を行うということを法律上明確に規定するということでございます。 1つ飛ばしまして、また法律事項です。8つ目の黒ポツでございます。基本法改正におけます 障害者の定義で、社会モデルが導入されたということも踏まえまして、地域生活支援事業に、新 たに社会に対する働きかけの事業としての普及啓発、ボランティア支援事業等を追加するという ことを法律上明記いたしたいということでございます。 それから、次の「○しろまる地域における居住の場の確保」ということで、地域移行を進める際の最も 核となります居住の場という点につきましては、2つ目の黒ポツでございますけれども、共同生 活を営む住居において、ケアが柔軟に連続的に提供できるよう、グループホーム・ケアホームを 一元化する。 その際、併せて運用面の改善を図って、その下の黒ポツですが、外部からの介護サービスの弾 力的利用、更にはサテライト型の共同生活住居を認め、小規模な住居にも弾力的に運営していく ということで、住まいの場については最も地域移行の核となる部分として、こうした措置を講ず るということを考えてございます。 それから「○しろまる重度訪問介護等の利用促進のための財政支援」につきましては、来年度予算で国 庫負担基準を見直すということで、9割の市町村が持ち出しがないようにという形で、基準額を 引き上げさせていただくということとともに、これまで基金事業で行われていた市町村への財政 支援というものを来年度予算から、期限付きではない恒久的な補助金制度として実施をしていく ということといたしておるというところでございます。 次に3ページでございます。「5.地域移行」でございます。点字版では20ページでございま す。 「骨格提言のポイント」は、国が社会的入院、入所を解消するために地域移行を促進すること を法に明記する。 地域移行プログラムと地域定着支援を法定施策として策定、実施する。 そして、ピアサポーターを活用していくということとされております。 「これまでの取組」でございます。2つ目の黒ポツ、グループホーム・ケアホームへの家賃助 成は先ほど申し上げたところでございます。 3つめの黒ポツで、22年改正法では地域移行支援・地域定着支援というものを法定化し、個別 給付化をしたというところでございます。 地域移行支援については入所施設、精神科病院におられる方について、住居の確保に関する相 談と地域生活に移行するための支援ということでございますし、地域定着支援は単身でお暮らし になっておられる方について、常時連絡体制を確保し、緊急の事態等に相談に応じ、地域におけ る生活に定着するための支援ということで、個別給付化をこの4月からするということでござい ます。 また、一番下の黒ポツで、サービス等利用計画案をおつくりいただく相談支援専門員につきま しては、その資格要件となる実務経験について、当事者団体も含めて民間団体においての相談支 援の御活動も認めていくという、運用の改善をしていくということでございます。 今後の対応でございます。4つ目の黒ポツでございます。来年度から国の基本指針に基づき都 道府県、市町村にお作りいただく第3期障害福祉計画では、それぞれ都道府県においては地域生 活に移行する者の数、施設入所者の削減数、精神科病院からの退院について具体的な目標値を設 定していだたくということで、計画的なそのための基盤整備を図っていただくという形で進めて おるところでございます。 「6.地域生活の基盤整備」というところでございます。点字版では24ページでございます。 「骨格提言のポイント」は、まず、計画的な推進のための10ヵ年戦略策定の法定化。 市町村と都道府県は障害福祉計画を、国はその基本方針と整備計画を示す。 地域生活支援協議会の設置。 地域基盤整備10ヵ年戦略終了時に、施設入所支援の位置付け等を検証するとなってございます。 「これまでの取組」でございますけれども「○しろまる障害福祉サービスの提供体制の計画的な整備」 ということで現在、国の基本指針に即して、市町村、都道府県にそれぞれ障害福祉計画を策定し ていただくということでございます。 また、自立支援協議会につきましては22年改正法で、地域の課題について情報を共有し、地域 の実情に応じた体制の整備をしていただくために協議をする。この自立支援協議会を法律上位置 付けて、置くことができるということで、法律上根拠を有する協議会というものにしたというこ とでございます。 今後の対応でございます。サービス基盤整備の部分でございます。 まず、国において、都道府県別の、先ほど申し上げた各種数値目標につきまして、毎年の進捗 状況を御報告いただき、きちんと整理をして、再びフィードバックしていくという形を取らせて いただいて、都道府県において、自らの障害福祉計画の進捗管理が、比較していく中で効果的に 行えるよう支援をしていくということとともに、残念ながら地域生活支援事業の必須事業の未実 施市町村というものがまだあるということでございますので、この計画の中でしっかり解消して いただくようにお願いをしておるということでございます。 また、法律事項として、障害福祉計画を市町村が策定するに当たって、客観的指標だけではな く、障害者の置かれている環境や潜在ニーズ等を正確に把握して作成するよう努めていただくと いう旨を、法律上書き込ませていただけないかということでございます。 「○しろまる自立支援協議会の設置促進」という点では、地方分権の流れの中で、地方自治体の実情も 踏まえつつ、自立支援協議会というものの設置を進める観点から、「置くことができる」というも のを「置くように努める」という形でランクを上げて、努力義務というものを書かせていただけ ないかということでございます。 ○しろまる斎藤委員 済みません。ちょっと発言させてください。 ただこれを読み上げるだけだったら、私は聞くに堪えないので、もし情報提供上どうしても読 み上げていただかないとわからない人がおるなら、続けてもらって結構ですけれども、そうでな かったら大臣の議論に入っていただきたいんです。 ○しろまる東室長 担当室の東です。 実は資料の配付がぎりぎりになるということもありまして、情報保障上問題があるということ で、津田政務官が来られる前に、時間を取ってきちんと説明してくれと私の方から頼みました。 議論は、基本的には津田政務官が来られてからということでお願いしてありますので、御理解 をお願いできますか。 ○しろまる斎藤委員 済みません。 ○しろまる佐藤部会長 それでは、続けていただけますか。 ○しろまる中島課長 申し訳ございません。東室長の御配慮によって説明させていただきます。しばらく 我慢していただければと思います。よろしくお願いいたします。 「7.利用者負担」でございます。点字版では27ページでございます。 「骨格提言のポイント」でございますけれども、食材費や光熱水費等は自己負担とする。 障害に伴う必要な支援は原則無償とするが、高額な収入のある方には応能負担を求めるという ことでございます。 「これまでの取組」といたしましては、政権交代後、22年4月から低所得者の利用者負担を無 料として、実質的に応能負担にしています。 22年改正法では、応能負担であることを法律上も明確化したということでございます。 その結果、利用者負担が無料の方の割合が、昨年10月に85.5%、給付費総額に占めます利用者 負担額の割合は0.38%ということになってございます。 また、22年改正法では、福祉と補装具の負担を合算するという仕組みも導入したということで ございます。 今後の対応でございますが、今後は共通番号制度が現在検討されております。そうしたものを 見ながら利用者負担の合算の在り方といったものを検討していく必要があるということでござい ます。 4ページでございます。「8.相談支援」でございます。点字版では30ページでございます。 「骨格提言のポイント」は、相談支援の対象は障害者と、支援の可能性のある者及びその御家 族です。 障害者の抱える問題全体に対応する包括的支援を継続的にコーディネートする。 複合的な体制整備。 ピアサポーターの活用ということが改めて書かれておるということでございます。 「これまでの取組」のところでございますが、上から3つ目の黒ポツ、サービス等利用計画案 の話、それから4つ目の黒ポツ、地域移行支援・地域定着支援の法定化の話は、既に御説明した ところでございます。 その下でございます。22年改正法では、市町村に基幹相談支援センターを設けるという形にな っておるということでございます。 今後の対応でございます。こうした相談支援事業を着実に実施していくということでございま すが、一番下の法律事項という形でございます。この基幹相談支援センターにおいて、やはり地 域でしっかりネットワークを組んでいただきたいということで、最後の行でございますけれども、 民生委員、各種相談員との連携にしっかり努めていただくということを、改めて法律上明記させ ていただきたいということでございます。 「9.権利擁護」でございます。点字版で34ページでございます。 権利擁護は支援を希望又は利用する障害者の申請から相談、利用、不服申立てのすべてに対応 する。 オンブズパーソン制度を創設する。 虐待の防止と早期発見というのが「骨格提言のポイント」でございます。 「これまでの取組」としましては、22年改正法で、成年後見制度の利用支援事業を地域生活支 援事業の必須事業として明記をしたということでございます。 また、民自公の共同提案という形でございますが、障害者虐待防止法というものが成立をし、 本年の10月から施行という形になっておるということでございます。 「対応」につきましてはここに書かせていただいておりますけれども、こうした虐待防止法等 の施行に向けて、所要の予算を計上させていただいておるというところでございます。 「10.報酬と人材確保」というところでございます。点字版では37ページでございます。 「骨格提言のポイント」は、利用者への支援は原則日払い、事業運営は原則月払い、在宅系は 時間割とする。 福祉従事者が誇りと展望を持てるよう適切な賃金を支払える水準の報酬とするということでご ざいます。 「これまでの取組」でございますけれども、これまでは基金事業におきまして、福祉・介護職 員1人当たり月額1.5万円の賃金引上げに相当する額を事業者に交付するということで、21年10 月から23年3月まで、総額1,070億という形で基金に積ませていただいていたということでござ います。 今後の対応でございます。まず、報酬につきましては、24年度改定率については、職員の処遇 改善の確保、近年の物価の下落傾向等を踏まえ、+2.0%の改定とし、改定に当たっては、経営実 態等も踏まえた効率化・重点化を進めつつ、障害者の地域移行、地域生活支援を推進するという ことでございます。 「※(注記)改定のポイント」とここに書かせていただいております。省内に検討チームを設置して検 討を進め、個別の重点化、点数設定等をしていったということでございます。 本部会の茨木副部会長、野澤構成員、平野構成員をアドバイザーとして、後ほど参ります津田 政務官をトップとする検討チームというもので進めさせていただいたということでございます。 また、その下、23年度の4次補正案でございますけれども、これについては従来の基金事業を 1年延長させていただいて、新体系移行に伴う経営の不安定化等に対応すべく、事業者支援の予 算というものを盛り込んでおるということでございます。 また、一番下でございますけれども、労働法規に違反して罰金を受けた者についてはサービス 事業者の指定を受けられないということを法律上明記するということでございます。 最後に5ページでございます。「財政のあり方」でございます。 「骨格提言のポイント」は財政の在り方ではない部分も含めて書かせていただいております。 [1]は、国は予算措置に必要な基礎データを把握する。 [2]はOECD諸国の平均水準に漸進的に拡充していくということで、※(注記)に書かせていただいており ますように、これは平成19年のデータだと承知しておりますが、OECD平均並みということである と、約2兆2,000億という形をひとつの指標としておられるということでございます。 [3]は地域間格差の是正。 [4]は財政設計は一般施策での予算化をしっかり追求していく。 [5]は経済効果に波及するんだということをしっかり認識する。 [6]は支援ガイドラインに基づく協議調整による支給決定は、財政的にも実現可能なんだという ことです。 [7]は長時間介助等のための財源措置を講ずるということを書いていただいております。 「これまでの取組」でございます。障害福祉に必要な財源の確保という点では、これまで自立 支援法による義務的経費化により順調に推移し、この10年間で2倍以上に増加ということでござ います。 来年度予算案はここに書かせていただいておりますように、7,884億円ということでございます。 ほぼ同じ額を地方自治体に御負担いただくということでございますので、給付費ベースにする とこの倍ということでございますので、来年度ベースでは1兆6,000億の給付費ベースになると いうことでございます。更には、障害児支援は別途1,100億円の給付費という形で予算要求をさ せていただいていますので、合わせて1兆7,000億ぐらいになっていくかということでございま す。 今後の対応でございます。来年度予算案では給付費について、対前年16.2%の伸びです。額に しますと約1,100億の増額を計上しておるということでございます。 その他予算案については下に書かせていただいたように、もろもろを再掲させていただいてい るということでございます。 また、基礎データという点では去年の12月現在で、本部会で調査設計について御議論いただい た、いわゆる生活のしづらさ調査というものを現在実施させていただいているというところでご ざいます。 以上、この資料1というものを説明させていただいて、ここで書かせていただいた法律事項の 部分を抜粋して整理したものが資料2ということでございます。 資料2は「厚生労働省案」というものでございます。昨日の民主党の障がい者ワーキングチー ムに御提出を申し上げたものと同じものでございます。今後民主党のワーキングチームでも、こ れをたたき台に御議論されると伺っております。 まず、厚生労働省案の「1.理念・目的・名称」ということでございます。 「(1)理念・目的」は、基本法の改正を踏まえ、法に基づく日常生活、社会生活の支援が、可 能な限り身近な場所において受けられること、共生社会を実現すること、社会的障壁を除去する ことに資するものとなるよう、法律の理念を新たに掲げる。また、これに伴い目的規定を改める。 「(2)法律の名称」は、自立支援法の名称そのものを見直すということでございます。 「2.障害者の範囲」ということです。「制度の谷間」を埋めるべく、基本法の改正を踏まえ、 法の対象となる障害者の範囲に治療方法が未確立な疾病その他の特殊な疾病(難病など)であっ て、政令で定めるものによる一定の障害がある者を加えるということでございまして、小児慢性 疾患等も念頭に、児童福祉法においても同様の改正をいたしたいと思っております。 「3.障害程度区分の見直し」です。法の施行後5年を目途に、程度区分の在り方について検 討を行い、必要な措置を講ずることとする規定を設けるということでございます。 「4.障害者に対する支援(サービス)の充実」ということで、まず「(1)共同生活介護(ケ アホーム)と共同生活援助(グループホーム)の一元化」ということで、地域移行に向けた地域 生活の基盤となる住まいの場について、共同生活を行う住居でのケアが柔軟にできるよう、ケア ホームをグループホームに統合するということでございます。 「(2)就労支援の在り方の見直し」です。法の施行後5年を目途に、就労支援の在り方につい て検討を行い、必要な措置を講ずることとする規定を設けるということでございます。 「(3)地域生活支援事業の充実」です。地域生活支援事業として、地域社会における障害者に 対する理解を深めるための普及啓発や、ボランティア活動を支援する事業を追加するということ でございます。 「(4)総合的な相談支援体系の整備」ということにつきましては、サービス等利用計画案の作 成や地域移行支援、地域定着支援を行う相談支援事業者への専門的な支援などを担い、地域にお ける相談の中核となる基幹相談支援センターについて、その事業を効果的に実施するため、地域 の事業者、民生委員などとの関係者との連携に努めることとするということでございます。 3ページでございます。「5.地域生活の基盤の計画的整備」ということで「(1)障害福祉計 画の見直し」でございます。 市町村は、障害者の数などの客観的な指標に限らず、地域の潜在的なニーズを把握した上で障 害福祉計画を定めるよう努めることとする。 「(2)自立支援協議会の設置促進」ということで、地域の課題を共有し、効果的な基盤整備な どについての協議を行う自立支援協議会について、その設置が更に促進されるよう努めることと するということでございます。 「6.その他」ということで「(1)介護人材を確保するための措置」ということで、介護人材 が安心して、事業所において支援に従事できるよう、最賃法などの労働法規に違反して罰金刑を 受けた者については事業者の指定を受けられないこととする。 「(2)関係規定及び関係法律の規定の整備」で、その他関係規定及び関係法律について所要の 改正を行う。 4ページの「7.施行期日」です。施行期日は、平成25年4月1日とする。ただし、ケアホー ムとグループホームの一元化は翌4月1日とするということでございます。 以上、資料1と資料2を御説明いたしましたが、最後にまとめさせていただきますと、2つの ことを整理して申し上げたいと思っております。 1つは、昨年夏に行われた障害者基本法の改正で、とりわけ障害の定義に社会モデルの導入が 行われたということを踏まえまして、これまで現行の障害者自立支援法が障害をもっぱら医学モ デルととらえ、社会との関係ではなく、本人と御家族による努力を中心にとらえているものとの 印象が強いという御意見があったということは承知しております。 そういうことも踏まえて、これまで主に障害福祉サービスの提供が目的であった現行法につい て、新たに障害者基本法の改正を踏まえ、理念規定を創設し、地域社会への働きかけを強化して、 共生社会の実現、社会的障壁の除去に資するということを掲げる。それとともに、法律の名称そ のものも見直す。そして、地域生活支援事業を自立支援給付と並べて位置づけ、地域社会への働 きかけを行う事業を新たに加えるということと考えておるところでございます。 これらによりまして自立支援法という名称の法律はなくなり、新たな理念を掲げた新法という ことで、障害者自立支援法の廃止になると認識をしておるところでございます。 また、骨格提言の実現につきましては段階的・計画的に実現を目指していくということで、私 どもの大臣も表明させていただいているとおりでございまして、今回の新法で、まずは「制度の 谷間」を埋めるべく、難病の方々等を新法に基づく障害福祉サービスの対象とするということと しています。 地域移行の最も核となる住まいの確保について、グループホームとケアホームの一元化を図り、 運用面での外部からのヘルパー派遣、サテライト型のホームの形態を認めるといったことで、住 まいの場の確保をしっかりやっていくということでございます。 また、障害程度区分の在り方、就労支援の在り方につきましては、新体系の移行がこの3月に 完了すること、いわゆるつなぎ法がこの4月から、虐待防止法がこの10月から施行されることも 踏まえて、5年を目途に検討を加え、必要な措置を講ずることを新法によって明確に規定すると いうことでございます。 全体像として御説明すると、今、申し上げたような形になるのかということで、資料1と資料 2というものを用意させていただいたというところでございます。 私の方からは以上でございます。 ○しろまる佐藤部会長 どうもありがとうございました。 休憩に入る前に、ちょっと時間もありますので、部会長の方から今日、配付で用意しました、 3ページのとじてある「骨格提言における提言項目と厚生労働省案の関連整理 総合福祉部会 部会長 佐藤久夫」という縦長の文書をごらんいただければと思います。 これは、昨日厚生労働省案が示されましたので、とり急いで骨格提言で提言している事項との 対照整理を試みたものです。 今の中島企画課長の御説明では、資料1の方で障害者自立支援法のこれまでの取組み、運用、 更に来年の予算などの取組みについていろいろ説明をしていただきまして、かなり予算の増額と かいろいろな努力をされたということはわかるわけですけれども、資料2の方でどういう法律の 改正をしようとしているのかというところになると、非常に骨格提言との落差が大きいという印 象を持たざるを得ないかと思います。 総合福祉部会が検討してきたのは法律の在り方ということですので、その点について特に今日、 この後の議論でも、どういう法律の改正を厚労省としては提案しているのかということを、この 資料2に基づいていろいろ御議論いただければと思うんですけれども、私の用意した資料に見ら れますように、これは○しろまる×ばつ△しろさんかくで整理をしているわけですけれども、全体的に骨格提言が提言して いる60の項目の中でそのまま、あるいは不十分ながら骨格提言を取り入れている事項というのは 3つだけではないか。検討はされているけれども、その内容が不明確だ、特に5年後の見直しの 中で取り上げられてはいるけれども、どういう方向で見直すのかが見えないということを含めて、 そういう項目が、60分の9が△しろさんかくです。 全く触れられていないというふうに読まざるを得ないのは60分の48ということで、骨格提言 の尊重というよりは、現在の障害者自立支援法のマイナーチェンジをしようという印象になって しまって、何のために1年半骨格提言まで部会が汗を流してきたのか、もともと新しい法制度を つくる提言をしてほしいと我々は頼まれて、その提言をしたのに、古い法律の一部修正という結 果になるのであれば、非常に不本意だと思っております。 この資料のおしまいの方に、地方自治体からの意見書の採択状況というものが紹介してありま すけれども、リハ協のノーマネットに掲載されているものです。60近い自治体からの、骨格提言 を尊重した法案をつくってほしい、そして、地方自治体への財政的な支援をきちんとやってほし いという地方からの声も上がっており、また、2月と3月の地方議会で更にこの数は増えていく だろうと思われます。 こういう地方の声をつくり出してくれた地方議員の皆さんや、請願をしていただいた地方の障 害者関係者の皆さんにも感謝をしたいと思います。 そういう声が骨格提言を尊重してほしいという形で示されているわけで、是非、参議院本会議 が終わって、間もなくこちらにお見えになる津田政務官に真剣に取り上げていただければいいか と思います。 中島課長が先ほど、最後の方で言われた段階的・計画的に実施という点についても、小宮山大 臣が9月以降そういう発言をされているので、大臣はよくわかってくれているなとうれしく思っ たものです。 しかし、資料2の方を見ますと、計画的・段階的にという今後やろうという部分については、 障害程度区分の見直しと就労のところだけで、それもどういう方向で見直すのかということの方 向性も示されていないということなので、骨格提言すべてがすぐやれるわけではない部分もあろ うかと思いますけれども、それらを含めて、いつまでにどうするのか、いつまでにどういう方向 で見直しをするのか、そのために政府は、財政だとか技術的な基準の確立だとかいろいろな課題 があると思いますけれども、そういう内容を書き込む法律にしていただきたいと思っている次第 です。 政務官がお着きになるまで、あと何分かで来られるかと思いますけれども、とりあえず3時55 分になろうとしておりますので、4時10分まで休憩を挟んで、その後議論に入りたいと思います けれども、資料として出されております参考資料1で、JDFの意見がありますので、ここは日本の 主要な障害者団体が皆さん参加しているところですので、その関係者にJDFの意見の内容を、ま ず冒頭で10〜15分くらい紹介をしていただいて、そこで触れられたことについては極力、一人ひ とりの委員の皆さんは触れないで、それ以外のことを中心に議論をしていただくというふうに、 効率的に進められればと思います。 とりあえず、4時10分までの休憩を入れたいと思います。よろしくお願いします。 ○しろまる斎藤委員 済みません。6時まで2時間しかないんですけれども、一体今日は、あとは何を議 論するんですか。 ○しろまる佐藤部会長 残りの2時間の議論の中では、ただいま中島企画課長が紹介してくださいました 資料1と資料2の中で、特に法律の在り方についての厚生労働省案、資料2の内容について、こ れでいいのか、これでは困るのか、その根拠は何か、そういうことについて意見を出していただ いて、主に津田政務官に聞いていただくということです。 厚労省の役人さんというか、行政レベルでの検討の結果がこの資料2ですので、それを政治の マターというか、政治家の皆さんを中心にして、政治的にこれでいいかどうか、どういうふうに 変える必要があるのか、どういう法案が本当は求められているのかということを、この後もう余 り、国会提出まで1か月もなくなっていると思うんですけれども、政治家の皆さんに政治主導を 発揮していただいて、いい法案を準備していただく。そのための最後の部会の意見を届ける場だ と思います。 ○しろまる山本委員 最後なんですか。 ○しろまる斎藤委員 済みません、共同連の斎藤です。 もう全く、こんなものはゼロ回答に近い内容なんでしょう。今、おっしゃっているようなこと を議論するという雰囲気では全くないではないですか。 100%我々は厚労省に否定されたわけですから、それに対してただ、ここをこうしてくださいな んていう議論をできるような雰囲気なんて何もないではないですか。それで2時間、一体どんな 議論をするというんですか。 ○しろまる東室長 担当室の東です。 そういうことであることをきちんと伝えていただくといったことが大事で、聞かれなくてもわ かっていることではないかというお気持ちだろうと思うんですが、やはり公の場できちんとした 意見を言っていただくといったことが大事であると思います。休憩をいたします。 (休 憩) ○しろまる佐藤部会長 それでは再開いたします。 津田政務官がお着きになりましたので、まずごあいさつをお願いいたします。 ○しろまる津田政務官 皆さん、こんにちは。 御紹介をいただきました厚生労働大臣政務官の津田弥太郎と申します。どうぞよろしくお願い 申し上げます。 本日は、大変お忙しい中、多数の委員にお集まりをいただきましたことにまず感謝申し上げた いと思います。 この総合福祉部会の提言につきましては、佐藤部会長初め委員の皆様が平成22年4月以降、18 回にもわたる議論が重ねられ、さまざまな意見が数多く出される中、昨年8月30日の第18回総 合福祉部会において大変御苦労されてとりまとめられたものと承知いたしております。 骨格提言の内容は障害当事者の皆さんの思いが込められたものであり、段階的・計画的に実現 を目指していくものと受けとめております。この骨格提言を受けて、昨年10月27日から民主党 厚生労働部門障がい者ワーキングチームで議論が始まっておりまして、これまで19回にわたり厚 生労働省を始め、障害関係団体や地方3団体からのヒアリングを精力的に行うとともに、障害者 総合福祉法に係る主要論点について議員間での熱心な御議論が行われているところでございます。 本日の会議では、既に事務方に整理させた骨格提言への対応及び法案骨子、これは厚生労働省 案でございますけれども、この内容について事務方より説明をさせていただいたところでござい ます。 本日のこの法案骨子については、皆様方の思いからすると決して十分なものではないかもしれ ません。しかし、我々としてはできることから着実に実施し、障害者施策を一歩でも前に進めて いきたい、そのように考えているわけでございます。 どうぞ、そういう意味で皆様の本日のこの会合に対しまして、さまざまな意見を出していただ きますことをお願い申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。 ありがとうございました。 ○しろまる佐藤部会長 この休憩の間に配付されました追加資料について、事務局より紹介をいただきま す。 ○しろまる東室長 休憩中に配付された資料が2通ほどあります。1つはルビ付きの資料で、ピープルフ ァースト東久留米小田島栄一さんの名前が書いてありますが、これは小田島さんからヒアリング されたもので、岡部委員が提出されたという資料であります。 あと一枚が、改めて佐藤部会長から提出されております。「2月8日の総合福祉部会における「厚 生労働省案」への意見と質問」という表題でございます。 以上でございます。 配付されていないところがあれば、よろしくお願いいたします。 ○しろまる佐藤部会長 それでは、先ほど休憩前にも言いましたけれども、参考資料1「障害者総合福祉 法制定に向けて(第一次案)」日本障害フォーラムという資料がお手元にあろうかと思います。こ れについて、JDFの役員となっている委員の方から15分ほど紹介をしていただきたいと思います。 その後、骨格提言の第1部の1章から3章までを1グループ、4章5章6章を第2グループ、7 章〜10章までを第3グループとして、それぞれ30分ほど時間をとって議論する。全体一括ではな くて、3つに分けて議論したいと思います。その前に総括的にJDFの意見について、紹介をいた だきたいと思います。 ○しろまる斎藤委員 ちょっと待ってください。先ほど申し上げたように、この厚生労働省案自体が総合 福祉部会の骨格提言を100%近い内容で否定しているわけですから、その部分部分に分けてどうで すかと聞くような、そういうレベルの話をこれからしてもしようがないのではないですか。何で こんなふうになっているのかというところを明らかにしなかったら、何一つ前に進まないではな いですか。 一定のこの中でここをやりましょうという形で厚生労働省案が出てきているならば、1つひと つ具体的に詰めていけばいいと思うんですけれども、こんなものは全くそうではないではないで すか。 ○しろまる佐藤部会長 全体を通しての問題点とかについては、JDFの意見の中でもかなりあるのかなと思 いますけれども、場合によっては3つに分ける前に全体的な論議の時間を若干設けるということ もあり得るかと思うんです。 ○しろまる斎藤委員 あり得るではなくて、まずそうしてください。 ○しろまる広田委員 法律というものは全体ででき上がるから議論がまたがるではないですか。障害だっ ていろんな障害があるし、全体でやった方がいいと思います。 ○しろまる佐藤部会長 設けるようにしたいと思います。 発言される方は、手を挙げてお名前を言って発言をしていただきたいと思います。記録とか情 報保障の関係がありますので、よろしくお願いしたいと思います。 そうしましたら、藤井委員、お願いいたします。 ○しろまる藤井委員 では私と森さんの方で発言させていただきます。私は日本障害フォーラムから出て います藤井でございます。 昨日届きました厚生労働省の素案、津田政務官からは骨子案と言われましたけれども、これと 企画課長の話を聞きまして、とてもむなしく感じました。無力感さえ覚えました。 一昨年4月下旬から約1年9か月、膨大な労力とエネルギー、時間を費やしてきたわけですが、 この費やした時間と労力に対して厚労省の総決算というものはこんなものかという感じがいたし たわけです。 骨格提言の内容とのかけ離れはおろか、障害者権利条約あるいは基本合意文書、改正障害者基 本法、これが遠ざかっていく感じがいたします。先ほど企画課長の話で法律事項に触れられまし たけれども、ほとんど踏み込んでのお話はなかったように聞こえました。 ただし、今日のこの論議を含めてこの後の論議の中でこれが民主党の方に引き取られると聞い ております。私たちはここに一縷の望みを持っているわけです。是非、政治主導でもってこのゼ ロ回答の部分をどう好転させていくのか、これを期待したいと思います。 そこで私ども日本障害フォーラムは、今日ここで報告させていただきますが、この間懸命にこ のことを議論してまいりました。そして、少しでもこの骨格提言が現実のものになるようにとい うことで検討してきたわけです。今から話すことを今日のこの論議のこれ以降の論議と民主党で の論議に是非反映してほしいと思います。 予算面や準備期間、また激変緩和等で骨格提言をもう少し現実のものに、JDFの考え方というも のは言わば骨格提言の現実版、こう見てもらっていいと思います。以下、時間の範囲で短時間に なりますが、JDFの森政策委員長から報告をさせていただきます。 ○しろまる森委員 それでは、政策委員長の森として説明させていただきます。 「障害者総合福祉法制定に向けて(第一次案)」という形でお手元にあるかと思います。大変恐 縮でございますけれども、1枚目に?Xとあるんですが、その他留意点というものは入っておりま せんので、これはカットしていただきたいと思っております。 我々は23年8月30日の骨格提言を受けまして、JDFとして障害者総合福祉法に向けての基本的 な考え方をちゃんと整理しておかなくてはいけないという思いがあって、検討させていただいた わけです。と言いますのは、この問題は障害者の権利条約から我々は携わっているわけでござい まして、この最後の詰めだという思いが皆さんあったわけです。何回か幹事会等を開きながら、 最終的には拡大代表者会議を開きまして了解していただいたものが第一次案でございます。 簡単に御説明申し上げたいと思います。1つ目はいわゆる障害者総合福祉法、新法制定に向け ての基本的な考え方です。2番目は、障害者自立支援法の事業等の問題点は何だろう。3番目は、 新法と障害者自立支援法との関係で工程表はどうなるんだろうか。最後は、法ができたときのチ ェックポイント。これは?Tと?Wが大体似ていると思います。 時間もございませんので、簡単に御説明申し上げたいと思います。 1ページは、障害者総合福祉法制定に関する基本的な考え方として、1〜10項目を挙げており ます。1つ番目は障害者権利条約あるいは改正障害者基本法との整合性を保つこと。2番は、障 害者総合福祉部会の骨格提言を最大限尊重すること。3番目は、訴訟原告弁護団と国との基本合 意文書、これを遵守すること。4番目は、障害者自立支援法(つなぎ法案を含む)の利点につい ては、障害者総合福祉法に反映されること。5番目は、従来から一応施策として通ってきました 目的あるいは法の理念等につきましては、最大限尊重してもらいたいということです。しかも、 障害者総合福祉法が施行することによって法の秩序あるいは実施体制を混乱させないこと。6番 目は、先ほどお話がありましたが、障害者自立支援法から障害者総合福祉法への移行に際しまし ては、円滑に実施するために必要な経過措置を設ける必要がある。7番としては、利用者にとっ てわかりやすい納得感のある法案として、障害者総合福祉法の成立・施行までの障害者自立支援 法との調整を含めて、具体的な工程表を明示すること。8番目、障害者総合福祉法が円滑、適切 に運用されるよう、実施主体である地方公共団体及び利用者、事業者等と十分協議すること。9 番は、関係予算を確保していただきたい。10番は、法施行後3年の見直し期間を設定していただ きたい。こういう形で基本的な考えを押さえました。 次のページ、障害者自立支援法につきましてはよい面もあるわけでございますが、障害程度区 分等を除きましても、事業の体系から見まして自立支援給付と地域生活支援事業に分けたという ことが大きな問題だったんだろうと思っております。 1つは、同じような目的、例えば移動支援であれば、この移動支援については一方では介護給 付にいって一方は生活支援事業、いわゆる1つの目的のために整理すべきところを残念ながら整 理されないで手段、予算等で分けられた嫌いがあるということ、もう一つは、障害福祉サービス の中で介護給付と訓練等給付に分けて障害程度区分を導入した。1番の方に、介護給付は介護保 険法とのにらみがあるのではないかと。あと細かいことも書いてありますが、時間がございませ んので、次のページをお開き願いたいと思います。 この工程表でございますが、残念ながら55人の総合福祉部会におきましては時間がございませ んでしたので、骨格提言が出たところでどういう工程表になるかということはできませんでした。 そこで我々としては何回も何回も検討いたしまして、こういう形にまとめてみたわけです。 1番が法の理念・目的、2番が障害(者)の範囲、3番は選択と決定、4番が支援サービスと いう形でずっといきまして、最後が11番でございますが、この形で整理してあります。そして、 例えば1番の法の理念・目的につきましては、新法、これは障害者総合福祉法と考えて結構だと 思います。それと障害者自立支援法という形で置いてみました。例えば24年の3月に提出して6 月に成立いたしますと、25年の8月までには施行できるだろうという形でいきます。そうすると、 障害者自立支援法の方は当然その事項につきましては7月に廃止になって10月に施行という形 になるのではないかなと思っております。これは事務的な手続もいろいろあるかと思います。 2番も同じような形で、基本的には改正障害者基本法の条文を使うという形になっております ので、これも予定どおり進められるだろう。しかし、選択と決定のところで支給決定でございま すが、これはいわゆる試行事業として検討する時間が大分必要になるだろう。そういう形で障害 程度区分が大きな問題になっておるわけでございます。これを廃止して本人の策定したものと市 町村のガイドラインでやるということでございます。したがいまして、新法の方には8月本則の 方に規定していただいて、6月から3年間にかけて試行をやってこれでよしということになった ら8月に施行、したがって障害程度区分は廃止となります。 しかし、この間は障害程度区分というものは法律で生きていますので、これにつきましては、 問題にある知的障害あるいは精神障害者の人たちとのいわゆる事項の調整をしていただきながら やっていくということでございます。これにつきましては、次の支援サービス体系のところも同 じものが入ってくるということでございます。就労支援のところでは、我々の方では障害者就労 支援センターというものをしています。それに該当するであろう就労移行支援、就労継続支援A 型、B型の一部あるいは地域生活支援センターの一部、こういうものが出てくるわけでございま す。 しかし、これは試行事業がありますので、いわゆる支給決定と同じように27年の8月施行、そ の前の7月に廃止という形になるのではないか。しかし、この間、障害程度区分によって報酬等 は決まっておりますので、この形で報酬等は額等あるいは改正するところは別にしまして、適用 される。これはサービス体系はみんなそういう形になろうかと思っております。 もう一つは、日中活動の場合でございますが、これにつきましては、デイアクティビティセン ターのものをつくって、これを2つに分けて作業活動中のものと創作活動あるいは見守りという ものを含めまして検討する。これにつきまして試行事業となりますので、これも延びるという形 になろうかと思います。 居住支援でございますが、これはグループホームといわゆるケアホームの一体化でございます。 厚労省の案でも出ておりますけれども、これにつきましては6月に本則に入れていただいて8月 の施行という形になれるのではないかという気がしております。 施設入所支援につきましては、住まいの場と日中活動の場に分かれるわけでございますが、住 まいの場はそのままでいくわけでございますが、御案内のとおり日中活動の場合になると報酬単 価が関係してくると同時に、日中活動支援センターも整備できないという形になっておりますの で、生活介護、自立訓練、就労支援等も日中活動に入るわけです。 次に、個別生活支援です。これがいわゆる個別包括支援、パーソナルアシスタント、これも一 応段階施行ということにしております。しかし、重度訪問介護については、その間対象を拡大で きるのではないか。最終的には吸収して27年の8月。 居宅支援でございますが、これはそのまま移行できる。 移動支援につきましては、これは全部この事項に持ってくるという形でございます。 こういう形で整理いたしまして、最終的には右のような形になるということで整理してありま す。 最後でございますけれども、?W、新法に当たってのチェックポイントはどうなんだという形で 整理してあります。これは大体1番のところと似ていると思いますので、お手元を見ていただけ れば結構かと思います。 大変雑駁ではございますが、以上で御説明を終わらせていただきます。ありがとうございまし た。 ○しろまる佐藤部会長 ありがとうございました。 骨格提言にはまだまだいろんな項目があるけれども、主要な点はこういうことだと、主要な考 え方、視点も含めて2013年の8月にすぐに実施できる部分と3年間の準備を経て実施をすべきと いう部分といろいろ準備を検討していただいたということかと思います。ありがとうございまし た。 それでは、先ほど言いましたように3つに分けてということではなくて、最初に全体の厚生労 働省案について、取組みも含めて御意見などがあればと思います。 藤岡委員、福井委員、中西委員の代理の委員と野原委員、斎藤委員、とりあえずそのぐらいし て、次にやりましょう。わからなくなってしまうので、今の順番で行きます。 藤岡委員からお願いします。 ○しろまる藤岡委員 委員の藤岡です。 昨日、「骨格提言と障害者制度改革を愚弄する厚生労働省案」という私の意見を提出させていた だきましたが、こちらは情報保障の点で本当は全部読み上げたいところですけれども、時間がな いのでこれはこれで読んでいただければと思いますし、津田政務官にも是非読んでいただきたい ところです。 まず1つはっきりさせておきたいのは、これは今ある自立支援法の改正法案なのか、一旦自立 支援法を廃止した別の新しい法律をつくるのか。ここにいらっしゃる方はもうわかっていますし、 今朝の朝刊でも出ていますので廃止は見送るという報道がなされているので、みんなはそうなん だろうとは思っていますが、改めて厚生労働省大臣政務官から、自立支援法の廃止は見送るんで すねと、その点の事実関係を明確に回答ください。まずそこが出発です。御回答ください。 ○しろまる佐藤部会長 何人かの委員の意見を聞いた上でと思います。 ○しろまる藤岡委員 そこ白黒しないと、議論が進まないのじゃないでしょうか。 ○しろまる佐藤部会長 そうでしょうか。そうしたら、今のことに関連して何か意見があるでしょうか。 自立支援法の廃止なのか新しい法律をつくるのかということです。 水津委員、どうぞ。 ○しろまる水津委員 重症児を守る会の水津でございます。 確かに我々は委員としていろいろ参画して、骨格の提言をつくりました。重症児に対して地域 移行云々ということがあったんですけれども、委員の皆さんの御協力によって何とか入所支援と いうものが入ったわけでございます。私が骨格提言を見る限り、非常に幅広く入っていると思い ます。これを来年の8月1日に国会審議を経て新しい法律にするということは非常に難しいので はないか思うし、骨格提言を全部取り上げると予算もいろいろかかると思うんです。 ですから、私は現実的な方法としては、この案でも新しい法律をつくるということに変わりは ないと思います。この案は、いろいろ各障害者団体の意見を聞いてつくられたと思うんです。更 に民主党のプロジェクトチームのヒアリングもありました。いろんな団体の声を聞いて事務局案 が出たのではないかと思うんです。 私が言いたいことは、とにかく重症児の実態がどうか、特性がどうか、親云々の立場ではなく て、本当に子どもの命と幸せを守るためにはどうなんだということを考えて、我々は主張してき ています。 ある程度この案の精神の中にはそれが入っていますし、先ほど言いましたように一挙に理想的 なものはできないと思うんです。ですから、先ほど津田政務官も段階的にとおっしゃいました。 私はこれが現実的なのではないかと思います。 以上、私の意見でございます。 ○しろまる佐藤部会長 福井委員、お願いします。 ○しろまる福井委員 日本てんかん協会の福井典子です。 私はこの間、この総合福祉部会18回すべて参加してきて、最後の骨格提言を出したときには、 この部会はこれで終わりではないんでしょうね、引き続き連携をしていきたいということも立っ て意見を申し上げたところです。 今、お聞きして、私は昨日この資料が来てから胸のここに熱いものがいっぱい、憤りでいっぱ いなんです。今、津田政務官が決して十分なものとは言えないと。十分なものとは言えないどこ ろではないです。基本的に間違っています。そして、着実に実施していきたいと。着実に実施し ていただくのは結構なんですけれども、全く私たちがこの間努力したことを反故にしているとい うことで、憤りがいっぱいです。 私たちは、節目のところで厚労省からのコメントもいただきました。私もその都度意見を申し 上げてきたところです。私たち、今日、資料で出していますが、121ページです。121ページにわ たるものについて、わずか3枚ちょっと。今、御意見も出ましたけれども、こういうことでは何 のために議論してきたのか。特に津田政務官がいらっしゃるので申し上げたいと思うんです。こ れは何だろうかと、昨日から憤りでいっぱいです。 御説明がありましたが、こんな簡単なことで私たちが主張してきたことが答えになっていると は思いません。どのぐらいの時間をかけて、どのぐらいの審議をしてきたんですか。具体的なこ とは何も出ていないではないですか。私たちもJDFに参加していますので、森さんからあった点 についてはおっしゃるとおりなんですけれども、こんなことではだめです。今日で終わりなどと とんでもありません。私たちは、この間の障害者の実態、そういうものもこれだけ大勢、55人が 集まってまとめてきた努力をどう受けとめているのか、もっと真摯に受けとめていただきたい。 最初の発言ですが、私は特にそう思って、しっかりしていただきたい。私たちの4月からの苦 労を何だと思っているのか。国民全体も関係者も絶対許しません。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 坂本委員も手が挙がっていたかと思います。 ○しろまる坂本委員 鳥取県南部町長の坂本です。 この評価については、私は途中で遅刻して出席しましたので全体はわかりませんけれども、新 法をつくるということはそれはそれでみんなで決めたことでもっともなんですが、自立支援法を 廃止しますと廃止の効果はあらゆるところに及んできて、例えば現在受けている受給者の方や事 業者の方はもう一度やり直さなくていけないということになると思うんです。ですから、現場で は大変な混乱になると思います。事業者は県が指定するので、県、市町村では利用者のやり直し をするということになって、廃止という言葉というものはその趣旨が生かされていれば私はいい のではないかと思っております。 といいますのは、町村の現場では子ども手当というものを新しい民主党政権の中で行われたわ けなんですけれども、それまでは児童手当でやっておりました。二転三転しまして、政務官が来 ておられますが、本当に大変な混乱と苦労をしてすり合わせをしてきたわけなんですが、自立支 援法を廃止ということでまとめてしまいますと、きっと大変な混乱が起きそうな気がして、私は 現実的な現場が混乱しないような対応を是非お願いしたいと思います。 ○しろまる佐藤部会長 大体、この廃止か新法かということをめぐっての意見は出たかと思いますけれど も、発言については2分間で警告音が出て3分以内にということで是非お願いします。 末光委員、どうぞ。 ○しろまる末光委員 廃止云々についてですけれども、坂本委員がおっしゃっていただいた行政の立場で もそういうことでありますが、現場はもっと大変なんです。障害者自立支援法が5年余り前に施 行されて、5年少々かけてやっと現場は落ち着いてきたわけであります。大人の方は何とか定着 しつつあるわけですけれども、これからやっと児童の問題にかかろうとしている矢先に廃止して、 また全く新しいものと言われたら、我々現場は何をしていいのか分からないわけであります。そ ういう意味で、先ほどおっしゃっていただいた一歩一歩着実に、漸進的に計画的にということで やっていただかないと、廃止と言われるのであれば、我々はここにおるわけにはいかないという 思いを強く持っております。 先ほど100%ゼロというお話もされましたが、佐藤部会長も○しろまる印を幾つかしておりますし△しろさんかくもあ るわけであります。ここは正確に言っていただかないと、特に内閣府主導でこの1年半やってき て、厚生労働省はいわゆる聞き置くという立場で、説明だけ求められる立場だったんです。8月 からこの数か月で具体的なことをやれと言われて、それだけの予算とか何か権限を与えられたの かどうか。そこも問わずにけしからんと言われると私は厚生労働省の立場に立ちますと、納得い かないと思います。 2点だけ申し上げました。 ○しろまる佐藤部会長 中西委員の代理の委員の方、お願いします。 ○しろまる中西委員(代理) 今日は中西の方が所用でどうしても欠席ということで、代理で出席させて いただいております、全国自立生活センター協議会常任委員の今村と申します。よろしくお願い します。 私、自分自身が制度を利用する利用者でもございます。また、介護事業とか相談支援とかそう いったサービスを提供する事業者側でもあります。その立場からも考えるのですが、まず厚労省 の皆さんにお伺いしたいのは、この法案を考えるときに、具体的にどなたかをイメージされまし たか。私は、普段身近にいろんな人がいます。例えばもう症状は落ち着いていつでも退院できる 状態にあるんですが、家族の受け入れ拒否、制度的な問題、その他もろもろでずっと入院されて いる精神障害の方、日中の3時にはベットに上げられてしまう、目の前にあるマクドナルドに行 くのが夢なんだと語る40代の方。親元から出たいということで相談に来ている20代の若者であ ったり、何十年も施設にいて50代になってやはり地域で暮らしたいということで、片道2時間以 上かかるうちの方に来て、まさにうちの体験室で2泊3日を体験しながらヘルパーの支援を受け なかったらどうなるかを経験してやっていこうとされている方たち。もしくは志半ばで亡くなら れた方たち。忘れてはならない3.11で被害を受けた方たち。どこともだれともつながっていなく て被害に遭われた方たち。私も救援本部として現地に行っておりますけれども、いろんな声を聞 いております。 そういった人たちが、この法案を通じて一歩でもいい方に行きそうだ、そういうものが少しで もイメージできるんであればいいです。全くできないんです。あなたたちは、これをつくったと きにそういった具体的などなたか、だれか1人でもいいです、この人の笑顔がこの法案によって できる、そういうことを思い描いてつくりましたか。そういったことなんです。 これは夢や希望もないんです。何で毎回自立支援法がいい悪いとかいう議論になってくるかと いうのは、結局そこを取り繕うことばかりなんです。現場が混乱する、そういう意見はあります。 私も事業者ですから現場の大変さは非常にわかります。でも、これは頻繁にいろんなことが変化 するから、それによって疲弊するのではないんです。そういった改正改正に対応することの先に、 それによって本当によくなるということが見えれば、みんな今、踏ん張ってやろうとなります。 ただ、幾らいろんな改正がされてそれに対応したところで、何が変わるんだ、その徒労感の方が ひどいんです。 そうではなくて、これによって大きく変わるかもしれない。でも、それをやることによってこ れだけ多くの人が救われる、笑顔になれる、希望が持てる、それがみんなで共有できれば幾らか 混乱が生じてもみんな踏ん張ります。だから、改正の回数が問題ではないんです、中身なんです。 中身が全くないではないですか。 ○しろまる佐藤部会長 ありがとうございました。 この辺で厚労省の方にも答えていただくんですけれども、自立支援法を廃止するのは乱暴だ、 現場が混乱するという何人かの意見が出てきたわけですが、自立支援法を廃止する、新しい法律 をつくるという約束の下でこの部会が設けられて検討してきたということもまた事実なわけです。 55名の委員のだれも、支援の現場が混乱する、障害者の生活が混乱する、地方自治体が混乱する ということを望んでいる人はいないわけです。ただ、55人がすべて共通して、今の自立支援法の 下でいつまでも続けるのは困ります、もっと障害者が地域の中で暮らせるようにしましょう、そ れに必要な支援は権利として保障されるような時代に近づけましょう、そういう方向を切り替え ましょうという点でも55人は一致しているわけです。 ですから、その方向を切り替えるということをきちんと法律の中で書き込んで、それは現場が 混乱しないようにする。そのための一定の準備時間を設けて、それまでに政府はこういう準備を する、ああいう準備をするという、財政面での国会の協力なんかも必要となるわけですけれども、 そういう方向をきちんと示すかどうか、その方向を示さないで少しずつ改善しましょうと、今の レールの上で行きましょうとするかどうかということが、一番問われているのかなと思うんです。 その辺のことについて、中原委員。 ○しろまる斎藤委員 最初に5人発言させると約束してくれたんだから、まず発言を保障してください。 どんどん当てないで。 ○しろまる佐藤部会長 今のテーマに絞ってと思ったんです。 ○しろまる中原委員 日本知的障害者福祉協会の中原です。 今の論点はいろいろ意見があるところで、1つだけはっきりしたいのは、そもそも厚労省だと か何とかではなくて、津田政務官が来てらっしゃいますけれども、民主党がよくよく廃止した後 のことを想定しないで、軽々に廃止すると約束したからこういう議論になっているわけです。今 日は政務官が来ていますので、この辺のいきさつをきちんと説明してほしいと思います。 もう一つ、現場といいますと私たち知的障害者福祉協会は5,500の事業所です。知的障害者の 半数以上を私たちの協会でやっています。制度やそういうことばかりが中心の議論になって、私 たちの現場はだれ1人として真摯に議論していないではないですか。私たちはこの数年間、混乱 の中で、今まだなお混乱が続いています。この自立支援法を廃止してこの先新しいものをつくっ て、どこまで混乱を続ければいいんですか。本当に私たちは障害者を支援する立場なのに、障害 者をそっちのけでみんな制度の方向に気が向いています。現場の人たちの本当の気持ちをくんで ほしいと思います。 この骨格提言は確かに55人の人たちの熱い思いが込められています。これは厚労省、民主党に も申し上げます。これは真摯に受けとめてほしいです。そして、できるところできないところは 確かにあります。実現可能なものから進めていただくことと、先ほどから言っているように課題 は課題で工程表を示して、いつまでにこれはできるんだというものをもっと丁寧にしてくれれば いいのではないか。現実的に物事に対処してほしい、現場が混乱しないようにこれからも拙速し すぎないで、25年8月なんて言わないで、期限を切ってしまうから我々は拙速的になってしまう ので、できるならきちんとやる、そういうところも含めたこれからの話を議論してほしいし、進 めてほしいと思います。 したがって、私は、改正に改正を重ねてきた障害者自立支援法、それはそれでいいと思います。 できるところから着実に始めていってもらうことを要望いたします。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 広田委員、野原委員の順番で。 ○しろまる広田委員 私は事業者ではありません。自立支援法の与党側の参考人として出た人間で、津田 政務官にお願いしたいのは、国会はきちんと論議していただきたい。「論議していただけませんで したね」と言ったら「忙しい」と言われましたが、国民の代表ですから論議していただきたいと いうことが1点。 これは私を含めたすべての国民ですね。つまり、東日本大震災が起こった、これはこの会議が スタートした後に起こった。今、国債の金利が3年後には上がるのではないかという報道もされ ている。いろんな状況がある。今日の午前中も横浜国大の付属中学校の1年生に、「税金納めてね、 何時間寝ているの」と言ったら、「休みの日は10時間です」。「よろしくね」と言ったら、「でも僕 たちがもらう年金はないんですよね」と。こういう子どもたちでよろしいんでしょうかというこ とです。 法律云々の前に、まず私が申し上げたいことは、津田さんも是非色鉛筆で塗ってください、弘 明寺商店街に行こうのぬりえ、私、学校にボランティアに行って子どもたちとドッチボール等で 遊んでいます。こういうものを塗って、商店街に張ろうと思います。子ども、障害者、高齢者が 安心して暮らせる町は、商店が栄え、商店街が栄えている。うつ、認知症がこの国を滅ぼす。予 防です。自殺に234億円使って、医療機関に連れていってもうつは治らない。多くの自殺の発症 は51歳から70歳まで病苦です。病苦の人がうつ病をまた抱えなくてはならない。その前に、も っと明るい日本の報道にしていただきたいということです。 私が出しているいろんな資料を見ていただきたい。この法律の提言は、相談支援が突出しすぎ ています。例えば地域移行と言いますけれど、厚生労働省の若い人も勘違いしている人がいます から言っておきますが、日本の社会的入院は国の責任です。その前にマスコミの責任。世論がラ イシャワー事件が起きてあおって、隔離収容施策に持ち込んだ。池田小学校事件のときも精神障 害者が危ないということです。国を挙げて、町を挙げて、市を挙げて、県を挙げて温かく迎える、 そういう雰囲気がなくて、ただグループホームをつくりましょう、ケアホームをつくりましょう といっても反対運動も起きます。自殺をとめるにはすべての公的機関、すべての税金が流れてい る機関は来た人をようこそいらっしゃいましたという笑顔が必要です。 それを最近では、いわゆる「個人情報保護だから入れない」とかややこしいこと言いますけれ ど、もっとみんなで明るい日本、未来の子どもたちが明るく育つように私たち大人が責任を持っ てやっていくことが前提で、そしてどういう法律の中身がいいのか。金はない、「1,000兆円の赤 字が返せない」と大手の新聞記者たちは言っています。それをどうするのかというところのスタ ート台に立って。末光さんも退場ではなくて、責任を持って発言する。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 野原委員、簡潔にお願いします。 ○しろまる野原委員 日本難病疾病団体協議会の野原です。 結論的に言いますと、我々としては今日の論議あるいは提案を持ち帰って検討させてほしいと いうことです。というのは、例えば私たちにとってみると、障害の範囲に難病が加わったという ことが大分高く評価されて宣伝されているようですけれども、同時に政令で定めるものによる一 定の障害を加えるということになると、新しい障害あるいは谷間をつくりかねないという懸念が あると思うんです。 恐らく、この問題というものは焦点の1つだろうと思うので相当論議されたと思うんです。し かし、これでいいのかどうなのかという懸念、500万とか600万とか言われている難病・慢性疾患 をもつ人たちの命と生活にかかわる問題でもありますので、ここで短兵急に不十分な論議のまま 結論を出したり賛成したり反対したりということはなかなかできないという状況が正直言ってあ ります。 私たちは、最初から自立支援法を廃止して総合福祉の新法をつくるということで出発したわけ で、そして骨格提言ができて、骨格提言の新法的な方向というものはほぼ一致して評価している と思うんです。問題は、その骨格提言に近い法律案骨子が出されていないということが今日の問 題だろうと思うんです。ですから、各団体が今日来て、今日ここで意見をというのでは意見の出 しようがないです。意見を出して問題を整理して、もう一遍厚労省にも考え直してもらって、こ の雰囲気から見ると何が問題なのかということは大体わかると思うんです。そういうことでやっ て、当然この総合福祉部会は存続して継続的な論議を必ず保障するようにしてもらいたい。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 斎藤委員、お願いします。 ○しろまる斎藤委員 共同連の斎藤です。 今、いろんな意見が改めて出ているのであれなんですけれども、そもそもこの部会の前提その ものが疑われるような意見も出てきているので、大変議論が混乱しそうですが、まず国連の障害 者権利条約と基本合意文書に基づいてこの議論をやるということは最初に確認されてきたことな んです。今日の厚労省の案はこの基本合意文書にのっとっているんですか。全くのっとっていな いと思うんですけれども、それについてまずはお答えいただきたいと思います。 先ほどから自立支援法を廃止してまた混乱が生じてはいかぬという意見が勿論出てきますし、 もう2003年の支援費制度以来、制度がころころ変わって現場が混乱し続けておるのはだれもわか っている話なんです。だから、それに終止符を打って、これから継続的に障害者団体のいろんな 声を聞いた、継続する制度をつくりましょうということが本来のこの部会の目的だったはずなの で、確かにこの議論が不十分だったということは率直に認めたいと思うのです。この骨格提言そ のものを実現しようと思ったら膨大な予算が要るし、そのための時間もすごくかかると思うんで、 来年の夏に全面施行するというようなそんな簡単なものでないことはだれが考えたってわかるわ けですから、先ほどのJDFの工程表のような、少しずつ進めていく作業が必要になると思うんで すが、問題は混乱がないようによりよい福祉法に変えようという方向に向かっているのではなく て、とにかく厚労省の出してきた案は自立支援法に従ってやりましょうよということだけなんで す。こんなものだれが見たって何も変わらないということはわかるではないですか。こんなに我々 の福祉部会の議論をこけにした提案はないわけです。民主党が、そもそも長妻大臣が自立支援法 を廃止すると宣言して、閣議決定して総合福祉法をつくるということを宣言して、我々はそれを 信じてここに集まってきたわけではないですか。それなのに、何でこんな厚労省のそれまでの経 緯を一切否定するようなものが堂々と民主党政府の厚労省案として出てくるのか、私には全く理 解しがたいです。政務官、是非お答えください。 ○しろまる佐藤部会長 お願いします。 ○しろまる津田政務官 大変厳しい御意見をたくさんいただきました。たくさんいただきましたので、す べてに私が答えることは難しいかもしれませんが、特に自立支援法の廃止にならないのではない かという御指摘がございました。皆様もまだお忘れではないと思うんですが、障害者施策につき ましては、平成22年12月の障害者自立支援法、児童福祉法等の一部改正を行ったわけでござい ます。その主な内容としましては、自立支援法廃止の最大の理由であった利用者負担が、応益負 担から応能負担に改められたという点であります。 また、グループホーム、ケアホーム利用の際の助成の創設など、障害者への地域移行の促進が 図られたということであります。法律の目的から、「その有する能力及び適性に応じ」という言葉 が削除されたわけでございます。そして、支給決定の際に利用者の意向を勘案して作成したサー ビス等利用計画を勘案して支給決定を行うこととされた。こういう点など抜本的な改正が行われ たわけでございます。 今回の改正法におきましては、まず障害者基本法を踏まえた基本理念を盛り込む、法律の根幹 となる名称、目的規定を改正する、これらを検討しているわけでございます。これによりまして、 私ども民主党のマニフェスト等に掲げられております障害者自立支援法の廃止になると考えてい るわけでございます。 なお、この廃止が明記されていないではないかとかあるいは法制的になぜ廃止できないのかと いう点については、事務方の方から説明をさせていただきたいと思います。 ○しろまる中島課長 政務官の御指示によりまして、廃止条項というものが入っていないではないか、明 確に廃止するという条項がお配りしたペーパーにはないではないかということに対する回答をせ よということかと思います。 既に町長さん、事業者さんの方から出ておるわけでございますけれども、法令を廃止するとい うのは、新旧の法令の継続性というものを考慮する必要がないまたは考慮してはいけないという 場合に、思い切って廃止する。すなわちその法律の持っておる法的効果をすべて一旦なくします ということになるわけです。 そうなりますと、今の事業者指定が約6万弱の事業所を県が指定していただいていますし、支 給決定を受けられておるのがたしか80万弱の方に対する支給決定の効力というものが、一旦消え るわけです。それを新たな新法に基づいてもう一度指定するのか、または支給決定をし直すのか ということになるわけです。これは大変な混乱が生じるであろうということになるわけです。し かし、正直に言ってこういうことを本気でやらないといかぬという話にはならない。そうなると、 廃止するとした一方で、附則で今の自立支援法のあらゆる条項に基づく支給決定とか指定という ものはなお効力を有するんだということをずっと経過措置の中で書き連ねていくという形になる わけです。 そういうことになると、そもそも廃止というのはすべての法的効果を一旦なくすということで ありますから、そうしたものとの整合性というものがとれないのではないかということでござい ます。そういう意味では、法律の理念、目的さらには名称そのものをしっかり変えるということ よって廃止と認識できるのではないかという整理を政府としてはしておるということでございま す。 ○しろまる斎藤委員 私の基本合意文書に合致しているかどうかという質問に答えてください。 ○しろまる中島課長 基本合意文書に合致していない部分というのは、例えばどこでございましょう。 ○しろまる斎藤委員 基本合意文書の3番、新法制定に当たっての論点の[1]〜[6]ということをしっかり検 討を行い対応していく、そういう確認をしていますね。 ○しろまる中島課長 3番、「新法制定に当たっての論点」については、ここで申し上げているのは、国は 部会等における新たな福祉制度の構築に当たっては、介護保険との統合を前提にせず、[1]〜[6]に 掲げている事項についてしっかり検討を行い対応していくということでございます。 ○しろまる斎藤委員 3番の後半部分の[1]〜[6]。 ○しろまる中島課長 [1]〜[6]は、以下の指摘がなされたという指摘でございまして、これを厚労省として 実現するということの約束の文書にはなっていないのかなと我々は認識しております。以下の指 摘がされた、そうしたことを踏まえて総合福祉部会等において[1]〜[6]の項目について検討してい くという形で我々は文言が書かれているのかなと思っております。 ○しろまる斎藤委員 この文章は、国、厚生労働省は以下の項目についてしっかりした検討を行い対応し ていくという表現をされているではないですか。 ○しろまる中島課長 しております。したがって、利用者負担の在り方以降について、まず利用者負担の 在り方は先般のつなぎ法案によって、条文からも明確に応能負担になったのではないかと理解し ています。 支給決定の在り方については、5年後を目途に障害程度区分の在り方をしっかり見直して行う ということを、国会の方から法律上拘束力があるものとして書いていただく。 報酬支払方式については、日払いか月払いかというところについては意見に必ずしも沿えない 部分があるのではないか。 制度の谷間のない「障害」の範囲は、今般野原委員の方からもちょっと懸念の部分はあるんだ けれどもということですが、難病等の方についてはしっかり障害福祉サービスの対象にしていく ということでございます。 権利条約批准のための話というものは、障がい者制度改革推進会議の全般で今、御議論がなさ れているであろう。 国際水準に見合う額への増額ということは、平成19年ベースでは2兆2,000億円というものが OECD水準でありましたけれども、先ほど御説明いたしましたように平成24年度予算では障害児予 算も入れると1兆7,000億円ベースになっている。少なくとも、この自然増を確保するだけでも 大変なんですが、対前年度1,000億円の増という形で着実に伸びてきているので、確かに伸び方 がもっと早くないといけないということはあるかもしれませんけれども、今、厚労省の他の分野 の予算と比べても伸び率は高いという形で一定の確保はできてきているのかなということでござ います。 ○しろまる斎藤委員 ちゃんとしっかりと対応していると。 ○しろまる中島課長 我々としてはしておるつもりですが、そこはいろいろな御評価があるということも わかっております。 ○しろまる佐藤部会長 藤岡委員、手が挙がっていたと思います。その後、今村代理と山本委員、お願い します。 ○しろまる藤岡委員 藤岡です。 みなし決定等いわゆる現状を維持しながら現場を混乱させないという方法は、まさに支援費か ら自立支援法に法技術としてあったわけではないですか。支給決定をしばらく旧支給時間をその まま新しい法律にみなして、現場の混乱、各障害者の生活の質に変化がないようにと、そういう 方法はあるわけです。実際、自立支援法になるときに5年間の新体系移行ということで、5年間 新法移行期間ということで旧法で5年間いたという支援体系もあったわけで、別に総合福祉法は 全部5年間経過措置を持てと言っているわけではないですが、それぞれの支援施策に見合った経 過措置をやることによって軟着陸をして新しくやるということは、幾らでも法技術としては可能 なのであって、先ほどそういうことをやると旧法との連続性云々とおっしゃるけれども、まさに 支援費から自立支援法になったときそういうことをやりましたね。 例えば民法で言えば、借地法、借家法というものがあった。それを借地借家法という1つの法 律に変えたときに、借地法、借家法は消滅しました。だけれども、旧法の対象になっている借地 借家契約というものは今でも続いています。そういう形で法律のいろんなテクニックはあるわけ で、廃止しながら今までの現場が混乱しないようにやる方法というものは法技術的に幾らでもあ るということで、先ほどの説明は全く説得力がないということが1つ。 もう一つが、基本合意文書で我々訴訟団と厚生労働省、国が平成25年8月までに遅くとも自立 支援法を廃止するということを締結したということです。私は今、うそつきと呼ばれています。 弁護団を信じて裁判を取り下げたんだよということで、だまされた、和解なんかするのではなか ったと、私が原告に責められています。私はうそつき呼ばわりをされ始めています。何でこうな るんですかと。私の読みが甘かったのかもしれないが、ありとあらゆる社会保障の分野で集団訴 訟で基本合意文書があり、また訴訟上の和解をしております。そういうものに応じて肝炎にせよ 原爆症にせよハンセンにせよじん肺にせよ、ありとあらゆるものが基本合意に基づいて政策形成 がなされています。それはみんな基本合意を結べばそれが守られると信じるから裁判を取り下げ る、訴訟上の和解をするわけです。それが破られるなんてだれも思わない。だから、裁判終結し たわけです。1月7日、私は趣意書を読み上げました。自立支援法廃止という約束を信じますか ら裁判を終結しますというものを基本合意のときに読み上げました。あの基本合意文書、中島課 長とひざつき合わせて年末何度もつくりましたね。今、してやったりとほくそ笑んでらっしゃる んですか。今、裁判所の赤い判こ入りの訴訟上の和解調書もここにあります。法務大臣が判こを 押して、国家が裁判所に約束しているんです。確定判決と同一の効力がある訴訟上の和解調書に 国家が判こを押して約束している。それを破る、そんなことを我々弁護士は予想しなくてはいけ ないんでしょうか。そんなことはあってはならない。それは国がメルトダウンしているような状 態としか思えない。そこをどう思ってらっしゃるのかということを、国に対してお答えを聞きた いです。 ○しろまる佐藤部会長 今村さん、山本委員、簡単にお願いします。 ○しろまる中西委員(代理) たびたび済みません。津田政務官に伺いしたいのですが、この骨格提言、 これを計画的、段階的実施ということについて、来年の8月までに一気に全部施行しなくてもい いというものは、この55名もみなさん一致していると思います。計画的、段階的実施ということ でいいと思います。ただ、それがいつまでにというスパンの問題はあると思いますが、ゴールと してはこの骨格提言を全部実現するんだと、それが前提なのか。今回言われているのは、段階的、 計画的とは言っていますがけれども、最終的にどうなのか全然見えないんです。政府・与党とし ても段階的、計画的にやっていった結果、何年後かわかりませんが、そこに骨格提言を全部実現 するんだと、それが前提でのお話なのかそうではないのか、とりあえず来年はここまでです、そ れしか出せませんということなのか。そこをお答えいただきたいと思います。 ○しろまる佐藤部会長 お願いします。 ○しろまる山本委員 山本眞理です。 残念ながら、自立支援法の106項目をアポなしでされたために私ども会員は、札幌市白石区役 所で抗議の自殺をしています。自立支援法は私たちの仲間を殺しました。廃止しかないというの は、私たち病者集団全員の思いです。昨日、これを見て私はびっくりしました。JDFではできるだ け混乱のないように、どうやったら骨格提言を実施できるか工程表を議論いたしました。病者集 団でもそれを議論しました。この場で昨日言われたものを意見を言えと言われても、私ども会員 1人ひとりの思いがあります。 私がぱっと見たところでは、地域移行がグループホームとケアホームなんていうのは、到底認 められません。それから、権利擁護が全く落ちた上で相談支援が強化される。これは恐ろしいこ とです。恐らく精神障害者の多くは、相談支援で殺されます。あるいは、相談支援を受けるぐら いだったら、このサービスは受けまいと思って、孤立します。この間何人障害児殺しが続いてい ますか、何人孤独死が続いていますか。相談支援は本来はその人が生きやすいための権利擁護の はずですが、日本政府の相談支援の位置づけはケアマネです。公平、中立、家族あっての自立で す。こんなものは条約で絶対認められません。 ですから、このような権利擁護がなくて相談支援だけ充実ということは、これ以上障害児殺し、 孤独死、長期入院者のがん箱退院、死亡退院を増やすだけです。私どもはここで何か決めて、こ れで最後だなどということはとても認められません。 ○しろまる佐藤部会長 政務官、一言お願いします。 ○しろまる津田政務官 自立支援法の廃止に関わる見解については、先ほど述べましたとおりでございま す。今、骨格提言について将来的に段階的・計画的に実現をしていきたいと申し上げました。そ のことについて、私ども全力を尽くしていきたい、そのように考えておるところでございます。 ○しろまる佐藤部会長 1時間10分過ぎていまして、10分間休憩を入れたいと思います。指点字など非常 に大変だと思いますので、御協力をお願いします。 (休 憩) ○しろまる佐藤部会長 それでは、再開いたします。 大分時間が押してまいりました。政務官も6時には出なければいけない、後の予定も詰まって いるということで、残りの時間が限られているわけですけれども、発言できなかった人について は、今日が8日ですので、2日後の10日、金曜日の昼までに文書での意見を出していただくとい うことも選択肢の1つに入れるようにしたいと思います。 今日の部会自体が突然というか、1週間ぐらい前のアナウンスだったので、どうしても予定が 入れられなくて参加できなかった人もいます。そういう人も含めて10日、金曜日の昼までに事務 局のところまで、一定のフォーマットを用意しますので、それに書き込んでいただいて、意見を 出していただく。口頭で発言した方については、政務官も直接聞いておられますので、それ以外 の方はそういう形でも意見を出していただく。 来週、三役がワーキングチームとのヒアリングというか、最終的なワーキングチームとしての スタンスを決めるに当たって部会三役の意見を聞きたいという機会があるということですので、 そこでそれらの意見も含めてお伝えするというふうにしたいと思います。 残りの時間なのですけれども、文書で意見を出していただいている岡部さんと福島さんについ て、まず、発言をしていただいて、先ほど休憩前から手が挙がっていた竹端さん、増田さん、栗 原さん、大濱さん、とりあえず、もうそれでほとんど難しいかなと思うのですけれども、田中さ んも三田さんも頭の中に入れておきます。ただ、時間がありますので、どうなるかということに したいと思います。 それでは、岡部さん、福島さんの順番でお願いいたします。 ○しろまる岡部委員 早稲田大学の岡部です。 私は自立支援法とパーソナルアシスタンスで実は学位を取った研究者の端くれで、また、現在、 地域で見守り支援付きの自立生活を送っている重度の知的障害を持つ息子の親でもあります。そ の立場で発言いたします。 皆さんのいろいろの議論を聞いていて、全体の議論もあると思うのですが、各論を通じて確認 したいことがあります。重度訪問介護の対象者拡大のことです。重度訪問介護対象者拡大は、結 論から言えば、重度自閉症、知的障害者の地域移行、そして親元を離れての地域自立生活に絶対 必要なものだと思います。 しかも、それは現行の障害者自立支援法第4条第3項の重度訪問介護の定義の内容から、重度 の肢体不自由者であって、常時介護を要する障害者につきという対象者規定のうち「肢体不自由 者」という文字を削除するだけで実現します。 これは厚生労働省で定める便宜の内容も同様になっています。サービス体系を変えると、事務 方、自治体の負担が大きいということもあろうかと思うのですが、しかし、それについては今回、 厚生労働省令案に盛り込まれているケアホームとグループホームの一元化でも同じのはずだと思 います。 ケアホームとグループホームの一元化、サービス体系の変更と平成26年4月1日の施行が可能 であるならば、重度訪問介護の対象者拡大も当然、同じ工程で可能なはずだと思いますが、いか がでしょうか。合理的な説明を伺いたいと思います。 また、今回新法の議案書によればですが、今回の趣旨として障害者の自立生活支援の充実、障 害者の範囲の見直し、障害程度区分の見直し、地域生活を支援するためのサービス体系の充実と いうことが挙げられています。 資料として配付した、第8回の総合福祉部会のときの訪問系作業チームで提出された小田島委 員の提出した資料を確認していただきたいと思いますけれども、重度訪問介護の対象者拡大が行 われなければ、グループホームだけでは地域移行できない重度の自閉症、知的障害者当事者が取 り残されるということを確認していただきたいと思います。これがポイントです。これは、障害 種別や重い軽いにかかわらず地域自立生活を実現するという新法の趣旨に沿うのでしょうか。 なお、現実問題として現在、長時間の見守り支援を受けて自立生活を行っている重度知的障害 者はごくわずかだということがあります。恐らく2けたなどではないでしょうか。それも下の方 かもしれません。また、支援体制の側の問題も含めて、それが現在の単に法律が変わっただけで、 すなわち現行自立支援法に準じた制度において、重度訪問介護の対象が知的障害者に対して拡大 されたというだけで急激に増えるとも思いません。もし万が一、財政上の問題を理由とするなら ば、その根拠となる数字も出していただければと思います。 繰り返しになりますが、まず、重度訪問介護の対象者拡大がなされなければ、骨格提言に掲げ られたパーソナルアシスタンスの創設は、そのスタートラインにも立てないということです。新 たな障害程度区分やガイドラインの検討も知的障害者の長時間介護ニーズを抜きに行っても余り 意味がないと思います。対象者拡大のみならず、試行事業の実施も行わないのであれば、永久に 重度知的障害者の自立生活支援の充実は図られないということになります。それでよいのでしょ うか。 財政的制度改革のフィージビリティ、それから、何よりも新法の趣旨に沿って、いずれにせよ 何かの形として、重度訪問介護の対象者拡大は必須の条項であるのではないかと思います。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 それでは、福島委員、お願いします。参考資料3が配られているかと思います。 ○しろまる福島委員 東京大学の福島といいます。 目と耳に障害があって、盲ろう者というのですが、ヘレン・ケラーさんと同じような障害です。 たまたま約1年以上、アメリカに長期研究でヘレン・ケラーさんのことなどの調査研究で行っ ておりまして、本当にここにもずっと出られなくて申し訳なく思っています。しかし、あえて長 く日本を離れた立場で申し上げますと、戻ってきて推進会議に出たり、昨日もこの資料を拝見し て、また、ほかの資料もいろいろ見て愕然としたというのが率直な印象です。 皆さん十分御承知とは存じますが、昔のことを思い出してください。例えば自立支援法ができ る過程で2004年10月にグランドデザインが発表されて、私は反対しました。だけれども、自立 支援法ができて、当時は自民党です。自民党が政権を取っていた。だけれども、2009年の政権交 代時に民主党さんが「障害者自立支援法は廃止し、新たに障がい者総合福祉法を制定する」とマ ニフェストに書いておられるわけです。ホームページなどにも載っています。 そして、2009年12月に鳩山総理が本部長で制度改革推進本部ができて、次の月、2010年1月 には先ほどから藤岡さんがおっしゃっている自立支援法違憲訴訟、この和解に至るための基本合 意がなされています。長妻厚生労働大臣が署名しているわけです。 先ほどから自立支援法を廃止するのは法律的に難しいのだという御説明がありましたけれども、 それを自民党が言うならわかりますが、民主党さんが、自立支援法は廃止して総合福祉法をつく るのだ、だから総合福祉部会をつくるのだとおっしゃって、ここができたわけです。その根本を 今更、もともと無理だったというのは、それはひどいのではないか。役人の方がそれを言うなら まだわかります。だけれども、それを民主党さんが言えるのか。政治的責任はどこにあるのか。 私たちは何を信じたらいいのかと思うのです。 昨年8月、総合福祉部会の総意で、私も電子メールで参加しましたけれども、55人の総意で骨 格提言ができました。多くの傍聴者があってネットの配信もあって、メディアが注目して、そし て、その背後に何万、何十万という人がおられます。 そして、総合福祉法の骨格提言ができたということは、骨格提言に沿って総合福祉法を最大限 それに近づけていくというのが言わば当然の流れ。それを今更、無理だったというのはおかしい のではないか。今回の厚労省の案を拝見しますと、例えば障害程度区分のところでも、5年間の 間に検討していくということでは、要するに何もしないということとほとんど同じ。 地域生活支援事業の充実を図るというところを見ると、例えば地域生活支援事業として、地域 社会における障害者に対する理解を深めるための普及啓発、ボランティアの活動を支援する事業 を追加する。これは一体何なのか。今の地域生活支援事業は、自立支援給付の予算の十数分の一 ぐらいしかないのです。そこに無償のボランティアを加えていこうというのか。法案を読んで感 じるのは民主党さんの誠意のなさ。申し訳ありませんが、これは信義を守ること、つまり信義則 に反することだと私は思います。 仮に総合福祉法という名前を書いたとしても、実質的には何も変わっていない。新法の成立が すぐにできないのであれば、骨格提言のどことどこが実現できるのか、逆にどこはできないのか、 なぜできないのか、どうすればできるのか、そして、いつごろまでだったらできるのか、そうい うことを一つひとつ丁寧に説明するのが政治の責任だろうと思うのです。 勿論、ハードルはあるでしょう。一番大きいのは、この厳しい財政状況のもとで財源問題だと いわれます。結局、厳しい中で障害者支援の関係は予算が年々増加している、すごいのだという ことをおっしゃるけれども、これはニーズが増大しているのに伴う予算の自然増です。自然増と いうのはあくまでも自然増であって、実質的な変革ではない。予算増とは言えません。財政問題 で言えば、民主党さんは「社会保障と税の一体改革」ということを盛んにおっしゃっているわけ ですけれども、その社会保障改革の中で障害者制度改革はどう位置づけられているのか、全然わ からない。発言力が小さくて力の弱い障害者だから、無視・軽視してもいいと思っていらっしゃ るのか。 日本には法的に認められている障害者だけでも750万、難病や発達障害の方も合わせたら1,000 万を超えます。御家族を入れたら、3,000万人、4,000万人、国民の3〜4人に1人が障害関係者 なのです。だから、本当は小さな問題ではない。だけれども、たまたま相対的に立場が弱いから、 私たちは発言力が弱い。 障害者だけを特別に扱ってほしいと言っているのではないのです。道を歩いたり、人と話をし たり、トイレに行ったり、水を飲んだり、ご飯を食べたり、そして、酸素を呼吸する、そういっ たことをお願いするだけです。こういったことは障害者だけの問題ではない。人生で人間がどん なつらい状況になって苦しい状況になっても、自分1人ではないんだ、人としての尊厳を持って 生きていける社会なのだ、みんなで支え合っていくのだということが国民すべてに実感されたら、 安心感はすごく一人ひとりの活力になりますし、社会全体を活性化すると思うのです。 民主党は、社会的に不利な立場にある人の味方であって、相対的に弱い立場に置かれがちな人 を応援するというメッセージを盛んに発信して、そのことで3年前に政権を取ったはずです。 すべての人間がやはり人生のどこかでつらい経験をする。個人の力ではどうにもならない。み んながそれを支え合うしかない。私たちは昨年の大震災で肝に銘じたわけです。是非、民主党の 先生方、どうか政治家としての原点に戻って、志、初心を思い出してください。 マニフェストに掲げただけではなくて、裁判所という公正な場での議論を通して和解が成立し て、公式の文書で大臣が署名した、それまでがもしないがしろにされるのであれば、私たち国民 は一体何を信じればいいのか。民主党の皆さん、政治家としての誠意と魂にお願いします。政治 への期待を繰り返し裏切られ、政治不信を通り越して、私たちはもう政治に絶望しかけている。 この日本国民の1人としてお願いします。強くお願いします。 ○しろまる佐藤部会長 竹端委員、お願いします。 ○しろまる竹端委員 先ほどの福島委員のおっしゃられたことを具体的に実現するための提案をさせてい ただきたいのです。 政務官が先ほど一気に実現することは不可能だとおっしゃられました。それは多分55人も同意 だと思うのです。先ほど、JDFから総合福祉法制定に向けてという形で、どういうふうに、いつに 向けて、いつ何をしていくのかという工程案が出されました。 今回、私たちが憤りを持っているのは、厚生労働省案にこのような工程案が全く示されずに、 しかも、どの部分はどのように生かして、どこは生かせなかったのかということについての説明 がなされていないということに対して私たちは納得がいっていないわけです。 そこで、けんかをしていても仕方がないわけですから、是非とも提案させていただきたいこと があります。それは、このJDF案と厚生労働省案のすり合わせをするワーキングチームのような ものを是非ともつくっていただきたいということです。厚生労働省だけで無理だったら、それは 政治主導で是非ともやっていただきたいというのが提案です。 確かに時期は急いでいると思います。通常国会に乗せるためにできる時間は限られていると思 いますが、少なくともこの55人の意見が今のままでは納得できないというのを超えるためにも、 JDF案と今回お示しいただいた厚生労働省案をどのようにすり合わせていくのかという部会と厚 生労働省がこれまで議論する場はなかったです。なかったからこそ、今回、この厚生労働省案が 出てきたことについて、初めて協議の前提に立てたわけですから、厚生労働省案と部会の骨子、 あるいはJDF案とをすり合わせる場を是非とも政治主導でつくっていただき、しかも、それにつ いて、できれば3月か4月のうちにこの部会を再度開いていただいて、この部会でもう一度報告 いただく。 それに基づいて例えば通常国会に乗せていくということをやっていただくと、恐らくこの部会 の皆さんのいろいろなわだかまりの気持ちも解決できるのではないかという提案をさせていただ きます。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 増田委員、お願いします。 ○しろまる増田委員 やどかりの里の増田です。 昨日、この文書を拝見して率直に言うと、詐欺に遭った。それが第一印象でした。国ぐるみの 詐欺と申し上げたら言い過ぎなのかもしれないけれども、そう思った障害関係者は多数いたと私 自身は思っています。 今日、現場の混乱の話がありましたけれども、将来が見えないから、自立支援法では真っ当な 仕事ができないから、私もやどかりの里という事業所の代表として真っ当な仕事を現場でしたい から、骨格提言をつくりたかった。自立支援法では障害のある人たちのニーズを中心にした事業 をどういうふうに逆立ちしてもできないから、この骨格提言をつくることに合意をして、この場 に立っているというのが現状だと思います。 そして、24年4月のところで相談支援事業が大きく変わります。これこそ現場の大混乱です。 自治体も大混乱をしています。そういうことも含めて24年4月の改正案が骨格提言の対応として 記されていることというのは、本当に厚労省が現場の実態をどれだけ御存じなのかということを 疑う内容になっていると思います。 福祉的就労の問題、今回の大きな課題でした。佐藤部会長の文書にもありますけれども、私た ちは試行事業をしてきちんと方向性を定めましょうと合意をしました。そこまで至る道のりも大 変いろいろな議論がありました。でも、今回の厚労省から示されたものには、その跡形もなく筋 道すらも見えないですね。これで合意することはできないのではないでしょうか。 今日でこの総合福祉部会が終わりだというお話がどこかでございましたけれども、先ほどの竹 端さんの御意見あるいは福島さんの御意見を含めて、今日で終わりだということは到底承認しが たいと思っていますので、部会長始め事務局の皆さんの精いっぱいの努力、そして、誠意を期待 しております。民主党の皆さんに是非、この現状を知っていただきたいと思っています。 ○しろまる佐藤部会長 栗原委員、お願いします。 ○しろまる倉田委員(代理) 大阪府箕面市の倉田市長の代理で栗原と申します。 就労の件ですけれども、全体に通じますので、意見を申し上げたいと思います。 まず1つ目、厚労省さんの就労の項目は実に簡素というか、ただ、5年後に検討するのみでご ざいます。増田さんもおっしゃいましたけれども、なぜ今、私たちがいろいろな議論の末に骨格 提言で明記した多様な就業の確保のための試行事業、パイロットスタディをわざと外したような 書き方をされるのでしょうか。何もせずに5年後に検討するなど結局、何もしないことと同じで あります。 2つ目に、このことはさる8月5日に公布された改正障害者基本法、ここには労働に関して非 常に素晴らしい内容が書いてあります。多様な就業の機会の確保とそのための調査研究を国・地 方公共団体がするという義務、このこととも関連いたします。 基本法の新たな規定を総合福祉法でどのように体現されようとしているのか。これも是非、お 聞きしたいところでございます。 3つ目、これが一番重要でございますが、平成22年6月の閣議決定では、今、増田さんも触れ ましたけれども、福祉的就労への労働法規の適用の問題、これを一定の方向を示すということが ありました。先ほどの比較の表にも現在、厚労省で3つの研究会が進められているということが 書かれていますが、実はこの3つの研究会の中には福祉的就労に関する部分は入っておりません、 カバーされておりません。 確かに合理的配慮や障害の範囲あるいは地域における就労、これはこれで絶対進めなければな りませんけれども、福祉的就労の問題が抜けております。閣議決定さえも反故にされようとして いるのかどうか、これも大変残念な疑問でございます。 最後に、これはよく誤解を受けるところでございます。私ども就労合同作業チームでは、第3 の働き方等々を議論してまいりましたが、当然にも一般就労に力を入れていくことにだれも異存 はございません。しかし、一般就労に行きたくてもなかなか行けない福祉的就労にいる多くの障 害者、また、現在、働いているけれども、高齢化、重度化に直面して大変な困難になっている当 事者たち、このことに思いをはせた制度構築を是非、お願いしたいということで意見とさせてい ただきます。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 大濱委員、お願いします。 ○しろまる大濱委員 ○しろまる大濱委員 脊損連合会の大濱です。 津田政務官が来られているので、確認したのですが、まず、55人部会と言われる福祉部会、55 人の意見、この骨格提言、これを真摯に受け止めていただけるのかどうか。真摯に受け止めてい ただけるということであれば、行政主導ではなくて民主党主導、与党主導という形でお願いした い。今日この場に、ワーキングチームの金子先生、三宅先生も来られています。そこでお願いし たいことはJDFと同じような形で、工程表ですが、今後の工程表を出していただきたい。 骨格提言に基づいてもう一度、改めて精査していただきたい。骨格提言の中身を一つひとつも う一度押さえ直してもらいたいのです。この内容ですと、余りにもひどいです。厚労省だけが中 身を精査している、たたいているという感じがして、民主党の先生たちは骨格提言を精査してい ないのではないか。もう一度、骨格提言をたたき直していただきたいということを申し上げてお きたいのです。 あと、各論になりますが、先ほど重度訪問介護、これは範囲を広げてもらいたいということ実 際、範囲を全然広げていない、何にも検討されていないと岡部さんの方からお話があったように、 これはそのとおりです。このよな個別の問題もあります。個別の問題でわからないところがあっ たら、55人の部会員なり部会長あるいは副部会長がおりますので、そちらの方にもう一度、聞い てもらいたいのです。 それともう一度、原点に戻ってもらいたい。先ほどの福島さんの話ではないですけれども、民 主党が与党になった当時の、最初の元の原点に戻り、わずか1割程度の障害者のことをゼロから 考え直してもらいたい。このような形で私たちがまとめたものを真摯な気持ちでもう一度生かす ということの原点に立ち返ってもらいたいのです。政治不信とかいろいろ言われていますけれど も、これは本当だと思いますよ。このままいきますと、民主党もまたこうなのかと言われてしま うと思う。ですから、初心に原点に戻ってもらいたい、それをお願いしたいと思います。 行政の方から出ている個別の問題、個々の問題あります。1点だけ言わせてください。ここに 書いてある基幹相談支援センター、これについてはどの程度御存じなのかわからないのですが、 市町村主導の、市町村が直営または委託する、市町村に1つできるのが基幹相談支援センターな のです。これは、結果として市町村の権限を強化となります。 私たちはJDFの中でも話しましたけれども、基幹相談支援センター「基幹型」は要らないので はないか。要するに、当事者主体の相談支援センターがもっとたくさんできて、当事者主体の当 事者に寄り添ったセンターがもっと必要だ。市町村主体の基幹相談支援センターが突出するとど ういうことになるかというと、私たちの生活を市町村主導で決めるという形になっていく。従っ て、市町村主導ではない、当事者目線からの当事者主導の相談支援センターにしてもらいたい。 そこを強化してもらいたいのです。 これは政務官からも本当にお願いしてほしいと思います。やはり新たに民主党主導で工程表を もう一度つくり直すということをしていただきたいのですが、そこら辺についてよろしくお願い いたします。 もう一点だけいいですか。 社会保障と税の一体改革、これは民主党案ですと、「社会保障・税一体改革素案」(2012年1月 6日 政府・与党社会保障改革本部決定)ではこのように書かれている。 8.障害者施策 ○しろまる 障害者が地域社会で安心して暮らすための総合的な障害者施策の充実については、制度の谷間 のない支援、障害者の地域移行・地域生活の支援等について検討し、平成24 年通常国会に法案を 提出する。また、障害基礎年金への加算(再掲)に加え、障害者の就労を支援し、障害者の所得 保障や社会参加の充実を図る。 このように障害者施策が書かれている。しかし現在、具体的に消費税を引き上げられる議論をさ れていますが、私たち障害者の問題が予算が全くここで触れられていない。例えば子どもには 7,000億円とかいろいろ言われていますが、障害者のことには一切触れられていなくて、障害者施 策には全然予算が付けられてない。消費税を上げても障害者には一切回ってこないのか、そこら 辺をどうお考えなのかお聞きしたいです。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 もう時間がありませんので、奈良?アさんだけ簡潔にひとつお願いします。 ○しろまる奈良?ア委員 奈良?アです。 まず、私、昨日のFAXを今日の朝見たのです。かなりの量でかなりびっくりしました。やはり 私、自分が知的障害なので、早めに資料とかも欲しいし、あと、こういう会議はわかり次第、早 めにほしいなというのがすごくショックでした。 皆さん、制度とかが変わりますとテレビとかで言いますが、非常に私、最近テレビを見るひま がなく、皆さんはすごく情報が早いのですけれども、私たち知的障害の仲間は情報が遅いのです。 それに対して皆さんはどう思うのかなというのがすごく不思議です。 1番ショックなのは、皆さん、私たちはここで映していただいているのですが、こちら側の方 たち、私、先ほどからずらっと見ていると、半分の方、寝ていますね。すごい気持ちよさそうに 寝ているのを私、ちょこちょこ見ているのです。その人たちのために、反対に映したいなと今、 思うぐらい、すごいショックですね。情報というんだったら、寝ている姿を是非、皆さんにも映 してほしいなとすごく思いました。 それと絶対思うのですが、この会議は知的障害向けにつくってほしいのです。それは皆さんが すごくわかりやすいパンフレットと言うけれども、本当にわかりやすいのか、私とか小田島さん に1回も、この委員会が何十回もやって確認してくれませんでしたね。そのために私は小田島さ んから、今日、横に座っていて、これはどういう意味、どういう意味と途中、途中言われても、 私、あなたの支援者ではないよと横で突っ込むぐらいになっているのですが、1個1個皆さん確 認してほしいですね。それはモニターでもいいのですが、ちゃんと皆さんが是非、確認。このお ねんねしている人たちが是非、私たちに確認する時間をつくってほしいなと思いました。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 もう本当に時間がなくなってしまいまして、退室前に政務官にも一言お願いをし たいと思います。その前に、私が配った資料についても30秒だけ時間をいただければと思います。 A〜Gまで何点か書きました。一番上は障害の範囲についてですけれども、厚生労働省案では 50か100の難病を指定するにしても、これはそれから漏れる谷間が必ず出るということを前提に したような制度で、この骨格提言が言ってきたことと大分違うのです。漏れがないようにという ことを言ってきて、諸外国でできていることが日本でできないはずはないと思います。 下の方のEは、利用者負担です。つなぎ法で利用者負担という最大の問題が解決したと、先ほ ど政務官がおっしゃられましたけれども、課税世帯の厳しい負担の問題、自立支援医療の問題な どは未解決であります。 それから、最大の問題は収入認定の対象の定義がないということで、兄弟まで含めていつそう いう復活するかわからない法律の書きぶり。しかも、負担能力とは何なのかということの法的な 定義がない、政府の解釈に任せられるような、これで負担の問題がつなぎ法で解決したとは到底 言えない。骨格提言を尊重していただきたいと思います。 そのほか、「選択と決定」の障害程度区分の見直しについても、個別の支援ニーズを評価する支 給決定の方式へという方向性を示した上で、5年間の見直しをという方向性をきちんと示さない と、骨格提言を生かしたことはならない。そういうことがたくさんありますので、是非、民主党 において検討していただければと思います。 それでは、政務官、一言お願いします。 ○しろまる津田政務官 本日は、さまざま御意見を拝聴できたことをまずもって感謝を申し上げたいと思 います。 たくさんの御意見、御質問をいだたきました。今、ここでそれをひとつひとつお答えすること については差し控えさせていただきたいと思いますが、例えばJDFから示されたロードマップ、 このようなものについては私どももしっかり参考にさせていただきたいな、そのように思ってい るところでございます。 この総合福祉部会の御提言につきましては、段階的、計画的に実現を目指していくものと受け 止めておりまして、私どもは新法の制定に向けて尽力をするとともに、報酬や予算、運用などあ らゆる政策手段を組み合わせて、障害者施策の充実に取り組んでまいりたい、そのように強く決 意をしているところでございます。皆様方からすると、まだまだ課題が多く残っている、そのこ とについては私も十分認識をいたしております。 本日も多くの方々から御意見をいただいたわけでございますが、当事者の皆様の御意見、事業 者の皆様の御意見、それから、自治体で取り組んでいただいている皆様の御意見、これらを踏ま えながら、最終的には国民の皆様の御理解をきちんといただいて、その上でしっかりと障害者施 策を進めていかなければならない。そのように認識をしているところでございます。 また、民主党厚生労働部門障がい者ワーキングチームでは、これまで19回にわたり障害者関係 団体や地方三団体からのヒアリングや議員間の討議が精力的に行われてきているところでござい ます。昨日の民主党のワーキングチームにおきましても、厚生労働省から法案骨子が示されたわ けでございますが、引き続き民主党ワーキングチームとして議論を行っていくということを伺っ ているわけでございます。 今後、私どもとしましては、政務三役が中心となって民主党とも御相談を申し上げながら、政 府・与党として法案をとりまとめていきたい、そのように考えておるところでございます。 3月中旬には閣議を経て国会へ提出するという運びになろうかと思っておりますが、国会での 審議、早期の成立に私も全力を挙げて頑張っていく所存でございます。いろいろ皆様から多数の 御意見がある、お気持ちがさまざまにあるということは十分に承知をしておりますが、どうぞお 力添えをいただきますよう、お願いを申し上げます。 ありがとうございました。 ○しろまる斎藤委員 政務官、こんな内容だったら、これを総合福祉法と言い換えることだけはやめてく ださいよ。これは、我々に対する最大の侮辱ですから。これだったら、3月に別に法案など出し てもらわなくて本当に結構ですよ。これでは、何の変化もないのだから。もっと時間をかけてい いものをつくってください。お願いします。 ○しろまる山本委員 これは改悪案ですよ。自立支援法改悪案。自殺促進法。 ○しろまる佐藤部会長 福井委員、簡単に一言。 ○しろまる福井委員 いろいろと御意見出ましたけれども、今後の進め方ですけれども、今、おっしゃっ た閣議決定を私たちはしっかりと見定めていきたいので、今日で終わりということにしないでく ださい。そういう意見がたくさん出ましたね。 それと推進会議の方にも、私は毎回傍聴しておりますけれども、親委員会ですから、しっかり とこの状況を伝えていただきたい。2つ特にお願いをしておきます。よろしいでしょうか。 ○しろまる佐藤部会長 それでは、今日の議題はこれで終了ということにさせていただきたいと思います。 今後のことについては、東室長から紹介をしていただきたいと思います。 ○しろまる東室長 担当室の東です。 どうも御苦労様でございました。 今後、どうするかといった辺りが私の方に投げかけられている質問であると思います。いろい ろ御意見が出たのは、よくわかっております。 竹端委員からは具体的な形で示された案が出されました。推進会議との関係についても今、御 意見をいただきました。推進会議は、実は基本法改正とともに3月ぐらいには新しい障害者政策 委員会に衣替えできるかなと思っているわけです。ただ、そうしますと、推進会議本体がなくな るわけですので、総合福祉部会をこのままの形で継続するというのは難しいわけです。法律が新 しい根拠に基づいてできるわけですから。 しかも、形式的に言えば、骨格提言という形でこの部会が意見をまとめていただいて、それが 推進会議に出されて担当大臣のところまで行ったという形になっておりますので、基本的な役目 は終了したということになるわけです。しかしながら、それを前提にしても皆さん方の御意見が あったということで、これについてどうするかというのは単に私の事務局的な立場で、一存で決 めることは難しいです。 かなり高いレベルでの政治的な判断がなければ、軽々に今後のことについて言えないと思って います。そういった意味で、政策委員会になるまではまだ部会三役にもいろいろな仕事がありま すので、今日で解散というわけではないと思っているのですが、今後、どうなるかについては政 治の方でも議論していただく、その中で結論が出てくるかなと思っております。 私の段階で答えられるのは、そのぐらいのところです。 どうも御苦労さまでございました。ありがとうございました。 ○しろまる佐藤部会長 それでは、第19回総合福祉部会を終了いたします。お疲れさまでした。