11/06/23 障がい者制度改革推進会議総合福祉部会(第15回)議事録 日 時:平成23年6月23日(木)13:00〜17:55 場 所:厚生労働省 低層棟2階講堂 出席委員:佐藤部会長、茨木副部会長、尾上副部会長、朝比奈委員、 荒井委員(代理)、伊澤委員、石橋委員、氏田委員、大久保委員、 大濱委員、小澤委員、小野委員、柏女委員、河?ア建人委員、 川?ア洋子委員、門屋委員、北野委員、君塚委員、倉田委員(代理)、 駒村委員、近藤委員、斎藤委員、坂本委員、佐野委員、清水委員、 水津委員、末光委員、竹端委員、田中伸明委員、中西委員、中原委員、 奈良崎委員、西滝委員、野澤委員、野原委員、橋本委員、東川委員、 平野委員、広田委員、福井委員、藤井委員、藤岡委員、増田委員、 三浦委員、光増委員、三田委員、宮田委員、森委員、山本委員、 渡井委員 ※(注記)会議の模様は、YouTubeの厚生労働省動画チャンネルにて動画配信していますの で、併せてご確認ください。 (URL:http://www.youtube.com/watch?v=A6Ff-GUMMzA) ○しろまる佐藤部会長 部会長の佐藤でございます。定刻になりましたので、ただいまから「障 がい者制度改革推進会議総合福祉部会」を開会いたします。 本日の会議は、報道関係者及び関係者の方に傍聴していただいております。ムービ ーカメラが会議全体を通して撮影可能な状態になっておりますので、カメラに映りた くないという方がいらっしゃいましたら挙手、もしくはほかの方法でお知らせいただ きますようお願いいたします。 これ以降はスチールカメラの方は退室されますが、ムービーカメラの方はそのまま で結構です。まず、委員の出欠状況と資料の確認について事務局よりお願いいたしま す。 ○しろまる東室長 どうもこんにちは。担当室の東です。委員の出欠状況ですけれども、本日 の御欠席の委員は伊東委員、福島委員の2名の方です。また、荒井委員の代理として 前田健康保健福祉部長様に御出席いただいております。出席委員は総数53名という ことになります。 続きまして、資料の確認をさせていただきます。 いつもどおり会議次第と配席図があります。6月23日現在の構成員名簿を付けて おります。若干役職の変更等があります。 続きまして、議事次第を見ていただくとおわかりのように、配布資料がずらっとあ ります。資料番号の1〜8までは作業チームと合同作業チームの報告書です。ただし、 枝番が1と2にそれぞれ分かれております。1が概要版、2が本体ということになっ ておりますので、よろしくお願いします。 資料9〜16までは、5月31日分のそれぞれのチームの議事要旨でございます。 資料17という厚いものがありますが、第2期作業チーム報告書に対する厚生労働 省からのコメントということになっております。 資料の18につきましては、枝番が3つありまして、3分冊になっておりますけれ ども、障害者の生活実態及びニーズ等を把握するための調査手法の開発に関する研究 報告書等がございます。 それに参考資料が5つ出ております。委員からの意見ということであります。 資料としては以上でございます。 ○しろまる佐藤部会長 ありがとうございました。本日の会議は17時までを予定しておりま したが、議題も多く、少し会議時間を延長することになろうかと思いますので、御了 承いただきたいと思います。 また、御発言に際してのお願いがございます。まず、発言をされたい方は挙手もし くはその他の方法でお知らせいただいた上で、指名を受けて、その後、お名前を述べ られてから御発言いただきたいと考えております。 発言に際しては、必ず卓上のマイクのスイッチを押して、マイクが作動しているこ とを確認してから発言をお願いします。発言は時間がない中ではありますが、なるべ く簡潔にゆっくりとお願いします。 以上、情報保障という観点から必ず守っていただきますようお願いします。 会議予定時刻までに議事を終えることができるよう、円滑な議事進行について皆様 の御協力をお願いしたいと考えております。 それでは、議事に入らせていただきます。まず、前回の部会作業チーム及び合同作 業チームの検討の状況についてですが、お手元の資料9〜16の議事要旨を御参照いた だければと思います。 次に、第2期作業チームの報告及び討議を行います。前回と同様に、第2期作業チ ームの報告についても後ほど厚生労働省からコメントをいただくこととしておりま す。 作業チームの報告については、各座長からお願いいたします。1チーム当たり報告 5分、討議10分といった時間配分でお願いします。討議の時間が10分で非常に短い のですが、時間の関係で発言できなかった場合には、文書でこの作業チーム報告に対 する意見を出していただくことも可能です。1チーム報告5分ですが、4分経過し、 残り1分になりますと赤いランプが付いて、かつブザーが鳴るようになります。それ を参考にしながら議事進行に御協力をお願いします。質疑の段階では、2分経ちまし たら、ランプ・ブザーが付くようにセットしておりますので、手短に質疑に御協力を いただければと思います。 それでは、選択と決定・相談支援プロセス(程度区分)チームの茨木座長から報告 をお願いいたします。 ○しろまる茨城副部会長 茨城です。 それでは、始めさせていただきます。選択と決定・相談支援プロセスチームの報告 は、資料1−1の概要に基づいてさせていただきます。本チームは、第1期で前回報 告しましたけれども、その支給決定・相談支援の在り方を踏まえた上で、そこの「は じめに」に書いてあります1〜5番目の検討範囲を話し合いました。3回の作業チー ムの部会での検討のほかに、協議調整モデルを前回、第1期で提案したわけですが、 先駆的に取り組んでおられる自治体、西宮市の担当者の方にチームでヒアリングを行 わせていただいたことと、また近隣の自治体の担当の方に協議調整モデルについての 御意見をヒアリングさせていただき、その上でチームメンバーで今回の検討範囲をま とめさせていただきました。 まず1番目ですが、現行程度区分や支給決定の仕組みについての評価と問題点とい うことです。これは厚労省から幾つかデータを出していただきまして、その内容に基 づいて検討しましたが、程度区分、自立支援法で非常に重要な役割をとっているわけ ですけれども、ずっと創設以来、最近のデータに関しても1次の106項目の程度から 2次審査にかけての変更率が非常に高い。特に知的障害者、精神障害者の人たちでは、 大体4〜5割の程度区分が2次判定で変更になっている。 そういうことで言うと、やはり全部の障害に横断的に程度区分を図る客観的な指標 とこの106項目の審査は有効に機能していないのではないかと判断しました。 また、都道府県別の程度区分の割合についてもデータを出していただきましたが、 非常に自治体によって程度区分の割合については格差がありまして、分布も軽度の方 に偏っている自治体もあれば、3〜6の間に6割以上が分布しているような自治体も あって、同じ物差しを使っていても、かなり各自治体で差があるということで、公平 な指標という観点から見ても妥当なツールとは言えないのではないかとチームでは 検討結果として出させていただきました。 では、2番、新しい支給決定の仕組みに当たっての必要なツールの在り方と策定の 指針をどう考えていくかということですが、1つは、前回第1期で出させていただき ました協議調整モデルについてもう少し具体的にプロセスを明らかにさせていただ きました。以下のような流れを基本とするということで、[1]〜?Eの流れを書きました が、基本的には前にも言いましたように本人中心の制度を使う、使わないにかかわら ず、相談支援事業者が本人またはその支援者とともに中心支援計画を立てて、その中 で必要なサービスに結び付ける支援計画、利用計画を策定する。そこのところで障害 があるということを医師の意見書等で客観的に判断しつつ、市町村に申請する。その 本人の利用計画に基づいてその市町村に共通のガイドラインに基づいてニーズアセ スメントを行うことで支給決定すべきというところが大きな変更点です。程度区分は 使わないということを提案しています。そのガイドラインの水準を超えるというか、 水準に当てはまらない場合に協議調整を行い、支給決定を行うということにしていま す。 2ページ、ガイドラインというのは法における権利性に基づいて、その地域の他の 者との平等を基盤として障害のある人が生活するときにこれだけの支援が必要とい うような一定の水準を示したものであって、水準であってそれが上限ではないという こと、最重度の人たちも十分この基準に照らして生活できること、必要度の把握をし た上でガイドラインを設定するということを考えています。 ここは本当は本来は顔の見える市町村ごとに具体的につくり、またつくり変えてい くことが大事なんだけれども、一定の時期までは国が基本的な設定を示して、市町村 がそれを下回らないという形でガイドラインを設定していくことが大事ではないか ということを検討しました。 支給決定に際して、市町村と本人が協議調整するわけですが、協議で調整がつかな い場合、合議機関をつくり、その第三者機関での調整を行って支給決定を行うという 仕組みも設けていますが、合議機関は可能な限り複数市町村で設定して、苦情があっ た場合はそれで違う合議機関にかけられるような仕組みも大事だということにして います。 不服審査やアドボカシーの仕組みについては、そこに書かれていますように、重層 的なアドボカシーの仕組みをつくっていくことで、最終的に仕組み決定の仕組みの結 果に対する不服申し立てとしては、障害者差別禁止法がもし制定される場合、そこで 構築される権利擁護機関での準裁判方式の審査もできるような仕組みを検討すべき としました。 相談支援については、時間をオーバーしていますが、大事なことなので少し報告さ せていただきます。3ページ目に書かれていますように、本人のニーズを満たすため に支援に結び付けるだけでなくて、一般的な相談にも広く応じるということで、相談 支援専門員はまず手帳のあるなしにかかわらず一般相談を受け、その中で必要なサー ビスにつなげるためのプランづくり、特定相談を受けるという仕組みを考えました。 その際、教育や医療、労働、その他の他方にまたがるような相談もあるわけですが、 一般相談では広くそこで受けて、市町村または都道府県レベルでネットワークを組ん でしっかりと相談支援をしていくような体制を目指すということを提案しています。 その他研修なども書いてありますが、後でお読みいただければと思います。 最後なんですが、制度の実現に向けては、やはり現行からこの仕組みに変えるには 一定の準備期間、またガイドライン策定ということに関しては支給の試行事業の実施 が必要でありますので、十分に準備期間を経てスムーズな移行ができるような時間設 定をすべきであるということも提案させていただきました。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 ありがとうございました。報告の時間が長くなったので質疑の時間が 6分ぐらいになりましたけれども、いかがでしょうか。お手を挙げていただければと 思います。 大濱委員、まずお願いします。 ○しろまる大濱委員 資料1の2ページ目です。「その地域の他の者と平等を基礎として生活 することを可能とする支援の水準」とありますが、その1つの例として、例えば市町 村内だけで平等であればいいという意味合いなんでしょうか。もしもそうであれば、 これは範囲が狭すぎだと思うんですが、その点はいかがでしょうか。 ○しろまる茨城副部会長 言葉足らずな説明でしたけれども、先ほど言いましたように、国の 全体でデータを集めて、国のガイドラインの指針というものを出しますので、勿論、 全体での水準というのがあると思いますが、一方、市町村ごとにそこで統一しないで 地域という部分で顔の見える範囲でガイドラインもつくっていくということですの で、二重に考えているということになります。 ただし、非常に水準を超えるとか、24時間支援が必要とか2人介護が必要という場 合は、その地域には同じような方がいらっしゃらないようなこともありますので、例 えは悪いんですけれども、判例のような形で、全国レベルでこういう仕組みでこの地 域は出しているというような情報を絶えず市町村というか全国レベルで市町村ごと に情報共有して、その地域の事例が次の新たな支給決定のときのガイドラインになっ ていくような判例の情報共有というのも考えております。 ○しろまる大濱委員 今の件で心配しているのは、結局、現在ある地域間格差をそのまま認め るような文言ととられかねないので、できれば「その地域の」という言葉を外してい ただいた方が適切なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○しろまる茨城副部会長 今の御意見を聞いて、誤解のないような書き方をしていきたいと思 います。 ○しろまる佐藤部会長 ほかの御意見、質問、いかがでしょうか。そうしましたら、チームの 報告の本文の方も読んでいただいて、特に意見があれば月末までに文書で事務局に出 していただくということで続けていきたいと思います。 斎藤委員、どうぞ。 ○しろまる斎藤委員 共同連の斎藤です。 今までの程度区分や支給決定の仕組みに代えて新しい支給決定のプロセスという もので行った場合、現行の支給決定量とはどれほどぐらいの違いが出てきそうという 一定の想定があるのでしょうか。 ○しろまる茨城副部会長 まだガイドラインの試行調査もしていない。去年、緊急提言のとき に是非程度区分を外してモデル事業でやってほしいということをこの部会でもお願 いしたんですが、実際そういったことはされていませんのでお答えできませんが、必 要な人が必要な支援を受けられるような形でということで提案させていただいたの で、是非モデル事業でそういうことはやっていきたいと思っています。 ○しろまる斎藤委員 ガイドラインがどういうふうになるかによって実際の量が違ってくる わけですけれども、要は現在の状態というのがどの程度必要な量があるにもかかわら ず今の支給決定の仕組みの中ではそれが満たされていないと思って見えるのかとい うことで、言わばそれがどれぐらいありそうなんだということで、だから、ガイドラ インをつくるにしてもそういう現状把握がなかったらガイドラインというのはうま くつくれないと思うんです。そこら辺の現状認識というのはどうなのかという意味の 質問なんです。 ○しろまる茨城副部会長 自治体によって非常に格差があるんですが、程度区分が国庫負担基 準と連動しているので、例えば介助料が国庫負担基準を上限としている自治体もあり ますし、またプラスα部分を市町村独自の方法で出しているところもありますし、個 別の事例に応じて出しているところもありますが、少なくとも特に重介護の方などで 全国でくまなくしっかりとニーズがある分、決定が出ているという仕組みにはなって いないということは事実だと思います。ですから、裁判も起こされたと思いますし、 そこを前提として今回どこに問題があるかということで検討させていただきました。 ○しろまる佐藤部会長 今の件で作業チームのほかのメンバーから何か補足的な御意見があ ればと思いますけれども、よろしいでしょうか。 そうしましたら、次のチーム。地域移行チームの大久保座長から報告をお願いいた します。 ○しろまる大久保委員 地域移行チームの大久保です。それでは、資料2−1と資料2−2と いうものをごらんいただきたいと思います。資料2−1に沿って御説明申し上げたい と思います。字が小さくて申し訳ありません。今回はページにこだわったものですか らこういうふうになりました。 それでは、まず地域移行の支援並びにその法定化ということで、非常にテーマとし ては大きなテーマであり、皆さんも本当に興味を持たれているところだと思っており ます。しかし、なかなかこの論点が十分に把握しきれていない、あるいはチームの中 でも共通の認識があったかどうかという部分では少し不安なところもあります。 まず地域移行について、言葉としてはよく耳にする言葉なんですけれども、実際に その持つ意味というのはどういうものかというのを確認しました。つまり、地域移行 というのは単純に、いわゆる施設あるいは病院から地域に住まいを移すという空間的 な移動のみを指しているのではない。最も重要なのは障害者個々人が市民として自ら 選んだ住まいで安心して自分らしい暮らしが実現できることとまず押さえたという ことです。 当然、そこで言う障害者というのは、障害の程度とか状況にかかわらずすべての障 害者が当然その対象になる。それと先ほど空間的な移動と申しまたけれども、その際 に施設や病院から移るということだけでなく、当然家族との同居から独立して1人で お住まいになったり、あるいはグループホームに移るとか、こういった方々も含めて 地域移行ととらえるべきではないかということです。 次に、特定の生活様式を義務づけられないことを確保する上での課題と地域移行の 法定化についてということです。まずは障害者本人が御本人の意思に基づいて選択で きるといった選択肢を用意することが重要だということです。それと地域移行を進め るということを考えたときに、地域移行の先、つまり行き先、地域で暮らすための基 盤整理が最も重要である。それを抜きに移すことばかりを注目することは問題である ということで、ここでは入所定員や病床数の法定化ということを強調するというより、 その基盤整備について力を注ぐというか、これを中心に考えないとうまくいかないだ ろうということです。 そのために例えばですけれども、法律ができれば一番いいんですけれども、基盤整 備に関する法律とか、国としてのプランといったものも受けて、そこに財政的に特化 できるというか、こういった何らかの仕組みが重要ではないかということです。なお、 法定化については、この考え方が障害者総合福祉法の中でのことなのか、あるいはそ れ以外に法律をつくることなのかとか、当然それ以外に政省令によって一定の地域移 行ということも当然あり得るということ。こういったことが十分に整理されないで議 論を進めたという経緯がありました。 具体的な期限や数値目標、プログラム、こういったところも地域での整備計画を中 心に考えていかなければならないのではないかということ。この地域移行の際のプロ グラムといった場合には、当然個人ごとのプログラムです。これに対して施設や病院 の職員だけではなく外部、地域の支援者と関わりながら進めていくことが重要である ということ。それと地域移行を進めるためのピアサポート、自立体験プログラム、こ ういったものが当然重要であり、またそういったことに関して経済的に困難な人には 費用を助成する仕組みも必要であろう。公的保証人制度については、自治体が積極的 に保証人となるべきである。そして、地域移行における入所施設や病院の役割、こう いったことについては、ここでは単純に施設や病院と地域というのを対立軸という形 だけで考えるのではなく、それと特に濃密な医療ニーズが継続的にある人たちについ ては更に十分な議論が必要であろうということ。現在、セーフティネットとして一応 期待される入所施設あるいは病院、こういったものについては専門的な支援体制・機 能が提供できる形が当然求められるであろうということです。 先ほども申し上げたとおり、大規模な地域移行、こういったものを特別なプロジェ クトをもって進めるということは、国が何らかのプロジェクト、いわゆる何か年戦略 と書きましたけれども、こういった形でもって財政的に十分な条件を確保して主導的 に取り組むことが必要ではないか。それと現実にある施設待機者あるいは再入所、再 入院などにおいては、当然これも地域基盤整備の問題であり、地域支援の不足・不備 といったものをしっかり検証する必要があるということ。この施設待機者と言ってお りますけれども、こういった皆さんが例えば施設でしたら入所施設を望んでいるとい うことでなく、安心・安全を望んでいるというところを1つはポイントに考えるべき ではないかということと、調査の必要性をここで一応述べております。 最終的に一番下の方にスウェーデンと同様にというような形のテーマがあります けれども、この辺は我が国と状況が違ってそのままそれを適用するということはなか なか難しいのではないかということ。それと何よりもインセンティブは地域支援に関 わる予算を大幅に増やしていくということが実際には地域移行に結び付いた、いわゆ るインセンティブとしての効果が発揮できるのではないかと考えている次第です。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 ありがとうございました。質疑の時間が7分ほど残されたと思います。 いかがでしょうか。 イエローカードが出ていますが、奈良崎委員、なんでしょうか。 ○しろまる奈良崎委員 インセンティブがわかりません。 ○しろまる佐藤部会長 インセンティブというのはどういう意味でしょうか。答えられないで すか。 ○しろまる山本委員 山本です。インセンティブというのはやる気が出るように、市町村が地 域にどんどん障害者を出すやる気になるようにという意味だと思います。 大久保さん、いいですか。 ○しろまる大久保委員 ありがとうございます。それで結構です。やる気です。 ○しろまる奈良崎委員 ありがとうございました。 ○しろまる佐藤部会長 いかがでしょうか。 山本委員、どうぞ。 ○しろまる山本委員 同じ作業チームの山本眞理です。 私はこの中では少数意見でございまして、地域基盤整備が重要だということではな いのではないかということで、今日もあえて最後の方に添付資料を出させていただき ましたけれども、少なくとも長期にわたる隔離収容は、入所施設であれ、精神病院で あれ国策による人権侵害であるという視点からの特別プロジェクトなり法律が必要 であると考えています。 住宅についても、ここに私ども全国「精神病」者集団のメンバーである青森の桐原 が書いております論文報告があるように、むしろグループホームの存在が障害者の退 院する際の障壁になっている実態すらあります。そういう意味で、単純に地域基盤と してグループホームやケアホームをつくりましょうということには私ども精神障害 者は到底容認できません。 ということで、鶏が先か卵が先かという議論ではなくて、隔離収容は人権問題だと いう原点が最も重要な認識であると思います。 ○しろまる佐藤部会長 広田委員、お願いします。 ○しろまる広田委員 私も山本眞理さんと同じ意見のところがあります。地域基盤にお金をか けるということが本当に精神障害者のためになったのかといえば、例えば相談支援と いうのが話し相手がいれば、ピアサポートがあれば何とかなるのに専門家に言うとや たらややこしくしたりして、国及び地方自治体の委員会に出ていますと、本当にコン シューマーのための施策ではなくて専門家のハローワークだとずっと感じておりま す。これがまず1点。 ただ、グループホームを必要としている人も実際にいますけれども。それと支援者 というのが先ほども1番の発表者から出ましたし、2番目も出ましたけれども、従事 者と置き換えていただかないと、支援者ではないんです。隣の人はお金を払わない支 援者です。お金をもらい仕事をしている人は従事者ですから、国民がわかるような発 言にしていただきたいということと、私は定時制高校時代に重度の脳性麻痺のタケシ 君という子を産んだお母さんが死にたくなって定時制高校を通いながらお泊りボラ をしていました。そういう体験からすると、もっと小さいころ、隣に身障児のトシコ ちゃんがいました。私が今日着たのは今年の日本のラッキーカラー、グリーンです。 1,050円です。ズボンも1,050円です。靴下は何と339円です。そういうものを買い に行って今年はいい年にしたいなという夢が湧く法律であってほしい。やたらお金を かけて専門家の仕事ばかり増えてここで難しい話をここでして、ふたを開けてみれば 自立支援法が我々を抜きに我々のことを決めないでと言いながら、この総合福祉部会 もまさに専門家が座長、副座長を占めているんです。どこに当事者の声があるのかと 思っています。 ですから、きちんと本当にコンシューマーがこの国の1人の国民らしく、大震災の 復興法ができた国も自治体もお金のない時代を受けて、障害者はただサービスを受け る受け身の生き方ではなくて、自ら笑うことや何かすることがプライドですから、そ ういうふうな視点に是非立っていただかないと、これはまた自立支援法と同じように いずれ廃案になってしまう。そういう意味で、自立支援法を廃止しながら、そこのお いしいところどりばかりしようとしているせこいやり方がすごく見えますから、国民 から見ると全く何をやっているのかわからないという状態です。きちんと格調高く、 私もここに来れば1万7,000円ぐらいもらっていますから、責任を持ってやっていた だきたいと。精神障害者にこの国のだれもがなったときに安心して暮らせる国であっ てほしい。すべての障害、難病も含めてです。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 ちょうど時間となりましたのでここで。 近藤委員、お願いします。 ○しろまる近藤委員 全国社会就労センター協議会の近藤です。 結論にも書かれておりますけれども、地域移行が単に住まいを施設、病院から地域 へ移すことではなく、一般の市民の方とともに生活するのだということが書かれてい るわけであります。私ども組織としては、まず住まいについてはグループホームやケ アホーム、福祉ホームは第2次的なものであり、やはり一般市民の方と一緒に暮らす ということを中心に置いているわけです。地域移行作業チームの住まいの位置づけが どこに置かれた議論になったかということをお聞きしたいと思っております。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 大久保委員、お願いします。 ○しろまる大久保委員 住まいというのは、特にグループホーム、ケアホームだけでなく、当 然、お一人でお住まいになる場合もある、アパートなどもあるでしょうし、御自宅も あるかもしれません。広くそういうふうな形で住まいというのをとらえております。 ○しろまる佐藤部会長 そうしましたら、あと1つのチームの報告と質疑で休憩に入りたいと 思います。地域生活の資源整備チームの森座長、お願いいたします。 ○しろまる森委員 森でございます。私たちは地域生活の資源整備作業部会で扱ったものでご ざいまして、資料3−1と3−2で述べます。特に3−1の概要につきまして御説明 したいと思います。 我々の前提といたしましては、第1回の部会作業チームで、特に訪問チーム、地域 生活支援事業の見直しと自治体の役割ということを前提の上で本件を3回に分けま してまとめたものです。 第1回目はこの概要に出ておりますとおり、1〜4、地域生活の資源整備の中で特 に重要と思われる事項につきまして検討いたしました。 2回目につきましては、これを裏付ける財源といたしまして、国の国庫負担基準に ついてを中心にしながら、これに関連するような地域生活の支援としての自立支援協 議会の仕組みあるいは地域支援センターの在り方等も含めまして検討しました。 3回目は、やはりこの地域生活の資源整備に大変関係があると思われます、いわゆ る権利擁護等の問題につきましても触れてまとめたものでございます。 1番目に戻りましてお話しいたしますと、市町村の圏域単位での「満たされないニ ーズ」の把握の社会資源創出はどうしたらいいのだというような形で、ここに書かれ ましたとおり、社会資源の創出やニーズの把握のために、地域自立支援協議会の活性 化の機能が重要であるということをまとめてあります。 2番目は特に24時間介護でございます。地域生活の権利条約によると24時間介護 であろうという形でございます。これは24時間の問題につきましては、国庫負担と の関係も出てくるだろうということと、市町村等の限界というのもいろいろ出てくる のではないか。とにかくどんな重い障害がある人でもどこに住んでいても地域社会で 暮らす権利が満たされるために必要な支援量は提供されるべきであり、そのための財 源の確保が重要であると位置づけております。 3番目はコミュニケーションあるいは移動支援についてのシームレスな支援とい うことでございます。移動支援につきましてはいろいろな形があります。通勤、通学 などのシームレスの移動支援がどうあるべきかということも検討してあります。 また、失語者や記憶障害など重い言語障害の人のコミュニケーションの在り方。特 に盲聾者のコミュニケーションの在り方、あるいは移動の介護との連携、そういうよ うな問題も含めて、特にパーソナルアシスタント制度を要望したいと思っております。 4番目は地域センターの事業の内容についてです。これについては小規模作業所と の関係でなるべく地域活動支援センターに持っていくように努力をすべきである。そ のためには国が決めるということよりも自治体に裁量権を持たせるべきではないか ということをうたってあります。 5番目は国庫負担金のことでございますが、施設あるいは病院から地域移行する人 たちに、あるいは親元から独立する場合の仕組みをどうしたらいいのかというような 話で、1つの案といたしましては、いわゆる出身自治体が一定年度の財政負担をした 上で居住自治体が支給決定することも検討する方法もあるのではないか。 あるいは地域生活及び障害者について現行の国庫負担基準以上のものについては、 とても市町村あるいは都道府県だけではやっていけないという意識で、都道府県の基 金みたいなのをつくったらどうかと。基本的には国の財政でやっていただきたいと考 えています。 国庫負担の評価、問題点については、ここに書いてあります財源の1つを入所施設 あるいは入院施設に投入している財政を今度は在宅の方に切り替えることも検討す べきではないか、そういう点に来ているのではないかということです。 自治体生活、自治体が地域生活移行や地域支援を促進することの具体的な方策につ きまして7番で書いてあります。 8番では、地域生活の権利を確保するため、ある程度地域格差を持たせないために は、ナショナルミニマム的な在り方についても考える必要がある。 9番は先ほど自立支援協議会における当事者の参画というのは重要な問題である ということで、今回は自立支援協議会というのを大変重く受け止めてあります。 10番、11番、12番、13番につきましては、それぞれ権利擁護機関での形を考え、 特に相談支援のところでは、エンパワーメント事業との関係についても何段階かに分 けて支え合うような相談事業も必要ではないかということと同時に、権利擁護を進め るためには、やはり何と言っても鳥取県だとか島根県のあいサポート運動というのが あるわけでございますが、地域社会での普及活動としてこういう例を使ったらどうか ということもうたってあります。 11番は苦情解決に対しては第三者評価の問題でありますと同時に、12番にはモニ タリング機関、不服審査・苦情・権利擁護の必要性等をうたってあります。 13番は障害者差別禁止法や虐待防止法でカバーすべき部分と自治体が賄う役割と いう形で書いてありまして、入院または自身の意向を伝えにくい障害者に関しては、 第三者本人の意向をくみ取る支援の仕組みや相談支援機関の訪問など、オブザーバー パーソンの制度の創出も必要である。また、差別禁止法の意識啓発や自治体レベルの 条例制定なども重要であろうということでまとめてありますので、よろしくお願いい たします。 ○しろまる佐藤部会長 ありがとうございました。あと8分くらいありますので御意見をいた だければと思います。 水津委員、お願いします。 ○しろまる水津委員 今、説明いただきました2番目のところでございますけれども、24時間 介護サービス等長時間介護が必要な人となっていますが、私どもの重症心身障害児・ 者というのは医療が非常に重要でございます。 どんなに重い障害がある人でも、またどこに住んでいても、そのために必要な支援 料は提供されるべきであるとなっていますけれども、24時間介護体制と同時に、医療 が非常に重要だということで、24時間の介護サービスと医療を提供するということに なると、そのための財源確保というのは莫大なものになるのではないかと思います。 したがって、その辺を検討されたのかどうか伺いたいと思います。 ○しろまる森委員 森でございます。 大変この問題も重たい問題だと思うわけです。1つは、重症心身障害児等について、 それを必要ではなくなるのか、あるのかということだと思います。基本的には森個人 としましては、やはり地域生活という中に施設というのも開放的な形に直せばいいの だろうと思っております。 一応、在宅ということになれば、介護の保障、医療のケアの問題、こういうものも 中心になろうと思っております。したがって、医療ケアのことを否定しているわけで は全然ございません。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 中西委員、どうぞ。 ○しろまる中西委員 同じ問題です。24時間介護についての財源確保の問題は、現行の国庫負 担率以上は国負担を増やそうとする。また、市町村負担を大幅に引き下げる方法を考 えるべきである。結局、支給決定機関が市町村であるために、市町村が負担を負うこ とを嫌がって支給決定されない。よって自立するためのガイドサービスが十分提供さ れないという論理になっているので、言わば自立生活する長時間の人に対しては市町 村負担を減らしてやるという対応を取る必要があると思いますが、この辺りについて は具体的に検討されたのかお話しいただきたいと思います。 ○しろまる森委員 森でございますけれども、報告書の概要には余り付いていないんですけれ ども、資料2−2の方には、財政問題についても負担の在り方について1つの提案を してあります。これを見ていただければと思います。これですべて終わるとは思って おりませんが、我々としては1つの提案という形で出しているつもりです。 以上です。 ○しろまる中西委員 ありがとうございました。 ○しろまる佐藤部会長 よろしいでしょうか。御質問、御意見、とりあえずはよろしいでしょ うか。 ○しろまる中西委員 暑いので何か方法はないですか。氷とかリクエストしたんですけれども、 扇風機とかそういう用意はありますか。 ○しろまる佐藤部会長 何か冷房が足りないということで、事務局の方で対応していただけれ ばと思います。 ○しろまる氏田委員 こちらの作業チームにも自閉症の人で強度の高度障害を起こされてい る方の地域での生活支援ということでの御検討をお願いしたんですけれども、どのよ うな形で議論をしていただけたのかお知らせいただけたらありがたいです。 ○しろまる佐藤部会長 強度行動障害の人たちの地域サポートの在り方についての御議論ど うでしょうかと。 ○しろまる森委員 竹端さん、何かあったら。 ○しろまる竹端委員 竹端です。まずおわび申し上げるのは、特定の方の支援の在り方につい て十分検討する時間がとれなかったということをまず謝罪します。その上で、パーソ ナルアシスタントというものについては、強度行動障害も含めた、つまりシームレス な介助や支援が必要な人というものについて考えております。よその国でもそういう 方についての支援にも入っておりますので、その中で議論できたのではないかと思っ ています。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 堂本さん、お願いします。 ○しろまる堂本座長 私どものところで制度的には精神障害という中に大きくくくられるん ですけれども、今回は特に発達障害、高度機能障害、両方書き込んでございます。そ れを特化することが大事だろうという議論です。 ○しろまる佐藤部会長 医療のチームの報告もご覧いただければと思います。 それでは、質疑の10分の時間が大体来ましたので、これから15分間休憩をして、 講堂のあの時計が少し遅れていると思いますので、今1時55分ですので、2時10分 に再開したいと思います。 (休 憩) ○しろまる佐藤部会長 それでは、再開いたします。続いて、利用者負担チームの田中伸明座 長から報告をお願いいたします。 ○しろまる田中伸委員 利用者負担チームの座長を担当しました田中伸明です。報告をさせて いただきます。 利用者負担チームの方ですけれども、資料4−1と4−2でまとまっておりますが、 私の口頭からすべて説明をしたいと思います。 まず、利用者負担チームでは、障害に伴って発生する費用というものは、無料とす るという原則論で一致をいたしました。この原則に至った理由は2つあります。1つ は理論面で、1つは実態面です。 理論的な面としましては、保護の客体から権利の主体へという大きいテーマの中で、 権利の主体というのは障害者も1人の個人として基本的人権の主体であるというも のを前面に出すべきだという点であります。 実態面は、障害者の置かれている収入状況が非常に苦しい。ある調査によりまして も、市町村民税非課税世帯が9割近いという調査も出ているところであります。こう いう状況の中で障害に伴って発生する費用について負担を求めるということについ ては、やはりするべきではないということで意見の一致をみたところです。 次に、応益負担と負担軽減策についての評価を行いました。この点につきましては、 応益負担というものは障害を自己責任とする考え方に基づくものでありまして容認 できないというところで一致をしております。 平成19年以降、3か年にわたりまして特別対策、緊急措置、その見直しと3回に わたって是正が行われている実態から見ても、応益負担制度が十分な実態調査を伴わ ずに行われたことを示すものだという報告を挙げております。 やはり実態調査のやり方はさまざまあるかと思いますけれども、同居世帯家族の収 入認定あるいは資産というものも含めた形で実態把握を行った点が問題であろうと いうことで意見が集約されております。 次に、高熱水費や食費についての負担の在り方について検討を行いました。この点 につきましては、食材費や高熱水費というものは、障害のあるなしにかかわらずだれ もが負担する費用であるということで、障害者であってもこれは負担すべきであろう ということで意見の一致をみております。 ただ、食材費を超えた部分、調理をする部分につきましては、障害特性によっては 再調理をする必要があったり、あるいはミキサー等で細かく砕いて食べなければなら ない場合もあります。こういう再調理に係る費用というものは障害に伴って発生する 費用ということで無料とすべきではないかということで報告をまとめてあります。 その他の実費の部分ですけれども、これは事業所によってもさまざまなようです。 例えば送迎利用料であるとかインスタントラーメンのお湯代も取る事業所もあるそ うです。またキャンセル料につきましても、給食費や送迎利用料をキャンセル料とい うことで取る場合もあるようですので、この辺りは事業所ごとでまちまちになるとい うよりは、どこまでの実費負担を持って見るのが適正かということで、1つの制度な り指針なりをつくっておいた方がよいのではないかという意見が出ております。 最後に、今後の応益負担の在り方ということですけれども、利用者負担チームでは、 障害に伴って発生する費用は無料とするということで一致をみておりますので、何が 障害に伴って発生する費用に該当するかということで、6つの項目を具体例として挙 げております。具体的に申し上げますと、相談支援事業、コミュニケーション事業、 日常生活に必要となる支援、社会生活に必要となる支援、労働、医療。明記はされて おりませんけれども、恐らく教育分野等も入ってくるかと思います。 この辺りは合同作業チームでも議論を精力的にされているかと思いますので、その 作業チームの報告とも十分すり合わせながら、今後検討していきたいということでチ ーム報告とさせていただきます。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 ぴったり5分でありがとうございました。 御意見、いかがでしょうか。 野原委員、どうぞ。 ○しろまる野原委員 日本難病・疾病団体協議会の野原です。 基本的な考え方として、障害に伴う支援は無料であるということについては大いに 私たちも賛成です。お聞きしたいことの1つは、難病について見るとどうしても負担 ということになると、医療費の負担というのが非常に大きいんです。 なかなか実態が明らかになっていない、調査はこれからだという状況があるんです けれども、最近、国立保健医療科学院とJPA、私どもの団体が、不十分ですけれども、 調査をやりました。その結果、こういう状況が出ています。症状で困っているのは、 痛み、手足、体感、目、頭などを47.7%の難病患者が悩んでいる。倦怠感23.4%、 手足に力が入らないというのが25.5%、症状の変化というのは毎日あるというのは4 8%。日によって変化が大きいというのは32.3%等々。そういう中で、患者本人の収 入がゼロというのが49.3%という状況なんです。 こういう人たちが、今、厚労省で難治性特定疾患ということで研究対象に上がって いるのは344疾患あります。そのうちの56疾患だけが医療費の公費助成の対象にな っている。それ以外の疾患というのはまるで医療の面でも生活支援の面でも公的支援 の対象になっていない。こういう深刻な状況があるわけです。 特に公的な支援の対象になってない288疾患、この人たちの医療費の負担は、多い 人だと月8万100円という高額療養費の限度額ぎりぎりまで払っている、あるいはそ れにプラスαを払わざるを得ないという人たちがいます。こういう人たちの問題につ いては、今度の総合福祉部会でも非常に大事な問題の1つだろうと思うんですが、こ れがこのチームの中でどんな検討をされたのか、検討されていたらお聞かせいただき たいと思います。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 田中座長、いかがでしょうか。 ○しろまる田中伸委員 難病の方々の負担について別に1つの論点として議論したというこ とはありません。ただ、これは医療分野とも関わると思いますので、財源の手当てを どうするのかということと、総合福祉法の支援としてどこまで行うのかという、総合 福祉法の守備範囲の面と財源の手当ての面と両面があろうかと思います。利用者負担 チームの部分と医療作業合同チームの方の意見と結び合わせて検討していくことに なるかと思います。 今、お答えできるのはここまでです。大変申し訳ありません。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 田中座長、無料とするべき3つの類型の6番目に医療・リハビリテー ションの支援というのがありますけれども、この中の通院の交通費などは医療・リハ ビリテーションの中に含まれると考えるんでしょうか。今、野原さんの中にもありま したけれども。 ○しろまる田中伸委員 この辺りの範囲をどこまでとするかについては、明確な意見は作業チ ームとして持っておりません。これは今後の検討ということでお願いしたいと思いま す。 ○しろまる佐藤部会長 ありがとうございました。 利用者負担に関してそのほかの質問、御意見、いかがでしょうか。 野原さん、どうぞ。 ○しろまる野原委員 田中さんのお話、わかりました。是非今の問題は、この全体会議の中で も論議を深めていただくようにお願いしたいということを提起しておきたいと思い ます。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 斎藤委員、よろしく。 ○しろまる斎藤委員 斎藤です。 お聞きしたいのは、基本的に無料という制度ということなんですけれども、高齢者 の場合に今の1割負担でまたこの負担も上げようという動きがどんどん強まってい るわけですが、障害を持っていても当然高齢になる人がたくさん出てきているわけで、 そういうことで高齢者の負担のありようと障害者の負担のありようとの連関といい ますか、そこら辺とのとらえ方はどんなように検討されたのでしょうか。 ○しろまる田中伸委員 障害者が高齢になった場合に、どういう福祉支援を受けるかというこ とになるかと思います。いろいろと議論があるところかと思いますけれども、作業チ ームとして具体的に検討してはおりません。ただ、障害者が高齢になっても障害特性 に応じた福祉を受ける地位というのは変わりがないわけですので、これは私の個人的 な意見かもしれませんけれども、やはり障害者が高齢になった場合であっても、障害 者福祉という範囲で対応していくべきではないかなと考えております。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 斎藤委員は高齢者の場合の利用者負担との整合性とか、関連とか、そ ういうことをどう議論したのかということでしょうか。 ○しろまる斎藤委員 そうです。今、高齢障害者については基本的に障害者として対応したら いいとおっしゃったと思うんですけれども、だとすると、高齢者の中の要介護度の高 い人というのは、ある意味みんな障害者なんです。だから、65歳以前に障害手帳を取 ったならば、高齢になっても障害者としての対応になるけれども、そうでない人は障 害者になっても障害者としての対応を受けられないというような区別ができてしま っていると思うので、そこでまさに負担の問題がこういう形で出てくると、大きな違 いがはっきりしてくると思うので、できるだけ障害者になってタダのサービスを使い たいという人がどんどん出てくると思うんです。そこら辺のいろいろな問題性みたい なところは余り感じて見えないんでしょうか。 ○しろまる佐藤部会長 小野委員、今の話でしょうか。どうぞ。 ○しろまる小野委員 小野です。 利用者負担チームで高齢者の問題も議論には上がりましたけれども、今回の総合福 祉部会として介護保険制度の現行の在り方をどう評価するかという議論はテーマに は上がっていません。ですから、例えば1割負担を2割負担にするという議論や要介 護1、2を介護保険から外すとかという議論も出てきています。そういうのも話題に は出ました。そういった中でどう考えるかというスタンスとしては、基本的には総合 福祉部会の利用者負担の考え方は介護保険との統合を前提としない。介護保険優先原 則を撤廃していく方向で検討していくという前提で議論をしましたので、斎藤さんが おっしゃられる介護保険との整合性というのは確かに厚労省のコメントの中にも整 合性という点で残されていますけれども、もう少し突っ込んだ個人的な意見として言 えば、介護保険制度をどう見直していくのかというのも延長線上では出てくると思い ます。 ○しろまる佐藤部会長 議論の時間が来ましたので、この辺で。 続きまして、報酬や人材確保等チームの藤岡座長から報告をお願いいたします。 ○しろまる藤岡委員 ペーパーが概要1枚と報告書が10枚という構成になっております。報 告書の方は、1ページ、2ページ目が事務局から出された論点に沿って結論等を述べ ておりまして、2〜10ページ目までが我々チームとしての提言書という構成になって おります。 我々が報酬・人材について検討する視点としては、報告書の1ページの2番目辺り に書いてありますが、報酬と人材はこの国の障害者の尊厳の水準と直結しているとい う問題意識から論じました。すなわち報酬や人材という言葉を見ますと、従事者、そ ういう事業者の話かと思いますけれども、それは本来障害を持った人に対する個別給 付等の権利保障費用を一方の面から表現したのが報酬でございますから、報酬の水準 というのは人権水準にほかならないという視点から考えました。 そのため、概要で言いますと1番として、今回の改革で一番実現しなければいけな い具体的な提言として、国家公務員の福祉職俸給表というものがありますので、これ と同じだけの水準を福祉従事者に保証するということを新法で明記するということ を提言いたします。 OECD、経済開発機構30か国のうち、2007年統計で障害福祉の予算水準というもの が下から3番目という劣悪な状況に置かれているということは皆さん御存じのとお りで、せめてこれを平均レベルに持っていくということが是が非でも必要だろうとい うことです。 ただ、それを新法の施行の瞬間からやるというのはなかなか難しいことは当然です から、それは段階的・計画的に10か年計画等を立てながら、毎年その水準、待遇と いうものをちゃんと検証していって計画的に上げていくということであれば、決して 実現不可能なものではないだろうということで、是非総合福祉部会の一致した提言と してこれは挙げたいと思います。 厚労省のコメントの方を見ますと、民間事業者の水準を国で規制はできないだろう という当然の指摘はあるわけですけれども、本来、障害福祉の権利水準の保障という のは、最終責任は国にあるわけですから、民間事業所に実際上、委託しているわけで すから、本来的な責任を持っているのが国である以上、それができないという理屈は ないはずで、どうしてもできないというのであれば、それこそみなし公務員みたいに 民間事業所に託しているといっても、それは最終的に責任を持つというぐらい、とに かく公務員の福祉職が大体615万ということですから、報告書3ページを見ますと、 福祉職は大体300万を割っているわけですから、やはり倍増以上の水準にするという のが当然のことであろうということになります。 概要2番で言いますと、複雑な加算制度を基本方針に組み入れて、複雑な加算請求 なしで事業が維持できる水準にするべきだということです。これも厚労コメントを見 ますと、いろんな加算がないとインセンティブが働かないではないかというコメント がありますけれども、別に加算を全部廃止しろというわけではなくて、勿論、減らす べきだとは思いますけれども、加算はある種のオプション部分としてインセンティブ を働かせればいいと思います。 済みません、時間がなくなってきました。3番目、月払い・日払いという大きな論 点について、このチームとして今までの双方の議論のメリット・デメリットを考えて、 それが最終的に解消できるような提言というものをいたしましたので、是非議論に終 止符を打って、今後この問題については総合福祉部会、一致してこの提言で向かいた いということで御理解いただければと思います。 ざっくりと言えば、在宅は今までどおりですけれども、入所・通所について利用者 個別給付報酬と事業運営報酬。後者は固定費的なもの、人件費的なものに分けて、前 者、利用者個別給付は日払い。後者については定額ということで、細かい仕組みにつ いては報告書の方で説明しております。 あと4番の人材確保策はお読みいただければと思います。 5番は相談支援専門員の創設というものを提言しておりますが、ただ、その前提条 件として、受験のバリアフリーを徹底し、また当事者ピアカウンセラーの資格取得の ルートを確保する、あるいは現場研修を徹底する等、幾つかここに書かれた前提条件 を満たした上で、この資格が真に当事者の立場に立った支援をやっているかというこ とを5年程度ちゃんと検証した上でそれが役に立つということが確認された上で法 定資格化していくということを提言しております。これは現在の地域支援をしっかり やっていくために是非必要だということで我々の提言でございます。 あと事務量増大については、省略します。 7番、10か年計画というのは、我々の報告書の中で言いますと、例えば6ページ、 地域生活移行センターというものをつくって、それを1つの地域生活移行支援事業と いうようなものにしていって、相談支援等の仕組みも充実した地域移行に対する仕組 みをつくっていく。それを10か年計画としてやっていくべきだという提言を詳しく しております。 最後に短期的課題として、常勤換算を廃止する。たまにしか顔を出さない人もたく さんかき集めれば常勤職員となるというようなことが福祉の低下に結び付いたとい うことがありますので、これの廃止。 併給を認めるシステムへということで、入所や在宅などでも併給が禁止されている 現行のシステム、併給禁止を廃止する。 また、知的、精神の方への人的、パーソナルな支援をしっかりと充実する。体験的 自立生活体験室等をしっかりつくっていくということを緊急提言として挙げていま す。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 6〜7分の討議時間が残されました。いかがでしょうか。 三浦委員、近藤委員、山本委員の順番でお願いします。 ○しろまる三浦委員 身障協の三浦です。2点お尋ねをさせてください。 概要版の方には記載されていなくてチーム提言書の3ページの部分です。総論の二 の部分で、「改革の基本的方向性=自己決定権を奪われた施設生活から」という表現 に関しまして、これは自己決定権を奪われて施設生活を強制されているという意味か、 もしくは施設生活イコール自己決定権がないと断定なさっているのかをお尋ねした いと思います。 もう一点は、同じページの「第二 現状の評価」の三の部分で、「障害福祉に人材 がいなくなった原因」についてです。人材がいなくなったということに関して、非常 に勤務条件は悪いんですけれども、頑張っている人材は全国にたくさんいると思って おりますので、これは何を根拠にされているのか、イメージであるのか、危機をお伝 えいただいているのかというところをお尋ねしたいと思います。よろしくお願いしま す。 ○しろまる佐藤部会長 質問はまとめてと思いますので、近藤委員、お願いします。 ○しろまる近藤委員 全国社会就労センター協議会の近藤です。 先ほど説明がありました新報酬体系についてであります。これは質問というよりも 意見と受け止めていただければ結構ですけれども、施設報酬については、利用者の個 別支援に関する費用と人件費を始めとする事業運営のための費用に大きく分けて、前 者が日払い、後者が月払いと解釈しております。私どもの組織としては、就労支援と しての良質なサービス提供のためには、継続的な支援がどうしても必要ということか ら、原則月払いを主張してまいりました。 したがいまして、この提案に対しましては、組織で十分協議させていただきたいと 思っております。今回の大震災によりまして、報酬の概算払いをいち早く厚生労働省 で実施していただきまして、心から感謝申し上げているところでありますけれども、 それでもなおかつ現地からは報酬の日払いによって経営が大変不安であるという声 が圧倒的に多く、今でも聞こえてまいります。まさにくしくも報酬の日払いがいかに 不安定な制度であるかを物語ったわけであります。 今回の提案は、良質な福祉サービスを確保するために、少なくとも人材に係る費用 については安定的な月払いを基本としているということで受け止めてまいりたいと 思います。是非とも報酬の水準アップとともに安定的な月払いの実現に努力していた だきますようお願いいたしたいと思います。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 山本委員、お願いします。 ○しろまる山本委員 山本眞理です。 概要の八の「2 併給を認めるシステム」というのは、地域移行にとって非常に重 要なところだと私も賛同いたします。 日払い、月払いという話がありますが、ヘルパーさんは時間払いなんです。これが 非常に人材確保の壁となっていますが、福祉労働者手帳というのはもしかしてかつて の日雇い労働者手帳のようなイメージなんでしょうか。つまり、職にあぶれたら印紙 が何枚あればちゃんと手当が出るというような。 ○しろまる佐藤部会長 時間がだんだんなくなってきたんですけれども、小野委員。 ○しろまる小野委員 すみません。今の山本さんがおっしゃられた点を言わせていただこうと 思っていたんですけれども、現行は居宅については時間払いです。介護保険や自立支 援法の現場でもそうですが、利用者さんから利用者さんの間を移動する時間は拘束時 間とされずにカウントされない。そういう実態もあります。ですから、今後、パーソ ナル・アシスタンスを導入していくということを考えたときには、在宅関係について も事業基盤を支えるような報酬体系の在り方というのは念頭に置かないといけない と思います。意見です。 ○しろまる佐藤部会長 時間がもうなくなってきたので藤岡委員にまとめて答えていただい て、あとは文書で意見、質問を出していただければと思います。 藤岡委員、お願いします。 ○しろまる藤岡委員 説明が必要な点についてだけですけれども、自己決定権を奪われた施設 生活という表現ですが、この後の文章をお読みいただければわかると思うんですが、 現状の中で、ではアパート生活なりグループホームなり、入所施設も含めてさまざま な選択肢があり、それを主体的に本人が自分の本当の意味での自己決定に基づいて送 っているのかという前提に対しての疑問があるという現状評価の表現であるという ことでお答えさせていただきます。 人材がいなくなったといって、勿論、優秀な人材で頑張ってらっしゃる方がいらっ しゃることは当然の前提ですけれども、ただ、やはり全体に見た場合に福祉の現場が 疲弊しているという声は多く聞きますし、私自身も幾つかの現場とかグループホーム とか見ていますけれども、長続きしないで若い職員さん等が次々辞めていくというこ とで、中堅のリーダーさんが本当に孤軍奮闘して頑張っているというような、現場は 相当悲鳴を上げているという現状認識がありますので、優秀な人材をもっとちゃんと 確保しなければいけないという問題意識の前提の下に書いた表現でございます。 あと、福祉労働者手帳、平野先生の方で説明していただけないですか。 ○しろまる平野委員 それでは、私の方から労働者手帳、言葉が適切な訳語ではなくて、とり あえずこういう訳にしているんですけれども、これは実はスウェーデンで女性の就労 保障をするために導入された制度でして、単純に言えば女性が産休とか育児休業に入 るときに、一旦辞めたときの職を離れたときのポストとか職務が戻ったときにも保障 されるという制度なんです。ですから、離職とか退職としても賃金が下がったりとか、 給料が下がるわけではない。福祉で言えば職場が変わったとしても、前のときに得た ポストとか、前のときに得た賃金水準は維持されるということによって、休暇を取っ たりとか職場が変わっても前よりも水準が下がらないようにするというシステムで す。 ○しろまる佐藤部会長 まだ手が挙がっていたんですけれども、時間の関係で申し訳ありませ ん。続いて、これからは合同作業チームの報告と質疑です。まず就労チームの松井座 長から報告をお願いいたします。 ○しろまる松井座長 ありがとうございます。資料6−1と6−2です。基本的に6−1を中 心に話をさせていただきます。 就労合同チームでは6回にわたって検討したわけですけれども、主には障害者基本 法に関連すること、総合福祉法に関連すること、障害者雇用促進法に関連すること、 その他という形で整理しました。 最初の基本法に関することについて、主なポイントについては全体の報告書の4ペ ージ目に書いてございますけれども、6点挙げていますが、メインは労働の権利の保 障と苦情に対する救済制度の整備、労働施策と福祉施策が一体的に展開できる障害者 就労制度の整備と労働法の適用の確保。3点目で多様な就業の場の創出及び必要な仕 事の確保。その他6点ございますけれども、その中で総合福祉法の中で対応すべきこ とということで、これは概要の2のところにございますけれども、基本的には就労を 中心とした就労系事業と作業活動や社会参加活動を中心とした作業活動系事業とい うものに再編成するということです。 就労系事業は基本的には労働法を適用して最低賃金以上の賃金を確保できるよう な賃金補填制度等がここで盛り込まれているわけですけれども、そういう意味では労 働者性を確保するという目標から言えば、障害者雇用促進法ないしはそれに代わる労 働法に規定することが望ましいと思いますが、当面は総合福祉法に含めるということ で、一定期限後には見直しをするということにしております。後者、つまり作業活動 系事業については、福祉サービスとして総合福祉法に含めるということです。 2点目、就労系事業については、当然適切な仕事を安定的に確保するということが 必要ですので、官公需や民需の優先発注の仕組みであるとか、雇用率制度とリンクし た形でみなし雇用等を考える。また、効率的に仕事に対応するためには、共同受注窓 口等の全国的な整備も必要だろうと。 先ほど既に費用負担のところで出ておりましたけれども、就労系事業に関しては働 く障害者について利用料は撤廃する。同様に作業活動系事業についてもそのように考 えるということです。 3点目で、雇用促進法で対応すべきこととして、最初に障害者権利条約第27条労 働及び雇用で求められる労働への権利、障害を持つがゆえの差別の禁止、職場におけ る合理的配慮の提供の確保に係る規定を設ける。 また、雇用率制度に基づく雇用義務の対象、現在、身体、知的ということに主とし てなっておりますけれども、精神障害者を含むあらゆる種類の障害者に広げるととも に、就業上必要な支援を明らかにする総合的なアセスメントの仕組みを整備する。 そして、雇用率制度の対象の拡大に関連して、雇用率は現在1.8ですけれども、そ の引上げ及び納付金制度の見直しということです。 さらに、先ほど既に触れましたけれども、就労系事業への民間企業からの発注を確 保するために、発注額に応じた雇用率を算定できる制度であるとか、今、自立支援法 に基づいて施設外就労であるとか、あるいは納付金制度に基づくグループ就労制度が ございますけれども、それを更に発展させるという意味で、受け入れ企業の雇用率に 算定するということも検討する必要があるだろう。 4点目で、今後の検討課題としては、就労系事業、具体的には3つのパターンと言 いますか、既に箕面市等で取り組まれている社会的雇用であるとか、滋賀県等で取り 組まれている社会的事業所、セルプ協、日本障害者協議会等が提案している社会() 支援雇用という3つの考え方がございますけれども、さらにその他も含めて、パイロ ットスタディあるいは試行事業というものを実施して、それの結果について検証し、 それを踏まえた制度づくりが必要であろうと。 就労系事業では、賃金補填を想定しているわけですけれども、それに関連して所得 保障制度、特に障害基礎年金などとの調整の在り方等についても検討する必要がある。 5点目で、現在、障害者に特定した統計はいろいろございますけれども、障害を持 たない国民との比較ができるような実態調査が行われていないので、国の基幹統計調 査、例えば全国消費実態調査であるとか、国民生活基礎調査などに障害の有無を尋ね る設問を入れた全国調査を少なくとも1回実施する。そういうことによって、障害を 持った人たちと障害を持たない人たちがどのように生活あるいは就労等で差がある のかということが明らかになると思います。 6点目で、障害者の一般就労に係る労働施策と福祉施策を一体的に展開できるよう にするためには、行政組織等の再編も必要だろうと思っております。 以上()検討課題について触れたわけですけれども、その実現をするためには今回 の6回の検討だけでは十分ではないので、かつメンバーもかなり限られておりますの で、そういう意味では労働団体あるいは事業主団体も含めた形で、この推進会議の下 に部会または検討チームを設置してこの検討を継続するということが必要だろうと 思います。 以上、簡単に説明させていただきました。ありがとうございました。 ○しろまる佐藤部会長 7〜8分の時間があると思いますので、御議論いただきたいと思いま す。 奈良崎委員、野原委員から手が挙がっています。その順番でお願いいたします。 ○しろまる奈良崎委員 奈良崎です。聞きたいんですが、障害者のジョブコーチ制度がありま すね。そのことが書いていないんですが、もしよかったら教えてもらえるといいです。 ○しろまる佐藤部会長 制度の説明とそれについてどう議論をしたのかということでしょう か。 続けて野原委員もお願いします。 ○しろまる野原委員 1つは雇用率の引き上げという報告がありましたけれども、実は難病で も障害者手帳を持っている人はそうではないんですけれども、持っていない人が就職 する場合に、例えば難病患者と雇用開発助成金というのが昨年からあって、少し動き 出しているんです。しかし、いわゆる法定雇用率に入らないということから、発足し てから1年ぐらいで全国で70件くらいしか動いていないという状況なども報告され ています。 こういう点で、難病患者というのは薬や医療等できちんとしていれば安定した時期 が続くという場合が結構あるんです。そうすると、かなり普通の仕事が普通にできる ということなどがあるんですが、いかんせん先ほど申し上げたみたいに症状に波が多 いんです。 そういうことから苦労するということがあるんですが、1つは先ほど言った雇用率 の改善という問題で、いわゆるそういうことを救済するということを念頭に入れた検 討がされているのかどうかなのか。変動のある場合、やはり医師の管理下で難病の場 合どうしても就労するということになるわけです。そういう問題などがどんな検討を されたのかというのをお聞きしたいし、今後是非そういう問題でもし検討していなか ったとしたならば深めていただきたいということを提起したいと思います。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 とりあえずジョブコーチの関係と難病の雇用対策ということでお願 いします。 ○しろまる松井座長 奈良崎さんから質問があったジョブコーチ等ですけれども、これは、障 害を持った人たちが対等に労働市場に参加するための合理的配慮であるとか必要な 支援ということで議論されておりますが、その必要な支援という中には、人的な支援、 つまりジョブコーチであるとか、ジョブサポーターであるとか、そういうことも含め て当然対応すべきであろうと議論をしました。 先ほどの難病の方の云々ということですけれども、私たちは基本的にあらゆる種類 の障害の中には難病の人たちも含めた形で当然雇用率を検討しなければいけないと 考えておりますが、個別に難病の人たちのためにこういうことをしなければいけない というふうな具体的な支援内容について検討()する時間は、今回はなかったので、 御指摘のことは今後引き続いて検討すべき課題の中で併せて検討させていただきた いと思います。 ありがとうございました。 ○しろまる佐藤部会長 そのほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。 そうしましたら、続いてその他医療、一般という医療の2回目の報告について座長 の堂本さんからお願いいたします。 ○しろまる堂本座長 堂本暁子です。 5分間でということで3時まで。一番基本的な視点としては、障害者であろうがな かろうがなんですけれども、とにかく地域で生活をしていく、地域における障害者の 生活を支える医療が大変重要であるということが全体の結論でございます。 私どものチームには、重度の心身障害者の障害を持った方たちのグループあるいは 難病の方、精神障害といったそれぞれ固有の問題を抱えるグループが参加していまし た。重度の障害者の場合なんですけれども、比較的今まで重度の心身障害児の場合の 医療と福祉というのが実践されてきた。これをまず後退させるようなことがあっては ならないことと、そしてそこで獲得していることがほかの難病やそれ以外の精神障害 のところなどでも実践されたら大変うれしいということがあると思います。 難病の問題なんですけれども、やはりこれが大変新しい領域で、まだ概念が規定さ れていません。そして、目下いろいろ議論が進んでいる最中ですので、そこでのいろ いろな要綱も出ていたりしますけれども、そういったものが後退しないようにという ことが非常に大きな問題です。 もう一つは、費用の問題。先ほども野原さんから御質問がございましたけれども、 医療費の問題が大きいということです。ただ、私たちのチーム全体としては、すべて の医療費を全く負担しないということはどうなのかという御意見もございまして、全 体として費用は全部国負担ということも難しいのではないかという意見と両方なの で、両論併記になっています。 精神医療の問題でございますけれども、先ほど山本さんから質問が出ましたけれど も、確かに地域でのいろいろな福祉的なサービスも大変遅れておりますけれども、そ こにいろいろな報告書の方にずっとサービス体系の在り方という形で書かせていた だいております。そのサービスは確かに必要なんですけれども、それよりも前に入院 というところから不条理な拘束とか行動制限とか、入院とかが解消される、社会的入 院が解消されることによって初めて地域での生活が担保されていくんだろう。そこに より厚く地域の医療が必要であると考えております。 結論としては、必ずしも障害者総合福祉法に係る問題だけではなくて、医療法です とか精神保健福祉法とか、いろんな法律に係る問題がいろいろあるのでそういったこ とも書いてございます。 先ほども触れましたように、発達障害、高次機能障害も新しい領域なので、これか ら特に人材、専門家を育ててほしいということを書かせていただきました。 以上でございます。 ○しろまる佐藤部会長 医療の第2期のチーム報告に対して御意見、質問などいかがでしょう か。 河?ア委員、広田委員の順番でお願いいたします。 ○しろまる河?ア建人委員 日精協の河?アでございます。今、堂本先生の方から今期のというか 第2期の医療の合同作業チームの概要の御説明をしていただきました。私は第1期の 医療合同作業チームのメンバーであったという立場で2点ほどお聞きしたいと思っ ております。 今の堂本先生の概要の御説明のところでは触れられなかったんですが、報告書の方 を見させていただきますと、10ページ目の最後なんですが、今後の検討課題というと ころに●くろまるが3つございます。3番目のところが精神障害者の方についてのところでご ざいますが、特にそこのところの最後の2行でございまして、精神医療を一般医療体 系に編入するとともに、精神障害者の身体合併症の事業が本格的に行われるよう、医 療法等の医療法制の改正が必要という記載がございます。これはたしか第1期の医療 合同作業チームの際にも、いわゆる精神科医療を一般の医療法の中へ編入するのか、 あるいは精神科医療に特化した精神保健福祉法等の、そういう法律が必要なのかとい う議論はかなり活発にさせていただきました。 第1期の報告書の内容から見ますと、一応それに関しては両論併記という形になっ ております。今回、第2期の合同作業チームの今後の検討課題というところではござ いますが、その辺り、第1期の記載と今回の第2期の医療合同作業チームの記載がど のような整合性を持って最終的な法律案の中に入っていくのかというところをお聞 きしたいと思っております。 もう一点、先ほどの報告書の中の3ページ目でございます。上から3つ目の●くろまるでご ざいます。これは精神科病床をイメージなされての今回の御提言だろうと思いますが、 病棟を住居として転用することの禁止ということがございます。これに関しましても、 第1期の合同作業チームで余り深い議論はなされなかったと記憶しております。 いわゆる精神科病床をイメージしてのことだとすれば、病床を削減する際に、現状 の中で多くの地域の中の資源が乏しい、あるいはこういうような病棟をどのように社 会資源として利用していくか。この辺りに関しましては、現在、厚生労働省の中の新 たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チームの中でも、1つの議論として今 後その是非も含めて進めていくというように理解しております。 ですので、今回、この報告書の中に「禁止」というような記載ではございますが、 その辺りについては何か御意見を堂本先生の方からいただければありがたいと思っ ております。 以上でございます。 ○しろまる佐藤部会長 広田委員、お願いします。 ○しろまる広田委員 先ほども発言したんですけれど、日本の精神科の社会的入院はやはり拉 致被害者だと思っています。それを早急に開放しなければいけないということです。 それには、1つには先ほどの地域移行のところで住宅施策がとても大事だと。私は 何度も言っていますけれども、いい家に住んでとてもすてきな気分で暮らしています。 昨日も知的障害者とうつ病のお母さんに招待されてカラオケに行ってきましたけれ ども、そういうふうな何気ない当たり前の生活ができる幸せが大事だと思うんです。 それに安心して利用できる精神科医療が必要だと思います。それには病床の削減で、 私は河?ア先生と個人的にも親しいし、日精協のアドバイザリーボードを担っています が、私は病棟転換には反対です。やはり地域に出すことが大事だと思っています。 そして、精神科特例を廃止して、きちんとしたマンパワーを付けて、ほかの医療か ら安上がりと言われている精神科の医療をきちんと値上げをする。そういうふうな4 点が必要で、これは国レベルできちんと働きかけていただきたいですけれども、救急 車で24時間365日きちんと精神科の救急医療が使える、ここには合併症の総合病院 に精神科を入れろと書いてありますが、申し訳ないんですけれど、こういう国及び地 方自治体の委員会に出てくると、社会全体を御存じない方が多いんです。何度も言っ ていますが、社会を知らないでソーシャルワーカーとは何ですかと患者が言っていま す。 救急隊の現場、警察の現場、大変なんです。自殺未遂を図った人がもし総合病院で 外科的な治療を受けて、精神科に回っていれば救われていたかもしれないのに、結果 的に御家族にお返しになった後、自殺しているんです。それはソウルのような韓国の 都市でも、25の総合病院に精神科がある。我が横浜市は数か所です。そういう実態を きちんと把握した上で施策を打たないと、ここでだれもがと言いながら、業界のため の施策になっている。国民のための精神科医療だし、国民のための医療にしなければ いけないということで、もっと現実を知らなければいけないということです。 ですから、かけるところにお金をかけて、かけないところには使わないで、きちん とみんなが等身大の生活で幸せになれる。25日にここの構想会議というところが署名 活動を100万人集めるそうです。私も見に出かけようと思っていますが、大事なのは 早期発見、早期治療ではなくて、アメリカの『ビューティフル・マインド』という映 画になったノーベル賞を取ったジョン・ナッシュは統合失調症のように見えるけれど、 奥さんが、ジェスチャー入りで、頭の病気ではなくて心の病、ハートだというシーン で終わります。この国に足りないのは愛なんです。 今、だれもが不安になっている。この国の責任者の菅直人さんも不安になっている。 精神障害者も不安になっているけれども、一人ひとりがヒューマンという愛と家族の ラブを取り戻さなければならない時代が来ていると思います。 ですから、もっとグローバル的な視点で論議したい。何でも間でもいろんなものを つくることで施策が進むわけではない。厚生労働省の検討会では、保護者制度と入院 制度をやっています。私は精神医療の被害者として命をかけて発言しているところで す。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 末光委員、お願いします。 ○しろまる末光委員 末光です。 1期の方は別の合同作業チームに加えていただいて、2期だけ加えていただいたも のであります。したがいまして、1期で精神障害について十分御議論がなされていた ものの上で加えていただいたつもりでありますけれども、2期はその他の医療一般と いうことだったんですが、ややもしますと表現力豊かな方々、精神障害の方々の御発 言がかなり多くて、本来のその他の医療についての議論が必ずしも限られた中で煮詰 められなかったのではないかと思っておりますので、一言だけ言わせていただきたい と思います。 今も何人かのお話でございましたように、表現する言葉を持っておられる上に聞く 方に対して理解しやすい形で、それもいろいろな委員会、審議会で御出席の経験のあ るベテランの方々が何人も精神障害の代表として加わっておられます。少なくとも3 人おられるのではないかと思うんですが、それに対しまして重い障害を持つ方、それ も何重にも障害を抱える方の代表は相対的に数が少ない。その上に表現する上で大き な制限を抱えておられます。 ある委員の方が私のEメールに送ってこられたのに、やはり精神障害の方々は本当 にのびのびと明るく発言しておられるのがうらやましい。自分たちはそういう点で大 変悲しい思いをしているんだというお話を送ってこられました。そういう意味で今回 の2期のまとめでも是非精神障害の方は当然でありますけれども、その他の障害の部 分についての一言一言の重みを十分御理解いただいて対応していただきたいと思っ ております。 そこで重い障害、重複障害の人々にとっては、医療を切り離した福祉では困ります。 医療と福祉を統合したものでなければいけないというのが1点目であります。 2点目は、児童期から成人期になったところで分断されたのでは困る。児童期から 成人期まで連続した支援を是非この中できちっと位置づけていただきたい。 もう一点は、先ほども費用のことが出ましたけれども、国民の共感なしには我々本 当に誇りを持って地域で暮らすことは困難だろうと思います。そういう意味で、障害 者が受ける医療費はすべて障害者医療と言うのはおかしいのではないかと。やはり一 般の健康な方々も保険料を払った上に、御自分の責任ではなく病気になった場合には 3割負担等を払っておられるわけであります。そういう意味での障害者特有、障害に 限定したものについてはわかるけれども、そうではない部分については一定の負担を、 それも負担の可能な人については負うべきではないかというような意見が何人から も出たというのを付け加えさせていただきたいと思います。 よろしくお願いします。 ○しろまる佐藤部会長 堂本座長、いかがでしょうか。 奈良崎委員、お願いします。 ○しろまる奈良崎委員 奈良崎です。 2つあるんですが、1つはホテルコストという言葉がわからないです。もう一つは、 この文を見ているとみんな精神障害とか難病なんですが、知的障害の方は、私みたい に急に救急車を呼んでいろんな病院に回されたときに、ちゃんと一個一個の説明がな いんです。その辺の説明の支援を今後考えてほしい。 例えば病院に行ったときに自分の診察券がある病院ならば普通にこういう病気だ からとわかりやすい言葉なんですが、先日、氏田さんから自閉症の方の病院のコミュ ニケーションボードがあると見せてもらって、でも現実そういうものを使っている病 院は余りまだ見かけないんですが、知的障害にもその配慮があるともっといいのかな と思いました。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 まだ手が挙がっているんですけれども、時間がもう来てしまったので、 堂本座長から御回答をお願いします。 ○しろまる堂本座長 ホテルコストですけれども、お部屋に入りまして病院の部屋の代金をホ テルコストと言っています。 重度の心身の障害のある方だけを問題にしたのではなくて、勿論、知的障害の方や 身体障害の方、いろんなあらゆる障害の方の問題はこの中で出ていることと重なって 考えていただけたらいいと思います。 一番最初に結論として申し上げたように、障害者であるからといって、そこで差別 されるのではなくて、地域における障害者の生活を支える医療、本当は地域医療とい うのがおかしいのであって、医療というのは地域医療が本来本質なんだろうと思うん です。だれもが地域で生活していて、そこに医療があるべき。今、高度医療になって 医療がそういう意味で、病院とか施設とかということが入ってきているんですけれど も、本質的には地域での医療が大事です。 奈良崎さん、それでいいですか。 ○しろまる奈良崎委員 はい。 ○しろまる堂本座長 どうもありがとう。それで河?ア先生の御質問なんですけれども、おっし ゃるとおり第1次のときには両論併記させていただいて、精神保健福祉法を存続させ るということで、こういう書きぶりがございませんでした。今度は先ほどからお話が あったように、当事者の方お二人おられて、大変ここのところを強く主張された部分 なんです。確かに1次と2次と合わせて見ると整合性がある種ないとも読めますが、 これはあくまでも2次の報告なものですから、2次の当事者の方の御意見をここに書 かせていただいたのが一番最後の今後の検討課題のところでございます。 もう一つ、今、広田さんもおっしゃったと思いますけれども、ここのところについ ても認知症の方の精神病院への病床の利用ということはできるだけ避けた方がいい という御意見が多かったということをまとめたものでございます。 あと、今、重度心身障害児のことのお声が少ないとおっしゃられて、ずっと会議を 進める中でもそういうお声が強かったんですが、私としてはできるだけ入れさせてい ただいたつもりですし、難病の方たちの御意見としても、今は余り概念がはっきりし ていないけれども、これからはきちっと審議会のようなものを設けて、そこできちっ と概念付けをして、これから議論を続けていくということも明記させていただきまし た。 以上でお答えになっていると思いますが、いかがでしょうか。 ○しろまる佐藤部会長 作業チーム報告は作業チームの皆さんで議論してつくったものなの で、ほかの人にとってみると必ずしも全面的に賛成できないという部分が含まれる可 能性がありますので、今日、今のような形での口頭での意見、今月末までに出してい ただく文書での意見でその辺の指摘をしていただいて、それを1ページくらいの補足 版ということで座長の責任で添付していただく。本文の方を今から変えるという時間 とか作業チームでもう一度集まるということはできませんので、そういう形でいろん な疑問、意見について載せて記録にとどめるという処理の仕方で、前回第1次のとき と同じような形で対応させていただければと思います。 そうしましたら、大分時間が経ちましたので、ここで3時30分。 ○しろまる大谷座長 疲れていますか。あと15分。合同作業チーム3本まとめてやっていた だきたいと思います。 ○しろまる佐藤部会長 休憩前にもう一本という意見があるんですけれども、よろしいでしょ うか。どうしますか。今、休憩。 ○しろまる大谷座長 疲れていませんか。大丈夫ですか。 ○しろまる佐藤部会長 どういう意味の拍手ですか。大谷さんのような元気な人ばかりではあ りませんので、これから10分余りなんですけれども、3時半まで休憩を取らせてい ただきます。大谷さん、申し訳ないです。 (休 憩) ○しろまる佐藤部会長 合同作業チームの3番目、障害児支援チームの大谷座長から報告をお 願いいたします。 ○しろまる大谷座長 よろしいでしょうか。先ほどは失礼いたしました。早く終わらせてしま いたいという気持ちが先走ってしまって失礼いたしました。 障害児支援、ペラの概要を基に報告させていただきたいと思います。障害児支援は 非常に広い問題にわたっておりますので、これをどういう形で基本的な姿勢をとるか ということをまず議論しました。そのときに、この6か月の議論の中だったんですけ れども、障害者基本法の改正があり、同時期に子ども・子育て全般に関して制度改革 の会議がされているという並列状況の中で、双方に対して障害者基本法に関しても障 害児支援の視点を盛り込んでもらいたい、子ども・子育て全般に対しても障害児の視 点での意見を出したいという2点をやりました。 最後のまとめが本まとめなんですけれども、全体として障害児支援というのは、子 ども一般の施策の中で障害のある子も意識したものを取り組まなければならないと いうことが第一。ただし、それだけでは済まない。やはり障害児固有の問題もあるの で、障害児固有の施策も保障されなければいけない。これが重層的に保障されて初め て障害児支援が成り立つという基本的な姿勢をとりました。 それに基づいて個別にやりたいんですけれども、5分の中で時間がありませんので、 まず結論の中なんですが、ここは是非皆さん想起していただきたいんですけれども、 既に批准された子どもの権利条約の中に「障害のある子」というのがたしか27条か 何かで条項を別に設けられて保障されております。これに関して、なかなか制度設計 されてこなかった。既に子ども権利条約が批准されて、なかなかそこに特化したもの が私とすると難しかったと思っていますので、これをまず基本的に制度設計の中に入 れてもらいたい。特にオンブズパーソン、これは障害のある子どもだけではない子ど も全般に関してなんですが、その中で権利変動が著しい子どもに関しては特に必要で あるということでオンブズパーソン制度を制度化してもらいたいということを第一 に要求しました。 児童一般政策における支援は、身近な場所での支援、重層的に支援があるというこ とは、ダブルの保障があるということではあるんですけれども、えてして子ども一般 施策から障害のある子どもの施策が別個にあるのだったらそちらで保障してもらえ ということで、そちらの方の保護が厚くなって、児童一般施策からはみ出してしまう、 そこから排除されてしまうという傾向もありますので、ダブルで保障されているとい うことはより厚い保障があるということなのだということを意識するようにという ことで、ここはあえて特出しして書かせてもらいました。 早期支援は言わずもがなのことですけれども、これは医療・療育の保障だけではな くて、地域支援につながるような早期支援が保障されなければならない。こども園で の保障に関しては、先ほど言ったように制度設計が別建てで内閣府でされていますの で、そこに障害児の視点を入れてくれと。具体的に言うと、保育園、こども園に障害 のある子が入所できるように、入園が拒否されることのないような保障をしてくれと いうことを要求しました。 放課後児童クラブでの支援、要保護児童としての障害児の支援も、児童一般施策の 中で具体的にするべきであると盛り込んでおります。 さて、一般施策の中での障害児支援だけではなくて、やはり障害児固有の施策とい うものも必要であるということで、療育に関しては今回かなり具体的に障害者基本法 に盛り込まれましたので、これが早晩、今日か明日かと待っているんですけれども、 なかなか具体的な法律ができ上がったという報告が来ませんけれども、近々成立する 障害者基本法の中にこの療育が盛り込まれます。 訪問系サービス、通所支援、障害者入所施設、これらも具体的にある施策の中をよ り地域でより具体的に療育・医療が保障されるようにする。このときには専門的な医 療・療育が保障されるように制度設計されるべきであるとしました。 また、固有の保護者支援、きょうだい支援、障害児というのは家庭の中にあります ので、家庭の支援ということが重要な問題になります。保護者、兄弟が支援されなけ ればならないという視点で盛り込みました。 2つの施策をつなぐものとして、相談支援と個別支援計画があると理解しています。 2つの支援がばらばらにならないように、1人の子どもに対してつなぐもの、シーム レスな支援が保障されるものが相談支援であり、個別支援計画であると思います。こ れがなかなか具体的にまだなっていませんので、ワンストップ型の相談支援とシーム レスな個別支援計画、どこにいてもその子の支援は保障されるという意味での個別支 援計画が策定されるべきであるという視点で4番はまとめております。 それらを全体として人材育成、障害児固有の支援、一般施策の中での障害児支援に おいても、両方において人材が求められているという意味で人材育成が必要であろう ということでまとめさせていただきました。 他チームに関わることに関しては、既に区分の問題等々で問題になっておりました ので報告からは削除いたしますけれども、とにかくそういう形で、急ぎましたけれど も、子どもをどう見るかと、障害のある子ということで特別ではなくて子どもなんだ ということだったら、子育て支援という中での子どもの視点を是非盛り込んでもらい たいということでまとめさせていただきました。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 8〜9分あると思いますので、御議論をお願いします。 福井委員、お願いします。 ○しろまる福井委員 日本てんかん協会の福井です。 今、いろいろと努力してまとめていただいたことに敬意を表したいと思いますが、 時間がなくて飛ばしたところだと思いますが、「3.障害児施策」の「(3)通所支 援」。2ページ目の一番上のところに「保育所等への訪問型支援や学齢障害児も対象 にした発達支援を講じること」とありますが、ここの学齢障害児は、御存じのとおり せっかく放課後等デイサービスが創設されたわけですので、文章にこだわるわけでは ありませんが、この文言ではまるで就学前中心の児童サービスの延長のような感じも いたしますので、学齢の子どもに合った内容になるようにと、どんな中身の議論がさ れたのか少しだけ御紹介をいただいて、このところは大事なんだということで御回答 いただけたらと思います。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 この質問だけでとりあえず。 ○しろまる大谷座長 学齢障害児も対象にしたということが少し意味があいまいであるとい うことでしたら、宮田さん、回答していただけますか。 ○しろまる佐藤部会長 宮田委員、お願いします。 ○しろまる宮田委員 副座長の宮田でございます。言われているとおりの内容ですので、検討 させていただきます。今回、言われているように放課後等デイサービス事業も立ち上 がりまして、今後、保育所等訪問支援事業も学校を対象にできるかどうかというとこ ろも厚生労働省は検討してくださると思うので、そういう意味では学齢期の放課後の 対策もしくは学校での専門的な支援へのサポートという意味で学齢障害児も対象に したと入れております。 ○しろまる佐藤部会長 そのほか、西滝委員、奈良崎委員の順番でお願いします。 ○しろまる西滝委員 西滝です。相談支援に関しての質問です。 今、新生児のスクリーニングが母子福祉法の関係で広がっています。問題は、赤ち ゃんが生まれて3日目で聴覚の障害を母親がわかるということで、お医者さんが人工 内耳を勧めるというシステムが全国的に広がっているという状況があるわけです。 先日、児童部会の資料を読みますと、厚生労働省関係の発行するパンフレットに人 工内耳のお勧めの紹介が載っていたんですが、それを見ますと、人工内耳をすると聞 こえるようになる、手術については心配はない、事故はないという内容が書かれてい たのでびっくりしたんですが、実際は失敗例もありますし、人工内耳をやることが親 の判断になっていて、本人はわからないまま大きくなってからいろいろな問題が出て くるという状況もあります。 全日本ろうあ連盟としては、医者が一方的に母親に対して人工内耳を勧めるのでは なく、聾学校もあります、手話がありますということを伝えて相談することが大切だ と考えています。外国、とくにヨーロッパでは、親に対して法律で情報として、人工 内耳の道もある、手話の道もある、正確な情報を親に提供する法的な縛りもあります。 そういう状況ですので、相談支援について具体的に人工内耳に関する相談も含めると 考えていいでしょうか。 ○しろまる佐藤部会長 奈良崎委員、お願いします。 ○しろまる奈良崎委員 たびたび済みません、奈良崎です。2つあります。 1つは、おもちゃ図書館は幾つぐらいから入れるのか。個別で支援があるときは、 たまたま私がガイドヘルパーで障害を持つ成人の方がおもちゃ図書館に入りたいと 言われたときに、人がいなかったらどうぞと言われたんですが、その辺が私としては 情報が欲しいなというのが1つです。 小学校、中学生、高校生のガイヘルを制度にしてほしいと思います。私はよく小学 生のお母さん方とか障害の親たちによく言われるのが、障害者の親は子どもが生まれ たときに、親御さんが結構ストレスがたまって、障害者だからと理由にされて差別さ れていることがすごく多いんです。その辺の通訳がもし支援が欲しいと仲間同士で話 し合いをするときにその辺は今後どうなるのかなというのが気になります。よろしく お願いします。 ○しろまる佐藤部会長 大谷座長、お願いします。 ○しろまる大谷座長 大谷です。 人工内耳に関しては推進会議でも賛否あったと理解しております。ですから、我々 の部会で固有に人工内耳問題に関してどうするかということは議論しませんでした。 ただし、これに関しては正直申し上げて相談支援というよりは、医療、一般も含めて この子にとってどのような医療が最善の利益なのかということが判断されるべきだ ろうと思います。 そのときにあらゆる情報が提供されて、正直医者だけではなく、聾の当事者からの 情報からも提供された上で判断されるべき事項だろうと私個人は理解しております。 その方向でもし議論がされるのでしたらまとめていきたいと思っております。 おもちゃ図書館等に関しては柏女さん、どうなっているんでしょうか。 ○しろまる柏女委員 淑徳大学の柏女です。おもちゃ図書館については、今、正確な利用年齢 層についての情報は持ち合せておりません。ただ、中学生、高校生だからといってそ れを排除するといったようなことはないと思います。 例えば一般の子どもたちの中ではつどいの広場というのがありますけれども、同じ ように障害を持った子どもたちと健常児が一緒に過ごせるおもちゃ図書館も、つどい の広場に対して助成が行われるのであればそうしたおもちゃ図書館についても助成 が行われてもいいのではないかといったスタンスでここでは考えさせていただきま した。よろしいでしょうか。 カ所数等は今、私は存じ上げておりませんので、もしよろしければ厚労省の方で後 でコメントがあると思いますので、そちらの方で含めていただければありがたいと思 います。よろしいでしょうか。 ○しろまる佐藤部会長 今の関連でしょうか。 君塚委員、今のことで補足説明でしようか。 ○しろまる君塚委員 はい。 ○しろまる佐藤部会長 お願いします。 ○しろまる君塚委員 この合同作業チームに人工内耳の資料を提出した者として御質問に答 えたいと思います。 チームでは検討されませんけれども、資料提供で読んでいただけたということであ りがたく思っていますが、大学の同級生で前の東大耳鼻科教授の加賀先生の資料です。 加賀先生が早期発見ということがこの部会で一部否定されているということを懸念 されて私にたくさんの資料をくれました。その一部だけチームに配ったんですけれど も、そのたくさんの資料の中には、委員が指摘したようないろんな場面での情報提供 をしてスウェーデンのような形の内容をという形が資料としてあります。 端的にわかりやすいところで人工内耳ということでやってきまして、加賀先生自身、 日本で最も人工内耳をされているベテランの先生ですので、御自身の経験からは失敗 がなかったということになっているのではないかと思います。 とりあえず厚労省の資料ではなくて個別の資料であるし、考えとしては全面的ない ろんな選択肢があることを述べさせていただきます。 ○しろまる佐藤部会長 あと奈良崎委員から小・中・高校生の知的障害のある人にもガイドヘ ルプサービスが利用しやすいようにという御意見として受け取るということでよろ しいでしょうか。 氏田さん、先ほどから手を挙げていた。では、氏田さんで最後としたいと思います。 ○しろまる氏田委員 日本発達障害ネットワークの氏田です。 質問なんですけれども、子育て支援の中での障害児支援、全くその方向だと思って いるんですが、子どもの育ちを支える家族への支援というところで、例えば児童の権 利に関する条約では第6条で規定をされて、生命の権利とか生存、発達の確保という ところがあって、23条で障害児の権利がうたわれていると思うんですけれども、なか なか子育て書どおりにならない、最初のところのとっかかりで家族を支えるという視 点はどんな形で児童支援のところで議論いただいたのかをお伺いできればありがた いです。 ○しろまる大谷委員 特に乳幼児は気づきの段階からの支援ということで、保護者、兄弟に対 する支援、相談も障害があるのかないのかわからないけれども、少し違うかなと思っ たときからの気づきの段階での支援ということを重視しました。これはこの報告書に まとめさせていただいておりますので、盛り込んであると思います。 ガイドヘルパー等、学齢期において特に移動があるときに、学校通学等々において 具体的に支援を保障となるときに、障害児固有の支援なのか、それともガイドヘルパ ーとして一般の障害者施策の中でやるべきなのかということに関しては、他チームと の関連性、どちらで保障するべきなのかということは常に問題になっております。 現在でも学校までの移動支援、学校の中に入ってからの支援という形で分かれてし まって、なかなか学校へ通学保障がされないというようなことが現実になっておりま すので、私はトータルな支援が本当に必要だということですので、障害のある子が通 学するのであるならば、もう朝出たところから学校に行って学校の中の全部の移動も 含めてトータルに保障されるべきだろうと思っています。 ですから、そこはガイドヘルパーが通学している児童に対して付くのであるならば、 その子にも最初から保障される制度設計をされるべきだと思っております。 奈良崎さんでしたか、それでよろしいでしょうか。 ○しろまる佐藤部会長 どうも時間となってしまいました。以上で第2期作業チームのすべて の報告がなされたことになります。本日の部会で各作業チームから報告した内容につ いては、第1期のときと同様に口頭及び文書で出された主な意見を作業チーム報告の 末尾に列挙するなどして、作業チーム報告の補足版を次回7月に報告することとし、 この補足部分のとりまとめは、第1期と同じように座長一任で行うということとさせ ていただきたいと思います。 本日発言された御意見及び追加で提出した意見については、6月30日木曜日の17 時までに文書で事務局にお送りいただきたいと思います。いただいた意見については、 各チームの座長あてにお送りします。口頭で発言したからもう受け取られているとい うことではなくて、できるだけ正確にするためにも文書で追加で御連絡いただければ と思います。 この後、第2期作業チーム報告に対して、厚生労働省からコメントをいただくこと とします。障害保健福祉部企画課の中島課長から説明していただきます。よろしくお 願いします。 ○しろまる中島課長 厚生労働省障害部企画課の中島でございます。 資料17「第2期作業チーム報告書に対する厚生労働省からのコメント」ということ でございます。 第1期の作業チーム報告書に対する私どもからのコメントと同じ体裁でつくらせ ていただいております。総論と各論に分け、これまでお示しした留意点、今回の御報 告のポイント、それに対するコメントという体裁でございます。 それぞれの作業チームの報告の要約の仕方等々につきまして、不正確、不十分な点 がございましたら、後ほど事務局までお話しいただければ訂正をさせていただきとう ございます。また、本日、時間が30分ということで限られた時間でございますので、 第1期の報告書に対するコメント同様、総論部分だけを説明させていただきまして、 各論部分に関するコメントは後ほどお目通しいただければ幸いでございます。 それでは、具体的にコメントをさせていただきます。「障害の範囲と選択と決定〜 選択と決定・相談支援プロセス(程度区分)第2期」ということでございまして、私 どもからのコメントは2ページでございます。ルビ付き資料でも2ページ、点字の資 料では5ページでございます。 まず、現行制度におけます障害程度区分という指標は、個々の支給決定に用いるほ か、入所サービスなどサービスの対象者の範囲を決める。また区分に応じて報酬単価 を設定する。市町村に対する訪問系サービスでの国庫負担基準として用いられるとい うことでございまして、こうしたことを通じて制度の公平性、限られた資源の重点的 な配分を担保しておるということになっておるわけでございます。こうした公平性、 資源の重点的配分というのを今後どのような形で担保していくのかということにつ いて検討が必要と考えられます。 次に、障害の程度については、全国一律に客観的に評価できる手法が必要と考えら れます。その際、社会的状況については、なかなか客観化しにくいこともございます ので、ケアマネジメントにおいてそうしたことを十分考慮していくということが考え られるのではないか。また、御報告にありましたガイドラインにつきましては、障害 の程度やニーズのアセスメントの指標、障害者の特性・状況に応じた標準的なサービ ス量の指標、国と地方自治体の負担の基準としての指標など、あらゆる役割がこのガ イドラインに与えられているように思われるわけですが、その具体的な内容について 詳細な検討をしていく必要があると考えられます。 市町村間でサービス基盤の整備状況の違いなどがある中、支給決定量について全国 一律の最低ラインとして定めるということとされておりますけれども、それについて 妥当かどうか検討が必要と考えられます 国の設定する水準をサービスの先進地域に合わせ、それを最低基準とするという場 合に、他の地域でそれに対応が可能か。また国が設定する最低水準を現実にサービス が遅れている地域に合わせた場合、サービスの先進地域の水準が場合によっては引き 下げられるというおそれもある。こういった問題も念頭に考えていく必要があります 市町村は、合議機関での結論を基に支給決定を行うという局面があるということで ございますけれども、財政面も含めた支給決定の最終的な責任というのは当然市町村 にあるものでございますので、この市町村と合議機関との関係整理が必要と考えられ ます。 次に、地域移行の御報告、8ページでございます。ルビ付き資料では9ページ、点 字資料では20ページでございます。 地域移行に関しましては、そのための基盤整備に関する法律を制定する、また仮称 ということでございますけれども、地域基盤整備○しろまるか年戦略といったものの策定とい う形で御提言いただいているわけですが、現在、各地方自治体は障害福祉計画という ものを策定していただいて、数値目標を定めて基盤整備を計画的に進めていただくと いうことになっておるわけでございまして、こうしたことを踏まえて、その具体的な 内容がそれとどう異なるのかということについて明らかにしていくことが必要かな と考えておるところでございます。 平成24年から、いわゆるつなぎ法案の内容として、個別給付の事業として地域移 行支援、地域定着支援というものが実施される。更にはサービス利用計画の作成対象 者が拡大されるということになっております。また、現在でも、グループホーム・ケ アホームについては体験利用が可能という仕組みになっているところでございまし て、こうした仕組みも念頭に置きながら、地域移行といったものを更に進めていくと いうことが大切かなということでございます。 公的保証人制度につきましては、現在、国土交通省さんの方で「家賃債務保証制度」 といったものが行われているところでございまして、こうした制度、更には民法に基 づく一般的な制度との関係も含めて幅広い視点から検討を行っていく必要があるの かなということでございます。 また、社会的入院等の解消につきましては、精神障害者につきましては現行の地域 移行・地域定着支援事業において支援を行っているということでございますし、先ほ ど申し上げましたように平成24年度からは個別給付としてそれが行われるというこ とでございます。 アウトリーチという形で平成23年度より新たに未治療者や治療を中断している重 症の患者さんなどに対しまして、精神障害者アウトリーチ推進事業という形で実施さ せていただいているというところでございます。 更に、認知症につきましては、ここに書かせていただいているような形で、厚生労 働省に設けました新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チームの中の1 つの議題として検討しておるところでございまして、昨年12月、中間とりまとめを 行って、ここに[1][2][3]と書いたような方向が示されておりまして、現在、その具体化 に向けて更に検討を進めているということでございます。 入所者、入院者の実態調査につきましては、この部会での議論も踏まえまして、現 在、佐藤部会長が代表者になっていただいておりますが、厚労科研の事業により研究 を進めていただいているところでございます。 次に地域生活の資源整備ということでございます。ここは2つの細目に分かれてい まして、1つが24時間介護サービス及びシームレスな支援などということと、もう 一つは、国庫負担基準ということで、2つに分けてとりまとめさせていただいていま す。 まず24時間介護サービス等について14ページ、ルビ付き資料では17ページ、点 字資料では35ページということでございます。 このパーソナルアシスタント等の制度につきましては、第1期の御報告に対するコ メントでも述べさせていただいておるところでございますが、障害者の地域生活を支 えるためのサービス基盤整備については計画的に進めていくことが必要であり、直ち に一人ひとりにヘルパーが常時付き添うということになれば、非常に多額の財源及び 人材が必要となるため、国民の理解を得ながら検討する必要があります。 財源や人材の制約を踏まえ、また制度にかかる費用を負担する国民の理解を得るた めにも、1人で地域で生活が営めるような自立訓練、更には困ったときに対応してく れる相談支援体制の充実といったほかの手段の活用なども含め、さまざまな地域資源 の活用により、総合的に対応することについても検討が必要と考えられます。 また、パーソナル・アシスタンスについては、障害者あるいはその代弁者が決めた 介助者が障害者側で決めた時間や介助内容・方法に応じて介助が提供されるべきとい うことでございますけれども、介護時間や内容・方法を決める際の客観性、透明性、 公平性といったものをどのような形で担保するのか慎重な検討が必要と考えられま す。 サービスの質の確保や利用者とサービス提供者の間の関係性等についても検討が 必要と考えられます。移動支援やコミュニケーション支援については、地域で柔軟に 複数の方々へのサービスも含めて実施ができる地域生活支援事業といった活用や今 後議論が深められていきます合理的配慮の議論も踏まえ、その支援の範囲等について 更に検討が必要と考えられるということでございます。 国庫負担基準について16ページ、ルビ付き資料では19ページ、点字資料では41 ページでございます。 国庫負担基準については、訪問系サービスについて、国の費用負担を義務化すると いうことで財源の裏付けを強化するという機能を果たしている一方で、障害福祉に関 わる国と自治体の間の一定の役割分担を前提に、限りある国費を公平に配分するため、 市町村に対する精算基準として定めているものであります。 介護の必要度が高い方々が多い市町村には、その人数に応じて国庫負担を行える仕 組みとなっているということでございまして、国の厳しい財政事情を考慮し、国費を どう公平に配分していくのか、その機能の在り方については今後とも検討が必要とい うことであります。 また、現行制度でも、重度障害者の割合が一定以上おられるということにより、訪 問系サービスの支給額が国庫負担基準を超過している市町村については、地域生活支 援事業により助成を行うとともに、国庫負担基準をなお超過する市町村には、いわゆ る基金事業によって財政支援を行っているというところでございます。 通所サービスや居宅サービス等の費用について、支給決定を行う市町村と費用負担 を行う市町村が異なるということについては、費用負担を行うサイドの市町村が支給 決定に関わる方の支援の必要度を確認する手段が必ずしも担保されないということ から、費用負担に対する納税者への説明というものが困難になるというような問題が あるということで、これについては慎重な検討が必要と考えられるということでござ います。 次に、利用者負担チームの御報告、21ページ、ルビ付きでは26ページ、点字資料 では54ページでございます。 利用者負担につきましては平成22年4月から、低所得者につきましては福祉サー ビスにかかる利用者負担を無料としているということでございます。平成23年2月 時点のデータでは、障害福祉サービスを利用されている障害者のうち、85.8%の方々 が無料でサービスを受給されている。障害福祉サービスの総費用額に占める利用者負 担額の割合というのは、0.39%になっているという状況でございます。 また、昨年12月に成立いたしました議員立法であります、いわゆるつなぎ法案に おきまして、利用者負担については応能負担を原則にするという形で法律改正が行わ れているということでございます。 こうしたことを踏まえ、更に負担能力がある方まで無料とすることについては、医 療や介護、他の法律や制度との整合性が求められると考えるところでございます。障 害のある方についての支援のみすべて無料とするということについては、国民的議論 が必要と考えられるということでございます。 次に、報酬や人材確保等の御報告に対するコメント、25ページ、ルビ版では33ペ ージ、点字版では66ページということでございます。 先ほど、藤岡先生の方から私どものコメントも引用して既に御紹介をいただいたと ころでございますけれども、まず「福祉職俸給表」の法定化につきましては、他の現 場、すなわち医療や児童福祉・高齢者福祉等々との整合性、更には民間事業者の職員 給与水準を国が規制することの妥当性等を考えると難しいのではないかと考えられ ます。 「福祉労働者手帳」制度について触れていただいておりますけれども、客観的にど のように労働を評価できるのかなど、更なる勉強が必要かなと思っておるところでご ざいます。 また、報酬の在り方につきましては、財源も含めた検討が必要でありますし、事業 所の経営実態、各サービスの利用実態等の客観的、具体的なデータに基づいてその在 り方を検討していくことが必要かなということでございます。 加算につきましては、評価が一律となること、更には専門職を配置するインセンテ ィブ、やる気等がなくなるということにも留意する必要があって、藤岡先生の方から も触れていただいていますが、個別に慎重に見ていく必要があるということでござい ます。 また、日払い、月払いについては、日払いとしたことのメリット、利用者のサイド で選択できるということでございます。サービスを組み合わせることができるという ことでございますが、そうしたことも踏まえた検討が必要だということでございます。 資格制度の在り方については、トータルとしてしっかりサービス量が確保されるの かといった視点。それとともにサービスの質が担保されるのか、働く方々のキャリア アップがしっかり図られるのかといった総合的な観点から、資格関係団体の御意見も 踏まえた幅広い検討が必要と考えられるということでございます。 次に、就労(労働及び雇用)合同作業チームの御報告に対するコメント、31ページ。 ルビ版では40ページ、点字版では80ページでございます。 まず、総合福祉法に含めるべき事項として御提言いただいている事項についてでご ざいます。報告の内容では、就労系事業の具体的内容などに関する検討課題について フォローし、実現化を目指すための新たな検討体制づくりをするという形で記されて いるわけでございますけれども、総合福祉法の制定に当たっては、何をどのように見 直していくかという具体的な改革の内容が明確にならなければ制度設計というのは 難しいのかなと考えているところでございます。 また、就労系事業に従事する障害者に労働法規を適用することにつきましては、こ こに3点触れさせていただいておりますけれども、こうしたことについて留意が必要 ではないかと考えておるところでございます。 労働法規を一部適用するということについても、労働基準関係法規が現行の労働基 準法上、労働者に該当するとされた場合には全面的に適用されるということでござい まして、選択的に一部適用するということは労働者保護の観点等から認められないと いうことにも留意が必要かなということでございます。 また、賃金補填につきましては、同一労働同一賃金の下で、補填を受ける方とそう でない方との間の公平性、更には事業主による職場改善等のインセンティブ、やる気、 財源の問題、障害年金を含めた所得保障等の観点等から検討していくことが必要とい うことでございます。 障害者雇用促進法に含めるべき事項という形で提言をいただいているところにつ きましては、まず職場における合理的配慮や精神障害者の雇用義務化につきましては、 制度改革推進会議のとりまとめを踏まえ、昨年6月に閣議決定された「基本的な方向 について」におきまして、24年度内を目途に各省庁において結論を得るとなっている ことに留意が必要と考えられます。 また、雇用義務の対象をあらゆる障害者に拡大することについては、事業主への過 大な負担となるおそれや、特に支援が必要な重度障害者などの雇用促進を阻害するお それがあることに留意が必要と考えられます。 就業上、必要な支援を明らかにする総合的なアセスメントの仕組みの導入について は、担当職務との関係で同じ障害を持つ労働者でも、職業生活上の困難度が異なるた め、客観的な評価手法づくりがなかなか難しいということや、またそれにより事業主 が障害者であるか否かを判断できないことなども考えられ、公的安定性、公平性に留 意が必要と考えられるということでございます。 法定雇用率は、働く意欲のある障害者や労働者の数に変化があれば上下するもので あることに留意が必要である。また、納付金制度の見直しに当たっては、合理的配慮 の義務化の議論とも併せて検討が必要ということでございます。 発注額の雇用率算定制度などの導入については、雇用以外の手段によって雇用率を 達成しようとする企業が多くなり、本来の制度目的が達成されなくなるおそれがある。 また、雇用関係には、単に賃金のみならず、安全配慮等の雇用管理や人的支援も含む ものであるということを踏まえますと慎重な検討が必要ということでございます。 今後の検討課題として御提示いただいていることについて、試行事業の実施につい ては、先ほど申し上げました賃金補填に関する種々の留意点に加え、公費を投入する ことの前提となる有効性、実現可能性の検討を十分していくことが必要と考えられま す。また、労働、雇用分野に関する重要事項については、労政審の審議を経る必要が あることにも留意が必要と考えられるということでございます。 次に、医療の御報告へのコメントでございます。医療は3つ分かれておりまして、 難病、医療的ケア、精神科医療という形でございます。まず難病について、43ページ。 ルビ付き資料では54ページ、点字版では117ページでございます。 医療を始めとする難病そのものの議論については、総合福祉法とは別に検討される 必要があると考えます。難病患者に対する医療と福祉の在り方及び医療費の支援の在 り方などにつきましては、現在、厚労省に設置された検討チームにおきまして制度横 断的な検討を行っているところでありまして、これらの検討も踏まえた上で総合的な 検討が必要と考えられます。 また、難病対策に関する専門的なことについて調査審議をするため、既に厚生労働 科学審議会の疾病対策部会の下に難病対策委員会を設置しており、関係者を含めた委 員の構成により、種々の課題について検討しているということでございまして、この 委員会での議論も踏まえた検討が必要ということでございます。 なお、現在のところ、難病の方々に対する地域生活支援としては、ここに書いてい るような事業を既に実施させていただいているというところでございます。また、難 病の方をどう新法において位置づけるのかの議論については、第1期の作業チームで ありました障害の範囲チームの報告なども踏まえた検討が必要となってくるという ことでございます。 報告では、難病については、概念整理を並行して進めることが必要であり、今後、 当事者の参画した審議会を設けて検討を進めながら、漸進的な制度整備を図ることが 重要と書かれておるわけでございますけれども、難病等の扱いについて、どのような 状況であればこの新法に基づく給付の対象となるのか。対象となるのだとすると、ど のような基準でそれを認定するのかといった具体的な改革の内容が明確にならなけ れば新法における制度設計というのは難しいのではないかと考えるところでござい ます。 次に医療的ケア、45ページ。ルビ版では56ページ、点字版では123ページでござ います。医療的ケアにつきましては、先般、ここに書いてありますような介護保険法 等の一部改正法の成立に伴いまして、介護福祉士及び一定の研修を受けられた介護職 員などが一定の条件の下にたんの吸引などの行為を実施できることとされたという ことでございます。 介護職員などによるたんの吸引の実施に係る研修については、在宅で特定の方にケ アを行うケースを想定した研修体系を設けることとしており、必要な技能、知識が身 につく研修体系とすることが必要と考えているということでございます。 介護職員によるたんの吸引等の実施に当たっては、医療関係者との連携の確保を図 るなど、当然のことでありますけれども、安全が確保された体制とすることが必要で あると考えます。この介護職員が行うことのできる行為の範囲の拡大については、更 に関係者を含めた慎重な議論を展開していく必要があると考えているところでござ います。 次に精神科医療、48ページ。ルビ版で59ページ、点字版で127ページでございま す。精神科医療の見直しにつきましては、先ほども御紹介いたしました昨年6月の閣 議決定に基づきまして、社会的入院の解消については23年内に、強制入院などの在 り方などにつきましては平成24年内を目途に結論を得るという形でございまして、 この閣議決定に沿って検討を進めるということでございます。 具体的には、先ほども御紹介いたしました厚労省内に設けられた検討チームにおい て、そこに書いております[1][2]といった形でそれぞれ計画的にスケジュールを立てて 検討を進めておるというところでございます。 それでは、最後でございます。障害児支援チームの御報告に対するコメント、57 ページ。ルビ版で69ページ、点字版で152ページでございます。 児童福祉法において、具体的な権利を規定するということについては、障害者の自 立支援法、更には高齢者福祉などの他の福祉法制との整合性や実現可能性等を踏まえ た検討が必要と考えられます。 また、児童福祉全般に共通する事項については、障害児福祉関係者だけではなくて、 児童福祉分野のその他の関係者による議論の場で、関係者全体の合意を得て決定され ていくことが必要と考えるということでございます。 具体的な障害児支援の在り方につきましては、昨年12月に成立いたしました、い わゆるつなぎ法におきまして、身近な地域で支援を受けられるよう、障害種別などに 分かれている現行の障害児施設について一元化する等、新たなメニューも創設するな ど、障害児施策の充実が盛り込まれておるところでございまして、その中で障害児支 援利用計画といったものも作成していただくという形で、現在その施行準備を進めて おるというところでございます。 以上、私どもの方からのコメントでございます。よろしくお願いいたします。 ○しろまる佐藤部会長 部会はこの後、障害者実態調査についての報告と議論をいただいて、 今後の8月末に骨格提言をまとめるためのスケジュール等についても御議論いただ きますので、余り時間がありません。とはいえ、いろんなコメントをいただいている ので、5分ほど皆さんの方から特に発言をしたいという方に発言していただいて、そ の発言に対する回答のような時間はありませんので、厚労省からの回答については7 月の部会でと。5分しか時間がないので話せない部分については、今月末までに文書 で意見をいただいて、そのいただいた文書についても資料として7月には用意をする というような扱いでこのコメントについて取扱っていきたいと考えます。 とはいえ、若干時間は5分かそのくらい時間をとりたいと思いますので、今のコメ ントについて御発言、御意見、質問があれば手を挙げていただければと思います。 光増委員、増田委員、福井委員、小野委員、野原委員、とりあえずその5人だけと いうことにさせていただきたいと思います。今の順番でよろしくお願いします。簡潔 にお願いいたします。 ○しろまる光増委員 光増です。 今のコメントの16ページ、厚生労働省のコメントの表現の中で、国の基準を上回 る自治体には、自立支援対策臨時特例交付金による都道府県基金を活用した事業によ り財政支援を行っているという表現は間違いないですけれども、都道府県がこの事業 をやるというふうに手上げをしないと、市町村がオーバーして使っているところは使 えない実態というのがあります。政令市、中核市等も除外されているということもあ るので、この表現ではどこでもオーバーして使っているときにはこの基金が出ている ように誤解を招く表現ではないかと思います。 その1点だけです。 ○しろまる増田委員 やどかりの里の増田です。 全体的な印象としてこの部会と厚労省コメントのコミュニケーションギャップが 大きいなと感じました。幾つか絞って質問というか意見なんですけれども、2ページ のところで、制度区分の指標は制度の公平性や資源の重点的な配分を担保していると 厚労省コメントではあるんですけれども、部会の方の意見では、障害制度区分には全 国一律の客観的公平な指標とするには課題が多いと書かれておりまして、私は作業チ ームの指摘はそのとおりだと思っているので、こういう指摘があるのに対して担保さ れているんだという非常に大きな隔たりがあるところが気になるところで、こういう ところのすり合わせをもっとしていく必要があるのではないかと感じています。 もう一点なんですけれども、16ページの真ん中より上のところに、国費を公平に配 分する機能と書いてあるんですけれども、「公平に」の考え方だと思うんです。他の 者との平等というところで公平性を考えていくというところでかじがきられている と理解していきたいと思っていますが、あるいはそういうふうに公平という位置づけ は考えるべきかなと考えています。 アウトリーチの仕組みのところがあるという地域移行の御説明があるんですけれ ども、このアウトリーチの制度設計と今の実施状況について次回御報告いただければ 大変ありがたいと思います。 以上です。 ○しろまる福井委員 日本てんかん協会の福井です。 私は第1期の作業チームのときも幾つか意見を申し上げたことを今思い出してい ますけれども、まず申し上げたいのは、今、主要なコメントだけですね。各論のとこ ろはあるけれども、御説明もないし、結局これをいただいたのは昨日の深夜です。地 方、遠くから来てらっしゃる方もいるし、これはどういうことなんでしょうか。こう いう重大な会議で厚労省のコメントを発表されて、私たちの意見を求められるという ことは、もっともっと時間的な余裕がないといけないわけです。どうしてこんなに遅 れて、事前に私たちが目を通す暇もないような提起をするのか、何か特別な理由があ るならおっしゃっていただきたいし、私はこういうことは断じて許せないという思い で発言しています。 そして、各報告、慎重な検討と言っておられることについて異論はないんですけれ ども、私たち今日でこれは15回目、これだけの人が集まって、総合福祉部会は画期 的なことですね。私たちの経過、どういう位置づけにあるのか。作業チームに分かれ たけれども、厚労省の方もいらっしゃるわけだから、こういうことを逐一報告で聞か れているとすると本当に心外です。各省庁とか他の福祉分野とか法律とか審議会にな っていくと、関係はいちいち言及されるに及びません。私たちも一応承知はしており ます。説明に終始しているではありませんか。本当にやる気があるのかなと思ってし まいます。 私たちはここに至る経過を踏まえて、私たちが望んでいるのは、皆さんもそうだと 思いますけれども、障害者の人間としての尊厳を守るのにふさわしい給付を受ける権 利を承認する、そしてその保障義務が国にあることを明記すること。これがこの法律 に盛られるべき基本だと承知してここに参加しています。 私は利用者負担のチームに所属しているんですけれども、利用料は無料とすべきで あるという結論は妥当なものとして、今日、田中座長も御報告をしていただきました。 それに関するコメントなんですけれども、時間がないので読み上げませんけれども、 障害のある方についての支援のみ無料とすることについては国民的な議論が必要と 考えられます。その前には医療や介護を始め、他の法律や制度との整合性が求められ ると考えている。私は医療や介護についても無料を原則とするようにしていくべきだ と考えていますし、今回この障害者分野でこの提起、これは必ずや他の分野にも大き な影響を与えていくに違いないと確信しています。 なぜならば、まさにこの障害者分野でこそ当事者参加の議論を積み重ねて今回の結 論に至っている。つまり、精神的な役割を果たしていると思うからです。コメントで は、国民的な議論の必要性と言及しているんですけれども、いかにも国民的な、つま り承認が得られていないような言い方ですけれども、私たちは国民世論の構築という のは、日々の暮らしとか運動を通じて常に働きかけてきているところです。関係省庁 としてどのような具体的な施策をお持ちなのか、逆に伺いたいところです。 もう時間がないので申し上げませんが、その他も地域主権改革大綱に触れています ね。私は2月15日の第1次意見のときにも申し上げました。命の尊厳を保障するの に直結する障害者支援の分野では、国はナショナルミニマムとしての社会福祉を公的 に保障する責務がある。国の果たすべき役割は重要ですと申し上げておりました。再 度指摘をしますので、この点についてもいただきたいと思います。 あといろいろと申し上げたいことはありますが、そのほかの方もいらっしゃるので 以上ですが、どうぞしっかりと次回のときの答弁もよろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○しろまる佐藤部会長 小野委員、お願いします。 ○しろまる小野委員 コメントの資料の22ページを開けていただきたいと思います。利用者 負担の報告書、資料4−2の3ページを併せて見ていただきたいと思います。 3点あります。1つは、このコメントのところで負担軽減策の効果と問題点の評価、 これについてチームとしては政府、厚労省が十分な実態や影響を把握することなく見 直してきた。コメントでは、法施行による影響や実態を把握したと、利用者の実負担 額を調査するなどで把握してきたと書かれています。これは特別対策の実施前後に厚 労省が抽出調査をした実態調査のことを指しているんですか。多分そのことだと思う んですが、それ以後、例えば緊急措置の見直しの前にも調査をされていませんでした か。 今回、作業チームで利用者負担額のチームの3ページの下の表にある低所得者のう ち、負担軽減策の3,000円、1,500円の人数の回答、資料提供を求めました。それと 2006年度実施時の所得階層別の人数も求めました。けれども、それらについては資料 としては提供できないと、出せない、実態を把握しておりません。国保連の方からも そのデータはもらえないということでした。東京都の国保連に聞いたときにはそのデ ータは出せると言っていましたが、そういう意味では、このコメントで法施行による 影響や実態を把握した上でやってきたというコメントは正確な記述ではないと思い ます。チームとしては十分な把握をしていないからこういうことだったという結論で す。 その下のつなぎ法によって利用者負担については応能負担を原則とすることとさ れています。応益が残っているんだという指摘に対するコメントですが、2009年7月 現在でも課税世帯は6万9,000人います。51万7,000人のサービス利用者のうち、6 万9,000人が課税世帯。今回のつなぎ法で政令が定めた基準を下回る者については利 用に応じた負担。その基準というのがいまだ示されていません。政令で示されたとき にそれが3万7,200円、9,300円では全く今と変わりませんので、この記述について も妥当性を欠くと思います。 3つ目、23ページの実費負担のキャンセル料について。実費負担、給食や送迎で必 要以上のキャンセル料を徴収している事業者があったという指摘をしたんです。これ に対して、欠席時対応加算で対応しているんだというコメントがされていますが、そ もそもこの欠席時対応加算は日払制度の緩和策としてで、キャンセル料への対応策で はありません。ですから、これも間違いです。 以上の点、再度修正をしていただきたいと思います。 ○しろまる佐藤部会長 野原委員、お願いします。 ○しろまる野原委員 日本難病・疾病団体協議会の野原です。 43〜44ページにかけてのところを幾つか述べたいと思います。まず、障害者基本法 で障害の中に難病を入れるという問題がかなり前進した形で扱われるようになった ということについては評価したいと思うんですけれども、いよいよ実定法の総合福祉 法で、それをどういうふうに位置づけるかという問題はかなり重要なテーマの1つに なると思います。 確かにここで記されているように、まだ検討しきれないで検討会で積み残す部分が あるという問題と同時に、今度の総合福祉法で何をどう入れるのかという問題もかな り大事な問題だと思います。 そこで先ほども発言の中で申し上げたように、最も緊急に対処しなければならない 問題の1つに、非常に医療依存度の高い難治性疾患は医療的にも福祉的にも公的支援 が全く足らないまま放置されている。344疾患のうちの56疾患しか医療費の公的支援 がない。しかも半分は無収入だと。痛いということから働けない48%、病状変化が毎 日あるという人たちも48%で、この人たちはしかも働いていないものですから、全く 無収入のまま高額医療費を払わざるを得ない。この人たちを救うということは最も緊 急な課題の1つだろうと思います。 そこで、今までの難病対策要綱でやっているんだという話があるんですが、実際問 題は制度的な財源保障はありません。研究費なものですから、政策的な医療なんです。 これを少なくとも今度財政的に福祉財源あるいはまた保険財源、財源問題を明確にさ せてこの人たちを救済するのかどうなのか。そういう問題というのは非常に重要な緊 迫した問題だろうと思います。それが1つです。 もう一つは、検討チームでいろいろ横断的な問題で検討しているんだという話があ りましたけれども、少し複雑な問題になると検討チームでやっていますよと、以前に もそういう話がありました。検討チームでは何をやっているのかという問題がこうい うところに資料としては出されていません。公開もされていません。では、我々はど ういうふうな検討が今、進んでいるのか、この検討チームには当事者は参加していま せんから、意見を出すにはどうしたらいいのかという問題も含めて、この問題につい ても立ち入ったメスを入れた回答をお願いしたいと思います。 当然、最後のところでも同じように、今後の制度整備についても制度設計がもう一 歩立ち行って具体化しないと難しいんだという話があるんですけれども、確かにそう なんです。かなり専門的な分野での検討を経ないと制度設計は難しい分野だと思うん です。しかし、検討チームで何が検討されているのかということが公開されないまま、 当事者だけに投げられてもとてもできない。当事者もこの会議(総合福祉部会)に参 加しているのは2人しかいないという状況ですから、公平公平言いますけれども、何 が公平なんだということを言わざるを得ないということを申し上げておきたいと思 います。是非次の機会にいい回答を期待したいと思います。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 まだ時間がなくて発言できない方とか、今日、膨大なコメントをいた だいてすぐ読んで回答もできないという人もたくさんいるかと思います。今月末まで に文書で質問なり意見なりを出していただければと思います。 福井委員からこれからどうするのかという御意見がありしまたけれども、部会とし て8月の末に骨格提言をつくるわけですけれども、それは10月以降、各作業チーム に分かれて作業チームとして検討を積み重ねてきたことがベースになるのだろうと 思います。それらをまとめながら骨格提言の素案を7月の部会に提案をさせていただ くということですけれども、その素案をつくる過程で2月と今回、厚労省から出して いただいたコメントについても検討できるところは検討して加味しながらやってい くということで、その中心となる基盤となる作業チーム報告の方を横に置いてこちら を中心にということではなくて、中軸となるのはやはり作業チーム報告だということ と了解しております。 それでは、休憩が終わってから1時間10分以上経っていますので、もう5時に近 づいているんですけれども、申し訳ないんですけれども、6〜7分の休憩、4時50 分までの休憩を取らせていただきたいと思います。 (休 憩) ○しろまる佐藤部会長 50分になりましたので、再開したいと思います。御着席ください。 先ほどまでで第2期の作業チームの報告とそれに対する厚労省のコメントをいた だきました。第2期の作業チームの皆さん、熱心に御議論いただきまして御苦労様で した。お疲れ様でした。 それでは、次の議題ですけれども、「全国障害児・者等実態調査について」を議論 していただいて、その後、総合福祉部会の今後の検討の進め方についての確認をした いと考えております。 まず、研究班の平野班長の方から、試行事業の結果について報告を簡単に5分以内 でいただければと思います。資料としては、資料18−1の最初から8ページまでが研 究班の報告となっております。 ○しろまる平野委員 平野でございます。 お手元のルビ付きの方も含めまして、資料18−1の1ページ目から書いております。 長いものですからはしょって御説明をさせていただきます。 今回の私どもの研究調査の一番大きい問題は、谷間の障害者の方も把握できるよう なデータができるような調査の方法、調査票というのを開発するというのが私の目的 でございます。 ○しろまる佐藤部会長 もう少しマイクを近づけてください。 ○しろまる平野委員 そういう谷間の障害者の方を把握するような方法を考えていくという ことで研究調査に取り組んだという形でございます。ですから、大きく分けて2つご ざいまして、そういう谷間の障害者の方も把握できるような調査票をつくっていく。 これまで手帳を持った方だけが中心だったものから、持っていない方も加われるよう な調査票をつくる。2番目といたしましては、そういった方を把握するような調査方 法ということで、2つでやりました。 お手元の資料の2ページ目を見ていただけますでしょうか。そこにございますよう に、これまで障害者調査という形で、障害者の手帳を持った方を中心に想定したもの だったんですけれども、今回は生きづらさを把握するという形にしまして、全体に生 活のしづらさの部分に着目して把握していく。生活の状況とかこういったものも聞い ていくという形にやっておきました。全体としまして調査票に関する評価としまして は、大変多くの方、一般的な調査に比べてかなり有効回答率は高かったということで ございます。実は、数そのものは少なかったんですけれども、回収率が112に対して 回答率が106ということで、回答そのものの有効率は一般の調査に比べて高い数字に なっております。 細かい結果の報告書によりますと、手帳を持っていない方の4割近い方の回答をい ただきました。つまり、これまでですと手帳所持者が中心だったんですけれども、そ れ以外の方も回答できる形になりました。また中には難病の方も相当な数が入ってお りまして、全体としてはかなり谷間の方を拾うという効果は高かった。 通常の調査ですと自由記載部分が余りないんですけれども、今回はかなり自由記載 部分にいただきまして、言葉で拾うと不安とか生活の困難とかという部分を相当拾う ことができました。そういった意味では、おおむね調査票に関しては、高い信頼性を 持つものができたと思っております。 かなり記入が難しいのではないかということで心配したんですけれども、こちらも 24時間体制で記入の方法の相談を受け付けるような窓口もメール、ファックス、電話 でつくったんですけれども、結果的には記入の方法での相談は1件もございませんで した。1件もなくてこれだけの回答が来たということですので、時間がかかったとい うことはあるかもしれませんが、比較的いい形でできたと思っております。 4ページ目、ただ調査方法につきまして、今回はできるだけ利用者の方のプライバ シーに触れないように、地域に住んでいる障害者の方の環境を悪化することがないよ うにということで、全国20の地域、30地区にダイレクトメールで全部送りまして、 仮にその地域に100軒家があるとすると100軒全部にお願いの文書と調査票を全部配 るという方法をとらせてもらいました。 これによって、こちらも一切プライバシーには触れない、返ってくるのもそこから 任意に返してくる。ですから、答える、答えないも自由という方法をとったんですけ れども、この結果、全部で5,358世帯に配って回答が112、有効回答が106という形 だったんですが、返ってきたものの信頼性は高かったんですけれども、いかんせん数 が余りにも少なかったというのが反省点としてあります。 4ページ目の一番下にありますけれども、今回は世帯数5,358世帯に関して言えば 1.98%ですけれども、世帯人員、1軒に何人かいらっしゃいますので、それでいくと 0.78ということで、これまでの調査でも障害者の数は5〜6%ということですから、 これに比べて著しく低い結果になった。先ほど言いましたように、本来ですと、手帳 を持っている人以外の方もいらっしゃるので、本当はもっと高い数字が期待されてお ったんですけれども、残念ながら数としては十分な回収をすることが難しいというの が今回の調査からわかったということでございます。 研究班の方としましては、調査票そのものについては大分これまでのような手帳を 前提とした調査ではない。生活のしづらさに着目してそこから記入していく。手帳に こだわらない調査という部分では新しいものができると思っておりますし、それが新 しい谷間の人たちを拾っていく道につながってくる。生活のしづらさに着目すること によって、いろんな範囲の人にもいくという面ではプラスの方法があるんですけれど も、調査方法に関しては一定のパーセンテージを確保する調査方法を検討しないと、 結果的にこんなに障害者が少ないのかというような形になってしまうということに なって、少しマイナスかなと。やはりこういう障害者が一定数あるんだということを 具体的に反映できるような調査方法を検討する必要があるのではないかということ が私どもの研究から出てきた答えということでございます。この辺を踏まえて今後の 調査方法を御検討願えればということでございます。 以上で説明を終わらせていただきます。 ○しろまる佐藤部会長 ありがとうございました。今の同じ資料の続きの9ページからがワー キンググループで話し合ってこれから行われる調査の基本骨格としてこういうもの が望ましいのではないかとまとめたところです。 今の平野班長からの報告にあるように、生活のしづらさに関する調査ということに して、手帳を要件としないで手帳のない人も含めて障害、病気のために生活の支障が ある人はすべて含めて調査をしようということで、その結果、4割くらいの手帳のな い人たちが拾い上がってきたということですので、調査票などについては基本的には 試行事業のやり方でいいだろうと。ただし、先ほども言われたように、障害者の出現 率が0.78%という非常に低い値しか出てこない。やはり郵送法ということだけのやり 方では限界があるということで、その辺の課題、方法面の課題をどうクリアーして、 本当にすべての障害者が回答して実態を反映するような調査結果を得ることができ るのかというようなことが課題で、そんなことを中心しながらワーキンググループの 方でも10回検討してきて、ほぼ9〜13ページに至る基本骨格ができ上がったという ことです。 ルビ付きの9ページ、調査の目的としては障害者自立支援法廃止後の制度の谷間を 生まない「障害者総合福祉法」(仮称)の実施等の検討の基礎資料とするため、在宅 の障害児・者(これまでの法制度では支援の対象とならない者を含む)の生活実態と ニーズを把握するということです。具体的な方法なんですけれども、この部会の中で もいろいろ注意が必要だということが出されました。その結果、郵送でやるというよ うな試行調査のやり方になった経過もあります。 特に病気、障害を地域の周りの人にも隠して、役所にも隠して、ひっそりと暮らし ているような障害者も中にはいる。そういう人のところに障害者はいますかというよ うなことでずかずかと入り込んで調査するということになると、本当に不安で病状を 悪化させたりしかねない。そういう問題がないようにしろというような強い意見も出 されました。しかし、実態を反映するような調査に郵送方法ではならないということ から、幾つかの改善案を提案しているというのが9ページのところです。 1つは、最初の○しろまるですけれども、調査の意義、目的、内容等について事前に広範な 広報を行う。マスコミとか自治体の広報紙などで調査が行われる意義はこういう新し いみんなが利用しやすい障害者福祉をつくっていくものなんだというようなことを 理解していただく。 3つ目の○しろまるが一番大事な点だろうと思います。調査への協力のお願いの事前配布等 ということで、訪問の一定期間前に調査への協力のお願いの文書を調査地区内の全世 帯に配布する。当該文書において調査の目的、調査の重要性、秘密保持、回答の倫理 性、拒否の権利とそれにより不利益をこうむらないこと、目的外使用はしないことに ついてより丁寧に説明する。 また、各自治体において訪問自体を拒否したい場合には、上記の窓口まで連絡して いただくことを依頼する。 希望に応じて調査票を郵送等で取り寄せられるようにする。訪問は困る、郵送での 調査であれば協力をするというような場合には、その選択も得られる。調査は嫌だと いう場合には拒否をすることも勿論できる。そういうような形で原則として訪問調査 で自分が障害者、この調査の対象であるかどうかの確認がはっきりしないような場合 についても相談して確認することができる。ただ、調査の中身に関しては、自分で記 入して郵送で回答する。そういう訪問調査を主体として、訪問が嫌だという場合には、 拒否したり郵送で回答したり、あるいは手話通訳の人に来てもらいたいということで あれば、そういういろんな選択が得られるような形にして、調査対象者の負担、不安 なくやられるようにするという、その辺の工夫が中心かと思います。 その下の○しろまるは調査員の質の確保。研修とかそういうようなことについて触れていま す。 10ページ、調査方法の○しろまるのところでは、調査員が調査地区内の世帯を訪問し、本調 査の対象者が身体障害のある方、知的障害のある方、その他生活のしづらさなどがあ る方であることを説明して、調査対象者がいる場合には調査票を手渡し、記入及び郵 送による返送を依頼する。こんな形でプライバシーなども保持する。その際にも改め てまた説明をして、不利益をこうむらないということなども説明するということにな ろうかと思います。 そのほかのことは、これまでのワーキングの報告の中でも昨年来御紹介してきたと ころです。 11ページの「(2)具体的な調査項目とその必要性」については、試行調査の中で ほとんどの人が白紙になるというような項目はなくそれぞれ必要だということで、基 本的には試行調査で行った調査票、この資料の末尾の方に付いていますけれども、こ れを踏襲するということでいいのではないかというようなことがワーキンググルー プの報告です。 併せて15ページの参考資料のところで、先ほども言いましたけれども、これまで の身体障害児・者実態調査あるいは知的障害者の実態調査がこの表の左側のところに ありますけれども、それに対して新たに一定期間前に調査のお知らせをしてお願いし て拒否もできる、郵送による調査もできるというようなことを周知して、先ほど言っ たようなことを新たに導入するということをワーキングとして提案させていただい ているところです。 そういうのが研究班の報告とワーキングからの報告ですけれども、これについて御 意見をいただければと思います。 河?ア委員、お願いします。 ○しろまる河?ア建人委員 日精協の河?アです。 ただいまの平野委員及び佐藤部会長の御説明を聞いていまして、1点確認をしてお きたいのですが、先ほどの平野委員の方からの今回の厚労科学の研究の報告書の概要 の中で、7ページに精神障害者の方についての調査については、今回は精神に障害の ある方を調査対象としないことも現実的な選択として考える必要があるという記載 がございますが、その辺りの御説明が全くなかったと聞いておりました。 つまり、23年度の国の調査として行う調査に関しましては、精神障害者の方は除く ということが今回の提案でよろしいのでございましょうか。 ○しろまる佐藤部会長 研究班の方で郵送で非常に回収率が低かったということから、研究班 としては調査の方法についてもパイロットテストをするということが研究の目的で もあったので、その回収率を高めるためにどんな方法があるかを幾つか御検討した結 果の選択肢の1つとしてこの中でも研究した。しかし、そういう報告もワーキングの 方では受けたんですけれども、ワーキングとしてはすべての障害者を総合的に調査す るというのが今回の改革の一番大事なところなので、そんなことはまずいだろうと、 よくないだろうということから、全体を対象にして難病や精神障害も全部含める総合 的な調査として、ただ被調査者に負担をかけないような工夫を拒否できるということ を含めた工夫をやったらどうかというのがワーキングの提案ですので、この点が研究 班の討議の一過程の中で出てきたアイデアの1つにすぎないということで理解して いただければと思います。 ○しろまる河?ア建人委員 わかりました。そういたしますと、9ページ以降の今回の基本骨格 案ということで、この中には在宅の精神障害者の方も含めて調査をなされるというこ とでございますか。 ○しろまる佐藤部会長 はい、そうです。 ○しろまる河?ア建人委員 そういたしましたら、これはいろいろ御配慮なされたのだろうと思 いますが、10ページに「調査方法」という記載のところがございますが、そこの調査 員が調査地区内の世帯を訪問し云々という流れの中で、身体障害のある方、知的障害 のある方、その他生活のしづらさなどがある方ということで、ここにあえて精神障害 のある方を入れていないので、だからこそ今回は精神障害者の方を対象としないのか というように理解したのが私の間違いの一番大きな理由でございました。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 実際にはそういう誤解が生じないように工夫をしてみたいと思いま す。ありがとうございました。 倉田委員、お願いします。 ○しろまる倉田委員 箕面市の倉田です。 基礎的なことを教えていただきたいんですが、これは全国でやるという理解でいい んですか。それともやっていこうという理解でいいのか、ピックアップして一部地域 でやっていこうという理解なのか、どちらですか。 ○しろまる佐藤部会長 今のところ予定をしているのは国勢調査地区の中で200分の1とか4 00分の1とかの抽出率で無作為に当たったところの全世帯を訪問調査対象にすると いうやり方。 ○しろまる倉田委員 とすると、自治体ということで言ったら全国という理解でいいんですか。 ○しろまる佐藤部会長 そうです。 ○しろまる倉田委員 わかりました。であれば、今回の報告書を読ませていただいていると、 かなり自治体に頼っているというか、そこに対する労力を期待しているというように 見受けられるんですが、勿論、私ども箕面市であれば当然させていただきますし、こ れは頑張ってやりたいと思うんですが、自治体、市町村レベルでいきますと1,000以 上自治体があるので、その1,000の市町村がここまでのことについて来られるかと、 対応に非常にばらつきが出るのではないかというのを懸念するので、もしこういう形 で自治体にいろいろときっちりやってということを求めていくとするならば、かなり 厚生労働省さんの方から一律的な指導であったりアドバイスであったりというのを 腰を据えて自治体に対してやるということを覚悟した上でやらないと、この報告が絵 に描いた餅になってしまうのではないのかなというのを懸念しますので、地域によっ てばらつきが出ないかなというのを心配しますので、その辺り考慮に入れていただけ ればと思います。 あくまでも前向きな意見としてとっていただけたらと思います。 ○しろまる佐藤部会長 御意見として。山本委員と小澤委員、続けてお願いします。 ○しろまる山本委員 山本眞理です。 今の御意見もそうなんですけれども、相談窓口や拒否したい場合の連絡先も全部自 治体と理解したんですが、その理解が間違いでないとすれば、これはどうかなと思う んです。調査自体が窓口を用意していただかないと、幾ら不利益にはなりませんよと か言われても、役所の人にノーと言ったら嫌な目で見られる、今後冷たくされるので はないかと常に我々は役所におびえて毎日暮らしているんです。ですから、やはり調 査はするのだったらするで、相談窓口も連絡窓口も自治体とは独立に設けるべきだと 思います。そうでないと、幾ら御説明いただいても精神障害者はしんどいです。 ○しろまる佐藤部会長 小澤委員、続けてお願いします。 ○しろまる小澤委員 筑波大学の小澤です。 実は調査の回収率の低さというのが相当強調されていますし、私はこの数字は相当 に問題だと感じておりまして、それに関して9ページ以降、課題を整理して対応策と いうことで見ていきますと、基本的には広報とか相談体制とかになってくるんですが、 実際のところ、例えば17ページ以降に実際の調査票が付いているんですけれども、 回答のしづらさ、回答しにくかったとかといった声はどういうふうに分析されたのか なと。要するに、郵送調査ですから、実際は書かれたものしかないのでしょうけれど も、例えば実際にこの調査票を当事者の方にお見せになったりして、これが回答しや すかったのかどうかだとか、次年度もし本格的にやるのだったら、項目も検討し直し た方がいいのではないかという感じがするんです。その辺り御検討していただけたら と思います。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 野原委員、お願いします。 ○しろまる野原委員 難病の対象をどうするかということについて検討していただければと いう意味で発言します。 今度の災害のときでもそうなんですけれども、障害者手帳を持っている、いないに かかわらず、56の特定疾患、いわゆる医療費の公費助成を受けている人たちは全部県 がリストを持っています。しかし、市町村が持っていなかったということからいろん な不都合が起こったということが災害に出たんですけれども、ましてそういう公費助 成を受けていない疾患というのは、一般的にこういう形でやってもほとんど引っかか ってこないだろうとおもうんです。医療機関だとかある程度回答が出そうなところを フォーカスするという形で対象を選ばないと、ほとんど対象そのものが選べないとい う状況になると思うんです。 そこで、今、全部で厚労省が難治性疾患特別研究事業で研究対象としている疾患が 先ほどの56を含めて344疾患あるんです。これ以外に小児慢性疾患が514疾患とい うことで、私たちはほかのことで動いたことがあったんですけれども、研究班が対象 をかなり具体的につかんでいるんです。したがって、厚労省とも相談しながら、恐ら くこれは厚労省とやるのではいなかと思うんですけれども、研究班の協力を得る、そ ういうことも今後研究していただかないと、その部分の人たちがどういう問題を抱え ているかという問題が、生活のしづらさというのはつかめないのではないかと思いま すので、一般的に家庭を回ってもほとんどつかめないと思います。その辺のところを 考慮していただけるとありがたいと思います。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 今の最後の野原委員の発言については、全障害者を幅広く調査するの と、個別の障害種別に深く特に件数の少ない人たちについてのニーズ調査をどうする か、両方総合的に組み合わせないといけないのかなという感じで、そういういろんな 種類の障害者の実態を把握し、しかも非障害者との比較をしながら、かつ総合的に見 ながら個別の領域についてもきめ細かく見るような調査の在り方についての総合的 な政策をきちんと設けるということが本当に必要なのかなと思います。 先ほど山本委員、自治体から独立したところでないと怖くて連絡もしにくいという ことについては、いろいろ工夫してみる必要があるかなと思っております。ただ、調 査員を派遣するのは自治体なので、この家には行かないんだと、国勢調査の地区の対 象にはなった全世帯を訪問するのではなくて、この家とこの家からは拒否とか郵送で とかという連絡があったのでそこには訪問しないようにするというようなことを自 治体に知らせないといけなくなるんだろうと思うんです。その際、なぜ拒否したのか、 長期にわたって海外出張があるので調査に協力できませんという理由だとかいろん な理由もあるので、精神障害だからとか、障害者だけれども、隠しておきたいからと か、どういう理由なのかわからないようにすれば中央のセンターで受け付けて、その 自治体に知らせるということで解決できるのかなと思ったりもしていますのでその 辺を。 山本委員、どうぞ。 ○しろまる山本委員 山本です。前提として、自治体の職員が訪問調査なさるんですか。 ○しろまる佐藤部会長 そうですね。場合によったら民生委員に研修をしてもらって民生委員 の人にやってもらうということもこれまであったかと思いますけれども、いずれにし ろ調査員、基本的には行政職員の調査ということでこれまでやってきたと思います。 ○しろまる山本委員 小澤先生もおっしゃっていましたけれども、大体この分厚いアンケート に答える体力があったら精神障害者をやっていないという感じもするんですが、その 問題は別として、この分厚いものの中にはいろいろ利害関係が絡むものがありますね。 同じ自治体が支給決定もしているわけです。そこの自治体の人がこんにちはと来て、 それで調査ができるんでしょうか。私は完全に調査は全く調査グループという方が独 立した訪問員を訓練してやるんだとばかり思っていました。 ○しろまる尾上副部会長 少し補足説明をさせてもらいます。どうしても訪問調査ということ で、受け止め方として例えば先ほど言われた訪問員の人が家に入って、この項目を全 部聞き取ると受け止められているとしたら、そうではないんです。先ほど身体障害、 知的障害、その他生活のしづらさがありますか、そういう人いますよ、私そうですと。 その場合に、調査票を置いていくだけなんです。つまり、この項目について一つひと つ、例えば問われた人に答えるということではないんです。訪問調査というのが適切 な言い方かどうかというのは疑問で、訪問によって調査票を置いてくる。そして、そ れに対して自分で書いて郵送なり、あるいは郵送するのはしんどいから取りに来てと いうふうな形の方式が今回の提案している内容なんです。 ○しろまる山本委員 ありがとうございます。 ○しろまる佐藤部会長 そうしましたら、拒否したり注文をしたりする窓口をどうするか、市 町村なのかどうなのか、もっとそこから独立したところというような御意見もあり、 調査票も長過ぎるというような問題もあったので、その辺については更に検討すると して、基本的にはまだ工夫の余地があるとはいえ、9ページ以下のワーキンググルー プで出したような方法で実施をするということについて。 広田委員、どうぞ。 ○しろまる広田委員 民生委員は反対です。私はかつて放送大学へ行こうと思いまして、生活 保護で暮らしていますから福祉事務所に相談しました。活動しているから、お金を借 りて行ってくださいと。だけれども、借りる先は社協で返す先は民生委員だと言われ ました。私は嫌で断ったんですけれども、今の民生委員さんはいろんなところから苦 情や相談をいっぱい受けて成り手がいなくて質が下がっているんです。 そういう意味で、佐藤先生は何度も障害を隠してとおっしゃるんだけれども、別に 悪いことをしているわけではないのだから、隠しているのではなくて名乗らないとい う選択肢です。名乗れない社会で名乗りたくない。そういう意味で物すごくそういう 人が来ることを恐れている精神科の仲間がたくさんいます。むしろ一般の人よりも民 生委員が嫌だというんです。是非民生委員はやめていただきたいということで、そう いうふうな人が来ることによって回答した人も回答が来なくなって敷居を下げなけ ればいけないのに高くなっていますから、私がお願いしたいのはそこだけです。 ○しろまる佐藤部会長 そうしましたら、基本的にはこの方向で、ただ調査票の分量だとか連 絡。 奈良崎さん、いかがでしょうか。 ○しろまる奈良崎委員 奈良崎です。 まず、知的障害の場合、質問内容が読んでいて理解できないと思うんです。例えば 食事をするのを1人でできますか、時間をかけますかと。私たちは時間をかけると見 守りが一緒になってしまうので、できれば、例えばごはんは食べられますかとか言葉 をもう少し改善してほしいと思います。 広田さんと同じように、民生委員さんは知的障害の本人たちは余り地域によって民 生委員さんの役目が、うちの地域はたまたま民生委員は高齢者だけを回っているので、 知的障害のことを回る民生委員は知らないと思うので、その辺をもう少し考えてほし いなと思います。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 どうしましょうか。三田さん、もう5時半になってしまっているんで すけれども。 ○しろまる三田委員 大阪府立大学の三田です。 おおむねこれでいいという合意が今日欲しいのかもしれないんですが、どなたが調 査員になるかというのは非常に大きな問題で、それは民生委員とか行政とかそれだけ ではなくて、限りなく回収率だとか広報をした効果が得られるためには、はっきりと 調査者・被調査者の権利を守るようなアピールのためにはどなたが調査員になるか大 きいと思っています。 今回、研究班でやったというのは1つ意味があって、もしこれが本格実施になった 場合にも、自分がそうだからではないですけれども、研究者だとか調査のためのチー ムというのもきちんとできて、そこが苦情も受けられるような距離をきちんと取った 形でやらないとうまくいかないのではないかなと思ったりしています。 先ほど先生が説明されたように、調査員の研修だとか調査員の質の確保というとこ ろを見ていると、とても公務員ではないと思っていたものですから、民生委員でもな いと思っていたので、調査員をこういう形で設定したということは、おおむねこれで いいとしても、もう一度ちゃんと話し合っていただくのと、あとは今、奈良崎さんが 言ったみたいに、例えばここの部会にいる当事者の方がこれをモニタリングで回答し たのかと思っていたら、そうでないのだとしたらもったいないので、終わった後にな ってしまいましたけれども、この調査票を通してここが難しいとか、ここがわかりづ らいというのをまだ時間があると思いますのでやられた方がいいのではないかと思 いました。 ○しろまる佐藤部会長 そうしましたら、まだこれで部会としてゴーサインというところには なっていないということで、もう少し検討させていただいてと思います。 調査票についても、各団体からのヒアリングなどを昨年来やってある程度修正はさ れたものですけれども、また見直してみると回収率を上げるためにどうした工夫があ るかという観点から見ると、改善の余地があるということのようですので、これはま た継続して次回もう少し整理したものを出させていただくということにしたいと思 います。 時間が大分押してしまいました。それでは、後の休憩の時間に配っていただきまし た「障害者総合福祉法骨格提言策定に向けて」という1枚裏表のページを。 藤岡さん。 ○しろまる藤岡委員 時間がない中、ごめんなさい。1個だけ私の参考資料2の説明だけさせ てください。新法における論点I-3-3とI-3-4、モニタリング機関と法全般の不服審 査・苦情解決・権利擁護機関に対する提言という二十数ページの文書を出させていた だきました。 この論点というのは、チームの対象になった積み残された余った論点になっており ますので、権利擁護について取り組んできた弁護士有志の力を借りながらこういう提 言をさせていただきましたので、是非骨格提言の方に反映していただきたくお願いし たいと思います。 ポイントだけ幾つか説明しますと、いろいろな苦情システムというものが現行あり ますけれども、非常に限界があるということで、福祉オンブズパーソン制度というの を法定化して、権限のある実効性のある制度にしていくべきだという提言をしており ます。 あと、こういう権利擁護を実現するために現行、成年後見制度その他あるわけです けれども、極めて不十分という中で、例えば国際育成会のペーパー等で発表された意 思決定支援というものが重要だという視点、それをより具体的に深めるべきだと。今 まで抽象的ないろいろな提言があったと思いますが、それなりに踏み込んだ具体的な 制度としてこういうもの、自己決定権をしっかり保障していくシステムをつくるべき ではないかという提言をしてありますので、是非新法における骨格提言の中で生かし ていただきたいとお願いしたいと思います。 終わります。 ○しろまる佐藤部会長 そうしましたら、1枚裏表の資料、骨格提言策定に向けてというとこ ろをごらんいただきたいと思います。ルビ付きのものが用意できなかったので全部読 み上げてほしいという話だったんですけれども、時間の関係もあるのでポイントだけ 紹介させていただきます。 1)で今後の大まかなプロセスとあります。第1段階では作業チーム報告をとりま とめて合本として、これを総合福祉部会報告書としてはどうか。第2段階でその合本 を踏まえて、作業チーム報告書をベースにして骨格提言を策定する。そういう大まか な2つの段階でやっていくというのが第1番目です。 第2番目が、骨格提言のイメージについてですけれども、法律そのものを策定する のではなくて、新法のあるべき方向性を明示して述べるということで、2つ目の○しろまるで すけれども、部会全体として新しい法律の項目に必ず盛り込むべきポイントが合意の 下に記されているということが大事で、網羅的に全部の意見を述べるということでは なくて、ポイントがわかりやすく示されるということが大事だろうということです。 「3)骨格提言策定にむけての部会等の進め方」ということで、部会三役の責任で 座長及び副座長から意見を聞きつつ、部会に示す骨格提言案を作成する。部会は、7 〜8月に3回予定しているわけですけれども、その提言案について全員で議論を行っ て、その合意の下に骨格提言を策定する。 そういうことで次のページにかけてスケジュールがありますけれども、7月26日 の総合福祉部会、8月9日の第17回の総合福祉部会、8月30日の部会、この3回と いうことになりましたが、文書での意見の集約とその整理だとか、そういうことも含 めて3回の部会で合意を図っていきたいと思っております。 その合意を図るためにも、作業チームの報告をベースにしてまとめていくというこ とが現実的だし、10月以来の多大なエネルギーを費やした、それをベースにするとい うことからも順当なのかなと思っております。そういう方向で進めたいと思いますけ れども、特に御意見があればお伺いできればと思います。 宮田委員と森委員。 ○しろまる宮田委員 障害児支援の合同作業チームですけれども、障害児支援が今後どうなっ ていくかということについてです。障害支援については児童福祉法に一元化されると いうことで進んでいるわけですけれども、総合福祉法をつくっているこの部会での立 場とか今後の方向性について明確にしていただきたいと思います。 このままでは総合福祉法と児童福祉法の新たな谷間に障害児支援が落ち込んでし まう危険性を感じております。骨格提言の中で障害児支援合同作業チームの報告を入 れていただくことになるわけですけれども、その中に児童福祉法の方向性とかあり方 に対する御提言というようなものも入れていただけないかなと思っています。 加えて児童施策へのアプローチが必要になってくるわけですけれども、社会保障審 議会の児童部会などとの合同の協議ができる場面というものをつくれるように推進 会議として何とか努力していただきたいと考えています。よろしくお願いいたします。 ○しろまる佐藤部会長 森委員、どうぞ。 ○しろまる森委員 森でございます。 スケジュールでございますけれども、8月30日に18回総合福祉部会で障害総合福 祉法の骨格提言をする。これは厚労省でやるわけですね。その後、9月以降は総合福 祉部会をもう開かないわけですか。第1点。 ○しろまる佐藤部会長 この総合福祉部会は推進会議から総合福祉法の在り方の検討をして くれと頼まれているので、推進会議に報告することになろうと思います。それを受け て法律の中身をつくる作業を中心にやるのは厚労省なんだろうと思いますけれども、 部会自体としては推進会議に御報告をする。その政府の方でそれを受け止めて、担当 の省庁としての厚労省が作業するということになるんだろうと思います。 第2番目の部会の存続がどうなるかということは、4月の段階で確認した要綱の中 でいつまでという任期が書いていなかったと思います。推進会議が設置したものなの で推進会議がいつまでやれということになるのか。 ○しろまる森委員 私が聞きたいことは、総合福祉部会で我々としては延々とやってきたわけ ですね。それに基づきまして骨格提案を受けた厚労省が今度は手続的には法案つくり をするのではないかなと思うんです。そのときに我々は蚊帳の外になってしまうんで すか。つまり、今、こういう問題をやっていますというような状況の節々で我々の方 に御説明みたいなのはないんですか。一方的にこれを受けて行政だけでやっていきま すよという形になるわけですか。それもよくわからないんです。 私個人に言わせれば、やはり部会に対する意見も聞いてもらいたいなというのが出 てくると思うんです。言うまでもなく、現在のコメントの中で我々の考えている中と 相当乖離があると思うんです。それをただ検討しますとか、慎重に検討するというだ けではわからないわけです。そうすると、我々は何をやってきたのかなという気がす るわけで、少なくとも厚労省の節目節目で部会に皆さんこういう意見はありますかと か、何か聞かれてもいいのではないかなと思います。 ○しろまる佐藤部会長 竹端委員、どうぞ。 ○しろまる竹端委員 今の森さんの御質問に関連して質問があるんですが、厚労省コメントの 中でたくさん「検討が必要」だと書かれている部分がありました。恐らく実現に向け ての検討が必要だという御指摘だと思いますので、是非とも9月以降に「検討が必要」 だと書かれたところについて厚労省と例えば部会作業チームとかで具体的に検討す る場を設けることはできないんでしょうか。そうしますと、骨格提言はしたものの、 具体的な中身についてどのようになっていくのか、この今回の厚労省コメントでは 「検討が必要」だという項目はたくさんあります。検討が必要だったら実際私たちも 検討すればいいですし、私たちだけでやるのではなくて厚生労働省と一緒に検討しな いとコミュニケーション不足になるので、そのような進め方も必要だと思うんですが、 いかがでしょうか。 ○しろまる佐藤部会長 斎藤委員、どうぞ。 ○しろまる斎藤委員 今、御意見が出てきているんですけれども、8月前にどうしても骨格提 言をつくらなければいけないというタイムスケジュールが決まっているということ ですが、では9月からはその通常国会に法案を出すためのスケジュールというのは一 体どうなっているのかというのは、我々は全く今のところ見えていないし、そもそも 迫ってきた6月の終わりになってやっとやるというのはどういうものかと、本当に疑 いを感じるんです。 少なくとも大体作業チームが終わって、それに対する厚労省のコメントが出た段階 で、一体これからの法案作成に向けて、我々の骨格提言がどう生かされていくのかと いうことが見える形にしていく準備は進めていかなければいけないと思うんです。 だから、今日の2回目のコメントを見ても、本当に距離が大きいと皆さんだれでも 感じていると思うので、私は少なくとも1年前にここに来たときには、ある意味大き な期待を持ってきたわけですけれども、このままでは総合福祉法でできるのかなとい う思いでしか今感じませんし、自立支援法を少し変えただけのもので、法律の名称だ け変わったということになってしまうのではないかというような懸念まで感じます し、一旦まず9月以降どんなスケジュールで厚労省はやられるのかを教えていただき たいと思います。 ○しろまる佐藤部会長 増田委員、どうぞ。 ○しろまる増田委員 森委員の御意見にとても賛同いたします。私たちが議論してきたことを どのように検討されていくのかということをきちんと私たちは見ていく必要がある し、もう一つ加えて申し上げると、労政審での議論、あるいは精神の方は検討チーム ができていたり、難病の方でも議論が進んでいたり、総合福祉法だけでは決められな いことというのが多岐にわたっているので、その多岐にわたる部分もきちんとフィー ドバックをいただきたい。特に精神のことで言えば、推進会議や総合福祉部会の検討 の延長線で議論されているというふうに書いてありますので、そこについては私たち もその状況を把握していきたいと思います。 併せて、骨格提言をまとめていくことを推進会議の方に報告するんですけれども、 勿論、推進会議で議論をもう一度していただいて、なおかつ総理大臣をトップとする 推進本部の方でもきちんと決議していただきたいなと考えています。 ○しろまる佐藤部会長 9月以降のことに関していろんな御意見をいただいていますので、推 進会議や推進室、部会の三役でもその辺を参考にさせていただきながら協議をして対 応するということで、いつまで部会が存続するのかということも含めて検討させてい ただきたいと、検討して部会長や三役に解散の時期の決定の権限があるかどうかもわ からないんですけれども、そういうのを含めて、当事者と関係者を中心にして制度改 革をしろということをやってきたので8月でおしまいですと、あとはお任せというこ とでは進まないだろうなということは今の話を聞いていて私も感じていますので、き ちんとフォローして骨格提言が生きるような形でどういう仕組みが考えられるのか 検討させていただきたいと思います。 東室長の方からも一言お願いします。 ○しろまる東室長 東です。 今、佐藤部会長が言われたように、具体的には今後少し詰めていくことが必要だと 思います。基本法改正につきましては御存じのように昨年12月17日に第2次意見を まとめております。その後、推進会議でも法案が具体的にどういう形になっていくの かについては、2月14日に事務方から出された案につきましては御意見をいただき ました。その後、実は何回か延長しました。延長しなければもう少し推進本部での決 定以前に推進会議自体を入れられたかなと思っていましたけれども、いろいろな動き がある中でああいう形になりましたが、推進会議自体がそういうやり方をとっており ましたので、基本的には8月で骨格提言を出せば終わりというようなことは担当室と しては考えておりません。 当然、骨格提言の後どういう形で進行していくかについては、ここに報告いただい て議論していただくという形になろうかなとは思っておりますが、具体的にいつまで とかということについては詰めていないという状況です。 それと宮田先生がおっしゃられましたのはこの点からの質問でもあったと思いま すが、総合福祉法に必ずしも含まれない部分をどうするのか。資料もそうですが、そ の部分については推進会議自体でどうしていくかという、推進会議自体の課題になろ うかと思っております。それにつきましても具体的にどういう形でやっていくのかと いうところまでは詰め切っておりません。 ただ、基本法が御存じのように衆議院は通過しております。国会が延長されました ので、参議院でも早晩審議いただくということになろうかと思います。仮に基本法が 通りますと、閣議決定で設けられた今の体制が法律に基づいたものになっていくとい うわけです。ですので、実質はそんなに変わらないと思いますけれども、根拠が変わ ることによってどんな影響が出てくるのかとか、新法の下でのやり方としてどういう ふうにやるのかということもありますので、そこら辺はもう少し時間をいただいた上 でこちらからこういう方向でということで言えるようになれば発表したいと思って いるところです。 また、漠然とした形でしか言えませんけれども、担当室としてはそんなふうに考え ておるということです。 ○しろまる佐藤部会長 大分時間が過ぎましたけれども、以上で本日の。 中西委員、どうぞ。 ○しろまる中西委員 今後の進め方について、厚労省と東室長、総合福祉部会の座長、部会長 を入れて調整をやっていただきたいと思います。8月以降、9月、10月、11月と毎 月1回ここで報告をしていただくというようなことで進めていっていただければ非 常に民主的かと思います。よろしくお願いします。 ○しろまる佐藤部会長 斎藤委員、どうぞ。 ○しろまる斎藤委員 今、9月以降のことが問題になっているわけですけれども、それ以前に 今から8月の末までに骨格提言をまとめるということについて、こんな短い時間でど のようにされるのかというのは私はよくわからないので、座長、副座長が中心になっ てまとめられて、次回までに素案をつくられるということですね。その上で8月末に 決めるということだから、1〜2回ぐらいの議論しかほとんどできないということな んですが、例えば今日、私どもの就労作業チームの報告をしたんですが、私自身も質 問をしたかったというか、本当に総合福祉法に就労をどう盛り込むのかということは 全然明確になっていない作業チームのまとめになっているんです。それは厚労省の方 も書いてあるので、これは私も厚労省の方のおっしゃるとおりだと思うので、そうい うことで具体的にどうできるんだというのは私自身が関わった作業チームの中でも 非常に疑問に思っている段階なので、これは各作業チームのまとめが出たからそれを 下敷きにして全体の提言ができるという簡単なものではないという気がするんです けれども、そこら辺は座長とか副座長の皆さんはどう考えるんでしょうか。 ○しろまる佐藤部会長 作業チーム報告で両論併記的になったものの中で7月に出す我々三 役が提案する素案では、両論併記的なまま出すのか、どこかを中心にして出すのか、 そういうことについて検討しなければいけない部分があろうかと思います。 ただ、作業チームで3か月詰めた議論をして結論が出ないものを全体会で何かに固 めるということはできないのかなと思います。その辺は座長会議などでも意見を聞き ながらまとめていくということになろうかと思います。 今のところそのくらいしかお答えできないのですけれども、あと2か月余りでどう やってまとめるのかということに関していいお知恵があれば教えていただければと 思います。 それでは、もう6時近くになってしまいまして、飛行機に間に合わなくなる人など もいると思いますので、本日の議題はここで終了ということで、それでは、事務局よ り次回の部会についての説明をお願いいたします。 ○しろまる東室長 どうも御苦労様でした。次回は第16回になります。7月26日(火)午後 1〜5時を予定しております。会場はここでございます。議題といたしましては、「部 会のとりまとめ素案の提案・討議」ということなどを予定しております。次々回以降 は、8月9日(火)と8月30日(火)を予定しております。 以上です。 ○しろまる佐藤部会長 厚労省の講堂をこれから8月30日の部会まで使うことになったとい うことです。節電で冷房が余り利かないおそれがあったんですけれども、事務局の方 でいろいろ掛け合っていただきまして、最低限の冷房はやれるようになって一安心だ ということです。ということで、これからこの場所で8月30日まで部会をやるとい うことです。 とはいえ、そんなにうんと低い温度の冷房になるかどうかの保証はないそうですの で、特別な対応が必要な場合にはまた事務局の方に申し出ていただければと思います。 それでは、これで閉会といたします。長時間お疲れ様でした。6時15分から厚労 省の中で座長、副座長打ち合わせ会を開きますので、座長、副座長の皆さん、お集ま りください。 (了) [障がい者制度改革推進会議総合福祉部会事務局] 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課企画法令係 TEL 03−5253−1111(内線3022) FAX 03−3502−0892