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| 1. | 施設内の区画
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| 2. | 清浄度の計測と評価 各区域は防塵、清掃、殺菌、除菌等の措置により、室内環境を清潔に保ち、空気中の落下菌数、浮遊菌数及び壁面、棚、床面、器材等の表面付着菌数を極力少なくすること。(注1) 清浄度の計測(試験方法は末尾参照。)は毎月始業前に行うことが望ましく、その基準値を以下に示す。いずれの場合においても、基準値を上回る場合は清掃、空調フィルターの交換、殺菌等の措置を講じること。
※(注記)
数値は、アメリカ航空宇宙局(NASA(ナサ))の定める空気清浄度クラスに対応しており、清潔区域はNASA(ナサ)基準の清浄度100,000にほぼ対応する。
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| 3. | 施設内の空調管理と調湿設計 各場所には十分な能力を有する次のような換気設備及びその付帯設備が設けられていること。 1
換気設備は汚染区域の空気が清潔区域及び準清潔区域に流入しないように配慮して配置されていること。また、排気口は強風等による外部からの汚染された空気の流入を防ぐ構造であることが望ましい。
2
準清潔区域、清潔区域は空気調和機(空調機)、空気清浄機などの設置、防湿・調湿建材の使用により適切な温湿度を維持する必要がある。適切な温湿度とは温度25度で相対湿度50パーセント以下、温度20度以下で相対湿度65パーセント以下である。
3
資料保管場には必要に応じ、さらに厳密に温度、湿度、酸素濃度等を制御できる収納箱等が設置されていること。
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| 4. | 資料の保管及び収納
1)
資料受入れ場、資料一時保管場には資料を直接床面に接触させないように、棚、スノコ等が設置されていること。
2)
資料はその特性、重要度等により適切な方法で保管すること。収納箱等で分別収納する場合も防湿あるいは調湿材、防カビ剤等の使用により、効果的にカビの生育を抑制することが望ましい。
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| 5. | 施設、設備の管理(注8)
1)
施設設備は必要に応じて補修を行い、定期的に清掃し、常に清潔に保つこと。なお、掃除機を用いる場合はHEPAフィルター付の機種を使用し、集塵時に埃が浮遊しないよう注意する。
2)
施設において、ねずみ、昆虫等の存在又はそれらの繁殖源が確認された場合は、直ちに駆除、殺虫作業を実施し、それらの繁殖源を撤去するとともに再発防止対策を講じること。
3)
施設、設備にカビの生育を認めた場合、環境中への胞子の拡散に十分配慮し、適当な薬液(塩化ベンザルコニウム等の消毒剤)を含ませたガーゼ、脱脂綿等で表面を殺菌する方法等により十分殺菌した後、再発防止対策を講じること。
4)
施設の出入口は出入等やむを得ない場合以外は閉めておくこと。
5)
手洗い設備には、手指を清潔にするための石けん、ペーパータオル、塩化ベンザルコニウム等の消毒液などを常備し、手洗いに支障のないようにすること。
6)
機械、器具類は常に点検を行い、故障、破損等がある場合は速やかに補修し、使用できる状態に整備しておくこと。
7)
天井及び内壁は定期的に清掃すること。
8)
換気扇、空調設備(ダクト、配管類、フィルターを含む。)は定期的に清掃又は交換(フィルター等)し、記録すること。
9)
天井及び内壁に露出した配管、配線等は定期的に清掃し、記録すること。
10)
清潔区域及び準清潔区域は自記温湿度記録計を用いて温度及び湿度を測定・記録し、できればモニタリングシステムの導入を図ることにより1日に1回以上確認すること。
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| 6. | 施設内の殺菌、除菌
1)
施設内は必要に応じ殺菌、除菌する必要がある。空気清浄機、循環式紫外線殺菌装置、オゾン殺菌装置など室内環境の殺菌手段を適用する。
1
空気清浄機
装着フィルターにはHEPAフィルター、抗菌加工フィルター、防カビ加工フィルター、光触媒フィルター等殺菌・除菌が可能なものを使用する。また、一定の頻度でフィルターの交換を行う。 2
紫外線殺菌装置
空調機の空気吹き出し口等、空気の流入する箇所を中心に設置し、直接照射方式又は反射板付照射方式により殺菌する。室内空間への殺菌空気の循環を図るための装置があればさらに有効である。紫外線が資料に直接当たらないように注意するとともに、殺菌灯の点灯中は人体への影響を考慮し、夜間点灯等の配慮が必要である。また、殺菌灯には寿命があるため定期的に交換する必要がある。 3
オゾン殺菌装置
オゾンガスによる資料劣化が認められない資料についてはオゾン殺菌装置が有効である。夜間等、人が立ち入らない時間に低濃度(10ppm(パーツパーミリオン))のオゾンガスで、約12〜15時間の長時間殺菌を行う。殺菌中は人の立ち入り、酸化作用による資料劣化に注意が必要である。なお、高濃度のオゾンガスで室内全体を燻蒸殺菌する場合は目張りを行うなど、オゾンガスが漏れることを防ぐための配慮が必要である。 |
| (注1) | 汚染度の目安 付着細菌数の結果による汚染度の目安(判定基準の一例)を以下に示す。
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| (注2) | 落下細菌数 トリプトソイ寒天培地を直径90ミリメートルの滅菌ペトリ皿に注ぎ、固化させたものを試験平板とする。試験平板を測定場所の中央及び四隅に置き、ふたを開放した状態で5分間露出させ、再びふたを被せる。この試験平板を倒置した状態で30度、3日間培養後、生育した集落数を計測、平均し、落下細菌数とする。 |
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| (注3) | 落下真菌数 ポテトデキストロース寒天培地(クロラムフェニコールを100mg/L(ミリグラム毎リットル)添加)を直径90ミリメートルの滅菌ペトリ皿に注ぎ、固化させたものを試験平板とする。試験平板を測定場所の中央及び四隅に置き、ふたを開放した状態で20分間露出させ、再びふたを被せる。この試験平板を倒置した状態で25度、7日間培養後、生育した集落数を計測、平均し、落下真菌数とする。 衝突型エアーサンプラーの一例。
採取場所で浮遊しているカビの種類と量から、空気の流れや汚染状況を評価する。 室内で比較的よく見られるペニシリウム・シトリナムの集落。 ポテトデキストロース寒天培地は、集落の形状、色などから同定に関する情報を得ることのできる利用例の多い標準的な培地である。 |
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| (注4) | 浮遊細菌数 衝突型エアーサンプラー又はろ過型エアーサンプラーを用い、測定場所の中央及び四隅における空気を吸引する。吸引量は100リットル(清浄度が高いエリアなどは必要に応じ100リットル以上)とする。 衝突型エアーサンプラーの場合は設置したトリプトソイ寒天平板培地を、ろ過型エアーサンプラーの場合はろ過後のフィルターをトリプトソイ寒天平板培地に貼付し、30度、3日間培養後、生育した集落数を計測し、100リットル当たりの浮遊細菌数に換算する。 |
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| (注5) | 浮遊真菌数 衝突型エアーサンプラー又はろ過型エアーサンプラーを用い、測定場所の中央及び四隅における空気を吸引する。吸引量は100リットル(清浄度が高いエリアなどは必要に応じ100リットル以上)とする。 衝突型エアーサンプラーの場合は設置したポテトデキストロース寒天平板培地(クロラムフェニコールを100mg/L(ミリグラム毎リットル)添加)を、ろ過型エアーサンプラーの場合はろ過後のフィルターをポテトデキストロース寒天平板培地(クロラムフェニコールを100mg/L(ミリグラム毎リットル)添加)に貼付し、25度、7日間培養後、生育した集落数を計測し、100リットル当たりの浮遊真菌数に換算する。 |
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| (注6) | 付着細菌数 スワブ(滅菌綿棒又は滅菌ガーゼ等を回収液で湿らせたもの)を用い、測定場所の一定面積をふきとり、滅菌リン酸緩衝生理食塩水等に付着菌を分散させる。この分散液(回収液)についてトリプトソイ寒天培地を用いた混釈平板培養法(30度、3日間培養)により1ミリリットル当たりの生菌数を測定し、25平方センチメートル当たりの付着細菌数に換算する。必要に応じスワブではなくコンタクトプレート(トリプトソイ寒天培地)を用いてもよい。 |
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| (注7) | 付着真菌数 スワブ(滅菌綿棒又は滅菌ガーゼ等を回収液で湿らせたもの)を用い、測定場所の一定面積をふきとり、滅菌リン酸緩衝生理食塩水等に付着菌を分散させる。この分散液(回収液)についてポテトデキストロース寒天培地(クロラムフェニコールを100mg/L(ミリグラム毎リットル)添加)を用いた平板塗抹培養法(25度、7日間培養)により1ミリリットル当たりの生菌数を測定し、25平方センチメートル当たりの付着真菌数に換算する。必要に応じスワブではなくコンタクトプレート[ポテトデキストロース寒天培地(クロラムフェニコールを100mg/L(ミリグラム毎リットル)添加)]を用いてもよい。 |
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| (注8) | 消毒剤の対象別使用濃度
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