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  6. 日本の年中行事と食「氷の朔日と氷餅」

日本の年中行事と食1「氷の朔日と氷餅」

四季折々に行われる日本の年中行事に関連する「食」を紹介する連載企画。第1回は、いにしえの宮中の習わしに由来する氷の朔日(ついたち)と氷餅について紹介します。

氷の朔日とは?

氷の朔日は旧暦の6月1日のことで、その由来や、その日に食べられる氷餅について案内します。

平安から江戸時代まで続いた夏バテ防止の季節行事

氷の朔日とは、本格的な夏を迎える前に行われる季節の行事のこと。今のように冷蔵庫がなかった時代に、冬の間に「氷室(ひむろ)」という場所に雪や氷を保存しておいて、旧暦の6月1日になると皇族や貴族に献上されました。 半年ものあいだ氷を保存できるよう、日本各地に宮中御用達の氷室が作られたといわれます。氷室とは、穴を掘って板や茅などで覆って氷を保管する場所のこと。「日本書紀」にも登場するほど古いものです。 平安時代には宮中で暑気払いをする行事「氷室の節会(せちえ)」として氷が食されたといわれ、江戸時代になると加賀藩が氷室に雪を貯蔵し、旧暦の6月1日に幕府へ届けたといわれています。 1985(昭和60)年3月28日には、当時の日本冷凍事業協会副会長の小野田正美氏が氷の朔日にちなんで6月1日を「氷の日」と制定しました。

乾燥させた餅やあられで夏バテしない体づくり。

清少納言は随筆「枕草子」に、削った氷に樹液を煮詰めた甘いシロップ(あまづら)をかけて食したと綴っています。また、庶民の間では歯固めをして体を丈夫にし、夏の暑さを乗り切ろうと氷のように固いものを食べるようになったといわれます。その一例として、せんべいやあられなどが食べられるようになりました。そのひとつに氷餅があります。

寒い地方の伝統食、氷餅は夏の栄養源に。

氷餅は、冷たい氷を食べて夏を乗り切った貴族を真似て、氷を手に入れにくかった庶民が正月に作った餅を乾燥させた保存食が始まりといわれます。長野県を代表する伝統的な保存食品「凍り餅」もそのひとつ。短冊状に切って和紙に包んだ餅を2日から3日水に浸してから紐でくくって軒先に吊るし、冷え込む夜間に凍らせたものです。
凍り餅は冬の農閑期に作り、夏の農繁期の栄養源として、餅やおかゆにもどして食べます。また東北地方でも同じく寒い期間を使って、凍り餅と同じように「凍(し)み餅」を作ります。世代を問わずに好まれる、和洋のレシピにも活用できるので、各地方を訪れたら、ぜひ買って家で楽しみたいものです。

氷餅

時間が経っても硬くならない凍り餅を使って、おやつにぴったりのいちご大福を作ってみましょう。
曽根原叶子さん - 「ときわ農産物直売所かたくり」凍り餅部会部長。30年以上部会の仲間と協力し、毎年凍り餅を作る。和菓子のほかお好み焼きやピザなど、仲間と一緒に多彩なレシピも開発。
材料 5〜6個分 凍り餅 5個(1個あたり約35グラム)、片栗粉 大さじ3、水 適量、あん 50g、いちご 5から6個
作り方
1.和紙で巻かれた餅をそのまますべてボウルに入れて、凍り餅が浮かぶくらいに水をたっぷりと入れる。凍り餅にしっかりと水がしみ込むように、10分ほど浸しておく。
2.ボウルから凍り餅を1個ずつ取り出して片手で持ち、まず1回力を込めてギュッと握って水分を絞る。多少水分が残っているほうが柔らかい生地に仕上がるので、2回目は加減をして絞る。
3.2に巻いてある和紙をきれいに取り外した凍り餅を手でほぐす。細かくほぐしたほうが熱の通りが早いので、なるべく大きなかたまりが残らないように、細かく均一にほぐすことがポイント。
4.3に、片栗粉を入れる。片栗粉が凍り餅のつなぎになるので、全体に混ざるように、しっかりとかき混ぜることがポイント。
5.凍り餅が皿にくっつかないようにオーブンシートを敷いて電子レンジで600ワット3分加熱する。1回取り出してかき混ぜ、再び1分加熱する。
6.片栗粉をまぶしたトレイに5をのせて、熱いうちに伸ばして10分ほど冷ましておく。キッチンばさみで5等分から6等分にカットして丸める。
7.餅に入れるあんは約10グラムずつ丸めておく。いちごのヘタは取る。凍り餅が冷めたらちぎってやぶれないように広げ、あんといちごを包む。

取材協力ときわ農産物直売所かたくり

所在地 長野県大町市常盤9602 電話 0261-22-8839 営業時間 9:00~17:00 (時期によって変わります) 休日 12月下旬~3月中旬 (注記)凍り餅はときわ農産物直売所かたくりのほか、JA 大北ええっこの里などでも販売
次回のテーマはお盆と精進料理 お楽しみに!
RELAY THE FOOD ~未来につなぐ食と風土~ 6月8日 (日) ~6月15日 (日) の期間中、 農林水産省は、 大阪・関西万博のメッセ会場にて展示を行います。 コンセプトは、「農林水産業と食文化の発展は世界をもっと豊かにつなぐ」。 日本の食 農林水産業に関する伝統、多様性、未来に向けた取り組みについて、国内外に向けて発信します。 RELAY THE FOOD 未来につなぐ食と風土 2025.6/8(日)-15(日) ( 「食と暮らしの未来ウィーク」 期間中) 会場 大阪・関西万博会場内 EXPO メッセ 「WASSE」 イベントホール南側 来場予約不要

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