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特集2 盆栽(1)


小さな樹木に大自然を映す。
日本が世界に誇る伝統文化の鑑賞と育成の基本を覚えましょう。

盆栽の楽しみ方



第8回 世界盆栽大会のシンボル盆栽。真柏 銘「飛龍」
第8回 世界盆栽大会のシンボル盆栽。真柏 銘「飛龍」

日本独自の発展を遂げた盆栽は「生きた芸術品」
鉢に植えた樹木や花を自然の景色に見立てて楽しむのが盆栽です。単に植えて育てるだけでなく、ハサミで芽を切ったり、針金をまいて枝を曲げたりといった技法を用いながら、丹精込め、時間をかけて理想の造形を追求していく、いわば「生きた芸術品」です。

作為的な技巧のあとが見えず、かつ自然の美しさを凝縮させたものがよい盆栽とされ、特に高く評価された作品の中には「銘」がつけられたものもあります。

盆栽は一代で完成させるものではありません。はるか昔から何人もの所有者に愛蔵され、大切に受け継がれてきた名品には、樹齢が数百年の古木もあります。こうした貴重な作品の場合、所有者が専門家に管理を委託することも。

平安時代に中国から渡ってきた盆山(ぼんさん)、鉢植えを源流として独自の発展を遂げた盆栽は、今や海外でも人気が高まり、米国やフランス、イタリア、スペインなどには多くのファンがいます。

そのきっかけの一つとなったのが1989年に日本で開催された第1回世界盆栽大会でした。この大会が今春、28年ぶりに日本で開催されることに。先人が育んだ盆栽の魅力に改めて触れるよい機会となりそうです。

世界盆栽大会が今春、開催
2017年4月27〜30日、第8回世界盆栽大会が埼玉県さいたま市で開催されます。日本を代表する盆栽作家13人が競演。海外からも多くのデモンストレーターが参加します。 「世界盆栽大会」ロゴマーク

しかく「松柏(しょうはく)」と「雑木(ぞうき)」に大別される
盆栽によく用いられる主な常緑針葉樹の松と真柏(しんぱく)をあわせて「松柏」、それ以外の樹種を「雑木」と呼んで区別します。雑木には実もの、葉もの、花ものがあり、季節の変化が楽しめます。

[松柏]

五葉松や黒松は丈夫で育てやすいのが特徴。黒松の変種で樹皮が厚く割れる錦松も人気。
(写真)龍の姿を造形化した五葉松。銘「青龍」(樹高75センチメートル)。 真柏 真柏
真柏とは高山や海岸沿いの崖などに自生するヒノキ科の常緑樹ミヤマビャクシンのこと。日当たりのよい場所で管理する。
(写真)銘「寿雲」(樹高98センチメートル)。

[雑木]
実もの 実もの
果実がなる花梨や紅紫檀、姫りんご、梅もどきなども盆栽に仕立てられる。
(写真)首相を務めた岸信介や佐藤栄作が愛蔵、日本盆栽協会の「貴重盆栽」第1号に認定された「花梨」(樹高95センチメートル)。 葉もの 葉もの
もみじなど紅葉が楽しめる雑木を「葉もの」という。
(写真)根から複数の幹が広がる「株立ち」の樹形に仕立てられた山もみじ。銘「紅陵」(樹高69センチメートル)。


しかく全方向から眺めて楽しむ
盆栽を見るときは、大自然の情景をイメージしてみましょう。土をしっかりつかむ根の張り、歳月を重ねた樹皮に包まれた幹、美しく整えられた枝なども見どころです。

幹や枝の一部が枯れて白い部分がむき出しになった部分は、幹のものを「シャリ(舎利)」、枝のものを「ジン(神)」と呼びます。

雑木は花や実のほか、落葉後の枝ぶりも趣があります。

根の張り 根の張り
古木のもみじ。亀の甲羅のような形に広がった根を「盤根(ばんこん)」と呼ぶ。 枝ぶり 枝ぶり
冬の葉の落ちたけやき。葉ものなどの雑木は季節ごとの変化を楽しめる。


正面
正面 矢印 側面
側面 矢印 裏面
裏面
正面は木の姿が引き立ち、幹を見やすい。側面は見る者に対面するように前傾し、裏面は幹を覆う豊かな葉が奥行きをもたらしている。

(注記)「飛龍」以外の盆栽はいずれも、さいたま市大宮盆栽美術館蔵



取材・文/下境敏弘
撮影/長谷川 朗


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