精神保健福祉士とはメンタルヘルスの課題を抱えた人々の生活を支えることを仕事とする精神保健福祉領域のソーシャルワーカーです。専門的な知識や技術をベースとして、相談を受け、助言をするなど適切な支援を行います。
精神保健福祉士は、もともと精神科ソーシャルワーカー(PSW : Psychiatric Social Worker)という名称で、医療チームの一員として導入された歴史のある専門職です。ストレス社会と言われる現代においては、医療、保健、そして福祉にまたがる領域で活躍する精神保健福祉士の役割はますます重要になってきています。教育分野(スクールソーシャルワーカー)、司法分野(社会復帰調整官)にもその職域を拡大させています。人々の生活を支える精神保健福祉士を目指し、専門的な学びを深めていきましょう。
精神保健福祉士の仕事は働く場所によって違いがあります。
様々な職種と連携し協力しながら対象者の生活を支え、社会復帰のお手伝いをすることは共通しています。
例えば精神的に不安定になり、仕事を休み入院して治療を受けるとします。身体を休め治療をしてもすぐに仕事に戻ることは難しいこともあります。そのような場合には、社会保障制度を使い生活の安定を図りつつ、リハビリテーションのために就労支援施設を利用したり、面接を通し、課題を探り、その人の望む生活が実現できるように支えていく仕事です。
精神保健福祉士の活躍が期待されるのは下記の分野ですが、杏林大学では保健学部の特徴を生かし、どの分野でも活躍できるようにカリキュラムを組む予定です。
精神保健領域の学びだけでなく、社会福祉領域についても詳しく学んでいきます。地域の社会福祉施設などでの実習も行ないます。
精神医学、精神保健学、精神保健福祉論、精神科リハビリテーション学など
社会福祉学、社会福祉援助技術論、社会調査概論、介護福祉論など
杏林大学医学部付属病院でソーシャルワーカーとして働いてきました。たくさんの患者さん、ご家族から「生きる」ということの意味や苦しさ、喜びを教えてもらってきました。忘れられない患者さんたちがいます。話を聞かせてもらった責任を果たせるように、日々前を向いていこうと思えるように、背中を押してもらう、そんな経験も多々ありました。
これからはこの経験を皆さんに伝え、想像力と創造力を身に着けたソーシャルワーカーを育てていきたいと思っています。
精神保健福祉士はすべての人を対象に、その生活を支えることを目的に仕事をします。
人の人生が長くなり、そのライフステージごとに様々な生きづらさを抱え、心の健康を保ち続けることが難しくなっています。たとえば、いじめや虐待、自殺、労災や過労死、犯罪や災害被害、貧困、などなど社会の中の問題として取り上げられているこれらのことは、私たち精神保健福祉士が取り組むべき課題です。
人は人によって救われます。
一緒に学び、人に寄り添い、人の力を信じることができる精神保健福祉士を目指しましょう。