工学部
機械電気システム工学科
工学を通じ、自分と社会を学び、
めざしたい道をつかむ4年間。
工学は、あらゆる産業や生活と深く結びついています。どんなものづくりにも工学が必要ですし、医療や農業の進化も工学とは切り離せません。ロボットはこれから先、産業用だけでなく医療用・家庭用にも展開されていくでしょう。そんな工学をうまく社会に活かす人材を世に送り出すため、本学の工学部では他に類を見ない実践重視の教育プログラムを用意しています。英語については、1年生には週に10コマを充てるなど、集中的な実践型教育を行います。専門科目は英語で実施され、グローバルに活躍するエンジニアを目指します。3,4年生では、企業が直面する課題にグループで取り組むキャップストーンプロジェクトに取り組み、プロのエンジニアとしての視点を身に着けます。
Be a Street-Smart Global Engineer!
Point
学びのポイント
キャップストーンプロジェクト
京都先端科学大学の工学部では、企業が抱えている「困った」を学生と企業が協業しながら解決するカリキュラム「キャップストーンプロジェクト」を3年次と4年次に取り組みます。ほかにも自分で「仲間とロボットコンテストに出たい!」などの挑戦を応援する「コーナーストーンプロジェクト」も学生たちは積極的に参加。企業や仲間とプロジェクトを進めていくリアルな体験は、卒業後も役立つ経験になります。
EMI(English Medium Instruction)
EMI とは英語で教えることです。工学部の約半数は留学生なので講義はすべて英語で行われます。国際的な環境で異なる文化や風習の友人と議論、交流することで、 英語力を向上して世界観を広げることができます。
- レベル別のクラス編成、少人数クラスで英語教育をサポート
工学部では、英語での専門科目授業に適応できるよう、630時間の英語教育を行います。日常英語に加えて工学の専門英語も学びます。レベルに応じてクラス編成されるので、理解度にあわせ着実に英語を身につけることで専門科目授業にも適応でき「英語"で"学ぶ」を実践します。また学内の英語サポートデスクでは専門の教員による勉強方法等のサポートも受けることができます。
- まるで国内留学のような環境で国際感覚を身につけます
工学部の約半数は留学生。さまざまなバックグラウンドを持つ学生たちと、ともに高め合える環境に進化しています。また、工学専門の教員も3分の1が海外出身。多様性ある環境で言語や考え方などさまざまな違いに触れ、国際感覚を身につけます。
Curriculum
授業ピックアップ
デザイン基礎
1年次にロボット構築、マイコンを利用したシステム構築、スマートフォンを活用したシステム構築の三つのテーマから一つを選んで、システムデザインの基礎知識を身につける、入学して最初に取り組む授業です。例えば、ロボットシステム構築のためには、歯車などの機構、多様なセンサによる周囲情報の取得、モータの駆動、それらを制御するプログラムなど、さまざまな知識が必要です。それらを体験を通じて学び、モノづくりの楽しさを実感します。
メカトロ実習
3年次の履修科目メカトロ実習。モータ、センサ、マイコンを搭載した簡易な移動ロボットの製作を行うことにより、メカトロニクス技術への理解を深めます。はじめに基本的な電子部品、計測器、工具などの使い方などの電子工作に必要な基礎知識を学んだ上で、センサ、アクチュエーター(エネルギーを動作に変換する装置)の使い方や必要な回路の製作を行います。その後、ロボットを製作します。授業の最後にはプレゼンテーションとデモンストレーションを行います。
カリキュラム
履修モデル
電気自動車分野
専門科目・発展科目 | 電磁気学、電磁気学演習、モータ工学基礎、モータ制御、電気化学、電池工学、半導体工学、パワーエレクトロニクス工学、アクチュエータシステム、電気回路、アナログ電子回路、センサ工学、計測工学、送配電工学 |
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実験実習 | 機械製作実習、メカトロ実習(ロボット基礎)、メカトロ実習(エネルギー) |
総合演習 | プレキャップストーンプロジェクトI・II、キャップストーンプロジェクトI・II |
ロボット分野
専門科目・発展科目 | C言語プログラミング、C言語プログラミング演習、論理回路、 機構学・移動ロボット入門、ロボットマニピュレータ入門、計測工学、ディジタル制御工学、古典制御工学、現代制御工学、センサ工学、アナログ電子回路、アクチュエーターシステム、電気回路、モータ工学基礎 |
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実験実習 | 機械製作実習、メカトロ実習(ロボット基礎)、メカトロ実習(ロボット発展) |
総合演習 | プレキャップストーンプロジェクトI・II、キャップストーンプロジェクトI・II |
修得する専門知識 (13の専門科目)
設計生産、ロボティクス、計測、力学、制御、 材料、イオニクス、電磁気、アクチュエータ、 エネルギー、デバイス、回路、通信
卒業後の進路
自動車、電気、重電、弱電、モータ、ロボット、機械、化学、電機、情報処理、商社、大学院
※(注記)活躍する主要な産業分野は電気自動車、ロボット、ドローンなどに代表されるメカトロニクス分野を中心に拡大。
KUAS Voice
教員・学生・卒業生の声
AIを活用して人をサポートするロボットを開発する
工学部 機械電気システム工学科
サジド・ニサル 准教授
身体データを計測してアプリを楽しみながら健康に
工学部 機械電気システム工学科
リャン ジールー 准教授
誇りに思う多彩な学びの場
工学部 機械電気システム工学科 3年生
カーソン ラモス クディアマット さん
実践から見つけた将来の道
工学部 機械電気システム工学科 4年生
髙橋 拓海 さん
まだ存在しない新しい価値を生み出したい
工学部 機械電気システム工学科 4年生
戸加里 太一 さん
様々な分野を経験して2ミリの小型超音波モータの開発に成功
工学部 1期生(2023年度卒)
藤谷 月帆 さん
企業と共に課題解決に取り組んだ経験が力になる
工学部 2期生(2025年3月卒業)
後藤 佑太 さん
AIを活用して人をサポートするロボットを開発する
私が研究開発しているロボットには、大きく分けて、人が装着するウェアラブルロボット、人が操作するロボット、人とともに働くロボットがあります。開発中の例をあげると、やわらかくて安全な素材でできたアームが、AI センシングで触れるものの位置や大きさ、力加減を判断して、トマトのようなものを潰さずに運びます。また、遠隔でロボットが触れたものを人の指先にフィードバックする技術は、医療やレスキューなど、幅広いジャンルで活用できるでしょう。車の運転支援では、AI がスピードや周りの状況を判断して、注意喚起が必要な時に、シートに内蔵したバイブレーションで知らせる仕組みもあります。このように、ロボティクスは社会課題を解決して、明るい未来をつくる学問です。
工学部 機械電気システム工学科
サジド・ニサル 准教授
※(注記)所属・役職・学年は取材時のものです
身体データを計測してアプリを楽しみながら健康に
健康づくりに役立つウェアラブルコンピューティングとプログラミングを研究しています。開発中のスマートウォッチのアプリは、心拍数などを記録して、アプリの中でペットを育て、そのペットが健康状態や生活改善をアドバイス。ここでは行動科学の理論を活用し、さらにディープラーニングを使って将来の病気の可能性を予測します。また、目の動きと心拍数は綿密に関わっているため、目の動きをトラッキングする装具を着けて、心拍の乱れをキャッチし、病気の早期発見につなげます。人それぞれ体質や環境が違うため、国内外の大学や研究者と連携して膨大なデータを収集、解析しています。仮説ありきではなく、集めた膨大なデータから導き出すのが、データサイエンスのおもしろさです。
工学部 機械電気システム工学科
リャン ジールー 准教授
※(注記)所属・役職・学年は取材時のものです
誇りに思う多彩な学びの場
友人に誘われてオープンキャンパスに足を運んだ時に、分野の枠に縛られず、いろいろなことを学べる環境に興味を持ちました。工学部の授業はすべて英語なので、言葉の壁を感じることはありません。現在は来春の「ロボットコンテスト」に向けて、ブラッシュアップの日々です。素晴らしい技術力を誇る日本の企業への憧れもありますが、故郷に帰り、京都先端科学大学で学んだことを還元したいという思いが芽生えています。
工学部 機械電気システム工学科 3年生
カーソン ラモス クディアマットさん
※(注記)所属・役職・学年は取材時のものです
実践から見つけた将来の道
半導体開発の研究をしており、キャップストーンプロジェクトではメガネフレーム研摩用治具の開発に携わりました。デザインから評価方法の考案までをチームで行い、3回の発表すべてで賞を獲得しました。その時に、開発した発明品の権利を守る知的財産に興味を持ちました。技術と法律、経営の複合的な知識を身に付けて、知財コンサルタントとして企業の知的財産の価値を向上させるという目標に向かって進みます。
工学部 機械電気システム工学科 4年生
髙橋 拓海さん
※(注記)所属・役職・学年は取材時のものです
まだ存在しない新しい価値を生み出したい。
この大学の工学部がテレビ番組で特集されていて、それを観た両親が進めてくれました。
はじめから偏差値で大学を決めようとは思ってなかったので、工学を英語で学べる大学と知って興味を持ち、第一志望で受験をしました。
最初のうち工学専門の英語には苦労しましたが経験することで徐々に慣れました。一緒にプロジェクトに取り組んでいる留学生がスリランカ出身なので、シンハラ語やヒンドゥー語、インドネシア語なんかもちょっと勉強して話かけています。現地の言葉でコミュニケーションが取れるとお互いの距離感がぐっと近づきますね。
コーナーストーンという自主プロジェクトでは、ドローンの開発から編隊飛行のプログラミングまでを6人のメンバーで進めています。いま部品の選定や組み立てが始まったところですが、各自が得意な分野を担当してお互いの知識を共有しながらプロジェクト進めています。
将来はまだ明確に決めていませんが、海外との関わりが強い仕事を選びたいと思っています。生活に直結した業種で日々の暮らしを良くする仕事がしたいですね。
機械電気システム工学科 4年生
戸加里 太一さん
※(注記)所属・役職・学年は取材時のものです
様々な分野を経験して2ミリの小型超音波モータの開発に成功
高校生の時に参加したワークショップで回路を組み立てて、半導体に興味を持ちました。ゼロからモノづくりがしたくて、他大学の研究室で話を聞いたこともありますが、本学の出原俊介先生に出会って目標が定まりました。小型超音波モータの研究で、先生は直動型、私は先生のものをベースに回転型に取り組み、2023年6月に初めて学会発表を経験しました。モータを作るにはまずアクチュエーター( エネルギーを動作に変換する装置)の性能を理解すること、そして実用化するには制御プログラミング、回路設計、デバイスを埋め込む機械のことなど幅広い知識が必要です。他大学では専門を絞って勉強しますが、本学ではさまざまな専門分野を広く経験した上で、やりたい研究を深めることができます。この環境だったからこそ進みたい道を見つけることができました。
工学部 1期生(2023年度卒業)
藤谷 月帆さん
※(注記)所属・役職・学年は取材時のものです
企業と共に課題解決に取り組んだ経験が力になる
高校までは野球に熱中していたので、大学ではそれまで未経験だったIT関係に挑戦しようと決めていました。苦手だった英語は、1年生で徹底的に学んだことと留学生の友達ができたことで自信がつきました。キャップストーンプロジェクトでは、学部での学びを生かして、コンサルティング会社と一緒にAIを活用したシステム開発を行いました。目標を定めて、グループ内で明確な役割分担をして効率的に進めるという、とても貴重な経験ができたと思います。プロジェクトの発表会に来てくださった縁でANAシステムズの採用試験を受けて内定をもらいました。同社では航空関連のシステムに携わります。例えば、航空機の座席予約アプリの機能向上などがあげられますが、実際に自分が使ったことがあるアプリだったので、採用面接でシステム面からの具体的な改善案を提案できました。就職したら、航空機の安全運航という使命にやりがいをもって経験を積み、常に上を目指して頑張ります。
工学部 2期生(2025年3月卒業)
後藤 佑太さん
※(注記)所属・役職・学年は取材時のものです
主な進路・就職先
主な就職先
NISSHA株式会社/キヤノン株式会社/コクヨ株式会社/ダイハツ工業株式会社/ニデックテクノモーター株式会社/フクシマガリレイ株式会社/フジテック株式会社/株式会社イシダ/
株式会社エクセディ/株式会社エンプラス/株式会社アドバンテスト/株式会社きんでん/株式会社テクノプロ/株式会社電通総研/三浦工業株式会社/三菱マテリアル株式会社/三菱
自動車工業株式会社/西日本旅客鉄道株式会社/ANAシステムズ株式会社/株式会社サイバーエージェント/日本ヒューレット・パッカード合同会社/ボッシュ株式会社(BOSCH)/株
式会社SCREENホールディングス/株式会社SCREENセミコンダクターソリューションズ/サムコ株式会社/サラヤ株式会社(サラヤグループ)/ニデック株式会社/ニデックオーケーケー
株式会社/ニデックドライブテクノロジー株式会社/ニデックパワートレインシステムズ株式会社/ニデックマシナリー株式会社/ニデックマシンツール株式会社/ニデックモビリティ株式会
社/TOWA株式会社/NSW株式会社/株式会社京都製作所/Japan Advanced Semiconductor Manufacturing株式会社/カジマメカトロエンジニアリング株式会社/株式会社寺
岡精工/中菱エンジニアリング株式会社/株式会社ヒラノテクシード/クロイ電機株式会社/オプテックス・エフエー株式会社/株式会社テクノ高槻/由利ロール株式会社 (順不同)
主な進学先
京都先端科学大学大学院工学研究科/京都大学大学院エネルギー科学研究科/九州大学大学院芸術工学府/名古屋大学大学院 /北陸先端科学技術大学院大学 など
Policy
教育ポリシー
教育目的
機械分野と電気分野に跨る専門分野の基礎知識を修得した上で、物事の本質を把握し論理的に思考する能力を身に付け、グローバルな視点で社会ニーズに基づく問題を発見し、自らの専門能力を総合的に駆使して適切に解決できる人材の育成を目的とする。
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
1.知識・理解
1.1 機械分野と電気分野に跨る学際的な工学分野の知識体系を他領域の知識と関連づけながら
修得し、変容するグローバル社会の諸問題を解決するために活用できる。
2.技能
2.1 必要な情報およびデータを適切な方法を用いて収集し、活用できる。
2.2 専門知識や意見について、日本語と英語を用いて他者と意思疎通を行うことができる。
3.思考・判断・表現
3.1 修得した知識、技能並びに経験を活かして、複眼的思考で自らの考えを論理的に組み立て、表現することができる。
3.2 自ら設定した主題に対して、文献調査、実験等で収集した情報に基づき、客観的に分析しながら論理的、批判的に考察することができる。
4.関心・意欲・態度
4.1 学びを通じ、変容するグローバル社会の諸問題に継続的に関心を示し、その問題の解決のために粘り強く主体的に行動できる。
4.2 多様な他者と協働しながら、自律的な社会人として行動できる。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
ディプロマ・ポリシーに掲げた能力を有する人材を育成するために、以下の方針に基づいた教育プログラムを実施する。
1.教育課程編成
1.1 教育課程として、現代リベラルアーツ科目および学部専門科目を配置する。
1.2 機械工学と電気工学に跨る学際領域分野の専門共通科目と専門科目(専門知識と専門技能)を修得させ、多角的に真理を探究する力を育成する。
1.3 専門科目(専門知識と専門技能)を修得後、総合演習(キーストーン、キャップストーン、卒業研究)を通じて、専門的知見に基づく主体的な行動力および問題解決力を育成する。
2.学修方法・学修過程
(学修方法)
2.1 4 年間の教育課程では、現代リベラルアーツ科目や学部専門科目を理論的に学修するだけでなく、演習、実験・実習、総合演習も連動させながら実践的かつ能動的に学修する。
(学修過程)
2.2.1 学部専門科目としての実験・実習・総合演習を通じて、コミュニケーション力、協働力、課題発見力やリーダーシップを育む学修を行う。
2.2.2 1 年生では、初年次科目で、基礎的な課題発見力・解決力およびコミュニケーション力を育む学修を行う。
2.2.3 1 年生および 2 年生では、基礎的な数学・物理・情報処理の知識修得を目指した学修を行い、また、身体活動を通じてコミュニケーション力・リーダーシップ・協調性を育む学修を行う。
2.2.4 グローバルな技術者としての基礎的な英語の語学力の修得を目指して、一貫したカリキュラムで英語科目を学修する。また、英語で学ぶ留学生は、一貫したカリキュラムで基礎的な日本語科目を学修する。
2.2.5 総合演習で社会の一員として、社会の課題の解決を図る力を育む学修を行う。
3.学修成果の評価
3.1 学修成果は、ディプロマ・ポリシーで定められた能力と、カリキュラムの各科目で設定される到達目標の達成度を示すものであり、アセスメント・プランに従って多様な方法で学修成果を評価します。
3.2 各科目の内容、到達目標、および評価方法・基準をシラバスに示し、到達目標の達成度を評価します。
入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)
本学部の教育目的に即した人材を育成するため、本学部の教育目的を理解し、意欲と主体性をもって勉学に励むことができ、高等学校の教育課程で修得する数学と理科(物理基礎・物理)を中心とした基礎的な学力とそれを活用する論理的思考力、また基礎的な英語力と英語コミュニケーション能力を備える人を求めます。