期待、制度、グローバル社会

政治学と経済学はどうすればうまく融合できるのか? 人間社会をうまくとらえる「制度構築の政治経済学」をめざす。

著者 田中 愛治 監修
河野 勝
ジャンル 政治
出版年月 2009年09月
ISBN 978-4-326-30181-2
Cコード 3031
判型・ページ数 A5・264ページ
定価 3,630円(本体3,300円 + 税)
在庫 品切れ・重版未定

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期待とは、現在・将来の生活や他者の行動について自らが抱く願望や予想をさす。そうした期待の形成は、行動規範・ルール、すなわち制度により促進・制約される。また、国内社会における期待は国際的な制度によっても影響され、グローバル化した国際社会のもつ期待の実現は国家の制度的構造によって促進・制約される。

シリーズ刊行のことば

第I部 新たな政治経済学へ

第1章 制度、合理性、期待:新しい政治経済学のための原理的考察[河野勝]
1 はじめに
2 だれの制度か:社会科学における「当事者=観察者」問題
3 蒟蒻問答の混乱、蒟蒻問答という混乱、そして「共感」としての合理性について
4 独りよがりの「信念」から「期待実現社会」へ
5 結論

第2章 政治理論における期待、制度、合理性[ジョン・フェアジョン]
1 最小合理性と実践的理性
2 期待と制度
3 制度について考慮する:3つのモデル
4 結論
フェアジョン論文へのリプライ1:論点の整理と展望[清水和巳]
フェアジョン論文へのリプライ2:3つのモデルの通時的解釈と共時的解釈[須賀晃一]
フェアジョン論文へのリプライ3:政治理論と最小合理性の概念[谷澤正嗣]

第II部 紛争における期待と制度

第3章 国内観衆費用の起源:態度、期待、制度[マイケル・トムズ]
1 はじめに
2 観衆費用をともなう国際危機のモデル
3 態度と観衆費用
4 期待
5 制度
6 結論

第4章 国内の「期待」と国際危機のエスカレーション[安井清峰]
1 はじめに
2 理論的考察:国内政治と国際危機
3 事例研究:湾岸危機再考
4 おわりに

第III部 民主化をめぐる期待と制度

第5章 政治競争、レント・シーキング、汚職:チリにおける「クリーンな」政府の誕生[ガブリエラ・モンティノラ]
1 はじめに
2 汚職の本人=代理人理論
3 チリにおける汚職と競争の構造(1891〜1952年)
4 結論

第6章 選挙権威主義体制の持続と崩壊の論理:経験的検証[関能徳]
1 はじめに
2 経験的証拠:グローバルな選挙権威主義体制の出現
3 理論的説明と仮説構築
4 国家横断的な計量分析による検証
5 事例研究
6 おわりに

第IV部 国際社会への期待と制度

第7章 自由貿易の政治的基盤:人はいかにして自由貿易を支持するのか?[久米郁男]
1 はじめに
2 収斂理論と国別の差異
3 貿易の分配的帰結
4 貿易をめぐるセクター間対立
5 貿易の配分的帰結と経済決定主義
6 国際政治経済学における世論調査研究と生産者バイアス
7 貿易と消費者
8 消費者意識と自由貿易支持に関するサーベイ実験:新たな試みへ
9 おわりに:あるいは、期待と制度

第8章 国際裁判における国家行動のゲーム理論的分析[小林佑次]
1 はじめに
2 観衆費用
3 国際司法裁判所
4 パズル
5 ゲーム・モデル
6 仮説
7 分析
8 結論
補遺 ゲーム・モデルの解法

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