熱帯島嶼における山・里・海連環による環境保全技術の開発【熱帯島嶼環境保全】
2025年09月19日
プロジェクトの活動
セミナー「石垣の資源循環を進める農業研究最前線」開催報告
- 2022年10月26日(水)、石垣市民会館においてセミナーを開催し、会場参加、オンライン参加合わせて88人の方にご参加いただきました。
開催報告として、Q&Aや報告資料を掲載しています。
背景
熱帯島嶼は気候変動の影響や自然災害に対し脆弱で、不適切な土地・水利用による環境の悪化と海洋への影響が顕在化しています。具体的には、森林・マングローブの伐採、農地からの土壌流出や化学肥料・飼料由来の栄養塩類の流出などの環境問題が起きています。「森は海の恋人」と言われるように、山里海は物質循環と人間活動を通じて密接に関係しています。特に山から海までが短い距離で連続している島嶼では、山里海の一体的な取り組みが必要です。
プロジェクト目標
環境資源の適切な管理や生物資源の有効な利活用を通じて土壌流出の抑制と栄養塩類の負荷量削減に寄与する技術を山・里・海で開発・実証し、流域モデルを用いてこれら技術導入による島嶼の河川水質改善等の環境保全効果を定量化します。
研究課題構成
- 熱帯島嶼の山・里・海における環境負荷軽減・資源循環技術の開発
- 熱帯島嶼の流域における栄養塩類・土壌の環境評価および技術導入条件の解明
対象国
フィリピン、日本(石垣島)
成果の対象者・受益者
農山漁業従事者・地域住民、地方自治体・政府機関の農林水産・環境政策担当者
プロジェクトリーダー
安西 俊彦(熱帯・島嶼研究拠点)
プロジェクトポスター
熱帯島嶼における山・里・海連環による環境保全技術の開発【熱帯島嶼環境保全】
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―沿岸生態系の保全対策への活用に期待― - 研究プロジェクト 資源・環境管理アジア・太平洋島嶼水利用制限地域における資源保全管理技術の開発(アジア・島嶼資源管理)
- プレスリリース 環境熱帯島嶼環境保全国際農研とフィリピン農業省土壌水管理局
気候変動対策で包括的連携協定(MOU)を締結
―熱帯島嶼における資源循環型農業の実現が促進―
関連するJIRCASの動き
宮古地区さとうきび技術員会が熱帯・島嶼研究拠点を訪問
令和7年10月9日、宮古地区さとうきび技術員会の一行20名が、熱帯・島嶼研究拠点を訪問されました。同会は、宮古地区の製糖工場、さとうきび関連の市役所、県の普及課、JAなど、さとうきび生産に関係する職員で構成されており、地域のサトウキビ生産に関する情報交流や技術協議の場として活動しています。島外の生産地視察も積極的に行っており、今回の訪問は、八重山農林水産振興センター農業改良普及課の依頼により実現しました。
第11回九州アグロ・イノベーションに出展しました
令和7年9月17日(水)〜9月18日(木)、マリンメッセ福岡B館で開催された「第11回九州アグロ・イノベーション―九州みどりの食料システムEXPO2025―」(主催:日本能率協会)に、国際農研は初めて出展しました。展示ブースでは、「農地からの土壌流出を軽減する部分深耕機&カットソイラ-」や「熱帯・亜熱帯地域向けアジアモンスーンモデル植物工場」など、共同研究の成果を紹介しました。
第54回熱研市民公開講座を3月14日に開催しました
国際農研 熱帯・島嶼研究拠点(熱研)は、第54回熱研市民公開講座「サトウキビの株出し栽培を学ぼう」を令和7年3月14日(金)に石垣市健康福祉センター2F視聴覚室で開催しました。
プレスリリース
関連するイベント・シンポジウム
- 場所
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石垣市健康福祉センター2階 視聴覚室(907-0004 沖縄県石垣市字登野城1357-1)
―石垣島の農業の持続的発展に研究はどう貢献するだろう?―
- 場所
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石垣市健康福祉センター(907-0004 沖縄県石垣市字登野城1357-1)
現地の動き
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Pick Up
637.「きのこの日」
2022年10月14日 明日10月15日は、日本の「きのこの日」です。国際農研の熱帯島嶼環境保全プロジェクトでは、フィリピンをはじめとする熱帯島嶼を対象に、森林が伐採され土壌侵食が生じている山地で、きのこなどの非木材林産物や果樹、有用樹種を複合的に栽培することで森林の価値を高め、森林を保全することを目的としています。
研究成果情報
- 作物栽培条件下の窒素溶脱量抑制には炭化物の表層土壌への施用が有効 (2024)
- 航空機LiDARを用いたマングローブ老齢林バイオマスの推定精度の改善 (2024)
- 炭化物の施用深度の違いは窒素溶脱量と水収支を左右する (2023)