有効成分 | 1包中ケノデオキシコール酸 125mg (1錠中ケノデオキシコール酸 25mgを含有する錠剤を5錠含有) |
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添加剤 | 結晶セルロース、カルメロースカルシウム、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ヒプロメロース、マクロゴール400、タルク |
外形 | 表面 | |
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裏面 | ||
側面 | ||
大きさ | 直径 | 約4mm |
厚さ | 約3.3mm | |
質量 | 37.44mg | |
外観・性状 | 白〜淡黄色のフィルムコーティング錠 |
脳腱黄色腫症
通常、成人にはケノデオキシコール酸として1日量250mgより投与開始し、250mgずつ増量した後、維持量として1日量750mgを、1日3回に分けて連日経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日量として1000mgを超えないこと。また、1回あたりの投与量として375mgを超えないこと。
通常、小児にはケノデオキシコール酸として1日量5mg/kgより投与開始し、5mg/kgずつ増量した後、維持量として1日量15mg/kgを、1日3回に分けて連日経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日量として15mg/kg及び750mgのいずれも超えないこと。また、1回あたりの投与量として250mgを超えないこと。
肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。また、重度の肝機能障害が認められた場合は、本剤の投与を中止すること。
本剤の吸収が低下するおそれがある。回腸末端部に発現する胆汁酸トランスポーター(IBAT)の発現が低下しているとの報告があり1) 、胆汁酸の取り込みが低下しているおそれがある。
肝機能や患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。代謝物により、肝障害を悪化させるおそれがある。
投与しないこと。利胆作用により、胆汁うっ滞が増悪するおそれがある。
肝機能や患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。利胆作用により、胆汁うっ滞を惹起するおそれがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにおいて、乳汁移行が認められている4) 。
小児等を対象とした臨床試験成績は得られていない。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
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制酸作用を有するアルミニウム含有製剤
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本剤の作用が減弱されるおそれがあるため、可能な限り間隔をあけて投与すること。 |
アルミニウムを含有する制酸剤は本剤を吸着し、本剤の吸収が阻害されるおそれがある。 |
陰イオン交換樹脂
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本剤の作用が減弱されるおそれがあるため、可能な限り間隔をあけて投与すること。 |
本剤と結合し吸収が阻害されるおそれがある。 |
ウルソデオキシコール酸 |
本剤及びウルソデオキシコール酸の作用が減弱するおそれがあるため、可能な限り間隔をあけて投与すること。 |
本剤及びウルソデオキシコール酸の吸収が競合するおそれがある。 |
IBAT阻害剤
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本剤の作用が減弱されるおそれがある。 |
本剤のIBATを介した再吸収が阻害されるおそれがある。 |
シクロスポリン シロリムス |
本剤の作用が減弱されるおそれがある。 |
本剤によるコレスタノール蓄積抑制作用に拮抗することで、本剤の治療効果を減弱させるおそれがある。 |
フェノバルビタール プリミドン |
本剤の作用が減弱されるおそれがある。 |
本剤によるコレスタノール蓄積抑制作用に拮抗することで、本剤の治療効果を減弱させるおそれがある。 |
経口避妊薬 |
本剤の作用が減弱されるおそれがある。 |
本剤のプールサイズを減少させるおそれがある。 |
5%以上 |
頻度不明 |
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肝臓 |
肝機能異常 |
ALT、AST、ALP、ビリルビンの上昇等 |
消化器 |
鼓腸 |
下痢、軟便、悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、胸やけ、腹部不快感、腹部膨満感 |
過敏症 |
発疹、瘙痒 |
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その他 |
倦怠感、めまい、顔のむくみ |
ケノデオキシコール酸のヒト血清アルブミンに対する結合率は98.5%であった7) (in vitro)。
脳腱黄色腫症患者15例を対象に、本剤を52週間経口投与する非盲検非対照試験を実施した。成人の用法・用量は、未治療例では250mg/日より開始し、2週間毎に250mg/日ずつ漸増し、750mg/日で投与を継続した。既治療例では本剤以外のケノデオキシコール酸製剤と同量で開始し、2週間毎に750mg/日まで漸増し、750mg/日で投与を継続した。未治療例、既治療例共に最大1000mg/日まで増量可とした。小児の用法・用量は、未治療例では5mg/kg/日より開始し、2週間毎に5mg/kg/日ずつ漸増し、15mg/kg/日(最大750mg/日)で投与を継続した。既治療例では本剤以外のケノデオキシコール酸製剤と同量で開始し、2週間毎に15mg/kg/日まで漸増し、15mg/kg/日(最大750mg/日)で投与を継続した。
組み入れられた15例全例(未治療例3例、既治療例12例)が成人患者であり、小児患者は組み入れられなかった。主要評価項目である血清コレスタノール濃度(μg/mL(平均値±標準偏差))は、各患者の脳腱黄色腫症の診断時は22.25±12.66、ベースライン時は8.66±7.70、投与52週時は6.73±5.67であった。副作用発現頻度は20.0%(3/15例)であり、認められた副作用は肝機能異常(2例)及び鼓腸(1例)であった9)
。
脳腱黄色腫症の患者では、遺伝子変異によるCYP27A1の活性低下により、コレステロールから胆汁酸への代謝が進まず、ケノデオキシコール酸の中間代謝物から生じるコレスタノールが過剰に産生・蓄積されることで、様々な臓器障害が生じる。また、ケノデオキシコール酸の減少により、胆汁酸合成時の律速酵素であるCYP7A1に対する負のフィードバック機構が機能せず、コレスタノールの産生が亢進する。本剤は、ファルネソイドX受容体の活性化を介してCYP7A1に対する負のフィードバック機構を正常化させ、脳腱黄色腫症におけるコレスタノールの産生・蓄積を抑制すると考えられる。
ケノデオキシコール酸(Chenodeoxycholic Acid)
3α,7α-Dihydroxy-5β-cholan-24-oic acid
C24H40O4
392.57
白色の結晶, 結晶性の粉末又は粉末
164〜169°C
12包(スティック包装)[6包×2]
60包(スティック包装)[6包×10]
1) Duane WC, et al. J Lipid Res. 2000;41:1384-1389
2) Yahalom G, et al. Clin Neuropharmacol. 2013;36:78-83
3) Palmer AK, et al. Toxicology. 1974;2:239-246
4) 太田 正道 他. 応用薬理. 1978;15:583-595
6) 内田 清久. ビフィズス. 1992;5:157-172
7) Roda A, et al. J Lipid Res. 1982;23:490-495
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