ジクロフェナクNa点眼液0.1%「ニットー」

作成又は改訂年月

* 2024年 1月改訂 ( 第1版 )

日本標準商品分類番号

871319

薬効分類名

非ステロイド性抗炎症剤

承認等

ジクロフェナクNa点眼液0.1%「ニットー」

販売名コード

YJコード

1319726Q1226

販売名英語表記

Diclofenac Na Ophthalmic Solution 0.1%「NITTO」

承認番号等

承認番号

30100AMX00149000

販売開始年月

1997年 7月

貯法・有効期間

貯法

10°C以下保存

有効期間

3年

一般的名称

ジクロフェナクナトリウム点眼液

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ジクロフェナクNa点眼液0.1%「ニットー」

有効成分1mL中 ジクロフェナクナトリウム 1mg
添加剤ホウ酸、ホウ砂、クロロブタノール、ポビドンK25、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、イプシロン-アミノカプロン酸、pH調節剤

3.2 製剤の性状

ジクロフェナクNa点眼液0.1%「ニットー」

pH6.0〜7.5
浸透圧比0.95〜1.35
性状無色澄明な無臭の水性点眼剤(無菌製剤)

4. 効能又は効果

白内障手術時における下記症状の防止

術後の炎症症状、術中・術後合併症

6. 用法及び用量

通常、眼手術前4回(3時間前、2時間前、1時間前、30分前)、眼手術後1日3回、1回1滴点眼する。

8. 重要な基本的注意

眼の感染症を不顕性化するおそれがあるので、観察を十分に行い、感染を起こした場合は投与を中止すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 点状表層角膜症のある患者

    角膜びらん、さらに角膜潰瘍、角膜穿孔へと進行するおそれがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    蕁麻疹、血管浮腫、呼吸困難等があらわれることがある。

  2. 11.1.2 角膜潰瘍、角膜穿孔(いずれも頻度不明)

    角膜びらん等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

0.1〜1%未満

0.1%未満

びまん性表層角膜炎、角膜びらん

一過性の疼痛、瘙痒感、乾燥感

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。

  • 薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
  • 患眼を開瞼して結膜囊内に点眼し、1〜5分間閉瞼して涙囊部を圧迫させた後、開瞼すること。
  • 他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。
  • 遮光して保存すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

海外の添付文書において、以下の記載がある。

  • 非ステロイド性抗炎症薬は、血小板凝集の阻害作用を持つため、眼手術時に眼組織における出血時間を延長させる可能性がある。
  • アセチルサリチル酸、フェニル酢酸誘導体、その他非ステロイド性抗炎症薬と交叉感受性をもつ可能性があるので、これらの薬剤に過敏な患者には本剤の投与に際して注意が必要である。

16. 薬物動態

16.3 分布

  1. 16.3.1 眼前房水中移行

    白内障など眼内手術患者に0.1%ジクロフェナクナトリウム点眼液を1回1滴点眼後、手術時の前房水中ジクロフェナクナトリウム濃度を測定した。得られた実測値から薬動力学的解析を行い、ヒト眼房水中移行のパラメータを求め、手術前4回(3、2、1、0.5時間前)点眼における前房水中移行モデル曲線を作成した結果、手術前において約0.13ng/μLの濃度が得られた1)

  2. 16.3.2 眼組織内移行

    家兎眼に0.1%14C-ジクロフェナクナトリウム点眼液50μLを単回点眼し、経時的に各眼組織内放射能濃度を測定した結果、外眼部組織では20分、前眼部組織では40〜60分で最高値に達した2)

16.8 その他

  • 16.8.1 生物学的同等性試験
  • ウサギにおけるジクロフェナクナトリウムの眼房水内移行
  • ジクロフェナクNa点眼液0.1%「ニットー」とジクロード点眼液0.1%について、ウサギ眼に点眼投与後、経時的に眼房水中ジクロフェナクナトリウム濃度を測定した。その結果、両剤ともに点眼後45分で最高濃度を示し、以後、経時的に漸減した。両剤間での眼房水中ジクロフェナクナトリウム濃度に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された3)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第II、III相試験

    白内障手術患者を対象とした眼手術前4回及び眼手術後1日3〜4回点眼による二重盲検比較試験を含む臨床試験の結果、術後の炎症症状に対する有効率は59.1%〜90% 4) ,5) ,6) ,7) ,8) 、術中・術後合併症が発現しなかった割合は73.0%〜82.6%であった4) ,5) ,6)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

プロスタグランジン生合成の律速酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害し、プロスタグランジンの生合成を抑制することにより、抗炎症作用を現す9)

18.2 プロスタグランジン生合成抑制作用

家兎眼での前房穿刺による機械的刺激又はアラキドン酸点眼による化学的刺激によって起こる房水中のプロスタグランジンE2、Fの増加に対して、0.1%ジクロフェナクナトリウム点眼液は基剤に比べてプロスタグランジンE2、Fの生合成を有意に抑制した10)

18.3 房水蛋白増加抑制作用

家兎眼での前房穿刺又はアラキドン酸点眼による刺激によって起こる房水中の蛋白増加に対して、0.1%ジクロフェナクナトリウム点眼液は基剤に比べて房水蛋白の増加を有意に抑制した10)

18.4 抗炎症作用

  1. 18.4.1 実験的ブドウ膜炎に対する抑制作用

    感作家兎硝子体への抗原注入によるブドウ膜炎において、0.1%ジクロフェナクナトリウム点眼液は生理食塩液に比べてブドウ膜炎の発症を有意に抑制した11)

  2. 18.4.2 カラゲニン結膜浮腫に対する抑制作用

    ラットでの1%カラゲニン結膜下注入による結膜浮腫において、0.1%ジクロフェナクナトリウム点眼液は生理食塩液に比べて浮腫の発生を有意に抑制した12)

18.5 生物学的同等性試験

  1. 18.5.1 プロスタグランジン生合成阻害作用

    ジクロフェナクNa点眼液0.1%「ニットー」とジクロード点眼液0.1%について、ウサギ眼における前房穿刺及びアラキドン酸点眼刺激による眼房水中プロスタグランジン生成に対する抑制作用を指標として試験を実施し、抗炎症作用を比較した。その結果、両剤とも前房穿刺及びアラキドン酸点眼刺激によるプロスタグランジン生成を著明に抑制し、両剤間では有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された3)

  2. 18.5.2 眼房水蛋白増加抑制作用

    ジクロフェナクNa点眼液0.1%「ニットー」とジクロード点眼液0.1%について、ウサギ眼における前房穿刺及びアラキドン酸点眼刺激による眼房水中蛋白増加に対する抑制作用を指標として試験を実施し、抗炎症作用を比較した。その結果、前房穿刺刺激では、両剤とも点眼後45分で最大の蛋白増加抑制作用を示し、アラキドン酸点眼刺激では、両剤ともControl(無処置)に対し有意に蛋白増加を抑制した。また、両剤間では有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された3)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ジクロフェナクナトリウム(Diclofenac Sodium)

化学名

Monosodium 2-(2,6-dichlorophenylamino)phenylacetate

分子式

C14H10Cl2NNaO2

分子量

318.13

性状

ジクロフェナクナトリウムは白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。

メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、水又は酢酸(100)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。

吸湿性である。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

*外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

プラスチック点眼容器:5mL×10本

24. 文献請求先及び問い合わせ先

日東メディック株式会社 おくすり相談窓口

〒104-0031 東京都中央区京橋1-10-7

電話:03-3523-0345
FAX:03-6264-4086

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

東亜薬品株式会社

富山県富山市水橋開発277番10

26.2 発売元

日東メディック株式会社

富山県富山市八尾町保内1-14-1

2.
2.1
3.
3.1
3.2
4.
6.
8.
9.
9.1
9.1.1
9.7
11.
11.1
11.1.1
11.1.2
11.2
14.
14.1
15.
15.1
16.
16.3
16.3.1
16.3.2
16.8
17.
17.1
17.1.1
18.
18.1
18.2
18.3
18.4
18.4.1
18.4.2
18.5
18.5.1
18.5.2
19.
20.
22.
23.
24.
26.

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