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学問・科学の進展のために、それに携わる人材の育成は極めて重要なことです。基本的には教育研究機関の役割でありますが、民間サイドでの人材育成支援は、多様な人材を輩出する上で欠かせない役割を持っています。医療科学研究所は、研究員育成を重要事業の一つと位置づけ、設立以来継続して力を注いでいます。
医療科学研究所では、「研究員育成委員会」が事業の方針を決め、採用・育成の役割を担っています。現在は、ポスドクの若手研究員を数名、任期2年で採用しています。研究員には、研究所の一員として給与が支払われるほか、研究所内に個別のブースが与えられ、研究費が支給されます。また、ほとんどの研究員が科研費を獲得しています。研究成果は論文や研究報告を通じて発表し、キャリアアップを目指していただきます。
設立以来57人の研究員が在籍し、大学等に職を得て各方面で活躍しています。ご本人の了解を得て、研究員経験者の一部を以下にご紹介します。
研究員育成委員会委員長
望月 眞弓
慶應義塾大学名誉教授
医療科学研究所理事
かつて医療科学研究所に在席した多くの研究員たちは今、各界で活躍しています。
当時、生殖補助医療に関する規制の立法過程や、遺伝性疾患の当事者に関する調査など、生命倫理のテーマに関する社会学の研究をしていました。理事の先生方や先輩・同僚方に同じ分野の方がおられず、場違いな私を受け入れて頂いたことへの感謝の思いが常にありました。日本疫学会「疫学の未来を語る若手の会」の先生方と、医研を拠点に研究班活動を進め、その成果が後に「疫学研究に関する倫理指針」(文部科学省・厚生労働省平成14年、平成27年廃止)の礎となったことは、最大の思い出です。
私は、在籍当時に受けた刺激を活かしてすぐに貢献することはできませんでしたが、年を重ねるにつれ、当時の経験が生かされる場面が増えてきたと感じます。学際的な研究がますます重要視される時代、殻を破って生き抜くための鍛錬の場として過ごしてください。
東京大学医科学研究所教授
医療科学研究所理事
武藤 香織
専門分野の異なる他の研究員との日常的な交流や、研究所内で開催される各種研究会などへの参加によって、自分の専門分野を学んでいただけでは決して得ることのできない幅広い知識や視点、学際的な人脈が得られました。また同世代の研究者だけでなく、「医療科学」に関わる各分野を代表される著名な先生方から、常に温かな督励を受けることもできました。これらの豊かな「刺激」を通じて、自らの研究の新たな着想やテーマ、分析のアプローチを広げることができたと感じます。関連する他の研究分野にも触れ、相互の知と連携することは、互いの知のフィールドをより豊かにすることにつながります。
これからの「医療」に係る課題へのバランスのよいアプローチには、真に分野の専門性を高めるとともに、学際的視点があることも益々必要になると思います。若いうちに医療科学の多様な知に多く触れ、自ら新たなフィールドを開拓されることを期待します。
法政大学経済学部経済学科教授
菅原 琢磨
望月 眞弓慶應義塾大学名誉教授
姉川 知史名古屋商科大学マネジメント研究科教授
小塩 隆士一橋大学経済研究所特任教授
萱間 真美国立看護大学校校長
近藤 克則千葉大学予防医学センター健康まちづくり共同研究部門特任教授
中村 好一自治医科大学名誉教授
三村 優美子青山学院大学名誉教授
武藤 香織東京大学医科学研究所教授
五十音順, 2024年4月1日