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一歩踏み出す勇気で広げる「心のバリアフリー」

電車内の車椅子スペースで車椅子の人にスペースを譲っている様子のイラストと段差で困っている車椅子の人に声をかけている様子のイラスト

施設を改善したり、最新式の設備に取り換えたりといったバリアフリーは、街の中に広まりつつあります。
しかし、施設のバリアフリーだけで全ての困りごとが解消されるでしょうか。
年齢や性別、心身の機能にかかわらず、誰もが不都合なく移動できたり、様々な活動を楽しめるようにするには、施設のバリアフリーとともに「心のバリアフリー」の理解と実践が重要です。バリアフリー整備と心のバリアフリー、その両方を進めていかなければ、本当の意味でバリア(障壁)を取り除くことはできません。
バリアを取り除くには、互いを理解し、コミュニケーションをとって相手の困りごとを知ることが必要です。

バリアフリー設備を無意識に使っていませんか?

せっかくの便利な設備、こんなふうに使われていることも・・・

バリアフリー設備は、障害がある人や高齢者など物理的なバリアの影響を受けやすい人のために設けられたものです。しかし、残念ながらそのバリアフリー設備が正しく利用されていないことがあります。バリアフリー設備が誰のためにあるのか、正しい使い方を知り、実践すること、それは心のバリアフリーです。
例えば、街にあるいろいろなバリアフリー設備が、こんなふうに使われていることがあるかもしれません。

トイレ内で着替える人と、トイレの外で利用待ちしている車椅子の人

バリアフリートイレ

広いスペースや特別な設備を必要とする人のためのトイレです。「服を着替えたいから」、「一般のトイレが混んでいるから」といって利用する人がいれば、バリアフリートイレしか使えない人が利用できません。

車椅子使用者用駐車施設に車が停められていてここでしか乗降できない車椅子利用者が停められない様子

車椅子使用者用駐車施設

一般の駐車区画よりも幅が広くなっており、車椅子の人など、乗り降りに広いスペースを必要とする人のための区画です。「入口に近いから」、「たくさん買うから」といった理由で駐車する人がいれば、本当に必要としている人が利用できません。

無意識の行動に、困っている人がいます

もしかしたら、無意識の行動や何気ない行動が、誰かを困らせたり危険な目に遭わせたりしているかもしれません。今一度、誰のための設備なのか、周りに必要としている人がいないかなどを確認してみましょう。

点字ブロックの上に荷物が置かれていることで、白杖の人がぶつかりそうになっている様子

点字ブロック

点字ブロックの上で無意識に立ち止まったり、荷物が置かれている場面を見たことはありませんか。その人は点字ブロックがあることに無関心になってしまっているかもしれません。視覚障害者の歩行の妨げになることから、点字ブロックの上にものを置いてはいけません。

エレベーターに人がいっぱいでベビーカーを押す人や車椅子の人が乗れずにいることに、エレベーターの中の階段でも移動できる人が気付いていない様子

エレベーター

エレベーターは誰もが利用できますが、エレベーター以外での移動が難しい人がいます。「楽だから」、「並んで待っていたから」と利用する前に、周りに本当に必要としている人がいないか確認しましょう。

電車内の車椅子スペースに人がいて、車椅子の人が入れず困っている様子

車椅子スペース

車椅子使用者やベビーカー使用者等の多様な利用者に配慮されたスペースです。車椅子スペースに立つ前に、そして立ってからも、周囲に目を配り、必要としている人がいたら速やかにスペースを譲りましょう。

心のバリアフリーってどういうもの?

「心のバリアに気づいてください」 「偏見や誤解」のイメージとして盲導犬をつれた人がお店の入店を断られているイラスト 「無関心」のイメージとして優先席がいっぱいで妊婦が座れないイラスト 「無意識の行動」のイメージとして点状ブロックの上に荷物が置かれていることで、白杖を持った人がぶつかりそうになっているイラスト

相手の立場になって考え、行動を起こすこと

様々な人が暮らす社会では、移動する、買い物をする、学ぶ、働く、趣味を楽しむなどの活動をするとき、多くの人にとって不便でないことでも、心身の機能の特性などにより、バリアに直面しやすい人たちがいます。
バリアには様々なものがあり、そのひとつに、偏見や差別、誤解など、意識上のバリアがあります。「きっとそうだろう」という決めつけや無関心、何気なく行っている行動も、意識上のバリアによってつくられるものです。
このような意識上のバリアを「心のバリア」といい、心のバリアを解消する(フリーにする)ことを「心のバリアフリー」といいます。
つまり心のバリアフリーとは、相手の立場になって考え、行動を起こすことです。

困りごとは社会のみんなで解決する

障害がある人や高齢者が困りごとに直面したとき、その困りごとは、その人が自分で乗り越えなければいけないものでしょうか。困りごとを取り除くのは、社会の責務です。この考え方を「障害の社会モデル」と言います。
障害の社会モデルを全ての人が理解すれば、社会全体を変えていくことができます。
そのまず第一歩として、様々な人々がともに暮らしていることを知ることが大切です。

バリアに応じた配慮や行動をとってみませんか?

心のバリアフリーを理解して実践するためには、どんな困りごとがあるかを考え、それを取り除くために行動することが必要です。誤解や決めつけ、無関心といった心のバリアを取り払い、誰もが暮らしやすい社会に向けて一歩踏み出しましょう。

どんなバリアがあるか、いつも意識しよう

バリアに直面しているその人の身になって考えたり、困りごとや悩みを想像してみる。心のバリアフリーは、そこから始まります。電車やバス、お店のなか、道路、学校、職場など、あなたが活動する場所で困ってそうな人はいませんか。どんな困難を抱えているか、見た目で判断してはいけません。その人の身になって考えてみましょう。

段差で困っている車椅子の人のイラスト

何に困っているか、コミュニケーションを取って理解しよう

どのような困難に直面していて、どのような助けや配慮が必要かは、人それぞれです。例えば、同じ車椅子を使用している人でも、感じている困難は人によって違います。何か困っていることは無いか、手伝えることは無いか、コミュニケーションをとって確認しましょう。「お困りですか?」、「お手伝いしましょうか?」など声をかけてみましょう。メモを見せる、身振りを用いるなど、相手に応じた工夫も必要です。

段差で困っている車椅子の人に「お手伝いしましょうか?」と声をかけているイラスト

困りごとがわかったら、行動を起こそう

どんな困りごとがあるかがわかったら、具体的な行動を起こしましょう。このとき、車椅子に触れる前に一声かける、白杖には触らないなど、相手にあわせた配慮を忘れないことが大切です。困りごとは相手によって様々なので、たとえ辞退されたとしても、継続して行動することが重要です。

段差で困っている車椅子の人に「後ろから押しますね」と声をかけ、車椅子を押している人のイラスト

様々な人が暮らすこの社会で、もしかしたら、あなたの何気ない行動や意識が、誰かにとってのバリアを生み出しているかもしれません。周りの人やバリアフリー設備に意識を向けること、それが心のバリアフリーにつながります。困ってそうな人がいたら、コミュニケーションをとり、どんなバリアに直面しているのかを知ってください。バリアに気づき、それぞれのバリアに応じた配慮や行動をとることで、心のバリアフリーが広がります。

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