VOL.208 OCTOBER 2025
KAWAII CULTURE FROM JAPAN
【コラム】各地に広がる「かわいい」マンホール蓋
©R.S.H/RUNE
路上で目にするマンホール蓋が、海外から訪れた観光客の人気を集めている。一般社団法人日本グラウンドマンホール工業会の大石 直豪さんによると、様々なデザインをあしらったユニークなマンホール蓋が登場したのは1980年代半ばだという。「下水道事業のイメージアップと住民へのアピールのために、各自治体が独自のデザインをマンホール蓋に施すようになったことから広がりました」と語る。現在では全国で約1,600万枚が設置され、種類は、過去のデザインも合わせるとおよそ1万2千種類にのぼるという。
当初は地元のシンボルである花や観光名所などが描かれたものが中心だったが、近年はマンガやアニメ、ゲームとコラボした「かわいい」マンホール蓋が登場し、注目されている。
東京都港区の「美少女戦士セーラームーン」や東京都葛飾区の「モンチッチ」、また静岡県静岡市の「ちびまる子ちゃん」や日本各地にある「ポケモン1」、愛知県岡崎市の内藤ルネさんのポップでかわいらしいイラストなどはその代表例である。小学生から高校生までがデザインに関わる取組も各地で進められている。
さらに、全国のデザイン性あふれるマンホール蓋をカードにして紹介する「マンホールカード」も人気だ。現地で配布されるカードを集めながら歩くことで、足元に広がる小さなアートを発見する旅が楽しめる。
是非マンホール蓋を通じて、改めて、私たちの暮らしや社会経済を支えている下水道の価値にも目を向けてみてほしい。
マンホールカードの例。設置場所の座標やデザインの由来などが書かれている。
かわいいマンホール蓋を探せ!
各地を歩いて、かわいらしいキャラクターのデザインのマンホール蓋を見つけたり、「マンホールカード」を集めたりしてみよう!
1. 内藤ルネマンホール(ルネふた)
独特な感性と多彩な才能で「kawaii」文化の原型を作ったアーティスト、内藤ルネさんは愛知県岡崎市の出身。代表的なキャラクターであるルネガールやルネパンダが描かれた蓋が市内7か所に設置。
設置箇所:愛知県岡崎市
2. モンチッチデザインマンホール
1974年に葛飾区西新小岩にある会社より発売されたぬいぐるみの「モンチッチ」。発売から50年近く経った今も世界中で愛され続けている、かわいらしいキャラクターがマンホール蓋に。JR新小岩駅周辺10か所に設置されている。
設置箇所:東京都葛飾区
3. 美少女戦士セーラームーンマンホール
世界中で愛されるマンガ「美少女戦士セーラームーン」。主人公の月野うさぎ(セーラームーン)や仲間たちが暮らす東京都港区の麻布十番商店街入口をはじめ、東京タワー付近など、港区内の5か所に設置されている。
4. ちびまる子ちゃんマンホール
国民的マンガ・アニメの「ちびまる子ちゃん」。作者のさくらももこさんの出身地・静岡県静岡市内の葵区に4枚、駿河区に3枚、清水区に4枚が設置されており、「ちびまる子ちゃん」の世界観が街に広がっている。
設置箇所:静岡県静岡市
5. ポケモンマンホール「ポケふた」
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
全国で展開されているポケモンマンホール「ポケふた」。福島県の会津若松市では、ふくしま応援ポケモンの「ラッキー」とやいばポケモンの「エルレイド」が会津若松市のランドマーク「鶴ヶ城(会津若松城)」をイメージした背景と一緒に描かれたマンホール蓋が会津総合運動公園プロムナードに設置されている。
設置箇所:福島県会津若松市
- 1. 不思議な生き物「ポケモン」を 捕まえたり、育てたり、バトルさせたりすることができるRPG(ロールプレイングゲーム)シリーズ。 第一作は1996年発売。カードゲーム・TVアニメや映画・グッズなど、幅広く展開され、グローバルな人気を得ている。
By MOROHASHI Kumiko
Photo: ©R.S.H/RUNE; ©Sekiguchi; ©Naoko Takeuchi; ©S.P; ©Pokémon. ©Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc.