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VOL.197 OCTOBER 2024
JAPAN’S HEALING FORESTS (PART 2)
Autumn Forests with Colorful Leaves 忍者修行の里、赤目四十八滝(あかめしじゅうはちたき)の紅葉を楽しむ

紅葉の名所で高さ8メートルの荷担にないだき
Photo: 赤目四十八滝あかめしじゅうはちたき渓谷保勝会

三重県の西部、名張なばりにある赤目四十八滝あかめしじゅうはちたきは、四季を通じて変化に富んだ自然景観を誇る。その遊歩道は、片道1時間半ほどかかるハイキングコースとしても人気だ。特に紅葉が見事な秋の渓谷の楽しみ方を取材した。

三重県名張市赤目町には4キロメートルにわたり、川の清流沿いにさまざまな滝が連なっている渓谷があり、一連の滝は総称して「赤目四十八滝」*と呼ばれている。NPO法人赤目四十八滝渓谷保勝会の広報・宣伝を担当する尾家おいえ孝和たかかずさんによると、滝をつなぐ約3.3キロメートルの遊歩道が設けられており、観光名所になっているという。


赤目四十八滝渓谷の秋の様子。渓谷の北側にある山から見た景色。
Photo: 赤目四十八滝渓谷保勝会

「赤目四十八滝は、「日本の滝100選」、「森林浴の森100選」などに選ばれています。滝や川の清らかな流れと深い森がつくる奥深く変化に富んだ大自然を楽しめ、ハイキングはもとより森林浴には最適な渓谷です」

遊歩道では、23もの名のある滝を見ることができるそうだ。

「赤目四十八滝周辺では、火山活動の影響による「柱状ちゅうじょう節理せつり」といわれる溶岩が冷却する際に形成される六角形や多角形の柱状の割れ目が渓谷の侵食により露出している岩場が見られます。赤目四十八滝の特徴の一つは、この岩場と滝との組み合わせが独特の景観を生んでいることです。また、渓谷内にはさまざまな植物が自生していますが、中でもシダ類やコケ類の生育に適しており、岩肌には美しい苔むした風景が広がっています」

遊歩道では、例えば、この渓谷随一と称される高さ8メートルの荷担にないだきや絵画のような美しさと称される千手せんじゅたきなど、ダイナミックな滝の景観を楽しむことができる。


岩場を伝って落水する様が美しい荷担にないだき
Photo: 赤目四十八滝渓谷保勝会

滝、岩、樹木、滝壺が調和した景観が絵画のように美しいと評される千手せんじゅたき
Photo: 赤目四十八滝渓谷保勝会

「滝の流れやせせらぎの音に、鳥やカエルなどの生き物の鳴き声などが重なった自然が生み出す音のハーモニーに浸りながら、豊かな緑と苔むした岩肌の道を散策していただくと、とてもリラックスしていただけます。11月上旬から下旬にかけてはイロハモミジ、カエデ、ヤマザクラなどが紅葉して渓谷を色鮮やかに彩ります。渓流を赤や黄色に色付いた落ち葉が流れゆく様子は風情があり、秋ならではの光景を堪能することができます」


紅葉が終わる頃の竜ヶ壺りゅうがつぼ
Photo: 赤目四十八滝渓谷保勝会

海外から観光に訪れる人も最近、特に増えてきているという。

「海外のお客様は年々増加傾向にあります。英語のマップもありますので、安心して入山していただけると思います」

また、赤目自然歴史博物館で行われている忍者修行アクティビティは訪日外国人にも非常に人気が高いそうだ。

「赤目四十八滝は、かつて伊賀忍者**の修行場であったことで知られるためスタートしたプログラムですが、大変好評です。綱渡りや手裏剣しゅりけん打ち***など、さまざまな修行に挑戦していただきます。4歳くらいのお子様から参加可能なので、ご家族で楽しんでいただけます」


忍者修行アクティビティの例。綱渡りの様子。
Photo: 赤目四十八滝渓谷保勝会

機会があればこの地を訪れて、さまざまな滝の景観美を持つとともに伊賀忍者の里だった歴史も体験できる渓谷、赤目四十八滝を堪能いただきたい。


* 赤目四十八滝の「四十八」の名の由来は、数が多いことを意味する。
** 三重県伊賀地方をルーツとする忍者の流派で、忍術や戦闘能力に秀でた忍者集団として知られる。
*** 手裏剣は、手に取って敵に打ちつける小型の武器を指す。もとは、主に小刀こがたなを用いたが、近世、釘形、十字形など、さまざまな形状のものが使用された。忍者が用いたことで知られ、それを用いる手裏剣術の技法が確立され、現在では武道の一つとなっている。


By MOROHASHI Kumiko
Photo: Akame 48 Falls Gorge Conservation Association

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