VOL.204 JUNE 2025
JAPAN’S RELATIONSHIP WITH WATER
[日本固有の生き物]ニホンリス
ニホンリスは体長16cmから22cmほどで、体と同じくらいの長い尾を持つ。木の上に暮らす樹上性リスで、尾は移動する際にバランスを取ったり、木から木へと飛び移る際にパラシュートのように用いたりするのに役立つ。目の周りにアイリングとよばれる白い毛が生えているのが外来種のリスにはない特徴だ。ニホンリスは冬眠しないため、冬に備えて木の枝の間や地面に穴を掘り、木の実や種子などの餌を隠す「貯食」という習性がある。しかし貯食したすべての餌の場所を覚えているわけではなく、忘れられた種子が発芽して育つこともよくあり、実は知らず知らずのうちに森を育てる役目も果たしている。
Photo: PIXTA